名古屋から高山線の下呂、高山、そして北陸の大都市・富山を結ぶ特急ひだ号。2022年から導入が始まった新型車両HC85系のグリーン車の座席は大幅にアップグレードされかなり快適になりました。
特急ひだ号に導入された新しいハイブリット車両「HC85系」は、ハイブリッドシステムを導入し、車内設備も大幅に向上しています。
以前、このブログでも特急ひだHC85系の普通車の様子を紹介してきました。今回はグリーン車に乗車してきたので、その様子を徹底的に紹介します。
特急ひだ号HC85系のグリーン車は最高
今回、可児に用事がありました。可児から自宅のある名古屋まで、普通は名鉄線を利用するのですが、時間的にもちょうどタイミングが良かったので今回はJRを利用し、特急「ひだ」に乗車することにしました。
特急ひだ号のHC85系は2022年7月にデビューしたばかりの車両で、ハイブリッドシステムを搭載していることが特徴です。車内のサービスも一新され、サービスアップが図られています。
特急「ひだ」の座席は最高に快適な座席
まずはグリーン車の座席の紹介からです。座席の様子はこんな感じ。
グリーン車の座席は、沿線の新緑や美しい川、夕暮れの紫の空をグラデーションで表現しているんだそう。下の方はまさに、「美しい川」を彷彿させるような美しい青色、そして上の方は新緑をイメージさせるような黄緑色。華やかさ、明るさがありながらも上質な色合いです。
リクライニングをするとこんな感じ。う〜ん、両方ともリクライニングしてしまうとわかりにくいかな。最後列(名古屋方面へ折り返すときに最前列)の席だったため、好きなだけ倒しました。
リクライニングはこんな感じ。普通車とは異なりかなり倒れます。後ろの人には配慮して倒さなくてはいけませんね。
車内のインテリアは、落ち着いた濃い茶色の木目調にして「木のぬくもり」が演出されているそう。実際、普通車の車内より高級感のある落ち着きがあります。
お客さんが多くいらっしゃったので全体の写真は撮影できませんでした。この1枚のみ、Traicyさんの記事より写真を引用させていただきます。車内の様子を前から見るとこんな感じです。
車内の様子です。グリーン車らしく落ち着きのある車内空間です。「ワイドビュー」の名前は消えましたが、広々とした窓があるので十分、景色を楽しむことができます。
富山発着便に関しては、グリーン車は名古屋〜高山
特急「ひだ」号は、名古屋から岐阜を経て高山へ、そして一部の列車はその先の富山まで向かいます。2022年12月から、富山まで乗り入れる特急「ひだ」号にも、HC85系が充当されるようになりました。
しかし、高山乗り入れの編成についてはグリーン車が連結されるのは名古屋〜高山間のみです。高山〜富山間は、一部の時期を除いて普通車指定席1両+自由席1両の合計2両編成で運転されます。高山〜富山では、グリーン車の連結はありません。
なお、特急「ひだ」をはじめとしたJR東海のグリーン車の特急券・指定席券・グリーン券はJR西日本のネット予約サイト「e5489」などでも予約することができます。
フットレストや読書灯など、新幹線に準じた快適な座席設備
これ以外にも座席にはさまざまな設備があります。
グリーン車ならではの設備であるフットレスト。このフットレストは、東海道・山陽新幹線のN700Sグリーン車と同じタイプのフットレストだったように思います。
座席の背面には大きなテーブルがあります。テーブルの仕組みは東海道新幹線のN700Aグリーン車と似ています。
テーブルは前後にスライドします。前後にスライドするので、前後間隔が広いグリーン車でも快適に使うことができます。
間の肘掛けに読書灯のライトがあります。
読書灯をつけてみました。トンネル区間が多い高山線では、この読書灯はありがたいですね。
さらに毛布もあります。毛布はセルフサービスですが、ここから持って行って使うことができます。高山線の高山や下呂、そして北陸の富山は冬は非常に雪が降ります。列車に乗ってきて毛布がある、これはなんだかほっこりします。
車内にはWi-Fiも 全席にコンセントを完備
HC85系にはグリーン車は当然のこと、普通車にも全席にコンセントが設置されました。
普通車には肘掛けのところにコンセントがありますが、グリーン車も同様に肘掛けの部分にコンセントがあります。
また、全車両でWi-Fiサービスが利用できます。
比較的お客さんが少なかったこともあり、速度は速かったように思います。実際に計測してみたところ、列車の中のWi-Fiとしてはかなり優秀でした。
こちらが実際に計測した結果です。アップロード/ダウンロード共に7.0Mbpsの速度が出ています。ただし、列車のWi-Fiは走行位置によって速度に大きな差が出ます。特急ひだ号が走行する高山線はトンネル区間や山間の区間もあるので、区間によっては安定しないかもしれません。
特急ひだ号のグリーン車で、快適な旅を楽しんでくださいね。
最新列車らしい車内設備は新幹線にも負けない新しさ・清潔さ
HC85系では車内の設備も完全に新造され、新しい設備になりました。
ウォシュレットも完備した綺麗なお手洗い
お手洗い・洗面台などの紹介です。この辺りは普通車での紹介と一緒です。
洗面台は明るく、広々しています。ミラーが3枚あります。これは使いやすい。
お手洗いの様子です。広々としたお手洗いは、東海道新幹線のN700系列と同じような感じです。ただ、壁面が薄い青色になっているのはちょっとセンスが微妙な感じもしたりして…
また、着替えなどで利用できる台も用意されています。近鉄特急「ひのとり」などにも完備されています。
そしてウォシュレットを完備。ウォシュレットが車内で使えるのは評価がかなり高いです。
車内には観光客を意識した設備がたくさん
観光客の利用に最大限配慮し、手荷物置き場や電光掲示板などもしっかり設置されています。
大きな荷物を置くための場所です。特急ひだ号が走る飛騨方面は、宿泊で利用される方が多い。また、外国人観光客にも人気の観光地であるため、大きな荷物を持って乗車することも想定されています。
車内には大きなフルカラーのディスプレイも装備されています。視認性が非常に高い。
普通車の様子を撮影する際に乗車した車内でたまたま、急ブレーキがかかりました。踏切の非常ボタンが押されたためだそう。ということで珍しく「急停車します!」の表示が撮れました。
JR東海の列車としては珍しく、車内には沿線の工芸品などの展示が。え、JR九州の特急じゃないよね?って思ってしまった笑
ハイブリッドのロゴが輝く車両のデザインは電車そのもの
車両の外観のデザインなども電車と同じような感じ。
1号車・グリーン車の入り口の様子です。ハイブリッドの横には大きくグリーン車のマークがあります。
車外には「ハイブリッド」のロゴが輝きます。また、行き先表示もフルカラーで美しくみやすいものになています。
ハイブリット車両であり、動き方は気動車ではなく電車です。そのため、車両番号も電車の番号です。
新型のハイブリッド車両は環境にも優しい
特急ひだ号はハイブリッド形式としては国内最速の、120km/hでの営業運転を行なっています。
HC85系は最新鋭のハイブリッド車両
HC85系は、エンジンで発電した電気を使って動く車両として開発されました。また、ブレーキ時にはエネルギーを蓄電池に蓄え、ブレーキの際のエネルギーも走行に使います。電気を架線からもらうのではなくエンジンで発電するだけであり、後続は電車と同じため非電化区間である高山線でも、電車と全く同じ性能を発揮することができます。
広告や車両のデザインでもハイブリッドを前面的に押し出しています。名古屋駅やJR在来線の列車の中には広告があります。
車内環境も電車と同様
特急ひだ号に導入されたHC85系は先ほど解説した通り、エンジンを使って発電し、蓄電池に蓄えられた電気で車両が動いています。そのため、車内環境なども電車と同じ。
車内のディスプレイには、いまどのように走行しているかが表示されています。
車内の照明も明るく、新型の車両ならではの快適な車内環境です。
音も静かで環境に優しいハイブリッド車両
実際に乗車しているととても静か。加速時などには特に感じます。
環境性能も25%ほど向上しており、燃費向上と騒音抑制に加えて環境への負荷軽減の効果もあります。
特急ひだの快適なグリーン車と車内の設備を徹底的に解説しました。普通車についてはこちらの記事で紹介しています。
より快適になった特急ひだのグリーン車で、高山、下呂、そして富山など飛騨路の旅に出てみませんか?
また、有名観光地・飛騨高山についての記事も作成しました。あわせてごらんください。
コメント