JR九州の観光列車「特急かわせみ やませみ」に乗ってきました。落ち着いた雰囲気でありながらも観光の気分が手軽に味わえる「特急かわせみ やませみ」をご紹介します。
特急「かわせみ やませみ」は地域の方々の協力のもとで設計・デザインされたことがYouTubeで公開されている熊本県民テレビの番組「【観光列車】地震を乗り越え…”かわせみやませみ”車両製作に密着!【JR九州】」で詳しく紹介されています。
現在は熊本駅から阿蘇・宮地駅間で運転
「特急かわせみ やませみ」は通常、肥薩線・熊本駅から人吉駅の間を運転しています。しかし、令和2年の豪雨の影響により肥薩線は不通に。現在、特急かわせみやませみは熊本駅〜阿蘇駅・宮地駅の間で運転されています。
熊本から阿蘇山の観光に便利な豊肥本線経由で運転
特急「かわせみ・やませみ」は、九州・熊本で作られた列車です。熊本県内の肥薩線沿線の素材を多用した列車でありながら、令和2年の豪雨災害により、福岡県内完結の形(博多〜門司港)で運転されていました。
現在は熊本県内に戻り、豊肥本線の熊本県内・熊本駅〜阿蘇駅〜宮地駅間を運転しています。同区間を運転する特急「あそ」と並行する形で運転されています。
令和2年の豪雨の影響で、現在は肥薩線が不通となっており、僕が記事を作成するために乗車した際は鹿児島本線・博多から門司港の間を運転していました。また、同様にして不通となった肥薩線を運転し、通常通りの運転ができていない「特急いさぶろう・しんぺい」も併結して同様のダイヤで運転を行なっていました。
肥薩線については熊本県が中心となって復旧を目指す方針を掲げるなど、比較的ポジティブな方向性が出ています(ただ、JR九州の古宮社長は地元負担であっても復旧後の需要の低さから、ネガティブな発言もしていますが)。今後、「かわせみ・やませみ」が肥薩線に戻ることはあるのでしょうか。
特急「やませみ かわせみ」の時刻表
特急「やませみかわせみ」の時刻表です。僕が乗車した際の博多〜門司港間は、2023年現在では運転されていません。昔の時刻表が気になる方は以下のアコーディオンをタップすれば開きます。
2022年に運転されていた「特急かわせみ やませみ」は、午前中に博多を出発し、門司港行きの「かわせみ やませみ92号」および「しんぺい92号」として運行し、午後に門司港を出発し博多行きの「かわせみ やませみ91号」および「いさぶろう91号」として折り返し博多に戻るダイヤとなっています。
駅名 | 上り 時刻表 博多→門司港 | 下り 時刻表 門司港→博多 |
---|---|---|
博多 | ↓10:39発 | ↑17:00着 |
香椎 | ↓10:48着 ↓10:50発 | ↑16:47着 ↑16:48発 |
折尾 | ↓11:38着 ↓11:39発 | ↑15:52着 ↑15:52発 |
黒崎 | ↓11:44着 ↓11:45発 | ↑15:46着 ↑15:46発 |
小倉 | ↓11:59着 ↓12:01発 | ↑15:33着 ↑15:34発 |
門司 | ↓12:07着 ↓12:09発 | ↑15:25着 ↑15:27発 |
門司港 | ↓12:16着 | ↑15:19発 |
途中、博多か香椎から乗車することを想定してダイヤが組まれています。香椎の次の停車駅は折尾で、50分ほど無停車となっていますが、途中で特急ソニックに追い越されたりと、運転停車はあります。
上り列車の博多行き「かわせみ やませみ91号」および「しんぺい91号」には、門司港から乗車している人がほとんどでしたが、小倉などからでも乗車できます。
2023年現在、熊本から阿蘇・宮地の間で運転されています。時刻表は以下の通りです。
停車駅 | 下り 時刻表 熊本→宮地 | 上り 時刻表 宮地→熊本 |
---|---|---|
熊本 | ↓10:32発 | ↑17:08着 |
肥後大津 | ↓11:15発 | ↑16:37発 |
立野 | ↓11:33発 | ↑16:22発 |
阿蘇 | ↓12:04発 | ↑15:52発 |
宮地 | ↓12:09着 | ↑15:47発 |
時刻表です。新大阪からは始発のみずほ601号に乗車しないと間に合わないため、関西エリアからのアクセスはややきつい。博多などからは問題なく、便利に新幹線から乗り継いで利用できるダイヤになっています。一方の帰り便は、遅くない時間帯に、新幹線で博多や新大阪まで着けるようなダイヤになっています。
阿蘇山は観光地としても人気。とても美しい山です。博多などから観光列車を利用して手軽に日帰り旅行ができるのはとても便利。
特急かわせみやませみを利用して、是非とも阿蘇山に足を運んでみてくださいね。
特急「やませみ かわせみ」の予約はJR九州ネット予約の利用が便利
予約はインターネットで確保するのがオススメ。
JR九州ネット予約では、検索の際に「検索する」の下にある「詳細検索はこちらから」をクリックすると列車名が指定できます。JR西日本のネット予約「e5489」では、列車名の指定ができないので「乗り継ぎなし」「新幹線を利用しない」などの条件を設定して予約するしかありません。
もちろん、当日その場で窓口での予約も可能です。しかし、3日前でももう窓側座席は空いていないくらい人気の列車なので当日指定席を確保できる可能性は極めて低いです。
特急「いさぶろう・しんぺい」も楽しもう
2021年12月現在運転されている特急「やませみ かわせみ」「いさぶろう・しんぺい」は、時刻表上・予約上では別列車となっています。しかし、内部で通り抜けて反対の列車を見ることもできます。
もともとは同じ形式の列車を改造して使っているため、併結運転が可能です。車内での通り抜けもできるため、ここを通り抜けて両方の様子を楽しんでいるお客さんが多くいらっしゃいました。
アテンダントさんが回ってきて、乗車記念証を配布してくれます。僕は「かわせみ やませみ」のシートに座っていましたが両方ともくれました。
座席や車内の様子を徹底紹介!ベンチシートもある
ここからは「特急かわせみ やませみ」の車内の様子をご紹介していきます。
1号車「かわせみ」車両は青が貴重 熊本の美しい川を感じさせる
続いては1号車の「かわせみ」です。深い青色を基調とした車体です。
車内の内壁は木を基調としつつも、座席モケットは青を基調としています。明る過ぎない青色が基調となっており、落ち着きがあります。2号車のシートは1号車「やませみ」と同じシートを使っているものと思われます。シートの色こそ違うものの、ほぼ同じ座席です。
1号車にもソファ席があります。ちなみに、プライベート感は先ほどの2号車のソファ席の方があります。1号車のソファ席にはあまりプライベート感がない…
ソファも1号車「かわせみ」では、青を基調としたものになっています。それぞれの車両のテーマに合わせたものとなっています。
グループ席もあります。最大4人までのグループで利用でいます。JR九州の観光列車によくある折りたたみ式のテーブルが備え付けられています。グループでお弁当を食べながら、などいろいろな利用の仕方ができます。
1号車は片方がグループ座席となっており、もう片方が窓側を向いた座席となっています。
座席自体はリクライニングシートの方が快適そうですね。
2号車「やませみ」車両は緑が基調 熊本の美しい山々を感じさせる
まずは、緑が基調のやませみ車両から。特急「やませみ かわせみ」は1号車「かわせみ」が青を、2号車「やませみ」が緑を基調としていますが、どちらの色も落ち着きがある色でいい感じ。
通常の2+2の座席は、特急「白いかもめ」などと同じ座席を使用しているものと思われます。ただ、もちろん完全に同じわけではなくて多少、変更箇所もあります。ちなみに以前、宮崎県を走る「特急海幸山幸」に乗車した時も同じような座席でした。
リクライニング式の座席になっており、快適です。JR九州の特急列車によくある、インアーム式のテーブルがあります。
テーブルはそれなりに広く、そして何より綺麗。木目調になっており、周りとの調和も考えられているのが大きな特徴です。
2号車の中央部と最後部にはソファ席があります。窓に背を向ける形になってしまうのが少し残念なところ。ではありますが、車両の端っこの奥まったところにあり、プライベート感があります。カップルにはオススメの座席です。
売店があり、ここで地域の名産品や特急「かわせみ・やませみ」のオリジナルグッズなども購入することができます。
シェードも通常の布製ではなく、すだれになっています。ここは九州新幹線の800系新幹線と同じ感じです。
2号車には売店も 地元の特産品や「かわせみ やませみオリジナルグッズ」を販売
2号車には売店があります。さらに、JR九州の観光列車らしい演出がところどころにありますのでご紹介します。
2号車の売店がこちらです。売店では、SuicaなどのICカードやクレジットカードなどでの支払いが可能です。
「かわせみ」の車両にあるカウンターはクローズしています。JR九州の公式サイトには「沿線の特産品などを紹介するイベントを不定期で行います。」と書かれており、このカウンターが利用されるのは不定期のようです。
肥薩線不通の影響で、鹿児島本線を「いさぶろう・しんぺい91号 かわせみ やませみ91号」として運転している間は、「いさぶろう・しんぺい」の編成にあるスタンプ台が利用できます。現在は「いさぶろう・しんぺい」は切り離され「いさぶろう・しんぺい」のみ引退、久大本線の観光列車に転用されることになりました。
人吉市の観光担当者が提案した双眼鏡も
かわせみ車両には「KAWASEMI YAMASEMI」と書かれた窓があります。肥薩線で走行する際は、バードウォッチングができる窓となるようです。
鹿児島本線で走っている間は、こちらの窓から特別何かが見えるわけではありませんが、時期によっては夕日が綺麗に見られます。
窓枠の周りは木目調となっており、ここにはこの列車の名前ともなっている「かわせみ」がデザインされています。これが写真ではなくいい感じの絵でなかなかいい。雰囲気を出しています。
特急「かわせみ やませみ」は地域の方々の協力のもとで運転されている。それに対する感謝状です。YouTubeで公開されている熊本県民テレビの番組「【観光列車】地震を乗り越え…”かわせみやませみ”車両製作に密着!【JR九州】」では、いかに地元のかたが携わっていたかが如実に描かれています。
車内のトイレはウォシュレットなども完備して快適な車両
特急列車であるため、車内にはお手洗いなども完備されています。ただし、普通列車として40年走ってきたキハ47のお手洗いからは大きくリニューアルされ、ウォシュレットなども完備されています。
トイレの便座自体も新しくなっています。新幹線の車内のトイレより清潔で新しいのでは、と思うくらいのお手洗い。
トイレにはウォシュレットが装備されています。ウォシュレットが装備されているか否かは、僕の中ではトイレの新しさを示すものでかなり大きいです。
トイレにもこんな額縁が。青色を基調としたデザインに木の枠、このデザインが、KAWASEMIをあまり強調していなくていい。
洗面台は自動で水が流れる、最新式のものです。洗面台自体はそこまで広いわけではないのがちょっとネックですが、不便を感じることはないでしょう。
大きな鏡があります。たかが鏡、されど鏡。鏡の枠も木目調となっていて、特急「かわせみ・やませみ」の雰囲気に合っています。
トイレの壁面にはポツンと1つだけ、かわせみが描かれています。
門司港から博多まで乗ってきました
実際に門司港駅から博多駅まで乗ってきました。肥薩線が不通の今だからこそ見られる、鹿児島本線を走る特急「かわせみ やませみ」です。
門司港駅はレトロな駅舎となっています。
戦時中に関門トンネルが開通するまでは、ここ門司港駅が九州の旅の出発点でした。関門海峡を船で渡り、そしてここから九州の旅が始まるのです。そのため、鹿児島本線は今でも起点がここ門司港駅となっています。
門司港周辺には今でもレトロな建物が残っており、「門司港レトロ」として一つの観光地となっています。JR九州としてもこの観光地をフル活用しており、JRの駅もあえて昔の雰囲気を感じさせるものとなっています。
ライト1つとっても雰囲気が出るようなライトになっています。これがやっぱりJR九州の観光列車らしい。
売店で白柚サイダーを購入しました。なかなか美味しかった。
博多駅に到着する20分前くらいに、だんだんと夕日が沈み始めて光が車内に入ってきました。写真ではちょっと雰囲気が分かりにくいですが、これがなかなかいい。
最後は新幹線の横を通って博多駅に到着です。残念ながら新幹線と並んで走る状況は見られませんでした。
博多駅に到着です。これ以外にも、JR九州の観光列車の記事を公開していますのでこちらもご覧ください。
また、肥薩線が不通となっている間、併結して走っている「いさぶろう・しんぺい」についてもまとめてあります。
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