引退間近?山陽新幹線こだま 500系の車内・運用を徹底的に解説!元は「のぞみ」の代表車両

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新幹線西日本鉄道車内徹底紹介
この記事は約11分で読めます。

一時期は「のぞみ」号などで活躍したJR西日本の500系新幹線。現在ではこだま号として運用されています。N700系新幹線の廃車も始まり、そろそろ引退も視野に入ってきた500系新幹線。この記事では、500系新幹線の車内の様子などを徹底的に紹介します。

500系新幹線の一部が廃車され、その代替としてN700系16両編成(東海道新幹線直通用編成)を8両に改造されることが発表されました。500系については、今後本数も減ることになると思います。

改造されたN700系8両編成にも、タイミングを見計らって乗りに行きたいと思います。

500系新幹線のVlog

新大阪から広島の区間で、500系に実際に乗車してVlogを作成しました。あわせてご覧ください。

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先頭のノーズが特徴的な500系 最高速度は300km/h

500系の特徴はなんと言ってもその先頭の形状にあります。とんがった先頭部分とキャノピー形状・戦闘機のコクピットのような運転台が500系の特徴です。

500系新幹線の先頭部分-新大阪駅にて撮影

キャノピー形状の先頭車両は今でも人気の高い、新幹線の定番!

500系新幹線の特徴といえば、キャノピー形状の先頭部分、そして円筒形の断面です。キャノピー形状ゆえに1号車・16号車の運転台横にドアが設けられなかったこと、そして円筒形断面が故の居住性の悪さが原因で、早期に東海道・山陽新幹線「のぞみ」から離脱することになりました。

キャノピー形状の先頭車両は今でも人気の高い、新幹線の定番!
500系新幹線

しかし今でも大きく「JR 500 WEST JAPAN」とロゴを入れて、山陽新幹線内で運転されています。人気の新幹線ランキングでは常に上位に食い込んでくるほど、今でも人気の高い新幹線です。

500系で運転される列車の運用はある程度決まっている

現在、500系で運転される列車は全て時刻表等が公開されています。Yahoo路線などのアプリでも確認できます。ここでは、それらの情報に基づいて現在、500系新幹線で運転される列車の一覧を掲載しておきます。ただし、一部車両検査などの影響で他の車両で運転されることがあるので注意してください。

2024/02/17更新

JR西日本から、6編成あるうちの4編成を、20226年度末までに運用離脱させる予定であるとの発表がありました。今後、500系に乗ることができる機会も少しづつ、減っていくことになります。

上り 博多→広島→岡山→新大阪

上りの新大阪方面の列車として運転されている列車です。博多の車両基地から博多南線経由で山陽新幹線に入る列車が多い。そのため、早朝の列車が多くなっています。

  • こだま772号 博多7:25~小倉7:41(全車自由席)
  • こだま838号 博多6:32~新大阪11:12 ハローキティ新幹線で運転
  • こだま840号 博多7:07~岡山10:26
  • こだま846号 博多10:03~岡山13:26
  • こだま850号 博多12:02~新大阪17:12
  • こだま868号 博多19:19~新大阪23:18
  • こだま782号 博多20:36~岡山23:20

下り 新大阪→岡山→広島→博多

続いては新大阪から下りの列車。こちらも新大阪の車両所から出発するため、朝早い時間帯に出発する列車が多くなっています。

  • こだま779号 小倉7:50~博多8:07
  • こだま833号 岡山6:30~博多9:10
  • こだま839号 新大阪6:59~博多11:14
  • こだま849号 新大阪11:32~博多16:11 ハローキティ新幹線で運転
  • こだま855号 岡山15:19~博多18:44
  • こだま857号 岡山16:19~博多19:44
  • こだま863号 新大阪17:32~博多22:35
下り 新大阪→岡山→広島→博多:
新下関駅にて

現在500系は山陽新幹線内限定・こだま号として運転

現在500系新幹線は、山陽新幹線内でのみ運用されています。かつては東海道新幹線の東京まで乗り入れる「のぞみ」号としても運用されていましたが、今ではこだま号年の運用のみです。

先頭のノーズが特徴的な500系 最高速度は300km/h
新下関駅にて

山陽新幹線における「こだま」号は、現在主に500系と700系「レールスター」で運用されています。現在では500系についても最高速度は285km/hに落とされました。

現在では700系レールスターと同様、8両編成とかなり短い編成での運用となってしまいました。東海道新幹線に乗り入れていた頃は16両編成の長大編成だったのに…

現在500系は山陽新幹線内限定・こだま号として運転
東海道・山陽新幹線で最速の「のぞみ」N700S系に追い越される500系「こだま」

イベント列車などを除いて、500系が駅をバンバン通過していく様子は見られなくなってしまいました。最高速度を285km/hに落としてしまったのも残念ですね。今では往年の300km/hの走行は見られません。

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500系の車内 座席の様子は?元グリーン車の座席も!

続いて500系新幹線の車内をご紹介します。500系の自由席はデビュー当時の2+3の横5列シート。そして普通車指定席は、JR西日本の新幹線によくある「指定席2+2列配列」の座席になっています。元々、のぞみ号として走っていた頃にはグリーン車として使われていた座席でとても快適です。

  1. 6号車:2列+2列の4列シート・元グリーン車の座席
  2. 4号車・5号車(基本的に指定席):2列+2列の4列シート・レールスター700系と同様のシート 2番目に紹介
  3. 1号車〜3号車(基本的に自由席):3列+2列の5列シート 最後に紹介

となっています。

先頭のノーズが特徴的な500系 最高速度は300km/h
8両編成の500系

①普通車指定席の『6号車』は2+2の座席配置で快適!

普通車指定席のうち、6号車の車内の様子です。東海道新幹線・山陽新幹線の「のぞみ」号として使用されていた際はグリーン車として使用されていた座席です。

①普通車指定席の『6号車』は2+2の座席配置で快適!
元々はグリーン車だった車内

元々はグリーン車として使われていた座席ではあるものの、床のカーペットなどは取り去られ、あくまで「グリーン車のシートを使った2+2列配列の普通車」となっています。

①普通車指定席の『6号車』は2+2の座席配置で快適!
座席も重厚感がある

座席は元グリーン車だけあって重厚感があります。2つの座席の間の肘掛けが大きいのが、グリーン車の感じが出ていますよね。

①普通車指定席の『6号車』は2+2の座席配置で快適!
座席背面には手編みポケットだけ

座席背面には網ポケットと荷物などを引っ掛けるためのフックだけが用意されています。座席背面のテーブルはありません。

①普通車指定席の『6号車』は2+2の座席配置で快適!
テーブルはインアーム式

テーブルはインアーム式のテーブルになっています。2人掛けの外側の座席(窓側・通路側)の肘掛けから出すタイプです。

①普通車指定席の『6号車』は2+2の座席配置で快適!
2つ折になったテーブル

テーブルは2つ折りになっているため、広げることで大きく使うことができます。個人的には、座席背面のテーブルだと少し遠くなってしまうことがあるので、インアーム式のテーブルはありがたい。

①普通車指定席の『6号車』は2+2の座席配置で快適!
内側に歪曲しているのが一つの特徴

500系は騒音対策などから、内側の形状が内側に歪曲しています。つまり、断面がほぼ円筒状になっているのです。少し狭さを感じます。

①普通車指定席の『6号車』は2+2の座席配置で快適!
普通車指定席の座席

こうやってみると、元グリーン車の座席としての威厳がありますね。現在では少し古い座席になったこともあり、普通車指定席の料金で利用することができます。

②普通車指定席として増備された『4号車・5号車』はレールスターと同じ座席

さらに、4号車と5号車も普通車指定席となる座席で、2+2列の座席になっています。ただ、500系「のぞみ」時代のグリーン車の座席ではなく、700系「レールスター」の座席を導入したものになっています。

②普通車指定席として増備された『4号車・5号車』はレールスターと同じ座席
4号車と5号車の普通車指定席

座席は2人掛けの座席で、グリーン車などと同様に2人の間の肘掛けは固定になっています。山陽新幹線・九州新幹線で使用される「みずほ」「さくら」用のN700系(8両編成)の普通車指定席は、この座席の正常進化版とでも言えそうです。

②普通車指定席として増備された『4号車・5号車』はレールスターと同じ座席
座席背面にテーブルがある

座席背面にテーブルが設置されていますが、そこまで大きくはありません。普通車自由席(2+3の配列の座席)と同じタイプのものが採用されています。

②普通車指定席として増備された『4号車・5号車』はレールスターと同じ座席
肘掛けの部分には物置も

さらに、肘掛けの部分には小物を置くスペースがあります。スマートフォンなどをここにおいておく人が多いですね。

②普通車指定席として増備された『4号車・5号車』はレールスターと同じ座席
ドリンクホルダー

さらに外側(窓側・通路側)の肘掛けには、ドリンクホルダーがあります。N700系(8両編成)で使用されているものと同じタイプです。これは正直、かなり便利です。

同じ「こだま」号として運用されている700系「レールスター」についても別の記事で解説しています。あわせてご覧ください。

③普通車自由席はデビュー当時の座席のままの5列シート

続いては普通車自由席です。普通車自由席はデビュー当時、東海道新幹線に乗り入れる「のぞみ」号などとして活躍していた頃の普通車のままです。

③普通車自由席はデビュー当時の座席のままの5列シート
2+3列の普通車自由席は、「のぞみ」としてデビューした当時のまま

普通車自由席は2+3の座席配列で、東海道新幹線直通の「のぞみ」号としてデビューした当時のままです。

普通車自由席はデビュー当時の座席のまま
2+3列の普通車自由席

東海道・山陽新幹線「のぞみ」号として活躍していた際は、円筒形断面ゆえの居住性の悪さが指摘されていました。現在は比較的乗客数の少ない「こだま」号としての運用ですが、乗客数が多い「のぞみ」号では、この円筒形断面の窓側はやや圧迫感を感じのたかもしれません。

普通車自由席はデビュー当時の座席のまま
3列シート

瀬戸内海側の座席が3人がけの座席になっています。現在、「のぞみ」号の主力車両として運用されているN700系の方が座席自体が大きく、快適であることは確かです。

普通車自由席はデビュー当時の座席のまま
2列シート

だからといって2列シートは逆に安っぽさを感じさせるような。新幹線は飛行機と比べて座席間隔が広いため、無駄な解放感がある気がしてしまいます。

普通車自由席はデビュー当時の座席のまま
こちらも内側に曲がっている

普通車自由席ももちろん、車体の断面に合わせて内側に歪曲しています。500系が「のぞみ」号として使用されていた際は、ここが圧迫感を感じる原因となっていたようです。

普通車自由席はデビュー当時の座席のまま
このクッションの裏には配線か…?

このクッション、普通車指定席にもありました。座席のシートと色が合わせられているようです。寝るときにここに頭を乗せると意外と快適。

普通車自由席はデビュー当時の座席のまま
座席背面にテーブルが

普通車自由席は、座席背面にテーブルが設置されています。普通車自由席の座席には、肘掛けから出てくるタイプの座席は用意されていません。

普通車自由席はデビュー当時の座席のまま
テーブルはあまり大きくはない

テーブルを開くとこんな感じ。あまり大きくはありません。在来線特急の普通車にもありそうなテーブルです。

普通車自由席はデビュー当時の座席のまま
車内のディスプレイ

車内にはもちろん、ディスプレイがあります。JR西日本は2022年現在、ニュースのテロップ表示を行っています。JR東海は2021年に廃止してしまいました。

普通車自由席はデビュー当時の座席のまま
1号車にある謎の台

それから、1号車にはこんな台が。この台は何に使われているものなのか不明です。わかる方いたらコメントください。→ゆびさんより「先頭車にある謎の台、確か座席上の荷物棚が500系の特徴的な形状ゆえに狭いので、その代わりに設置された荷物置きだったと思います。」とコメントいただきました。確かに、500系の先頭車両は形状が特徴的なため、頭上の荷物置き場が機能していません。その代わりになる、荷物置き場なんですね。

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車内設備は?コンセントやWi-Fiの設置は?お手洗いは?

最後に、500系新幹線の車内設備などについて詳しく解説します。2026年以降の一部編成引退が発表されたことから、これ以上、機能向上の工事などはなさそうです。

500系にはWi-Fiは装備、電源コンセントはなし

現在、日本国内を走っている新幹線車両には原則として、車内Wi-Fiが完備されています。500系についても改造時に追加工事が行われ、全車両でWi-Fiが利用できるようになっています。

また、500系の最大の欠点がコンセントが使える座席が全くないことです。コンセントの設置など、ビジネスマンから好評の機能は700系以降に導入されています。現在の山陽新幹線で最新となるN700S系が全席コンセントを装備していることと比べると、なかなかの格差だと感じます。

今後、コンセントの追加工事が行われないかともやや期待していましたが、JR西日本は500系を引退させる方針を発表。コンセントが設置されることはなさそうです。

500系にはWi-Fiは装備、電源コンセントはなし
500系新幹線(新倉敷駅にて)

新大阪側の先頭車両には子供向けの運転台を設置

新大阪側の先頭車両には、子供向けの運転台が設置されています。新幹線はその構造上、前面展望を楽しむことができないのが残念。ですが、この運転台で遊ぶことができます。

新大阪側の先頭車両には子供向けの運転台を設置
子供向けの運転台

実際にハンドルを動かすことができます。ハンドルを動かすとスピードメーターが少しづつ上り、最速300km/hまでいきます。この演出はなかなかいいですよね。

車内設備は更新されていないが清潔に保たれている

続いては車内設備のご紹介です。1997年の500系「のぞみ」デビュー以来、そのまま使われている車内設備ですが、清潔に保たれており快適です。

車内設備は更新されていないが清潔に保たれている
客室への入り口

車内設備はデビュー当時からほとんど更新されていない模様。当時のJR西日本の予算を惜しみなく投入し、使いやすいものを作ったからからこそ、今でも使える設備になっているのでしょう。

車内設備は更新されていないが清潔に保たれている
なんだか複雑な土台なトイレ

お手洗いはこんな感じ。洋式の便器が採用されています。なんだか複雑な形をした土台がとても印象的。

車内設備は更新されていないが清潔に保たれている
洗面台

続いてお手洗いの外にある洗面台です。手をかざすと自動で水が出てくるタイプの洗面台になっています。

車内設備は更新されていないが清潔に保たれている
多目的室

多目的室もしっかりあります。新幹線にはほとんどついていますよね。車掌さんに申し出ることで使用することができます。

車内設備は更新されていないが清潔に保たれている
扉の周辺も内側に歪曲している

扉の周辺も内側に歪曲しているのが、500系らいしいです。この円筒形断面と先頭のキャノピー形状が500系の魅力でありながら、その快適性にやや難があり、東京乗り入れは早期に終了してしまいました。

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コメント

  1. ゆび より:

    先頭車にある謎の台、確か座席上の荷物棚が500系の特徴的な形状ゆえに狭いので、その代わりに設置された荷物置きだったと思います。

    • Dolphin dolphin より:

      ありがとうございます!確かに、そうですね。頭上の荷物置き場が機能しませんからね。
      記事にもその旨、追加させていただきました。

  2. Blue Dog より:

    すごくわかりやすかったです!500系が引退する前に早く乗りたいな〜

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