ANA国内線のB777-200新仕様(普通席&プレミアムクラス)座席の様子などを徹底紹介

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2019年秋に、ANAは国際線・国内線ともにシートの更新をはじめました。今後ANAにおいてスタンダードになっていく新仕様のシート、印象的なモニターやコンセントなどは当然のこと、座り心地も大幅に進化しています。

本記事では、年間50回以上飛行機に乗る私が、ANAの国内線向け新仕様座席を徹底的にレビュー。「ANA国内線の座席はどんな感じ?」「コンセントやWi-Fiなどの設備は?」などといった疑問に詳しく答えます。

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B777-200新仕様の座席はANAが開発段階から携わった自信作

新仕様の国内線向け座席は、ANAが開発段階から携わった座席です。国内線は主に幹線で使われるB777-200から更新が始まり、現在ではB787にも一部に同様の座席が搭載されています。本記事では主に、福岡空港〜東京・羽田空港で利用した際に撮影した写真を用いています。

新仕様のシートが搭載されているのは、B777-200とB787-9
ANAのB777-200(写真は新千歳空港にて撮影)

本記事で紹介するのは、新仕様・392席仕様の機材(プレミアムクラス28席、普通席364席)です。旧仕様・405席仕様の機材(プレミアムクラス21席、普通席384席)も「772」という機材名で現在も運用されています。

普通席にも全席にシートモニターを完備

B777-200の新仕様機材では、全ての座席にシートモニターを完備しています。機内エンタメが圧倒的に充実したほか、モニター下部にUSBポート、全席の座席下にコンセントなど、モニター以外の点でも進化しています。

全席にシートモニターを完備 エンターテインメントやフライトマップも
全席に装備されたシートモニター

また、座席そのもののデザイン・構造も過去の座席から大幅に変わりました。これによって、座り心地が圧倒的に改善されています。

普通席の座席については次の章で詳しく紹介します。

ANA国内線B777のプレミアムクラス 新シートはSafran Seats US社製のシート

B777-200のプレミアムクラスは、前後の座席間隔とシート幅を以前より広げ、電動リクライニング機能や大型のフットレストを導入することで、以前より快適な座席空間が提供されています。座席モニターも15.6インチと、過去最大のサイズとなっています。

ANA国内線B777のプレミアムクラス 新シートはSafran Seats US社製のシート
B777-200国内線新仕様のプレミアムクラス(写真はB787で撮影)

B777-200では2-3-2列の座席配置となっています(写真はB787-9を利用した際に撮影したものなので配列が異なります)。座席総数は28席と、以前のB777-200より増席されています。「重厚感」がテーマとのこと(ANA公式サイト)で、いままでのブルーではなくブラウンを基調とした座席になっています。床のカーペットも同じブラウンで統一されています。

Safran Seats US社製のファブリック製シートを採用しています。国際線のB777-300ERの新仕様(The Suite、The Room)との統一感を図ったとのこと。

B777-200ではトイレも更新

B777-200では、シートの更新と同時にお手洗いの設備も更新されました。B787などとは異なりウォシュレットは完備されていないのが少し残念。

B777-200ではトイレも更新
お手洗い

最近、ボーイングの機材で幅広く導入されている取手付きの便座の蓋にはなっていないようです。ただ、お手洗いの周りはかなり綺麗に更新されています。

B777-200ではトイレも更新
洗面台

さらに洗面台も更新されました。洗面台周りはB787などと同じデザインのものに統一されました。温度調整可能な洗面台になったので、冬でも使いやすい。

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ANA国内線のB777-200(新仕様)の普通席を詳しく解説!

今回の新仕様のB777では、すべての座席にシートモニターやコンセントが完備されました。それ以上に実際に座ってみると、その快適さは段違い。ここからは普通席を実際に利用した際の経験から、その魅力を実体験をもとに解説します。

普通席のシートはトヨタ紡織株式会社と共同開発

普通席では最新の薄型シートが採用されています。自動車業界でトップクラスのトヨタ紡織とシートを共同開発。座席の背もたれの部分のフレームを、座った人の背骨にかかる力が分散するような形状へと最適化しました。これにより体格差を吸収できるようになり、座った人のフィット感を向上させたとのこと。また、座面の位置も少し低くなっているため、ゆっくり腰掛けることができます。

福岡から東京・羽田までの1時間半以上座っていても、他の機材と比べて体にフィットする感じがあり、座っていて疲れませんでした。

普通席のシートはトヨタ紡織株式会社と共同開発
ANA国内線 新仕様B777-200の座席

それにも関わらず、座席自体の厚さはかなり薄型化されています。座席自体が薄型化したことで、足元がかなり広く感じられました。

なお、国際線機材とは異なり、ヘッドレストはありません。リクライニングは国内線仕様ともあって、新幹線などのように大幅に倒れるわけではありません。リクライニングして快適になる、けど後ろにはあまり迷惑をかけない、いい設計ですね。

全席にシートモニターを完備 エンターテインメントやフライトマップも

ANAではエアバスA321neo型機など一部小型機で、全席シートモニター導入済みですが、あくまで国内線・国際線兼用機として使用することを念頭に導入したものでした。中型機・大型機の全席にモニター導入されるのは今回が初めてです。

B777-200の普通席では、11.6インチモニターを完備しています。一昔前の国際線用機材のモニターよりも大きく、操作感もタブレットに近い感じで使いやすい。国内線の短い区間なので、映画など観るには時間がないというのがちょっと残念。

全席にシートモニターを完備 エンターテインメントやフライトマップも
全席にシートモニターを完備

過去に僕が搭乗したホノルル路線のA380″Flying Honu”やニューヨーク路線/ロンドン路線などのB777-300ERなどのシートモニターと同じでした。今回のシートモニターはホノルル線A380や欧米幹線向けB777-300ERと同じモニターを、内容は国内線用に少しだけアレンジした形のものであると考えられます。

なおB787-9B787-10では、さらにエッジが狭くなり13.3インチとさらに大型のモニターが搭載されています。

普通席でも全席にコンセント電源を装備 モニター下にはUSBポートも完備

写真のように、USBポートとイヤホンジャックが付いています。USBポートを用いて、スマートフォンの充電などをすることができます。

普通席でも全席にコンセント電源を装備 モニター下にはUSBポートも完備
各座席のモニター下部にはUSB-Aポートとイヤホンジャック

各座席モニターの下部には、USB-Aポートが1つ、イヤホンジャックがあります。イヤホンは搭乗時などに配布されるほか、自前のものも利用できます。

全席に電源を装備 USBポートがモニター下にあるのもありがたい
座席にはユニバーサル電源を装備

さらに、ユニバーサル電源が足元にあります。海外のコンセントタイプにも対応したコンセントです。日本のコンセントも当然使えます。

スマートフォンならモニター下のUSBポートを、パソコンならコンセントを使えば良いでしょう。コンセントもモニター下のUSBポートも、離陸前から使えました。

座席のテーブルも、ドリンクホルダーなどを改良

座席設備においては、テーブルの形状なども変更されています。狭い機内環境でも使いやすいように、身体にあたる部分がやや凹むような形に変更されました。これでもかなりテーブルの大きさはあり、快適に利用できます。

座席のテーブルも、ドリンクホルダーなどを改良
座席のテーブル

また、ドリンクホルダーの形状が変更されたことも大きな特徴です。紙コップを出し入れしやすいような形状(「クローバー型」というらしい)に変更されました。

座席のテーブルも、ドリンクホルダーなどを改良
ドリンクホルダーの形状を変更

今回、写真は撮影していませんが、物入れも中身が見えるようなもの入れに変更。忘れ物を減らすような配慮が行われています。

ANA Wi-Fiサービスも強化

ANAの国内線機材には、Wi-Fiもついています。ANAの国内線ではWi-Fiを無料で使用することができます。

新仕様機材でのWi-Fiシステムに関する情報は公表されていないのであくまで体感ですが、回線が強固になったように感じます。過去に那覇から伊丹までANAの旧仕様B777-200に乗った際Wi-Fiがほとんど使いものにならなかったのですが、今回はしっかり使えました。おそらく、少しは改良されているのでしょう。ちなみに今回の便もほぼ満席でした。

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ANA新シートを搭載した国内線の運航路線は?スケジュールは?

まず初めに、今回紹介する新仕様の機材が投入される区間やスケジュールなどについて説明します。

新仕様のシートが搭載されているのは、B777-200・B787-9・B787-10

ANAでは、2019年から新仕様のシートの導入を進めています。現時点で新シートが導入されている機材は、

です。2024年以降、B777の置き換えとしてB787-10国内線仕様が導入され始めました。B787-9やB787-10などの新しい機材には、最初から新シートが導入されています。

B777-300ERとB787-9はANAの国内線機材としては大型の機材であるため、主に羽田-福岡・新千歳・那覇・伊丹などの幹線路線に投入されています(間合い運用で他の路線に投入されることも稀にあります)。

機材はANAの予約サイトで「772」と記載されている「ボーイング777-200 (772)」および「789」と記載される「ボーイング787-9(789)」です。これでなければ新シートではない可能性が高いので注意しましょう。

新仕様のシートが搭載されているのは、B777-200・B787-9・B787-10
B777-200(手前)とB787-9(奥)

B777-200の運航スケジュールはANA公式サイトで確認しよう

ANA公式サイトで残席照会・予約を行うと、機材が表示されます。今回紹介している、国内線向けのB777-200は2021年にエンジントラブルによって運航停止となりましたが、2023年現在ではエンジントラブルも解消され運航を再開しています。

今回紹介する機材はB777-200(ANA公式サイトでは「722」と表示)される機材です。同様の座席が搭載されているのがB787-9(ANA公式サイトでは「789」と表示)です。飛行機は突発的な機材変更が全くないとは言えないものの、僕の経験上(月に数回は飛行機に乗る)機材が変更されたことはありません。基本的にはこの2機種、722と789を狙えばこの座席に当たると思って良いでしょう。

B777-200の運航スケジュールはANA公式サイトで確認しよう
エンジントラブルもあったが、復帰しているB777-200(羽田空港にて)

なお、B777-200新仕様機材の初号機はJA715Aで、2019年11月16日に東京・羽田→福岡のNH243便にてデビューしています。

2024年現在のB777-200(新仕様)運用路線

2024年現在、ANAにおけるB777-200は次の路線で運用されています。主に国内線の幹線向けに運用されています。

  • 東京・羽田 – 福岡
  • 東京・羽田 – 札幌・新千歳
  • 東京・羽田 – 沖縄・那覇
  • 東京・羽田 – 大阪・伊丹
  • 大阪・伊丹 – 沖縄・那覇
  • 東京・羽田 – 大阪・関西
  • 東京・羽田 – 広島
  • 東京・羽田 – 石垣
  • 大阪・伊丹 – 福岡
  • 東京・羽田 – 函館
  • 東京・羽田 – 熊本
  • 東京・羽田 – 長崎
  • 東京・羽田 – 鹿児島
  • 東京・羽田 – 宮崎
  • 東京・羽田 – 秋田
  • 東京・羽田 – 松山

JALが最新鋭機材A350を羽田、福岡、新千歳、那覇、伊丹以外には一切就航させないのに対して、ANAは機材大型化などでも積極的に投入しています。JALはファーストクラスの設定有無という差があるため仕方ありませんが。

B777はB787-10で置き換えへ

ANAではB777の後継としてB787-10の導入を進めています。特にB777-300(国内線向け)から順次、B787-10で置き換えられていくことになります。

ANAが導入を進めるB787-10の座席は、今回の記事で紹介しているB777-200のシートと同じです。B787-10についても別の記事で紹介しています。

ANAはB787を最初に導入した会社とだけあって、積極的にB787シリーズを活用しています。B787には3種類がありますが、その全種類を、それぞれ適材適所で活用していると感じます。

今後、B787-10が主役になっていくANAの国内線も楽しみです。

全席に電源を装備 USBポートがモニター下にあるのもありがたい
福岡空港から羽田空港へ

この日は福岡も東京も天気が悪く、機長から何度も予告があった通り着陸前に少し揺れました。昼の便であったにも関わらず福岡空港や羽田空港が混雑しており、少し遅れて羽田空港に到着しました。

ANAのB777-300

またこのブログでは、今回紹介した機材「B777-200」以外についても多数、紹介しています。合わせてご覧ください。

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コメント

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