大阪ミナミの中心地・難波と関西エリアの玄関口・関西国際空港を結ぶ南海特急ラピート。実際に特急ラピートを利用してきたので、解説します。
特急ラピートの料金は?少しでも安く乗る方法は?座席や車内の設備は?などといった疑問にお答えします。
特急ラピートの車内からの様子についてはVlogも作成しました。併せてご覧ください。
関西国際空港と難波を結ぶ特急ラピート
特急ラピートは南海電鉄が運転する特急列車で、関西空港へのアクセスの一端を担っている列車です。「鉄仮面」の愛称で親しまれている特急ラピートは特徴的な外観をしています。
大阪・南エリアから関西国際空港への最も便利な手段
関西国際空港は大阪の玄関口となる空港です。2023年現在、北米やヨーロッパへの直行便も就航しており、名実ともに大阪への玄関口となっています。
関西国際空港は、国内線専用の伊丹空港(大阪国際空港)より大阪の都心から離れています。そのため、鉄道でのアクセスがしっかりと確立されています。関西の大手私鉄である南海電鉄とJR西日本が関西国際空港駅に乗り入れています。両社とも有料特急および運賃のみで乗れる急行・快速列車を運転しています。
JR西日本の関空特急「はるか」が新大阪・大阪からのアクセスに便利であるのに対し、南海電鉄は大阪南エリアの大阪難波エリアからのアクセスに便利です。すなわち、
- 大阪梅田エリアからならJRの特急はるか
- 大阪南エリア(難波・今宮など)からなら南海の特急ラピート
という使い分けになります。なお、JRの特急はるかについては既に記事を書いていますので、こちらも参考にしてください。
特急「はるか」は新型の編成が投入され、コンセントとWi-Fiを備える車両もあります。デザインこそ南海ラピートほどではないものの、車内設備はかなり充実しています。ラピートもそろそろ更新されるでしょうから、楽しみですね。
特急ラピートの料金は?安く乗る方法も解説
特急ラピートの運賃について解説します。特急ラピートの特急券はレギュラーシート大人520円、小人260円、スーパーシートが大人730円、小人470円(全区間共通)です。これに加えて運賃が必要となります。最も利用が多い、関西空港から難波までの間の運賃は930円で、関西空港から難波までの料金は合計1,450円となります。
ただし、特急ラピートは割引きっぷが発売されています。片道でも使用できる割引きっぷなので、使わない手は正直、ない。たとえば、
普通運賃+特急券(レギュラーシート):1,450円 → 関空トク割 ラピートきっぷ: 1,290 円
という割引です。発売価格は、
- 【レギュラーシート】 大人: 1,290 円 小児: 650 円
- 【スーパーシート】 大人: 1,500 円 小児: 850 円
となっており、スーパーシート用も販売されています。
決済方法は次のようになっており、ピンク色の券売機ではクレジットカードも使用できます。
ピンク色の券売機 | グレー色の券売機 | |
---|---|---|
発売時間 | 平日・休日とも始発から 24:00(関西空港駅については 23:00)まで ※各月の月末日は始発から 20:00 まで | 平日・休日とも始発から終列車まで ※難波駅南口は 7:00~23:30 まで |
決済方法 | 現金、クレジットカード、交通系ICカード(プリペイド) | 現金、交通系 IC カード(プリペイド) |
特急ラピートαとβの違いは
特急ラピートには、αとβの2種類があります。日中の多くの時間帯では「特急ラピートβ」となります。朝夕の一部時間帯に限り、「特急ラピートα」も運転されます。特急ラピートαとβの違いは停車駅です。
駅番号 | 停車駅名 | 特急ラピートα | 特急ラピートβ |
---|---|---|---|
NK01 | 難波 | ◯ | ◯ |
NK03 | 新今宮 | ◯ | ◯ |
NK05 | 天下茶屋 | ◯ | ◯ |
NK11 | 堺 | 通過 | ◯ |
NK24 | 岸和田 | 通過 | ◯ |
NK30 | 泉佐野 | ◯ | ◯ |
NK31 | りんくうタウン | ◯ | ◯ |
NK32 | 関西空港 | ◯ | ◯ |
このように、堺と泉佐野の2駅に停車するか否かの違いです。
車両は特急ラピートαでもβでも変わりがありません。また、途中で特急同士の追い越しなどもないので、基本的には時間的に都合の良い方を選べば問題ないでしょう。
特急ラピートの車内や座席の様子を徹底的に紹介
続いては特急ラピートの車内の様子や座席の様子を徹底的に紹介します。
実際に関西国際空港を利用する際に、レギュラーシート・スーパーシートの両方を使用しました。
鉄仮面のような見た目が特徴の特急ラピート
特急ラピートは外観が特徴的です。「鉄仮面」の愛称で呼ばれる通り、仮面ライダーのような見た目。
前面の鉄仮面のような見た目はかなり特徴的です。
側面にはラピートのロゴが。ラピートとは、ドイツ語で「速い」という意味で、大阪ミナミから関西空港を最短で結ぶ特急列車にふさわしい名前です。
空港特急らしく手荷物置き場なども完備
特急ラピートは空港特急です。空港特急らしく、車端部には手荷物置き場などが充実しています。
鍵付きの手荷物置き場があるので、関西国際空港から海外へ行くために、大きな手荷物を持っていても安心して利用できます。
なお、頭上にも荷物だながあります。頭上の荷物だなは蓋付きの荷物だなで、あまり容積も大きくありません。大きな手荷物は基本的に手荷物置き場に置くことになります。
特急ラピートには「レギュラーシート」と「スーパーシート」がある
特急ラピートには2クラスの座席クラスの設定があります。「レギュラーシート」と「スーパーシート」です。
関西空港方面から順に、1号車・2号車の順で、最も難波寄りの車両が6号車です。1号車〜4号車がレギュラーシート、5号車と6号車がスーパーシートになっています。難波駅で最も改札口が近くなる5号車と6号車がスーパーシートです。
座席の様子は次の章以降に解説しますが、レギュラーシートは2+2の4列シート、スーパーシートは1+2の3列シートになっています。両方に乗車しましたが、やはりスーパーシートの方が座席の幅や間隔が広く、快適です。最短34分という短い所要時間でスーパーシートほどの快適性が必要なのかには疑問がつきます。
特急ラピートのスーパーシート
まずは上位クラスであるスーパーシートの様子からご紹介します。
グリーン車並みの1+2の3列配置
スーパーシートはグリーン車並みの1+2列の座席配列になっています。
座席のモックアップは、後ほど紹介するレギュラーシートと同じ。車内のインテリアも同じなので、座席間隔と座席幅、そしてドリンクホルダーの有無が異なるだけです。
2人がけの座席の様子です。座席は東海道・山陽新幹線のグリーン車ににています。ただし、フットレストは装備されていません。
1人がけの座席があるのはスーパーシートならではです。
座席には大きなテーブルも完備
座席にはテーブルが完備されています。
スーパーシートは座席の幅が広いため、少し小さく見えるかもしれませんが…
このように、広げると十分な広さがあります。パソコン作業や駅弁を食べたりもできますが、特急ラピートは片道約30分。そこまでする時間がない。
ドリンクホルダーが肘掛けの部分に設置されてます。この構造自体は、山陽新幹線のみずほ・さくらのN700系やひかりレールスター700系などの指定席と同じドリンクホルダーです。
座席は十分リクライニングする
スーパーシートともあり、リクライニングも十分な角度が倒れます。
リクライニングは肘掛けの部分にボタンがあります。
リクライニングを倒した様子です。それなりに座席は倒れます。
特急ラピートのレギュラーシート
続いては特急ラピートのレギュラーシートの様子を紹介します。
座席は2+2の配列
特急ラピートの普通車(レギュラーシート)の座席は2+2の座席配列になっています。特急列車としては標準的な座席の配列です。
車内のモックアップ自体はスーパーシートと同じです。スーパーシートと同じデザインの車内で、一見、どっちがどっちががわかりませんが、横3列か横4列が異なります。
座席の様子です。スーパーシートとは異なり、座席の中央にある肘掛けはあげることができるようになっています。座席の座り心地は近鉄特急アーバンライナーなどに似ている気がします。
車内の様子はこんな感じです。座席の背面は灰色が中心になっています。
レギュラーシートでもテーブルは完備
レギュラーシーとでもテーブルが完備されています。
レギュラーシーとでもスーパーシートと同様の広いテーブルを実現するために座席の幅いっぱいにテーブルがあります。
新幹線のように広々としたテーブルです。特急ラピートは、テーブルがあったとしても30分程度なのでそこまで使わない感じもしますが、やはりあると便利です。
スーパーシートほどではないが十分に快適
特急ラピートには、前章で紹介したスーパーシートとこの章で紹介したレギュラーシーとの2種類の座席があります。レギュラーシートでも、スーパーシートほどではないものの十分に快適です。
レギュラーシートでもリクライニングが可能です。快適な座席で関西空港まで行くことができます。
今回の記事では、関西空港アクセス特急である南海特急ラピートの様子を紹介してきました。
特急ラピートについては、Vlogも作成しました。あわせてご覧ください。
関西空港へJRでアクセスする際に利用することができる特急「はるか」については別の記事でまとめています。あわせてご覧ください。
コメント