箱根登山鉄道に乗ってきた 車内の様子や乗り方など解説

鉄道車内徹底紹介
鉄道車内徹底紹介関東・甲信越

箱根の登山口からいくつもの急勾配を登り、ケーブルカーとの乗り換え地点である強羅までを結ぶ箱根登山鉄道。箱根登山鉄道に実際に乗車してきたので、その様子を解説。さらに、よくある疑問などにお答えします。

なお、箱根登山鉄道に乗車した際の様子については動画を撮影しており、現在Vlogを作成中です。完成したらここに掲載します。

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箱根登山鉄道の料金や切符について解説

まず初めに、箱根登山鉄道に乗る場合の基礎知識となる、箱根登山鉄道の料金やきっぷについて解説します。

箱根登山鉄道に乗るならフリーパスの利用がオススメ

箱根登山鉄道を利用する場合、フリーきっぷの利用がオススメです。箱根登山鉄道の利用方法は様々でしょうが、箱根エリアを登山鉄道・ケーブルカー・ロープウェイ・船などの交通手段で回るのであれば、フリーきっぷが圧倒的に便利です。

箱根登山鉄道に乗るならフリーパスの利用がオススメ
箱根湯本駅にて

箱根フリーパスは、小田原からの箱根登山鉄道全線のほか、箱根のロープウェイ・ケーブルカー・海賊船に加え、海賊船の終点の駅である箱根町港から、箱根湯本駅だけではなく三島駅や御殿場駅などへのバスまで乗り放題になったチケットです。

箱根フリーパスを使った観光の様子については、別の記事にまとめてあります。こちらの記事もご覧ください。

箱根登山鉄道に乗るならフリーパスの利用がオススメ
箱根フリーパスの利用範囲(箱根ナビ Powerd by 小田急箱根グループより引用)

箱根の公共交通機関は、登山鉄道やケーブルカー、ロープウェイや船など様々で、このエリアを毎回チケットを購入して乗っているととてつもない金額になります。

発駅2日間有効3日間有効
おとなこどもおとなこども
新 宿6,100円 1,100円6,500円1,350円
町 田5,820円1,100円6,220円 1,350円
藤 沢6,050円1,100円6,450円1,350円
小 田 原5,000円1,000円5,400円1,250円
箱根フリーパスの価格設定

僕は今回、名古屋から東京へ移動するルートとして箱根登山鉄道を利用しました。そのため、新幹線の三島駅から小田原駅、そしてそのさき新宿駅まで通り抜けるルートを取りました。これでも元が取れたわけで、とてもお得なきっぷであることは確かです。

箱根フリーパス|チケット購入|運行情報|箱根ナビ
箱根ナビの箱根フリーパスについてご紹介いたします。

現在はスマートフォン上で購入・決済をし、スマートフォンの画面をフリーパスとして利用できます。詳しくは公式サイトもご覧ください。

箱根登山鉄道はSuicaやPASMOなどICカードも利用可能

箱根登山鉄道では、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードが利用できます。ただし、交通系ICカードでそのまま改札から乗車できるのは、箱根湯本駅〜強羅駅の間のみです。

箱根登山鉄道はSuicaやPASMOなどICカードも利用可能
箱根湯本駅

なお、箱根エリアはICカードの利用可否が交通手段によって異なります。以下に早見表をまとめておきますが、最新の情報は公式サイトもご確認ください。

利用手段交通系ICカードクレジットカード
箱根登山鉄道
箱根湯本〜強羅
利用可窓口購入できっぷ購入に利用可
箱根登山ケーブルカー
強羅〜早雲山
利用不可
窓口購入できっぷ購入には利用可
窓口購入できっぷ購入に利用可
箱根ロープウェイ
早雲山〜桃源台
利用不可
窓口購入できっぷ購入には利用可
タッチ決済で乗車可
窓口購入できっぷ購入に利用可
箱根海賊船
桃源台〜箱根町・元箱根
利用不可
窓口購入できっぷ購入には利用可
タッチ決済で乗車可
窓口購入できっぷ購入に利用可
ICカード・クレジットカード利用対応早見表

これらの4つの交通手段は、揃って小田急グループのはず。できれば足並みは揃えて欲しいところです。

箱根登山鉄道の切符の買い方 予約は不要!

最後に箱根登山鉄道のきっぷの購入方法などについて解説します。

箱根登山鉄道は首都圏などに住む人たちからしたらちょっと特殊な列車ですが、予約は必要ありません。箱根登山鉄道線の線内で完結する場合、予約が必要な列車はありません。

箱根登山鉄道の切符の買い方 予約は不要!
箱根登山鉄道

箱根登山鉄道(箱根湯本から先)で予約が必要な列車はありませんが、箱根へ行く場合、新宿などから特急「ロマンスカー」を使う人も多いでしょう。特急ロマンスカーを使う場合、全席指定席となるため予約が必要となります。

特急ロマンスカーの予約方法などについては、こちらの記事でもご紹介しているので、気になる方はご覧ください。

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箱根登山鉄道で箱根を観光しよう

箱根登山鉄道は観光のための鉄道で、沿線には観光スポットが数多くあります。箱根をワイドに観光するなら、この箱根登山鉄道を使うのがおすすめです。

箱根登山鉄道は箱根湯本駅から強羅駅まで運転

箱根登山鉄道は箱根湯本駅から強羅駅までを結ぶ鉄道です。箱根湯本は温泉が数多くあり、高級旅館もある温泉街です。終点の強羅までの間にも、温泉街があり宿泊施設も沿線に数多くあります。

箱根登山鉄道は箱根湯本駅から強羅駅まで運転
箱根登山鉄道の路線図

それぞれの途中駅に観光スポットがあります。また、途中駅で下車しても次の列車に困らない程度に列車の本数があるのも大きな魅力です。

駅名主な観光地
箱根湯本[OH51]早雲寺:北条氏歴代の菩提所。臨済宗大徳寺派 の古刹。
湯本温泉:箱根十七湯で最古の歴史を誇り、最多の宿の数を誇る。
塔ノ沢[OH52]塔ノ沢温泉:閑静な老舗旅館が多い温泉街
深沢弁財天:本宮から屋宮まで4つの杜からなり、それぞれに福徳がある。
箱根湯寮:古民家風の里山温泉がコンセプトの日帰り温泉。
大平台[OH53]大平台温泉:箱根細工の里として栄えた温泉地。
宮ノ下[OH54]宮ノ下温泉:江戸時代は大名や豪商の湯治場として栄えた温泉地。
セピア通り:古くには外国人観光客のためのお土産が多くあった商店街。
小涌谷[OH55]千条の滝:いく条もの糸に見える滝。
蓮菜園:躑躅時の名所として知られる。
彫刻の森[OH56]彫刻の森:自然と芸術の調和を目指して箱根に造られた、国内最初の野外美術館。
強羅[OH57]箱根強羅公園:季節の花を楽しめる大正3年に開園した歴史ある公園。
強羅温泉:政財界人などの別荘地として栄えた独特の景観の温泉地。
箱根登山鉄道周辺の観光地

このように、本当に数多くの観光地があります(この表、全部調べて作成するの大変なくらい観光地が多かった)。

ループ線やスイッチバックなど、見どころがたくさん

箱根登山鉄道には、ループ線やスイッチバックなど見どころが多くあります。また、6月にはあじさいが線路脇に咲き、とても美しい。

ループ線やスイッチバックなど、見どころがたくさん
スイッチバックなど、箱根登山鉄道ならではの見どころが

箱根登山鉄道は急勾配を登って箱根湯本駅から終点の強羅駅へと向かいます。急勾配を、鉄道という坂道に弱い交通手段で、箱根の急な坂道を登るために鉄道ならではの手段が用いられています。ループ線は名前の通り、ループ状に線路を敷くことで距離を稼ぎ、高さを上げられるようにします。また、スイッチバックは、途中で向きを変え、折り返すことで距離を稼ぐ方法です。出山信号場、大平台駅、大平台信号場の3ヶ所でスイッチバックが行われます。

箱根登山鉄道の混雑状況 特にあじさいや紅葉の時期は注意

箱根登山鉄道は、観光客が多い時期を中心に混雑します。特に、箱根に観光客が多くなるのが、あじさいが咲く6月と紅葉が綺麗に見られる11月です。

ちなみに僕は、あじさいとも紅葉とも関係のない、9月に箱根登山鉄道を利用しました。9月の利用でも、それも平日でも箱根登山鉄道はかなり混雑していました。

箱根登山鉄道の混雑状況 特にあじさいや紅葉の時期は注意
箱根登山鉄道

箱根は特に、外国人観光客にも人気の観光地です。外国人観光客にも人気の観光地は、平日でも意外と混雑していたりするので注意が必要です。

箱根登山鉄道を降りたらケーブルカーで、ロープウェイで、そして船で箱根観光

ここまで、箱根登山鉄道での観光について解説してきました。箱根登山鉄道を降りたら、ケーブルカーやロープウェイで観光することができます。

箱根登山鉄道を降りたらケーブルカーで、ロープウェイで、そして船で箱根観光
箱根ケーブルカー

箱根ケーブルカーは、箱根登山鉄道の終点の駅となる強羅駅から、箱根ロープウェイへの乗り換え駅である早雲山駅までを結ぶケーブルカー。途中に3つの途中駅があり、これらの途中駅でも下車することができます。

箱根登山鉄道を降りたらケーブルカーで、ロープウェイで、そして船で箱根観光
箱根ロープウェイ

そして箱根ロープウェイは、早雲山駅から桃源台駅までを結ぶロープウェイ。大涌谷駅で必ず乗り換えとなります。強風が吹く箱根において、安定して運行することができるよう、ケーブルが2本ついた珍しいロープウェイです。

箱根登山鉄道を降りたらケーブルカーで、ロープウェイで、そして船で箱根観光
箱根海賊船

そして最後、桃源台駅に着くとその先は箱根海賊船に乗ります。箱根海賊船で向かう先が、元箱根などの観光地。元箱根にはおしゃれな飲食店街などもあり、食べ歩きなどを楽しむことができます。

箱根の魅力について、特にこれらの交通機関についてはより詳しく記事を執筆している最中ですので、しばらくお待ちください。

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箱根登山鉄道の最新型車両 3000形「アレグラ号」の車内を紹介

最後に、箱根登山鉄道の車内の様子を紹介します。箱根登山鉄道の最新型の車両である、3000系の車内を中心に紹介したいと思います。

赤い車体が特徴的な箱根登山鉄道の車両

箱根登山鉄道は赤い車体が特徴的です。箱根登山鉄道は標準軌であるため、線路はばこそ広い(=急勾配にも対応できる強力なモーターを積むことができる)ものの、トンネルなどの構造物に対応するために車体幅は狭くなっています。

赤い車体が特徴的な箱根登山鉄道の車両
箱根登山鉄道の3000形

スイス・レーティッシュ鉄道を彷彿させる、赤を基調とした車体です。箱根登山鉄道は高速で走行する列車ではないこともあり、強度より眺望が重要。窓もかなり大きくとられています。

赤い車体が特徴的な箱根登山鉄道の車両
車内はボックスシートが中心

車内の様子です。車内はボックスシートが中心で、茶色を基調とした座席になっています。4人がけのボックス席なので、1人旅だとちょっと気まずいかも。

赤い車体が特徴的な箱根登山鉄道の車両
座席にはちょっとしたテーブルも

そして最もありがたいのが、座席にはちょっとしたテーブルがあります。コップのコーヒーなどを持ち込んでも、ちょっと置いて飲むことができる。毎日のようにコーヒーを飲む僕にとってはとてもありがたいです。

スイス・レーティッシュ鉄道をモデルにした登山鉄道

箱根登山鉄道は、スイスのレーティッシュ鉄道(旧・ベルニナ鉄道)をモデルに建設されました。現在はそのスイス・レーティッシュ鉄道と「姉妹鉄道」の提携を結び、さまざまな交流が行われています。

スイス・レーティッシュ鉄道をモデルにした登山鉄道
Kabelleger / David Gubler (http://www.bahnbilder.ch), CC BY 3.0 https://creativecommons.org/licenses/by/3.0, via Wikimedia Commons

スイスのレーティッシュ鉄道にも箱根登山鉄道と同様、ループ線などの設備があります。そして何より、非常に景観が美しい場所を通っていく。いつか乗りに行きたい列車です。

スイス・レーティッシュ鉄道をモデルにした登山鉄道
箱根登山鉄道の車内にも表示が

車内にも、箱根登山電車とスイス・レーティッシュ鉄道が「姉妹提携鉄道」となっていることが表記されています。

小田原〜箱根湯本は小田急の車両が担当

ここまで主に、箱根登山鉄道として運転される、箱根湯本駅から強羅駅の間について解説してきました。あまり触れませんでしたが、「箱根登山鉄道」として運営されているのは、小田原〜箱根湯本〜強羅の間です。

小田原〜箱根湯本は小田急の車両が担当
箱根湯本から先は軌間が異なる

なのですが、小田原から箱根湯本は、基本的に小田急の車両で運転されています。

小田原から箱根湯本駅の間は、入生田駅にある箱根登山鉄道の車両基地までは3条軌となっています。それ以外は小田急の車両が乗り入れており、小田急線の1路線的な位置付けになっています。

新宿から箱根湯本までは小田急ロマンスカーの利用がオススメ

箱根登山鉄道にも直通する小田急のロマンスカー。新宿から、そして一部の「メトロはこね」は東京メトロ千代田線の北千住・大手町などから、小田原を経て箱根湯本まで直通します。

ロマンスカーは前面展望など、観光客に配慮した設備がたくさん。窓も大きく、見どころがたくさんあります。

新宿から箱根湯本までは小田急ロマンスカーの利用がオススメ
箱根登山鉄道(箱根湯本駅にて撮影)

なお、小田急・ロマンスカーに箱根登山鉄道区間のみ(小田原〜箱根湯本のみ)乗車する場合、座席の指定はできません。当日、座席に余裕がある場合に限って発売され、特急料金は200円となっています(チケットレスの設定なし)。

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