オーストラリアの中で日本に近く、比較的行きやすいケアンズ。日本からはLCCのジェットスターなどが直行便を飛ばしており、比較的安価に行くことができるのも魅力。実際にジェットスターの国際線を利用し、ケアンズへと行ってきました。「LCC長距離国際線って大丈夫なの?評判は?」といった疑問にお答えし、その機内の様子なども紹介します。
今後ジェットスターを利用される方は不安な点もあるでしょう。もしこの記事で足りない点があればコメント欄より質問いただければ、お答えさせていただき可能であれば記事にも反映させていただきます。遠慮なく、コメント欄から質問いただければと思います。
ジェットスター国際線でオーストラリアへ
2023年の夏、弾丸でオーストラリア旅行にいきました。日本でもLCCとして運航されているジェットスター、この長距離国際線の様子を徹底的にレビューします。
オーストラリアと日本の直行便を運航
今回は往復、関西国際空港発着のジェットスターを利用。ジェットスターのケアンズ便は成田国際空港からも運航されているほか、成田〜ゴールドコースト線も運航されています。以下に2024年現在、ジェットスターが運航しているダイヤを掲載しておきます。なお、2024年には大阪・関西〜シドニー路線を開設するなど、現在も絶賛路線を拡大中であること、また時期によって多少の変更などがありますので、公式サイトで最新の情報を必ず確認してください。
航空会社・便名 | 発地 | 着地 | 出発時刻 | 到着時刻 |
---|---|---|---|---|
ジェットスター JQ26 | 東京・成田 | ケアンズ | 20:00 | 4:20 |
ジェットスター JQ16 | 大阪・関西 | ケアンズ | 21:05 | 5:15 |
ジェットスター JQ12 | 東京・成田 | ゴールドコースト | 20:50 | 6:30 |
ジェットスター JQ10 | 東京・成田 | ブリスベン | 21:00 | 6:35 |
ジェットスター JQ14 | 大阪・関西 | シドニー | 21:25 | 8:10 |
ジェットスター JQ24 | 大阪・関西 | ブリスベン | 21:45 | 7:25 |
日本からオーストラリアへのジェットスター便は、夜出発して早朝に到着するものが多いです。日本とオーストラリア東部の間には時差が1時間しかないため、到着した時は夜行バスに乗って東京来たぞ、という感覚でした。
なお、各地へ早朝に到着するため、ジェットスターのオーストラリア国内線に乗り継ぎが可能、シドニーやメルボルン、パースなどオーストラリア主要都市、さらにはオークランドなどニュージーランドの都市へとスムーズに乗り継ぐことができます。
航空会社・便名 | 発地 | 着地 | 出発時刻 | 到着時刻 |
---|---|---|---|---|
ジェットスター JQ25 | ケアンズ | 東京・成田 | 11:25 | 17:55 |
ジェットスター JQ15 | ケアンズ | 大阪・関西 | 12:30 | 19:00 |
ジェットスター JQ11 | ゴールドコースト | 東京・成田 | 10:20 | 18:30 |
ジェットスター JQ9 | ブリスベン | 東京・成田 | 10:40 | 18:40 |
ジェットスター JQ13 | シドニー | 大阪・関西 | 10:20 | 19:00 |
ジェットスター JQ23 | ブリスベン | 大阪・関西 | 11:40 | 19:40 |
帰りの便は昼前後にオーストラリアを出発して、夕方に日本に到着する便が多くなっています。到着時間が19時ごろまでと、夕方でありながらも比較的早い。各国内線への乗り継ぎが可能な時間であるため、多くの都市に当日中に帰宅できます。
世界遺産・グレートバリアリーフなど、豊かな自然を楽しむことができるオーストラリア・ケアンズ便を実際に利用しました。
その観光の様子については、こちらの記事で解説していますので、併せてご覧ください。
ジェットスター国際線の評判
まず最初に気になるのが、ジェットスター国際線の評判です。ジェットスターは格安航空LCC、本当に大丈夫?と感じてしまう人も多いでしょう。
僕も利用する前に評判を調べましたが、機内食を除いて概ね良い評判が多かった。僕が乗った感じも評判の通りで、機内食を除いて満足のフライトでした。
機内食については後ほど触れます。が、それ以外の点では良かった。機内食についても、フルサービスキャリアと違って必須ではないので提供が素早い。特に日本からオーストラリアへ向かう出発便は深夜便のため、早く寝たいからサービスが多いフルサービスではなく、最低限のサービスしかないLCCで良かったと感じています。
スタッフの方もとても親切でした。僕も搭乗前に不安になり、少し評判をリサーチしましたが、同じような評判がほとんどでした。ただし、遅延時や欠航時など、イレギュラー時の対応はフルサービスキャリアの方が良いようです。
日本〜オーストラリア路線はB787での運航
ジェットスター航空(JQ)運航の国際線はB787で運航されています。ジェットスターは元々、オーストラリアの会社であり、この会社の日本法人をJALなどが中心となって設立。現在、日本国内線を運航しているのはジェットスター・ジャパン(JK)です。今回解説するオーストラリア線は、オーストラリアのジェットスター航空が運航しています。
ジェットスターはLCCとしては珍しく、ワイドボディ機(通路が2本ある機体)であるB787を運航しています。B787はオーストラリア〜日本・韓国・ベトナム・シンガポール路線のほか、オーストラリア〜ハワイ・ホノルル路線などで使用されています。
格安航空でありながら、機内空間が快適なB787が利用されています。座席もしっかり整備されているので、格安航空とは思えないほどの快適性です。
日本〜オーストラリア路線で使用されるジェットスターB787
というわけで、今回は日本〜オーストラリア路線で使用されるジェットスターのB787-8 ドリームライナーの様子を徹底的に解説します。
機内はフルサービスキャリアにも負けない豪華さが特徴です。
ジェットスターのB787の座席を徹底解説!
まずはジェットスターB787の座席の様子です。座席はB787としては標準的な、3+3+3列、横9列配置となっています(ANAやJALの国内線B787も横9列の配置を採用しています)。
座席と座席の間に少し隙間があるため、やや座席幅は狭く感じるのは事実。ただ、実際に乗っていて不便を感じることは全くありませんでした。ANAやJALなど、フルサービスキャリアと同じ感じの座り心地です。
座席は革張りになっています。LCCは整備のしやすさから、革張りの座席を採用することが多い。ただ、座り心地は布地の方が良い、特に夜行便の場合は布地面が良いので、ここはちょっとだけ残念だったポイントではあります。
座席の前後間隔は十分。エコノミークラスの機材と考えれば狭いと感じることはありませんでした。ジェットスターでは、A320型機で71cm、A321で74cm、B787で76cmのシートピッチが採用されています。ANAやJALの国内線普通席では、機材により多少の差はあるものの79cmが基本となっています。
各座席には大きなテーブルも設置されています。特に帰国便(オーストラリア→日本便)は昼の便となるため、このテーブルでパソコン作業などをしている人も多かった。
テーブルは前後にもスライドすることができます。飛行機のテーブルって、だいたいこうやってスライドできるものが多いですよね。
快適なフライトにするためのコツ 深夜便はお金をかけてでも前方席を!
最前列以外では、肘掛けを完全に上げることができます。僕は隣に人がいなかったので、肘掛けを上げて完全に横になって寝ていました。機内の放送では「床で寝ることは、安全上の理由から禁止です」と言われており、他のお客さんが3人掛けシートで横になっていても客室乗務員さんに何も言われていなかったため、僕も同じようにしました。完全なフルフラットシートで移動ができ、もうこれは快適。AirPods Proのノイズキャンセリングをつけて、普通に熟睡しました。
寝顔を見られるのは…と抵抗があったため、最初は頭を窓側にして寝ていました。ただ、足を伸ばすと通路に出てしまう可能性があったので、通路側を頭に。もうこれで、完全にフルフラットのシートになりました。
安価な運賃で乗ることができる後方はお客さんが多い。そのため、特に深夜となる日本→オーストラリア便ではお金をかけてでも前方を取るのがおすすめ。前方は人が少ないので、LCCの1人分の座席で、フルサービスキャリアのビジネスクラス並みの快適性が得られます。
なお、ジェットスターはLCCのため毛布や枕などの提供はありません。機内はやや寒いので、着替えを複数持ち込み、一部を着る、一部を枕にするのが良いでしょう。
さらにアドバンスなコツとして、「手荷物を持ち込む」ことが挙げられます。僕は預入荷物なしで14kgの機内持ち込みとしました。こうすることで、洋服など全てを持ち込むことになります。日本とオーストラリアは季節が逆のため、どんな時期に行っても長袖を持って行くことになる。これを活用すれば、持ち込み手荷物の中に長袖が多数入っている、それを枕&毛布代わりにできるという、とても素晴らしいシステムが完成します。
機内にWi-Fiの設置はないが、コンセント・USBを装備 シートモニターまで
ジェットスターの機材で最もありがたいのがここ。機内にコンセントなどの電源が装備されている点です。電源が装備されていて、どこが格安航空だ?と突っ込みたくなるのは僕だけでしょうか。最近のLCCでは電源が装備されることも増えてきました。
まず、座席のモニター下部にUSBポートが備え付けられています。ここから電源を取ることができます。パソコンを使う場合などを除き、この5Vの電源があれば十分、電源を取ることができるでしょう。
座席下にはユニバーサルタイプのコンセントが設置されています。コンセントまで設置されいるのは…もはやLCCではないですね。
そしてなんと座席にはモニターを設置。ただしモニターはフルサービスキャリアとは差別化されており、有料となっています。値段はレートによって変わりますが、800円前後、長時間フライトならあってもいいかも。
支払いは事前にオンラインで追加しておくか(この場合、搭乗時から自動で利用できるようになっている)、機内でクレジットカードで支払い(写真では見えにくいが、モニター下部にクレジットカードをスワイプする部分がある)ができます。
なお、フライトマップは無料で利用できます。また、一部のゲームも無料で利用できます。僕はフライトマップさえ見ることができればOKなので(残りどれくらいの距離なのかがわからないのが、ちょっと怖い)、課金はせずフライトマップだけ見ていました。
個人的にはANAやJALの国際線のように有料でいいからWi-Fiを導入してほしいところ。ここでもうまく稼げば良いのです。親会社のカンタス航空は機内Wi-Fiを導入しているので、同じシステムを活用すれば比較的安価に導入できるでしょう。
B787にはビジネスクラスも設定
ジェットスターのB787には、ビジネスクラスも設定されています。ただし、フルサービスキャリアのビジネスクラスとは異なり、あくまで座席スタイルのビジネスクラスです。JAL便名では、プレミアムエコノミークラスとして販売されています。
座席はフルサービスキャリアのプレミアムエコノミークラスという感じ。あくまで座席ではあるものの、ブランケットなども置かれており、LCCとは異なるサービスを提供していることがわかります。
なお、ビジネスクラスを利用する場合、カンタス航空やエミレーツ航空のマイレージを積算することができます(JALのマイレージはJAL便名で搭乗した場合に限る)。
ワイドボディ機の広々とした機内
B787はボーイングが開発した飛行機で、同サイズの飛行機の中では圧倒的な燃費と客室設備を誇る飛行機です。通路が2本ある「ワイドボディ機」に分類され、機内空間は長距離国際線でも快適な広々とした空間が用意されています。
ワイドボディ機ならではの広い機内空間と電気式シェード
B787はワイドボディ機です。ワイドボディ機ならではの広々とした空間です。
天井が高いことが、よくわかります。ジェットスターの国内線はA320などの小型機での運航であり、それらの小型機と比べると閉塞感がないのが良い。
窓のシェードが電気式になっているのがB787の大きな特徴。このボタンで操作することができます。また、離着陸時は乗務員の方で自動的に操作が行われます。
少しだけ開けるだとか、少しだけ閉めるではなくて、自由に濃さを調整できるのがとても良い。この辺りは、B787の良さがよく出ています。
清潔なお手洗いなども完備
機内には清潔なお手洗いなども完備されています。
お手洗いは標準的なB787の装備から大幅に変わってはいないようです。ちなみに、ウォシュレットは装備されていません。
機内の洗面台の様子です。洗面台はデザインを含め、ANAなどと同じ洗面台が採用されています。
どこがLCC?と言いたくなるような快適なフライト
ここまで、機内の様子を紹介してきました。結論、座席間隔はやや狭いものの、LCCとは思えないような快適性。
こうやって座席を後ろから見ると、大手航空会社の飛行機と言われても何ら疑問を持たないでしょう。座席周りの設備や、客室乗務員さんの応対はまさにフルサービスキャリアと比べても大差がない。
日本からオーストラリアという、長距離の国際線でも安心して利用することができます。次の章では、ジェットスター国際線の予約方法や乗り方など、乗る上で重要な知識を解説します。
ジェットスター国際線の予約方法・乗り方
最後にジェットスター国際線の乗り方などを解説します。
ジェットスター国際線のチェックイン オンラインチェックインが便利
ジェットスターの国際線もチェックインが必要となります。チェックインカウンターには行列ができています。
ジェットスターを利用するなら、オンラインチェックインがオススメです。預入荷物がある場合でも、オンラインチェックインであれば専用のレーンが利用でき(ほとんど並んでいない)、預入荷物がない場合、そのまま保安検査・出国審査へと進むことができます。
関西国際空港ではCカウンターを使用します。成田国際空港では第3ターミナルの2階でチェックインをすることになります。
チェックインカウンターが最も混雑するのは出発の2時間前です。2023年現在、ジェットスター国際線はチェックイン開始が3時間前、締め切りが1時間前となっています(最新の締切時刻は公式サイトでもご確認ください)。
ケアンズ国際空港の国際線エリアには2023年現在、ラウンジはありません。成田空港では、第1ターミナルのラウンジが利用できますが、ジェットスターは出発が第3ターミナルのため、あまり現実的ではありません。関西国際空港では、搭乗ゲートすぐ近くのラウンジのほか、プライオリティパスではANAラウンジも利用できます。
一部の路線では、ビジネスクラス運賃の乗客のみラウンジが利用できます。ただ、やっぱり便利なのはプライオリティパスではないでしょうか。
僕はオンラインチェックインで、荷物は持ち込み手荷物のみ。全てスルーすることができて、とても楽でした。
LCCなので手荷物は基本的に有料
LCCの預入手荷物は、一部の運賃の航空券を除いて有料です。僕がおすすめするのは、14kgの持ち込み手荷物。持ち込み手荷物であれば、到着後、手荷物受け取りまで待つ必要がありません。特に帰国時は、日本人は入国で自動化ゲートが利用できます。簡単に入国できるだけあって、手荷物受け取りでものすごく、待たされることになります。
預入手荷物なしで、持ち込み手荷物を14kgとすれば、機内持ち込みサイズの手荷物を持ち込むことができます。ターンテーブルで荷物を待つ必要もなく、僕は関西国際空港に帰国時、到着から15分後の特急に乗り、名古屋へと帰りました。
機内食も有料 食事を空港で購入し持ち込むのがオススメ
ジェットスターは一部の運賃を除いて、機内食が有料です。僕は機内食ありの運賃だったため、とりあえず食べたいものを注文しました。
ただし、有料機内食とはいえ、フルサービスキャリアの機内食とは大きく異なります。
主にサンドイッチなどがメインです。また、機内食には水・お茶・コーヒーなどの飲み物もつきます。
特に日本から出発するときは、機内食より保安検査通過後のファミリーマートで購入した麺類の方が美味しいなと感じました。関西国際空港や成田空港から出発する場合、安心の意味もこめて早めに空港へ行き、空港で夕食を済ませてから搭乗、離陸後すぐに寝るのがベストでしょう。
メニューです。メニューはそれなりに豊富ですが、販売されているものは基本的にスナックやパンなど。LCCのため、本格的な調理機材などが用意されていないのでしょう。
機内食は事前注文に加えて、機内で注文することもできます。なお、法律の問題で、持ち込んだアルコールを飲むことができません。アルコールに関しては、機内で購入したもののみとなります。
また、ジェットスターの機内では現金での支払いができません。クレジットカードでの支払いに限定されるうえ、コンタクトレスにも対応していないため実物のカードが必要となります。この点だけ注意が必要です。
僕が実際に搭乗した、オーストラリア・ケアンズ→大阪・関西国際空港の便においてVlogを撮影し、YouTubeに公開しました。こちらの動画も併せてご覧ください。
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