昔から、本州と九州をつなぐ港として栄えた門司港。今では新幹線、在来線、バイパスが海底トンネルで本州と九州を結び、さらには高速道路が橋でつないでいるため、船の需要は少ない。
そんな、ひと昔前の場所、その「ひと昔前」を生かした門司港。福岡を観光してから大阪・名古屋・東京方面へ帰る前にちょっと寄るのもOK、東京・羽田へスターフライヤーを使って帰るために北九州空港へ行く際に寄るのもOK。レトロな雰囲気を楽しめる門司港をご紹介します。
小倉駅から普通列車で約10分!アクセス良好な門司港
門司港はもともと、本州と九州の間の行き来の拠点として栄えた場所です。そのため、鉄道も通っておりアクセスが良いのが特徴です。
JR九州の普通列車で、小倉駅から3駅
その名の通り、「門司港」という駅があります。JR九州の駅です。博多・小倉方面から行く場合、「門司港行」に乗らねばなりません。「門司」駅とは別です。さらに、「下関行」があるんですが、これは門司駅で分岐して関門トンネルをくぐってしまいます。関門トンネル方面ではなく、門司港方面に向かわねばならないことに注意。
今回僕たちは、「どこでもドアきっぷ」を使っていました。そのため、博多から小倉まで新幹線を使って、そこから普通列車に乗り換えるという贅沢をしました。新幹線は全列車が小倉に停まるので3~5分に1本という超高頻度で高速移動できる素晴らしい手段です。
JR九州の列車は、普通列車でもかなりおしゃれな車内が印象的。木を使ったデザインが九州らしくて好きです。
2021年現在は観光列車も走行!活用したい!
2021年12月現在、本来は肥薩線を走っている特急「かわせみ やませみ」と特急「いさぶろう・しんぺい」が博多から門司港の間で走っています。肥薩線が災害で不通となっているためです。
特急「かわせみ やませみ」は落ち着いた車内に売店などの設備が。そして、ベンチシートと呼ばれる、グループ向けの座席が充実しているのが特徴です。
グループ利用にも最適な特急「かわせみ やませみ」で、博多からグループで門司港へいってみる、なんてのも良いでしょう。
また、同じく普段は肥薩線を走っており、肥薩線が不通のために現在は特急「かわせみ やませみ」と連結して運転されているのが特急「いさぶろう・しんぺい」。この列車は、特急列車というよりは昔ながらの「汽車」という感じの車内が再現されています。
ただし、特急かわせみ やませみ/いさぶろう・しんぺい91号(門司港→博多)は、夕方の夕日が沈む前に門司港を出発してしまいます。そのため、門司港から小倉までは普通列車で、小倉から博多方面へは特急ソニックなどで移動するのもアリですね。
門司港駅も開業当初の雰囲気を残す一大観光地!
門司港駅自体も一つの観光地。開業当初の雰囲気を残す一大観光地です。
門司港駅はもともと、関門海峡を渡って本州と九州を結ぶ拠点でした。関門海峡は、見ればわかりますが実はすぐ。何も知らなかったら「かなり大きな川」と感じる人もいるでしょう。
しかし、九州と本州の間で陸続きになっていないのは関門海峡のみ。この関門海峡は、巨大な船が東アジアから太平洋へ出るときに絶対に必要でした。もちろん、東アジア諸国に配慮した訳ではなく、日本国内の物流の観点からも絶対に航路ろして必要だったのです。
そういった背景があり、地味に低い高さの橋で本州と九州を結ぶことはできなかったのです。技術力のない戦前は、この関門海峡は船で渡るしかなく、九州で船から鉄道への乗り換えの拠点となったのがこの門司港駅です。
実際、九州の鉄道はここ門司港を拠点に敷かれています(そのため、博多方面から大分方面へ行く場合、小倉で方向転換となるのです)。九州で初めての鉄道、というと諸説あります。というのは、開国直後に長崎で鉄道が披露された、という記録が残っているので厳密には長崎に最初に敷かれたとも言えるのです。
そんな背景があり、門司港駅は今でも当時の姿で残されています。当時の姿で残されている、というと少し語弊があるかもしれません。JR九州が意図的に、開業当初の通りに残しているのです。
ちょっと電車の本数が少ないのがねえ…とはいえ、15分に1本くらいはあるし、小倉駅からも遠くはない!
門司港レトロへ行くなら夕方から夜にかけてがオススメ
門司港レトロへ行くなら夕方から夜にかけての時間帯がオススメ。もちろん、朝から門司港へいって遊んでも良いのですが、夕方の日が暮れる前に帰ってしまっては「門司港を楽しんだ」とは言い難い。
夕日が沈む様子も綺麗!
門司港を4回目に訪問した際、夕日が沈む時間に合わせて門司港へと行きました。
この時間帯に門司港駅に降り立つ人はあまり多くはありませんでした。日が沈む1時間半程度前の様子です。この後、ブログの素材などを集めるために「九州鉄道記念館」に立ち寄りました。
夕方の時間帯はこんな感じ。場所を合わせて、後ほど紹介する門司港の一大観光地「ブルーウイング門司港」越しに夕日を撮影。いい絵です。
こちらは門司港の売店前に設置されている額縁。これ、うまく額縁全て映るようにするには3:4のアスペクト比にしなきゃいけないのかな?
向こうに見えるのは下関の街です。夕日が沈み、だんだんとライトアップが始まっている様子が見えます。
夕日に染まる関門海峡大橋も綺麗。関門海峡を橋で渡れるようになったのは、橋梁技術が発達した戦後だとか。現在、山陽本線が通る下関〜門司間は戦時中に開業したんだけれども、軍部の強い要望で海底トンネルにされたそう。戦争末期の日本は、沖縄からどんどん攻められて「本土決戦」といっていた程ですから、鉄道を使った兵力輸送を確実に行うためには、空襲に強いトンネルだったのでしょう。
夜はイルミネーションを楽しもう
さらに特に夜は雰囲気がよく、冬場にはライトアップが行われています。ライトアップは2021年度は2021/11/20 〜 2022/03/13となっています。毎年、11月下旬から3月中旬にかけてライトアップが行われています。比較的長期間にわたって行われるので観光しやすい。
左手には、跳ね上がり式の橋が見えます。歩行者専用の橋ですので、渡ることができます。橋の右手、JR門司港駅とは反対側のほうがよりレトロな雰囲気になっていて、僕たちが行った日にはろうそくを使った催しが行われていました。
1年後に訪問した際も同様にライトアップが行われていました。
イルミネーション・ライトアップが行われる期間は比較的長いですので、ぜひタイミングをみて足を運んでみるといいでしょう。
橋のほうに行くとこんな感じで木がライトアップされていました。僕たちが行った季節限定かもしれませんが、とてもきれいです。この写真には写っていないのですが、左手には海が。関門海峡大橋が見えます。よっぽど悪い天気、あるいは濃霧などでなければ、海の向こうに本州・下関が見えます。
このイルミネーションの横には、ライトアップされた関門海峡大橋!とてもきれい!
これは本当にたまたまなのですが、僕たちが行った日には花火がありました。3連休の最終日だったからでしょう。帰りの新幹線に乗るために、門司港を去ろうとしているときに上がった花火。3日間の吸収周遊旅行で最高のフィナーレになりました。
この日はろうそくを使ったイベントが行われていました。検温や、連絡先の確認など、コロナの影響でかなり面倒なことが…
門司港駅は先程も書いたように、観光としての色が強い。そのため、こんな鐘があります。「旅立ちの鐘/幸福の泉」。僕たちはここから名古屋へ旅立ちます。この写真の奥に見えているような、今の時代明らかに使われていない信号もあります。
跳ね上げ式の吊り橋は名所の1つ!
門司港の見どころの1つとして、跳ね上げ式の吊り橋「ブルーウィング もじ」が挙げられます。跳ね上げ式の橋になっており、大型船が出入りする際は橋が跳ね上がり通行止めになります。
夕日に染まるブルーウィングもいい感じですね。
この橋のすぐ横に「もじこう」と記念撮影する場所があります。
季節によって多少は変わりますが、この辺りから夕方に沈んでいく夕日を撮影すると、綺麗にブルーウィングと重なって綺麗です。
バナナの叩き売り発祥の地 それ以外にも観光要素が満載の門司港
門司港は戦後すぐ、「バナナの叩き売り」の発祥となった地でもあります。また、それ以外にもさまざまな観光要素があり、見どころがたくさんあります。
お土産ショップも充実する門司港周辺
門司港は北九州の中でも一大観光地ということもあって、お土産ショップなどが充実しています。
お土産ショップ「海峡プラザ」でお土産を購入することができます。
お土産ショップがかなり充実しています。また、夜のライトアップ・イルミネーションの時間まで営業しているのもGOODなポイントです。
住所 | 北九州市門司区港町5-1 |
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営業時間 | 物販10:00〜20:00 飲食11:00〜22:00 |
URL | http://kaikyo-plaza.com/ |
定休日 | 無休 |
電話番号 | 093-332-3121 |
アクセス | JR門司港駅より徒歩約2分 車:北九州都市高速春日出口より約5分 |
意外と大きなお土産ショップで、お店も充実しています。店舗詳細情報などは、公式サイト(URL参照)もご覧ください。
そして、海峡プラザの目の前からは観光クルーズ船が出ています。時間さえ合えば乗ることができます。
サンセットクルーズなどを運航しており、季節によって運航ダイヤが変わります。予約は不要ですので、詳しくは現地でお確かめください。
「九州鉄道記念館」も門司港から徒歩すぐのところに!
門司港には「九州鉄道記念館」があります。門司港駅から徒歩3分と、本当にすぐのところにあります。
門司港駅は現在でも、JRの運行拠点として活躍しており、それに併設する形で建てられた鉄道記念館です。
あまり大きくはなく、入館料も300円とかなり安く設定されています。JR九州自らが運営しているため、車両を買い取る必要がなかったのでしょう。
九州各地で走った特急列車やSLなどが展示されています。残念ながら、実際に車両の中に入ることはできませんでした。
昼行列車・夜行列車問わずに運転された「月光」。これは僕でも知っています。
これ以外にも本館の展示はかなりマニアックなものもあります。興味のある方はぜひ、立ち寄ってみてはいかがでしょう。
歴史ある門司港ホテルや「関門海峡ミュージアム」なども
門司港には、これ以外にもさまざまな歴史ある建物があります。ホテルなど、宿泊者でなければ立ち入れない建物もありますが最後に紹介していきます。
こちらはプレミアホテル門司港。めちゃめちゃ歴史的な建物、ではないのですが雰囲気があっていいですね。門司港に宿泊するなら是非。
こちらが関門海峡ミュージアム。僕がいったときにはすでに、営業が終了していたので入れませんでした。10年近く前に一度行ったことがありますが、あまり記憶にありません。
こちらは大阪商船三井船舶の建物。戦前の財閥系列の建物は港町に多いですね。以前に、北海道・小樽に行った際も三井系列の古くからの建物がありました。
観光のための施設が充実しているのがこの門司港。立ち寄った際はぜひ、ゆっくり観光してみてくださいね。
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