今回は、ANAが提供しているサービス「Bid My Price」。エコノミークラスの航空券を購入した後、直前に破格でプレミアムエコノミークラスにアップグレードできるサービスです。
この記事では、「Bid My Priceとは何か?」という点から始め、実際に利用してみた体験談まで解説します。
最低2万円で入札できる。実際のプレエコの金額を考えるとかなりお得!
ANAの「Bid My Price」でプレミアムエコノミークラスへ
ANAがエコノミークラスの航空券を、ANA公式サイトから有償で購入した乗客向けに販売している「Bid My Price」。まずはこのサービスの概要を説明します。
Bid My Priceはプレミアムエコノミークラスへの入札アップグレード
Bid My Priceとは、直前の段階でもプレミアムエコノミークラスに空席がある場合に、エコノミークラスの航空券をANA公式サイトから直接、有償で購入した乗客を対象に行われるオークション形式のアップグレードです。アップグレードを希望する場合、2万円〜5万円の間で希望価格を提示し、オークション形式で高い金額を提示した人にその価格でアップグレードをするサービスです。
上級会員向けのプレミアムエコノミークラスへの無料アップグレード特典と引き換えに導入されたサービスです。上級会員でなくても使うことができます。
エコノミークラスとプレミアムエコノミークラスの価格差は、大きい時には10万円以上になることも日常茶飯事です。これを、2万円〜5万円の間でアップグレードされる可能性があるので、かなりお得です。
ただし、このBid My Priceは、プレミアムエコノミークラスに一定以上の空席がある場合のみ、案内されます。また、オークション形式のため、申し込みが多ければアップグレードできません。特に日本の航空会社はサービスレベルが高く、第3国を行き来する利用(例えば、東南アジアからANAで成田へ、成田で入国せず乗り継いでANAで北米へ)が多いです。高付加価値を求める乗客が多い傾向にあり、プレミアムエコノミークラスなどは満席近い状態になることも多々あります。
したがって、お得である代わりに、直前までアップグレードできるか否かがわからないこと、そもそもBid My Priceが使えるか否か1週間前までわからないことなどがデメリットです。
対象となる航空券 ビジネスクラスへのアップグレードはない
ANAの公式サイトでは次のように書いてあります。
ANAウェブサイトにて条件を満たす航空券をご購入いただき、かつ本サービスのご案内メールを受信されたお客様。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/international/bmp/
- エコノミークラス有償航空券
- 旅程開始国が日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピンのいずれか
ANAのウェブサイトで購入したANAの有償航空券が対象となります。ANA旅作などのツアーは対象となりません。また、特典航空券も対象外です。プレミアムエコノミークラスの座席数には限りがあるのでかなり対象を絞っています。ANA国際線のページから予約した場合のみが対象です。
そしてこのサービスではビジネスクラスやファーストクラスへのアップグレードはありません。エコノミークラスからプレミアムエコノミークラスへのアップグレードのみとなっています。
アップグレード対象路線
ANA運航の 日本 ⇔ アメリカ・カナダ・ヨーロッパ・オーストラリア・シンガポール・マレーシア・タイ・インドネシア・ベトナム・フィリピン路線(日本国内線は除く)
https://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/international/bmp/
アップグレード対象路線はこのようになっています。基本的には中国路線などは対象外(そもそもプレミアムエコノミークラスの設定がない)となっており、長距離路線が中心になっています。個人的に気になるのが、アメリカ・カナダは対象なのに、成田-メキシコシティは対象外なのですね。
正直なところ、アップグレードの対象航空券は狭き門。ANAのウェブサイトで購入しなきゃいけない。
Bid My Priceを利用した場合のマイル・プレミアムポイント
ANA公式サイトでは、「マイル積算、ANAプレミアムポイント積算、および行程の変更可否は入札前にご購入いただいた航空券に適用されている運賃規則に基づきます。」と書かれています。Bid My Priceでアップグレードされても、マイル積算やプレミアムポイントの積算はエコノミークラスのままです。
したがって、SFC修行をしている場合などにはこのBid My Priceはあまり向きません。あくまで、エコノミークラスで頑張って長距離国際線を乗るつもりだったけれど、空席があって安いならプレエコがいいな!という人向けのサービスです。
実際にBid My Priceでプレミアムエコノミーに入札してみた
2020年2月、ロンドンへと渡航する際にこのBid My Priceの案内がきました。そこでこのBid My Priceに入札してみることにしました。
メールを受信
ご自身の航空券が対象の航空券であれば、出発1週間前にメールが届きます。「BidMyPrice@bid.ana.co.jp 」からメールが届きます。しかし、iCloudのメールでは自動で迷惑メールに設定されていました。僕は早い段階で気づいたので良かったですが、iCloudメールを使っている方、注意しましょう。
このようなメールが来ました。搭乗のちょうど1週間前の午前10時ごろでした。
先ほども書いたように、僕はiCloudのメールで受信をしていて、iCloudのメールが自動で迷惑メールに振り分けてしまっていたので申し込みをしたのは次の日になってしまいました。
アップグレードは入札額の高いお客様より順に確定いたします。複数のお客様より同額で入札をいただいている場合は、ご購入された航空券の予約クラス、ANAマイレ-ジクラブの会員ステイタス、入札実行日時の優先順位に基づき、アップグレードを確定いたします。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/international/bmp/
ANA公式サイトにこう書いてあるので、できるだけ早く申し込んだ方が良かったですね。どのみち、入札でアップグレードされなかったら本来の申し込み通りでお金を引かれることもないのでいいでしょう。
ちょうど一週間前にメールが届くので確認しよう。落札できなかった場合、全くお金はかからないので安心。
入札の金額の相場はどれくらいか 時期によるが最低金額近くても
入札の金額は片道2万円~5万円となっています。僕は今回ロンドン線に搭乗するのですが、もし最低金額の2万円でアップグレードできたらかなりお得ですよね。普通に予約したら10万円近くの差があります。
ただし、ロンドン路線など一部の路線ではプレミアムエコノミークラスにすることで税金が余計にかかることもあります。こういった場合は少し余分にかかるので注意です。税金などについての情報も申し込み画面にしっかり出てきます。
僕はロンドン線でこのサービスを使ってみましたが、閑散期だったので最低金額で入札しました。全然エコノミークラスでもいいんじゃない?と思っていたので。
このサービスは最近始まったものなので、実際にネット等を見てもどのくらいの金額で落札できるのか全然わかりません。
2万円から5万円の間で設定できるよ。
メールに掲載されたリンクから入札をしてみた
実際の入札はメールにあるリンクからのみ可能です。ANAの予約確認のところには特に何も出てきません。メールを確認しましょう。
往復で航空券を購入している場合、復路の航空券についても同時に申し込みができます。すなわち、復路の航空券は1週間以上前に申し込みができることになります。
そうすると次のような画面が出てきます。あとは画面に沿って入札を進めていきましょう。
まずは上のような画面が出てきます。国内線はもちろんですが対象外です。国際線乗り継ぎの国内線はファーストクラス以外は普通席ですからね。国内線のプレミアムクラスはすぐに埋まりますし。
続いてこんな画面が出てきます。スライドバーを動かして入札金額を決めましょう。成功の可能性が出てきますが、これはあくまでANAが用意しているものですので、実際どうなるかは分かりません。僕は最低金額で入札したのでもちろん「弱い」
この時点で支払い情報を入力します。ただしこの時点で決済されるわけではありません。後程確認しましたが、クレジットカードの「ご利用残高」も増えていませんでした。この時点では一切決済されません。このページにも書いてあるように、もし入札に失敗した場合はカードからの引き落としはありませんから、失敗した場合は一切決済されないことになります。安心ですね。
最後に確認画面です。後程再度アクセスしたところ入札金額の変更等はできませんでした。なので、この金額だ!という金額で入札しましょう。→入札金額の変更が可能でした。そのため僕は21000円に変更しました。
実際の操作はとても簡単。ここで支払い情報も入力するが引き落としはされない。
アップグレードに成功!
アップグレードの結果は24時間前までに届きます。
アップグレード成功の案内が
実際の僕はアップグレードしましたが、72時間過ぎたころには結果が来ました。メールで届きます。
アップグレードされるとプレミアムエコノミークラスに搭乗という扱いになり、ラウンジが利用できます。優先チェックインや優先手荷物預かりも利用できます。
ただし注意しなきゃいけないのが、マイルやプレミアムポイント積算率はエコノミークラスのままだということです。搭乗券自体はエコノミークラスの「Y」と記載されたものが発券されるようです。
「事前座席指定」はできませんが、結果が通知されるのは24時間前で、24時間前から始まるオンラインチェックインで座席指定ができることもあります。ただし、オンラインチェックインでの座席指定は空席状況によってはできないこともありますので、確実にできるとは言い切れません。
マイル積算率など、お金関連は元のまま、サービス面はプレミアムエコノミークラス扱い、ということらしい。
プレミアムエコノミークラスに乗って快適に旅をしよう
今回実際に、プレミアムエコノミークラスを利用して東京・羽田空港からロンドン・ヒースロー空港へと向かいました。
プレミアムエコノミークラスは座席周りもかなり広く、快適です。また、搭乗前のラウンジも利用可能。羽田空港でシャワーを浴びてから飛行機に乗ることができるなんて、とても贅沢な旅です。
空席状況は?オンラインチェックインまで座席指定ができない
ここからは参考までに、僕がBid My Priceでのアップグレードに成功した際の空席状況を掲載しておきます。座席指定可能な座席なので、実際にはもう少し空席はあるかもしれません(航空会社は一部の座席をブロックしていることがあるため)。
入札時の空席状況-これくらいの空席があれば入札案内がくる
ここからは参考までに僕が入札したときの情報です。
羽田からロンドンの便はそこそこ埋まって入るもののそれなりに空席もある感じですね。
ロンドンから羽田の便は正直空席大量にあるという感じ。
入札結果発表直前の空席状況-これくらいの空席なら最低価格でもOK
さて、より参考になるように、僕が入札した便の入札結果発表直前の座席表の様子も載せておきます。ANAでは座席表の確認は72時間前までしかできません。アップグレードの結果は72~71時間前に来ますので、これは結果が出る直前のものと思ってもらえれば結構です。
まず、羽田からロンドン線。こちらは空席が増えているような。これはアップグレードされると確信を持ちました。
さて、帰りの便。ヒースローから羽田です。こちらも空席が増えています。行きと同様、アップグレードされると確信しました。
ということで無事アップグレードされました。
オンラインチェックインまで座席指定ができないことが最大の難点
Bid My Priceの最大の難点は「事前の座席指定ができないこと」です。座席を自分で選ぶことが出来ないため、どうしてもここは運次第です。ただしオンラインチェックイン時(出発24時間前)に座席の指定ができる場合があります。
例えば「窓側座席がいい」という場合は、先ほど紹介したANAの予約サイトから空席を確認してから入札するか否かを決めると良いでしょう。
アップグレード先のプレミアムエコノミーの座席は、お客様ご自身で選択いただけません。(空席状況によっては、出発時刻の24時間前からオンラインチェックインにて座席の変更が可能な場合があります)
ANA公式サイトより引用
僕はオンラインチェックイン時に座席の指定ができました。また、ヒースロー空港のANAの社員の方がとても優しく、プレミアムエコノミークラスの座席表を出してきて「座席指定は〇〇で指定されていますが、変更はよろしかったですか?最前列の窓側も現在、空いておりますよ。」と声をかけてくださいました。これらから総合して、事前座席指定ができないことはそこまでデメリットではないように感じました。この辺りはやっぱり、ANAのサービスの力ですね。
今回、アップグレードは片道2万円という破格でできました。閑散期であればこういったことが可能ですので入札することを個人的にはおススメします。
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コメント
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