秋田と青森をつなぐ奥羽本線の特急「つがる」。都市間を結ぶ特急として、また新幹線と連絡して仙台・東京方面を結ぶ列車として活躍しています。
実際に特急「つがる」に乗車してきたので車内の様子を紹介。また、2024年からデビューする「スーパーつがる」についても解説します。
特急「つがる」「スーパーつがる」は青森と秋田を結ぶ特急
特急「つがる」は青森と秋田を結ぶ特急列車です。1日3往復が運転されており、そこまで本数が多い特急列車ではないものの一定の需要がある特急列車です。
特急つがる・スーパーつがるの停車駅
まず初めに、特急つがる・スーパーつがるの停車駅です。特急「つがる」は秋田〜青森間の主要都市と主要観光地に停車していきます。一方、特急「スーパーつがる」は速達タイプの列車で、停車駅は少なくなっています。
停車駅名 | 特急つがる | 特急スーパーつがる |
---|---|---|
秋田 | 始発駅 | 始発駅 |
八郎潟 | ◯ | (通過) |
森岳 | ◯ | (通過) |
東能代 | ◯ | ◯ |
二ツ井 | ◯ | (通過) |
鷹ノ巣 | ◯ | ◯ |
大館 | ◯ | ◯ |
碇ケ関 | ◯ | (通過) |
大鰐温泉 | ◯ | ◯ |
弘前 | ◯ | ◯ |
浪岡 | ◯ | (通過) |
新青森 | ◯ | ◯ |
青森 | 終着駅 | 終着駅 |
特急つがる・スーパーつがるは、単線区間の多い奥羽本線を走るため、最高速度が95km/hにおさえられています。そのため、所要時間は特急「つがる」で2時間40分程度、特急「スーパーつがる」で2時間30分程度とやや時間のかかる特急列車です。
2024年春からは「スーパーつがる」がデビュー
2024年3月16日のダイヤ改正において、特急の中でも速達タイプの特急「スーパーつがる」が設定されることになりました。停車駅が絞られ、「スーパーつがる1号」で11分の所要時間短縮、「スーパーつがる2号」で14分の所要時間短縮となりました。
- スーパーつがる1号 秋田12:49→青森15:20(11分短縮)
- スーパーつがる2号 青森12:40→秋田15:12(14分短縮)
最高速度は変わらず、停車駅が変わる程度です。 また、特急「つがる」と特急「スーパーつがる」の間に料金の差はなく、特急「スーパーつがる」にも自由席の設定があります。
JRの在来線で「スーパー」のつく特急列車は、JR西日本の「スーパーはくと」「スーパーおき」「スーパーいなば」が残る程度です。JR東日本では「スーパーあずさ」を最後に姿を消しており、ここに来て新たに「スーパー」を冠する特急が登場したことは、非常に驚きを持って迎えられました。
特急つがる・スーパーつがるの自由席混雑状況
特急「つがる」「スーパーつがる」の自由席は比較的空席があります。4両編成では輸送力過剰と思われるほどで、改造などの費用対効果から4両編成で運転されているだけかと思われます。
したがって、指定席を取らなくても自由席で座ることができるでしょう。ただ、後ほど紹介する「えきねっとトクだ値」を使うと指定席の方が安いこともあります。予定がすでに決まっているのであれば、「えきねっとトクだ値」を予約し、指定席を使うのがおとくです。
ただ、僕が乗車した日はJR東日本の乗り放題パスが発売されている期間でした。このきっぷを使った乗客が圧倒的に多かった。このような、いわゆる「乗り鉄」向けのきっぷが発売されると、首都圏から最も遠いこともあってかなり混雑します。
特急つがる・スーパーつがるの車内を徹底紹介!
続いては特急「つがる」「スーパーつがる」の車内を徹底的に紹介します。なお、僕が乗車したのは「旅せよ平日!JR東日本たびキュン 早割パス」の期間内だったこともあり、自由席が混雑していました。そのため、座席の詳細な写真については一部、同じ座席を使用している特急「いなほ」の座席の写真を利用しています。
普通車の座席は「いなほ」などとほぼ同じ
座席は特急「いなほ」とほぼ同じ座席が採用されています。ただしデザインは特急「スーパーはつかり」の時代から変わっていません。
座面は黒を基調とした座席になっています。背もたれの部分は紫色を基調とした座席になっています。モケットは「湖面の輝き」をイメージしているそうです。
特急列車のため、座席にはもちろんリクライニングが装備されています。特に座席の背もたれ自体が倒れることに加えて、座面が前にスライドします。また、前の座席の下に足を伸ばせるようにスペースが確保されているなど、居住性はかなり高いです。
座席には広々としたテーブルを完備
各座席には広々としたテーブルが完備されています。特急列車に乗る際は、場合によっては駅弁などを食べることも。広々としたテーブルは必須ですね。
E751系はやや古い特急型の車両ですが、座席背面には座席幅いっぱいを使ったテーブルが設置されています。
座席のテーブルを広げた様子です。広げると一般的な新幹線などとほぼ同じタイプのテーブルが設置されています。ドリンクホルダーの部分もあります。
客室内には電光掲示板が設置されています。特急列車としてはスタンダードな電光掲示板で、停車駅などが表示されます。
お手洗いや洗面台はやや古いが洋式
トイレは洋式便所になっていますが、やや古さを感じさせます。ウォシュレットなどはもちろんついていません。
一応、水洗式になっていますが、水洗ボタンはこの通り。かなり古さを感じさせるようなボタンになっていることがお分かりいただけると思います。
お手洗いの個室内にも洗面台が設置されています。後に紹介するように、洗面台はお手洗いの個室の外にも設置されています。ここは簡易的な洗面台です。
個室の外に設置された洗面台です。自動センサー式の蛇口になっており、石鹸もあります。最近のJR東日本の特急・新幹線では、水・石鹸・エアタオルが一体になったものが増えてきていますが、特急「つがる」「スーパーつがる」はやや古い車両のため、そこまでは装備されていません。
お手洗いや洗面台などの設備についても詳しく紹介してきました。やや古い車両ですが、当面は使用され続けることになるかと思います。
特急つがるの乗り方・予約方法
最後に特急「つがる」「スーパーつがる」の料金や乗り方、予約方法などの情報について詳しく解説します。
特急「つがる」「スーパーつがる」の料金
特急「つがる」「スーパーつがる」の料金です。特急「スーパーつがる」は停車駅が少ない列車であり、特別に追加料金が必要なわけではありません。車両も同じ車両で運転されます。
区間 | 普通車自由席 | 普通車指定席 | グリーン車 |
---|---|---|---|
秋田~大館 | 3,340円 | 3,870円 | 6,140円 |
秋田~弘前 | 4,000円 | 4,530円 | 6,800円 |
秋田~青森 | 5,170円 | 5,700円 | 7,970円 |
弘前~青森 | 1,200円 | 1,730円 | 2,500円 |
特急つがる・スーパーつがるには自由席・指定席・グリーン席があります。秋田から青森までの普通車指定席で5,700円となっています。
また、JR線の特急列車であるため、新幹線などから乗り継ぎで利用する場合、乗車券については新幹線区間から連続して購入できます(乗車券は東京都区内〜弘前、など)。
予約は「えきねっと」がオススメ
予約にはJR東日本のネット予約「えきねっと」の利用がオススメです。スマートフォンなどから予約ができ、シートマップを見ながら座席の指定も可能。
「えきねっと」には1日前・14日前までに予約することで割引が効くきっぷ「えきねっとトクだ値」が設定されています。「えきねっと特急トクだ値1」は1日前(前日)まで予約が可能、「えきねっと特急トクだ値14」は14日前まで予約が可能です。
区間 | 特急トクだ値1 | 特急トクだ値14 |
---|---|---|
秋田~大館 | 3,480円 | 2,700円 |
秋田~弘前 | 4,070円 | 3,160円 |
秋田~新青森・青森 | 5,120円 | 3,980円 |
大館~新青森 | 2,530円 | 1,960円 |
大館~青森 | 2,690円 | 2,090円 |
また、「えきねっと」で普通車指定席・グリーン車指定席を予約すると、JR東日本の共通ポイント「JREポイント」が貯まります。JR東日本としても「えきねっと」に予約を統一したいこともあって、お得がたくさん。えきねっとを使わない手はありません。
また、「えきねっと」では一部の期間で期間限定の割引が行われています。2024年12月1日から2025年1月31日まで(ただし12月26日から2025年1月5日までの期間は対象外)には、「えきねっとチケットレス」が最大半額となるキャンペーンが実施されています。普通車指定席を「えきねっと」で購入すると、秋田〜新青森・青森駅間が1,140円(通常2,290円)、秋田〜大館・弘前間が940円(1,890円)、大館〜青森・新青森駅間が740円(通常1,480円)など、大幅な割引が設定されています。
「五能線フリーパス」では、特急券を購入すればOK
観光向けの路線として人気な五能線。この五能線を幅広く観光するのに便利な「五能線フリーきっぷ」。五能線フリーきっぷは、特急列車に乗車の際「乗車券部分としてのみ有効」となっているため、逆にいうと特急券を別途購入すれば特急「つがる」「スーパーつがる」を利用できます。
ただし、東能代〜弘前駅間の奥羽本線は「五能線フリーパス」では利用できません。秋田〜東能代、弘前〜青森間以外の区間を利用する場合、別途乗車券が必要になるので注意が必要です。
コメント