関西各地と関西空港を結ぶ「関空特急はるか」。正式名称は特急「はるか」ですが、関空へのアクセスにわかりやすいようにと「関空特急はるか」の名前で案内されます。
この関空特急はるかに乗車してきました。自由席の混雑状況や車内の設備などについてご紹介します。
自由席は混雑するので注意!
関空特急はるかは、特に平日朝の時間帯などは通勤特急としての役割を果たしています。新型コロナウイルスの影響で、海外からの観光客がいなくなった今、空港まで関空特急に乗る人は少ないようです。
自由席は通勤客で混雑!
関西空港方面へのお客さんが少なくても、特急「はるか」の自由席は通勤客で混雑しています。
京都や山科などの琵琶湖線・湖西線から天王寺などに通勤するビジネスマンにとってはかなり便利な特急。京都方面から直接、環状線の天王寺方面へ行く列車はありません。しかし、この特急はるかは、新大阪から貨物線を通り大阪(梅田)をスキップして直接天王寺方面へと抜けます。さらに2023年8月に乗車した際は、訪日外国人も大幅に増加しており、さらに混雑が増していました。
僕は今回、自由席に乗車しました。新型コロナウイルスが拡大し始めたちょうどそのタイミングの2020年3月のダイヤ改正で、不運にも増結用の車両(271系)がデビューしました。新型コロナウイルスの影響でしばらく使われない状態が続いたものの、今では増結に使われています。
繁忙期には関西空港よりに3両最近では繁忙期でなくても、増結が行われます。しかし、この増結編成は普通車指定席となることが基本で、自由席はいつもよりさらに混雑するのみです。
2023年春には「うめきた新駅」が開業!大阪駅に全列車が停車
特急「はるか」号は、新大阪駅から大阪駅付近を経由して大阪環状線に入るため、線路の配線の都合から長らく、大阪駅に停車していませんでした。大阪駅のすぐ近くにある短絡線を通過していたのです。
しかし、大阪府などを主体としたプロジェクトの第1弾として、2023年にこの貨物線に駅が設置されました。大阪駅と改札内でつながり、大阪駅という扱いですが通称「うめきた新駅」などと呼ばれていたりします。
現在は、特急「はるか」号の全列車が大阪駅に停車しています。
大阪南からは特急ラピートも
今回の記事で紹介している特急「はるか」は、関西空港と大阪市内を結ぶ特急列車です。大阪市内と関西空港を結ぶ特急列車には特急「はるか」以外に南海の特急「ラピート」が走っています。
特急ラピートは「鉄仮面」の愛称がついており、独特の外観をしています。
大阪梅田や新大阪駅からは特急「はるか」の方が圧倒的に便利であるのに対し、大阪南(難波や今宮など)からの利用の場合、特急ラピートが便利です。
特急ラピートについては別に記事を作成しました。
特急ラピートの車内・停車駅や料金などを含めて解説した記事を作成しました。あわせてご覧ください。
座席設備はあまりビジネスは意識していない模様
続いては特急「はるか」の車内の様子の紹介です。
特急はるかのグリーン車
特急はるか号のグリーン車の様子です。特急はるか号のグリーン車は、在来線特急としてはスタンダートな2+1の座席配列になっています。なお、新型の271系は増結用に使われることが基本で、グリーン車は設定されていません。
グリーン車の座席もやや古さを感じさせる座席になっています。
1人がけの座席は完全に独立しています。ビジネス利用などを想定していると思われますが、グリーン車についてもコンセントの設置はありません。
2人がけの座席です。中央の肘掛けはあげることはできません。
座席のテーブルです。かなり小さいものになっています。座席背面のテーブルなども設置されていません。
フットレスト。布地面がないため、新幹線などと比べるとやや劣った感じがしてしまいます。
特急はるか(281系)の普通車
続いては特急はるか号の普通車です。特急「はるか」には2020年から新型の271系の導入が始まっていますが、6両編成、つまり基本となる編成は今でも281系です。
まずは281系の車内の様子を紹介します。
特急はるかには、やや古い車両が使われています。今後、北陸新幹線延伸の際、特急サンダーバード号・しらさぎ号の車両が余剰となることで、それらをリニューアルした上で導入すると予想しています。
関西空港は元々、国際線を伊丹空港から移すことを目的に建設されました。国内線であればビジネス客も多くいますが、国際線はビジネス客より観光客の需要が大きいということを見越してか観光客向けの座席です。
僕が最もびっくりしたのが、座席背面にはテーブルがないこと。増結用の車両(271系)にはしっかり、背面テーブルがついています。パソコン作業などをしたい僕にとってはこれは正直致命的です。
テーブルは、肘掛けから出すタイプのテーブルしかありません。JR西日本の特急列車って大体そうなんですが、肘掛けから出るタイプのテーブルはかなり小さいです。この関空特急もそうで、肘掛けから出るタイプのテーブルはこの大きさ。パソコン作業などはなかなかしんどいです。
平日朝であれあれば通勤客もいます。通勤客の中には、パソコンを膝の上で広げているお客さんもいました。増備用の車両を導入したタイミングですから、海外からの観光客が増える前のタイミングで、リニューアルをしてほしかったところではありますね。
特急「はるか」の新型車両 271系の車内(普通車)
特急「はるか」では、増結用の車両として271系を2020年3月から投入しています。2020年といえばそう、新型コロナウイルスが一気に拡大し、社会機能が停止し始めた頃です。
インバウンド客の増加で盛況だった特急「はるか」の増結用として投入された271系は、全席にコンセントを備えており車内にはWi-Fi環境も整備、大きなテーブルも備えられています。ただ、デビューから2週間で運用から撤退、その後、新車であるにも関わらず2年近くにわたって使われない日々が続いていました。しかしコロナ禍からの回復とインバウンド需要の大幅な回復により、2023年8月には、ほとんどすべての編成が運用に復帰し、使用されています。
実際に乗ってきたので、その様子を紹介します。なお、271系は増結用としての役割が基本で、グリーン車は設定されていません。
車内の様子です。ハローキティーのデザインを受け継いでいるのは281系と同様です。旧型の281系と比べて、天井が高く、明るいデザインになっています。
座席は、特急「サンダーバード」「くろしお」などのJR西日本の幹線特急、そして特急「こうのとり」「きのさき」「はしだて」などの北近畿方面の特急など、関西エリアを発着するJR西日本の特急列車と同じ座席になっており、モックアップが異なります。
さらに、各座席には大きなテーブルを完備しています。旧型の281系ではテーブルがあまりにも小さく、10インチのパソコンすら広げられない不便な設計でした。これはありがたい。
テーブルです。特急サンダーバードなどと同じタイプのテーブルが採用されています。パソコン作業などをするにも十分な広さのテーブルです。
各座席にはコンセントが設置されています。肘掛けの部分にコンセントが設置されているため、スマートフォンなどを利用するには便利です。東海道・山陽新幹線のN700S系などと同じ設計ですね。
車内には大型のディスプレイを設置しています。281系ではディスプレイがなかっただけに、案内の面で不便があったと考えられます。
車内のディスプレイは、国際空港への特急とだけあって日本語だけでない他言語に対応しています。
車内にはWi-Fiも設置されています。「訪日外国人のお客様向けのサービスです。お問い合わせについては英語のみ対応しています。」と表記がありますが、日本人でも利用できます。
方向幕も完全に電子化されていますが、特急「はるか」の特徴的な文字は残っています。
大きな荷物を持った客のために広々としたデッキがある!手荷物置き場も!
特急はるか号は空港アクセス特急であるため、デッキのスペースはやや広く作られています。
手荷物置き場なども充実
関西空港へのアクセス特急として、大きな荷物を持った客さんを想定し、デッキなどはかなり広々ととられているイメージです。
元々は喫煙ルームなどがあったのか、デッキにちょっとした休憩スペースがあります。携帯電話での通話などに利用できます。日本人が主な乗客になった今だからこそ「携帯電話通話スペース」が機能しますね(外国の方は普通に座席で通話しますから…)。
もちろん、荷物置き場もしっかりあります。大きな荷物を持っていればここにおけばOKです。朝の時間帯は通勤で利用している方も多く、ここに荷物を置いておられる方はいませんでした。
お手洗いも完備しているがやはり古さを感じさせる
特急列車のため、お手洗いも車内に完備されています。ただ、車両自体が古いこともあってやや古さを感じます。
こちらも洋式便所ではあるもののそこまで新しくはありません。空港アクセス特急だったら、ウォシュレットくらいは装備してほしいというのが本音です。
お手洗いの個室内に洗面台もしっかりあります。今どきの、自動で水が流れるセンサータイプの蛇口ではありませんが。
洗面台はこちら。洗面台の下の方にもキティちゃんがいます。洗面台が少し低くて使いにくいかな、という感じが少ししました。
新型・271系は車内設備も大幅に改善
新型の271系については、車内の設備は更新されており快適になっています。
特急「はるか」の新型271系の様子です。今回レビューするのは、ハローキティーのデザインの271系です。
荷物置き場です。大きなスーツケースのデザインがされており、ここに荷物を置けば良いことがよくわかります。成田エクスプレスにあるような鍵は設置されていません。
お手洗いの様子の紹介です。お手洗いにもハローキティーが。
お手洗いはこんな感じ。新造車とだけあって、清潔感があります。ただし、ウォシュレットがついていないのはちょっと残念。帰国して最初のトイレになる可能性があるこの車両、ウォシュレットが使いたかった。
ミラー。ここにもキティちゃんがいます。
各号車の入り口には「指定席」「自由席」の表示があります。繁忙期は増結編成ということで、基本的には指定席として運用されています。
出入り口のドアにもキティちゃんがデザインされています。本当に、あらゆるところにキティちゃんがいますね。
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