大阪阿部野橋から観光地である吉野を結ぶ近鉄の観光特急「青の交響曲」(青のシンフォニー)。大人な旅を演出する、上質な雰囲気が特徴の観光列車です。
車内は高級感があり、個人的には伊勢志摩方面の「しまかぜ」より好きです。3両のうち1両がまるごとラウンジカーになっているのも素晴らしい。この記事では、特急「青の交響曲」の車内の様子などを徹底的に紹介していきます。
また、同一区間を走る観光列車「さくらライナー」についても記事を作成しました。
1・3号車はサロン席とツイン席、そしてデラックス席
観光特急ですので、しまかぜと同様、基本的にはすべてが「デラックスシート」となっています。普通席に相当するものはありません。全座席がデラックス料金が必要なデラックスシートです。
同じ車両に、座席配列によってデラックス席やサロン席、ツイン席などが混在
特急「青の交響曲」は、1号車と3号車が座席になっています(2号車は後ほど解説する通り、ラウンジカーになっています)。
座席は横3列の配置です。デラックスシートというだけあって、他の近鉄特急のデラックスシートと同様の1+2配置になっています。
1号車と3号車には、デラックスシート(1人掛け)とサロン席(4人掛け)、ツイン席(2人掛け)が混在しています。ぱっと見どこがサロン席でどこがデラックスシートかは分かりません。「伊勢志摩ライナー」などのように特別に「サロン席のエリア」などがあるんではなくて、デラックスシートの一部が固定で4人掛けシートや2人掛けシートになっている、といった感じ。
デラックス席の座席設備を徹底紹介!落ち着いた色合いが特徴の快適な座席
デラックス席に実際に乗車してきました。座席の様子を徹底的に紹介します。
デラックス席はデラックスらしく、豪華な座席になっています。暗いグリーンで統一されており、観光特急「青の交響曲」が目指した「大人な旅」を演出します。
デラックスシートは2+1の座席配列になっており、2人がけのデラックスシートもあります(ツインシート扱いではないので、別々の座席として1人づつで予約できます)。
座席の内側にリクライニングのボタンがあります。また、座席の肘掛けからテーブルが出てきます。
座席の背面にはさらに大きなテーブルがあります。2号車のバーカウンターで購入した食事などを食べることができます。
座席の肘掛けから出てくるテーブルです。こちらも十分な大きさがあります。丸い部分にペットボトルが入る、というサイズ感からお分かりいただけるでしょうか。
2つのテーブルを同時に使うこともできます。デラックスシートなので通常の近鉄特急より座席間隔が広くなっています。この座席間隔をフル活用できます。
座席の足元にコンセントが設置されています。スマートフォンなどを充電するには、少しケーブルの長さによっては使いにくい場所です。
ツイン席・サロン席の座席を徹底紹介!
近鉄の観光列車には、サロン席やツイン席が設置されているものが多いです。特急「青の交響曲」にも、サロン席とツイン席が設置されています。
サロン席は3人〜4人で利用できるグループ向けの座席です。2人がけの座席を向かい合わせにした形で固定した座席ですが、中央に大きなテーブルがあります。デラックスシートの座席を向かい合わせにして固定した座席のため、通常のデラックスシートと同様のリクライニングが利用できます。
ツイン席は、サロン席の2人バージョンです。こちらにも大きなテーブルがあります。また、中央のライトが大人な旅を演出してくれます。
通常の2人掛けのデラックスシートを回転させて4人掛けで使うこともできます。もちろん、1人がけのシートを向きを変えて2人がけにすることもできます。ただ、サロン席・ツイン席とは異なり、真ん中に大きなテーブルはありません。
特急「青の交響曲シンフォニー」の車内設備
近鉄特急には、コンセントがついているものがあります。大手私鉄としてはかなり遅いほうですが最近では近鉄にもWi-Fiの整備も始まっています、が残念ながらこの「青の交響曲」にはWi-Fiはありません。
コンセントは各座席にあるがWi-Fiはない
特急「青の交響曲」では、各座席にコンセントがあります。足元のところなのでちょっと使いにくいかも。伊勢志摩ライナーのデラックスシートのほうが場所が考えられていますね。
また、車内にはWi-Fiはありません。近鉄特急では、「しまかぜ」と「ひのとり」しかWi-Fiが整備されていなかったものが、最近では「伊勢志摩ライナー」「アーバンライナー」にもWi-Fiが整備されるようになりました。また、2022年4月にデビューした、大阪難波〜奈良〜京都を結ぶ観光特急「あをによし」にもWi-Fiが整備されています。この「青の交響曲」にも是非、Wi-Fiを整備してほしいですね。
特急「青の交響曲シンフォニー」の2号車はラウンジカー
2号車はラウンジカーになっています。バーカウンターもあります。原則、発車前からオープンしています。
季節によって新しいメニューが用意されているので、メニューの最新情報は近鉄公式サイトもご確認ください。
バーカウンターでは、吉野の地元のお酒や、奈良県の鳥を使ったカレーなど、地元の名産を楽しむことができます。
バーカウンターで購入したものを、そのまま2号車のラウンジで食べることもできます。2号車のラウンジはソファが用意されています。
2号車のラウンジのソファは黒で統一されています。壁面の木目調と合わせて、大人な旅が演出されています。
吉野の地酒も売っています。僕たちはここで吉野の梨のお酒を飲みました。日本酒は元々あまり好きではありませんが、口当たりもよく、なかなか美味しかった。
ラウンジカーは本当にラウンジのよう。ただ、ちょっと窓が小さいのが残念。お酒を買って、自分の座席で飲むほうが僕としては好みかなと思ってしまう。
今回は昼の便(12時半ごろに吉野駅を出発する大阪阿部野橋行きの列車)に乗車しました。特急「青の交響曲」車内にバーカウンターなどがあることはあらかじめ把握していたので、ここでカレーを購入して食べました。お昼ご飯です。
カレーには、ペットボトルの水も付いてきました。「青の交響曲」オリジナルのペットボトルです。前日に伊勢志摩方面の観光特急「しまかぜ」に乗車した際、ピラフに付いてきた水は普通のペットボトルだったので、ちょっとここは意外。
観光列車らしい設備が充実
バーカウンター以外にも観光列車らしい設備が充実しています。
デッキは異様に広いです。乗降用扉も両側に開くタイプとなっており、広いのですが、デッキから客室への扉は狭いのでそんなに広くて意味あるのかな?というのが正直なところ。
2号車の後ろ(3号車)寄り、吉野側にはライブラリがあります。ここには、沿線にまつわる本などが置かれています。自由に読むことができます。
デッキにはベンチもあります。吉野杉を使っているんでしょう。これ以外にも、サロン席とツイン席のテーブルや各座席のひじ掛けにも吉野杉が使われているようです。
吉野駅は近鉄としては賢島駅と同じ位置づけでしょう。「賢島駅の山版」と言ったらしっくりきます。意外と何もないところに駅がありますが、駅前にはいろいろあります。
車内のお手洗いなども観光列車仕様!
3両編成の観光列車のため、お手洗いは1箇所です。お手洗いの内部も、観光列車仕様でかなり充実しています。
お手洗いの様子です。かなり立派な便器が設置されています。
お手洗いにはウォシュレットも完備されています。近鉄の特急列車には、ウォシュレットが完備されているものが多くあります。これは個人的には評価が高い。
チェンジングボードがあります。このボードを利用することで、車内で着替えることができます。吉野神宮などに参拝される方の、車内で着替えたいという声から生まれたそうです。
洗面台1つとってもかなりおしゃれでいい感じです。
観光特急「青の交響曲シンフォニー」の予約
続いては、近鉄の観光特急「青の交響曲」の予約方法について解説します。
特急「青の交響曲シンフォニー」の特別料金は210円
特急「青の交響曲」は全席がデラックスシートのため、全席でデラックス券が必要です。デラックス料金は大阪南線・吉野線内では210円です。特急「青の交響曲」に乗車するために必要な料金は、
乗車券+特急券+特別車両券
の3つになります。大阪南線・吉野線内での特急料金は、全区間で520円で統一されています。そのため、大阪阿部野橋〜吉野の間で利用する場合、特急「青の交響曲」の特急券は合計730円となります。
ただし、後ほど解説する「近鉄特急チケットレスサービス」を利用すれば、橿原神宮前〜吉野の間の吉野線内では特急料金が320円に割り引かれます。また、京都方面や名古屋方面から利用する場合、特急料金は通しで計算できるため割安になります。
一例として、大阪阿部野橋〜吉野の全区間を乗車した場合の料金を挙げておきます。
乗車券(990円)+特急券(520円)+特別車両券(210円)
の合計で、1720円、子どもはその半額で870円となります。
通常の近鉄の特急券として予約可能
観光特急「青の交響曲」は普通の特急として予約できます。ただ、3両しかつないでおらず、そのうち1両がラウンジカーということで実質2両。そしてそのすべてがゆとりのあるデラックスシートですのでかなり座席数は少ないです。
デビュー直後は空席が少なかったですが、デビューから時間が経った現在ではやや余裕があることもあります。ただし、土休日朝の大阪阿部野橋→吉野便と土休日夕方の吉野→大阪阿部野橋便は発売とほぼ同時に埋まることがあります。また、それ以外の便であっても直前にも予約が入り、結局は満席近くなることが多いようです。実際に僕が乗車した便は、3時間前に確認したところ空席が多かったのに、実際にはほぼ満席でした。
予約は「近鉄ネット予約サービス」を利用するのがオススメ!
近鉄特急ではインターネットを利用したチケットレスサービスを推進しています。会員登録をした上で利用すれば、利用金額の10%がポイントとして還元されるというお得なサービスです。
予約自体は近鉄のネット予約サービスでできます。名古屋・京都方面から行くのであれば橿原神宮前から予約するのも良いでしょう。橿原神宮前〜吉野間での予約は、「吉野チケレス割」という割引が利用でき、特急料金が大幅に割引されます。ちなみに大和八木方面からの乗り継ぎで予約した場合、割引は適用されません。
特急「青の交響曲シンフォニー」吉野→大阪阿部野橋 乗車記
今回、実際に「青の交響曲」に乗車してきました。今までに3回ほど乗車したことがあります。2022年10月の「近鉄特急の旅」での様子を解説します。それ以外の日記はリンクだけ掲載しておきます。
2021年の春、桜が咲く時期に吉野へ行きました。
2020年の夏、初めて特急「青の交響曲」に乗車したのがこの時です。名古屋から日帰りで奈良を観光する超絶強行日程の1日でした。
今回、記事を作るために3日間かけて近鉄特急に乗りまくったのが3回目の乗車。この時は記事を作るための取材旅行だったため、特急に乗りまくっています。
吉野駅から乗車
まずは吉野駅から乗車します。吉野の景色はいつ見ても美しい。
また、紅葉の時期にでも来たいなぁ。
1日目からガチガチの取材旅行で疲れた体を吉野温泉で癒します。
最近オープンしたばかりの温泉「吉野の湯」です。吉野荘湯川屋が経営する温泉で、吉野の山と一体となることをテーマにした温泉です。吉野の景色を楽しみながら入る温泉、これがなかなか気持ちよかった。
吉野駅から乗車します。列車のドアが開くのは発車の15分前くらいです。
今回は1人での旅だったので、3号車のデラックスシートに乗車。1人がけの座席を確保することができました。
発車前から早速バーカウンターへ
発車前から早速、バーカウンターへ行きます。お昼ご飯を食べていないのでお昼ご飯を購入して食べます。
バーカウンターは発車前から混雑です。
今回はカレーとサイダーを注文しました。
合計1,650円。観光列車にしてはそこまでぼったくりではないように思います。
青の交響曲にちなんでサイダーは青色です。これが、窓枠に置くとなかなかいい感じの色です。
カレーについてきた水です。青の交響曲限定のオリジナルラベルです。
吉野は桜が有名。この青の交響曲の車内でもらえるおしぼりは桜のデザインです。
風光明媚な吉野線の景色を見ながら列車はゆっくり進む
列車は風光明媚な吉野線の景色を見ながらゆっくり進みます。吉野線(橿原神宮前〜吉野)はカーブが多いため、あまりスピードは出せません。
デラックスな旅を、のんびりのんびりと楽しみます。
なんだか、流れゆく緑色の景色がなんとも言えない美しさです。
吉野口付近まで降りてくると、家も多くなりいよいよ平野を走り始めます。
大阪南線ではほぼ無停車で特急らしい走り
大阪阿部野橋〜橿原神宮前の間の大阪南線内では特急列車らしい走りをします。この区間はほぼノンストップで走ります。
トンネルも少なくなってくるため、車内は明るい。
橿原神宮前駅付近では田園地帯も多いです。稲刈りが終わってしまった後だった。
あべのハルカスが見えてきました。まもなく大阪阿部野橋に到着します。
大阪阿部野橋駅に到着しました。
大阪阿部野橋駅の上には、近鉄が開発した超高層ビル「あべのハルカス」があります。大阪阿部野橋駅に着いた後はここを観光するのも良いでしょう。
特急「青の交響曲」についてはVlogも作成しました。合わせてご覧いただけると幸いです。
コメント
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