トルコのフラッグシップであり、幅広く国際線に就航するターキッシュエアラインズ(Turkish Airlines)、通称「トルコ航空」。トルコ航空のビジネスクラスを利用してきたので、座席の様子や機内の様子、そしてサービスの様子などを詳しく紹介します。
なお、トルコ航空のビジネスクラスを利用する前に、ルフトハンザドイツ航空・オーストリア航空のビジネスクラスも利用しています。こちらも記事にしています。
また、トルコ航空のビジネスクラスに搭乗した際の様子については、Vlogとしてまとめ、YouTubeに公開しました。こちらもあわせてご覧ください。
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)のB777-300ER
今回搭乗した路線は、オーストリア・ウィーンからトルコ・イスタンブールまでの路線です。機材はB777-300ERで、日本の東京・羽田空港〜イスタンブール路線にも使用されている機材です。
羽田空港にも就航するトルコ航空のB777-300ER
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)のB777-300ERは羽田空港にも就航しています。トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)は2024年現在、日本には東京・羽田、東京・成田、大阪・関西に就航しており、東京・羽田路線はトルコ航空で最大の機材であるB777-300ERで運航されています。
B777-300ERは、トルコ航空が保有する機材の中では最大の機材であり、座席数も多くなっています。ビジネスクラス49席、エコノミークラス300席の合計349席を誇る機材です。なお、日本のANAやJALが運航するB777-300ERのように、ファーストクラスやプレミアムエコノミークラスはありません。
ビジネスクラスはフルフラットの座席
今回搭乗したのはビジネスクラスです。ビジネスクラスの座席は、日本の航空会社と比べるとやや劣ります。
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)が運航する最新の機材である、B787などではさらに新しい、プライベート感のあるシートが導入されています。
B777-300ERの広さが改めてよくわかります。座席は2+3+2という、やや特殊な座席配列になっています。
やや古い、プライベート感はあまりないビジネスクラスですが、隣との間にはパーテーションがあります。また、座席は180度フルフラットになるため、快適に寝ることができます。
座席は完全にフルフラットにすることができます。東京・羽田路線などの長距離路線では寝具も用意されており、快適に寝ることができます。エコノミークラスと違って横になって寝られるのは、全然違います。
各座席には大型モニターやコンセントを完備
各座席には大型のシートモニターが配置されています。最近の個室感のあるビジネスクラスと比べると、モニターまでが遠いため、大きなモニターがフル活用できていないことが残念。
シートモニターには映画などのコンテンツがありますが、日本の映画はほとんどありません。洋画はそれなりに揃っています。また、機外カメラの映像を見ることもできます。
各座席のすぐ手元の部分にコンセントが設置されています。コンセントの位置がとても使いやすい。コンセントを差しっぱなしでも邪魔にならない、今まで使った飛行機の中で最も使いやすい位置にあります。
座席モニターはやや遠い。ということで、各座席にはコントローラーがあります。座席モニターはコントローラーでの操作が基本となり、タッチ操作はほとんど使用しません。
各座席のテーブルもかなり広々としています。折りたたみ式のテーブルではなく、完全にフラットなテーブルでこれだけの広さがあるのは、かなり快適。
リクライニングは電動
先ほども少し触れたように、座席は完全にフルフラット(ベッド)になります。座席の操作はもちろん、電動リクライニングになっています。
手元の操作パネルで座席を操作できるようになっています。この操作パネルのデザインが、なかなかかっこいい。枕元や足元などの位置を細かく調整できるほか、ボタンひとつでフルフラットにすることも可能です。
プライベート感こそないものの、ビジネスクラスは全体として落ち着きがある空間になっており、かなり快適です。
トルコ航空のサービスやアメニティ
ここからはトルコ航空(ターキッシュエアラインズ)のサービスやアメニティについて解説します。なお、サービス内容については変更されること、路線によって変わることもあるので、最新情報はターキッシュエアラインズ公式サイトをご確認ください。
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)は持ち込み手荷物が厳しい
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)は、手荷物の持ち込み制限があります。国際線ではスーツケースなども持ち込むことができますが、国内線の場合はかなり厳しくなります。
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)のエコノミークラスを利用する場合、「1名につき機内持ち込み手荷物1個(最大寸法:23×40×55cm、重量:8kg以内)と身の回り品1個(最大寸法:40×30×15cm、重量:4kg以内)」となっています。一方、ビジネスクラスを利用する場合は「1名につき合計16kg以内の機内持ち込み用バッグ2個(1個の最大寸法:23x40x55cm、重量:8kg以内)と身の回り品1個(最大寸法:40×30×15cm、重量:4kg以内)」となっています。
特に、エコノミークラスを利用する場合、持ち込みの制限が特に厳しいです。国内線ではゲート前で手荷物の検査も行われているので、預ける必要があります。
2024年のヨーロッパ旅行でトルコ航空(ターキッシュエアラインズ)を4回ほど(国内線を2回と国際線を2回)利用しましたが、国際線はそこまで厳しくはありませんでした。が、厳しく扱われる可能性もあるので、手荷物は預けられるように準備しておきましょう。
なお、ビジネスクラスを利用する場合、手荷物の預け入れではビジネスクラス専用のレーンが利用できます。イスタンブール空港ではそこまで並びませんが、むしろ他の空港の方がかなり並ぶのでありがたい。
また、イスタンブール空港では保安検査・出国審査にかなり並びますが、優先レーンが利用できます。このシステムもありがたい。
スターアライアンス加盟会社のため、ANAマイルの積算も可能
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)はスターアライアンスの加盟航空会社です。スターアライアンスは世界最大の航空連合で、日本の航空会社ではANAが加盟しています。
スターアライアンス加盟航空会社の便を利用する場合、他社のマイレージを積算することができます。つまり、トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)の利用で、同じスターアライアンスのメンバーであるANAのマイレージを積算することができるのです。
タイプ | 予約クラス | 区間基本マイレージに対する積算率 |
---|---|---|
普通運賃 | C, D, Z, K | 125% |
割引運賃 | J | 100% |
ビジネスクラス利用の場合のマイレージ積算率です。ビジネスクラスの利用の場合は、割引運賃でも100%の積算率となります。
タイプ | 予約クラス | 区間基本マイレージに対する積算率 |
---|---|---|
普通運賃 | Y, B | 100% |
普通運賃 | M, A, H | 70% |
キャリアペックス運賃 | S, O, E | 70% |
割引運賃, 包括旅行運賃 | Q, T, L, V | 50% |
エコノミークラス利用の場合のマイレージ積算率です。この積算率はかなりいい方で、ANA運航便を利用した場合とほぼ変わらない積算率となっています。
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)はかなり多くの目的地へと便を飛ばしているのも特徴です。イスタンブールで乗り継ぐことでアフリカ・ヨーロッパ各地へと行くことができるので便利です。
ターキッシュエアラインズのアメニティ
最後に、トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)のビジネスクラスにおけるアメニティ類も簡単に紹介します。
ヘッドホンが用意されています。ヘッドホンはノイズキャンセリングもついているようで、しっかりしたヘッドホンです。ここはさすが、ビジネスクラスという感じです。
なお、ここで紹介したのは短距離国際線のアメニティです。長距離国際線(日本路線など)を利用する場合、毛布や枕などの寝具、そしてアメニティポーチが提供されます。
ビジネスクラスの専用チェックインカウンターが利用可能
ビジネスクラスを利用する場合、専用のチェックインカウンターが利用できます。特にトルコ航空(ターキッシュエアラインズ)が拠点とするイスタンブール空港では、専用エリアがあり、そのまま手荷物検査・出国審査も優先レーンが利用可能です。
僕は帰国の際、ドイツ・ハンブルクへと向かったためエコノミークラスでイスタンブール空港から出国しました。手荷物検査と出国審査で1時間近く並んだため、優先レーンは非常に威力を発揮します。
イスタンブール空港以外では、イスタンブール空港ほどしっかりしたビジネスクラスチェックインレーンがあるわけではありません。ただ、ビジネスクラスだけは別のレーンに分けられており、並ぶ列の長さは全然違います。
ビジネスクラス利用の場合、スターアライアンスのラウンジが利用可能
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)はスターアライアンスの加盟航空会社です。ビジネスクラスを利用する場合、ラウンジが利用可能です。
トルコの主要空港においては、ターキッシュエアラインズ・ビジネスクラスラウンジが利用できます。僕は今回、トルコ・イスタンブール着便でビジネスクラスを利用したため、ターキッシュエアラインズのラウンジは利用していません。
日本では同じスターアライアンス加盟航空会社であるANAと提携しています。そのため、羽田空港・成田空港・関西国際空港を発着する便においてはANAラウンジが利用できます。
羽田空港のANAラウンジの内部については、過去に何度も利用しているため、別の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせて、ご覧ください。
ちなみに、羽田空港や成田空港のANAラウンジより、イスタンブール空港のターキッシュエアラインズのラウンジの方が圧倒的に、食べ物が充実しています。
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)は機内食も一流
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)は機内食も一流です。機内食はトルコ料理などが提供されますが、路線によってメニューが異なります。
搭乗後はウェルカムドリンクのサービス
ビジネスクラスを利用する場合、搭乗後・出発前にウェルカムドリンクの提供があります。ウェルカムドリンクはしっかり、グラスのコップで提供されます。
ウェルカムドリンクは、レモネードやオレンジジュースなどがあります。トルコはイスラム教徒が多い国なので、アルコールの提供がない場合もあります。
機内食メニューが配布される
ウェルカムドリンクを飲んでくつろいでいると早速、機内食メニューが配布されます。CAさんが手渡しで配ってくださいます。
機内食のメニューは路線によって言語が異なります。ヨーロッパ路線では基本的に、トルコ語+英語のメニューが配布されます。日本路線では、日本語+英語+トルコ語のメニューだったりするようです。おそらく、ヨーロッパ路線では往復分の機内食がイスタンブールで積み込まれているためだと考えられます。
機内食のメニューは路線によって異なります。トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)では、「近距離国際線」(主にヨーロッパ路線)、「大西洋横断路線」(主に北米・南米路線)、「大陸間路線」(主に北東アジア、アフリカ路線)の3種類に分かれています。
イメージ画像がトルコ航空(ターキッシュエアラインズ)の公式ページに掲載されていますので、ご覧ください。
Selection of cheese and smoked beef
まず初めに「チーズとスモークビーフのセレクション」。こちらは前菜(?)的な位置付けのようで、離陸後すぐに提供されました。
このチーズがなかなか美味しい。さらに、飛行機の中なのに新鮮で美味しいきゅうりやトマトといった野菜があるのもGOODです。
メインは3種類 SMOKED TURKEY AND CHEESE OMELETTE
最初のプレート「チーズとスモークビーフのセレクト」が下げられたのち、メインへと移ります。メインは、
- SMOKED TURKEY AND CHEESE OMELETTE-panfried tomatoes in olive oil(スモークターキーとチーズのオムレツ パンで揚げたトマトを入れたオリーブオイルで)
- SELECTION OF “GOZLEME”-traditional grilled flat phyllo pastry filled with leaf spinach, white cheese(「GOZLEME」のセレクション – 葉のほうれん草、ホワイトチーズたっぷりの伝統的なグリルフラットフィロペストリー)
- HOMEMADE PORRIDGE WITH DRIED FRUIT(ドライフルーツ入り自家製粥)
の3種類から選ぶ形でした(機内で配布されたメニューより、日本語訳は筆者訳)。ちなみに機内食は変わることもあるので、同じメニューがあるとは限りません。
僕はチーズオムレツを注文。チーズの風味がある、ふわふわのオムレツがとても美味しかった。想定以上にお腹が膨れました。
着陸前にナッツの提供
メインディッシュが終わった頃には既に飛行機は降下を開始。着陸前にビジネスクラスの乗客全員にナッツが配布されました。
トルコのローストナッツが入っています。このナッツもなかなか美味しかった。こちらもトルコ航空(ターキッシュエアラインズ)のオリジナルのナッツのようです。
ターキッシュエアラインズでオーストリア・ウィーンからイスタンブール搭乗記
最後に、今回僕が2024年5月のヨーロッパ旅行で利用した、オーストリア・ウィーン→トルコ・イスタンブールの便の様子を紹介します。
オーストリア・ウィーン国際空港でチェックイン
前日、ルフトハンザドイツ航空B747-8のビジネスクラスで東京・羽田からフランクフルトへ、そしてオーストリア航空A320のビジネスクラスでオーストリア・ウィーンへとやってきました。
ちなみにこんな意味不明なほどの乗り継ぎをしてきたのは、ANAのマイレージ消化をしたかったからです。
オーストリア・ウィーンのマリオットホテルに1泊。10:45発という、意外といい時間の出発なので、8時過ぎまでホテルでのんびり休息。そして8時半ごろに空港へ向かってチェックイン。
トルコ航空(ターキッシュエアラインズ)はアジア方面からヨーロッパへの乗り継ぎに便利であることもあって、かなりお客さんがいます。エコノミークラスのチェックインカウンターはかなりの行列ですが、僕はビジネスクラス利用。サクッとチェックインします。
チェックインが完了したので、保安検査場へと向かいます。ウィーン国際空港の保安検査場は、シェンゲン圏内路線とシェンゲン圏外路線で同じです。保安検査を受けた後にシェンゲン圏からの出国審査を受けることになります。
オーストリア航空のラウンジへ
シェンゲン圏の出国審査まで終えたので、ラウンジへ。ウィーン国際空港を拠点とするスターアライアンスのメンバーであるオーストリア航空ラウンジを利用することになります。
オーストリア航空のラウンジは、ちょっとわかりにくい。そして入ってみると、なんと座席は満席。相席になりました。
ちなみにエアラインのラウンジであるため、食事はかなり充実しています。朝ごはんをまだ食べていなかったため、ラウンジで軽くいただきます。
相席した座席には、これからシカゴへと向かう30代〜40代の女性がいました。これからトルコに行くんだ、みたいな話で少し盛り上がりました。
ゲートへ向かい、搭乗
出発の1時間前、ボーディングの時間になったのでゲートへと向かいます。ボーディングパス(搭乗券)には出発1時間05分前の9:40が「Boarding time」として書かれていました。
ボーディングタイムにゲートへ行きましたが、まだボーディングは始まりません。まあ、出発1時間前に始まったら早いしな、なんて思いながら、出発まで待機します。
B777-200。日本でもANAとJALが運用しており、よくみる飛行機です。ちょっとここでは、全景が撮影できませんでした。
ビジネスクラスの乗客としては一番乗りでした。ウィーン〜イスタンブールの区間は、ビジネスクラスについては比較的お客さんも少ない。ということを事前のシートマップで確認していたのですが、意外にも隣にお客さんが来ました。
離陸 オーストリア・ハンガリー・ルーマニア上空を通りトルコへ
飛行機は時刻通り、ウィーン国際空港を離陸しました。ウィーンを離陸して、ヨーロッパの大地を飛行していきます。
飛行機はハンガリー、ルーマニア上空を通過します。飛行機からは、中央ヨーロッパ最大の湖であるBalaton(バラトン)湖があります。
中央ヨーロッパから南ヨーロッパへ。飛行時間は3時間ちょっとあるかと思いきや、時差が1時間あったためそこまで長くはなかった。
イスタンブール空港に着陸
機内食を食べていたらあっという間に、トルコ上空へとやってきました。黒海上空からトルコの上空へ侵入。
イスタンブール近郊の街が見えてきました。イスタンブール周辺はかなり栄えています。ヨーロッパの中でもかなりの大都市であることがわかります。
イスタンブールに到着しました。イスタンブールでの入国審査は、本当に何も聞かれなかった。「行っていいのか?」とこっちが聞いてしまったほどです。
イスタンブール空港からイスタンブールの市街地へのアクセスについては、こちらの記事で詳しく解説してます。
イスタンブールにおける地下鉄やメトロの乗り方、イスタンブール版Suicaともいえる「イスタンブールカード」など、イスタンブールにおける地下鉄・メトロの乗り方についての解説も投稿しました。
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