近鉄が大阪難波から奈良を経由して京都までを結ぶ観光特急として走らせている「あをによし」。この近鉄特急「あをによし」に実際に乗ってきました。
この記事では、近鉄特急「あをによし」の予約方法や料金、そして車内の様子を徹底的に紹介します。
今回の特急「あをによし」はVlogも作成しました。ぜひ、ご覧ください。
大阪から奈良、そして京都を結ぶ観光特急あをによし
近鉄特急「あをによし」は、大阪から奈良、そして京都を結ぶ観光特急です。
近鉄の観光特急「あをによし」の料金と予約方法
近鉄特急はネット予約が利用できます。近鉄特急ネット予約サービスではチケットレスで近鉄特急に乗車できる上、特急料金の10%分がポイントとして加算されます。2022年9月現在、ポイント2倍キャンペーンが行われており、こういったキャンペーンも充実しています。
近鉄ネット予約サービス画面では、通常の特急列車と同様に、乗車駅と降車駅を入力することによって購入できます。
近鉄特急「あをによし」に乗車する場合、
乗車券+特急券+あをによし特別車両券(210円)
が必要です。通常の料金表が以下の通りです。主要区間の料金は、
- 近鉄奈良〜京都 1,180円
- 大阪難波・大阪上本町・鶴橋〜奈良 1,300円
- 大阪難波・大阪上本町・鶴橋〜京都 1,960円
となっています。
ただし、「乗車券」部分については「近鉄週末パス」や、近鉄の株主優待、ICカード乗車券のほか記念に発売されているフリーパスも利用できます。僕たちは今回、「近鉄週末フリーパス」を使って名古屋発で関西エリアを周遊していたため、これを乗車券として利用しました。
近鉄特急「あをによし」は1日6便運転されています。以下の6便です。なお、2022年12月17日から特急「あをによし」は1往復増発されることが決まりました。増発後の時刻表は下に載せてあります。
便 | ダイヤ(12月16日まで) |
---|---|
第1便 大阪難波→京都(奈良経由) | 土休日:大阪難波駅9時32分発~近鉄奈良10時13分発~京都駅10時49分着 平日:大阪難波駅9時22分発~近鉄奈良10時09分発~京都駅10時50分着 |
第2便 京都→奈良 | 京都駅11時20分発~近鉄奈良駅11時55分着 |
第3便 奈良→京都 | 近鉄奈良駅12時10分発~京都駅12時45分着 |
第4便 京都→奈良 | 京都駅13時20分発~近鉄奈良駅13時55分(13時54分)着 |
第5便 奈良→京都 | 近鉄奈良駅14時10分発~京都駅14時45分着 |
第6便 京都→大阪難波(奈良経由) | 京都駅15時20分発~近鉄奈良15時56分着~大阪難波駅16時39分(※平日は16時40分)着 |
なお、2022年12月17日よりダイヤ改正が行われ、京都〜奈良間の特急「あをによし」が増発されることが決まりました。
https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/20221217daiyahenkou.pdf
12月17日以降のダイヤは次の通りです。
便 | ダイヤ(12月17日から) |
---|---|
第1便 大阪難波→京都(奈良経由) | 土休日:大阪難波駅9時35分発~近鉄奈良~京都駅 平日:大阪難波駅9時15分発~近鉄奈良~京都駅 |
第2便 京都→奈良 | 京都駅11時00分発~近鉄奈良駅 |
第3便 奈良→京都 | 近鉄奈良駅11時50分発~京都駅 |
第4便 京都→奈良 | 京都駅13時00分発~近鉄奈良駅 |
第5便 奈良→京都 | 近鉄奈良駅13時50分発~京都駅 |
第6便 京都→奈良 | 京都駅14時40分発~近鉄奈良駅 |
第7便 奈良→京都 | 近鉄奈良駅15時30分発~京都駅 |
第8便 京都→大阪難波(奈良経由) | 京都駅16時40分発~近鉄奈良~大阪難波駅 |
朝・夕に大阪難波から奈良を経由して京都へと向かうダイヤ、昼には奈良と京都を往復するダイヤです。朝夕の大阪難波発着便は、大阪から日帰りで奈良や京都へ向かう観光客が多い印象です。昼の京都から奈良を往復するダイヤは、新幹線を使って京都経由で奈良に宿泊でくる観光客が、チェックイン時刻・チェックアウト時刻や各々の旅行のスケジュールに合わせて使いやすいようなダイヤになっています。
近鉄特急「あをによし」の時刻表 難波~奈良~京都間で運転
近鉄特急「あをによし」は、大阪難波から奈良を経由して京都までの間で運転されています。途中の停車駅は、
大阪難波、大阪上本町、鶴橋、生駒、学園前、近鉄奈良、大和西大寺、近鉄丹波橋、京都
です。大阪難波から学園前までの各駅は、大阪難波発着便のみです。
特に、京都・奈良は観光地として名高いエリアです。何度行っても飽きないエリア。観光にぜひ、使ってみてはいかがでしょうか。
1人での乗車のための特例も
近鉄特急「あをによし」は、ツイン席とサロン席のみで、ツイン席は2人での予約、サロン席は3人以上での予約となります。他の近鉄特急とは異なり、1人での予約ができません。
そこで「あをによし」のみの特例として、
ツインシートを1名でご乗車の場合は、ご自身の乗車券・特急券・特別車両券に加えて、こども分の特急券・特別車両券をご購入ください。
近鉄公式サイトより
という特例が設けられています。伊勢志摩方面へ走る観光特急「しまかぜ」の個室などにはこれらの特例はなく、子ども分の特急券と乗車券を購入する必要がありました。しかし、「あをによし」は1人で乗れないため、たとえば5人で利用する、などができません。そこで設けられた特例がこの特例です。
近鉄特急「あをによし」の車内の様子を徹底紹介
近鉄特急「あをによし」に実際に乗車してきました。その様子を、いつも通り多くの写真を用いてご紹介します。
原則2人以上での利用 ツイン席の座席の様子を紹介
近鉄特急「あをによし」は、原則2人以上で利用することを想定して設計されています。今回僕はツイン席を利用しました。
1・3・4号車はツイン席になっています。ツイン席はA,B席が互いにまっすぐ向き合う形、C,D席は斜めに、視線の方向が90度を向くような形で向かい合う席になっています。特に、大阪難波〜京都の便では、途中の奈良で進行方向が変わるため、座席の転換なくして違和感なく利用できるような座席配置になっています。
座席は向きが違うだけでほぼ全て同じ規格の座席です。
座席は全身を包み込むような形の座席になっています。リクライニングなどはしませんがこれが想像以上に快適でした。もう少し背もたれが倒れているとよかったかも、というのは事実ですが。
C席・D席の場合、斜めの方向を向くため、通路側、通路を通る人たちがやや気になる向きになります。しかし、頭の周辺にはかなり大きな出っ張りがあり、実際に座ってみるとかなりのプライベート感が感じられます。
テーブルに設置されたライトも、天平文化を感じさせるライトになっています。正倉院の宝物をモチーフにしたライトだそう。
各座席にはコンセントが装備されています。近鉄特急は早いうちからコンセントが設置されているため、スマートフォンなどの充電には便利ですね。
近鉄ならではのグループ席も用意 ほぼ個室の「サロン席」
近鉄特急ならではのグループ席も用意されています。
サロン席は4人定員です。3人以上で利用の場合に限り、利用が可能です。4人用のコンパートメントが3つあります。
4人用コンパートメント(サロン席)は、2人用座席(ツイン席)とは全く異なる椅子とテーブルが配置されています。座席が低くなった分、窓の高さも低い位置に設置されており、景色を楽しむことができます。
ツイン席を利用するならオススメはC席・D席
ツイン席を利用するならオススメはC席・D席です。特に大阪難波発着の便ではC席・D席がオススメです。
サロン席のD席・E席は斜めを向いた座席です。大阪難波・大阪上本町・鶴橋から生駒の間では、生駒山地のトンネル直前の高い場所から関西を一望することができます。
この特急「あをによし」は夜の時間帯に定期運行がないため、綺麗な夜景を眺めることができるわけではありません。しかし、昼でも大阪を一望することができ、見応えのある景色が楽しめます。
A席・B席は互いに正面を向いた座席になっています。こちらもこちらでいい。平城京の朱雀門を見ることができます。
車内には天平文化を感じられる設備や観光列車ならではの設備も
近鉄特急「あをによし」には、天平文化を感じられる設備をはじめ、観光列車ならではの設備やサービスがあります。
車内の売店など、観光列車らしいサービス
2号車には売店が設置されています。奈良の名産などを購入できたり、また、記念乗車証もここでいただくことができます。
発車直後はやや混雑しますので、始発駅発車後、少し時間が経ってから行くといいでしょう。特に、大阪難波発着便では、奈良発車後には比較的余裕ができます。なお、売店での支払いには現金と交通系ICカードが利用できます(クレジットカードなどは利用できません)。
売店では、あをによし特製のバターサンドや大仏プリンが購入できます。バターサンドは、「あをによし」をイメージしたもので、紫色になっています。また、奈良名物の「まほろば大仏プリン」もあります。バターサンドと大仏プリンは人気のようで、相当数用意されていることが写真からお分かりいただけると思います。
これ以外にも記念グッズなども購入できます。詳しくは公式パンフレットをご覧ください。
https://www.kintetsu.co.jp/senden/aoniyoshi/assets/pdf/chirashi.pdf
近鉄の他の観光特急「しまかぜ」や「青の交響曲」とは異なり、売店の車両に食事用のテーブルは用意されていないため、指定席に戻っていただくことになります。
車内にはWi-Fiサービスやコンセントも
車内にはWi-Fiサービスやコンセントもあります。近鉄は特急列車へのWi-Fiの整備がやや遅れていましたが、最近反転攻勢をかけています。新たにデビューする特急列車にはWi-Fiが備え付けられています。
車内のWi-Fiサービスを利用すると、インターネットに接続できます。近鉄では大阪線の大和八木〜伊勢中川、そして志摩線の一部区間でインターネット接続が不安定になりますが、特急「あをによし」が走る区間では比較的インターネットが安定しています。
仕様は通常の近鉄のWi-Fiサービスです。SNSアカウントやメールで接続することができます。
鉄道車内のWi-Fiは、走行中の場所に依存するのであくまで参考値ではありますが、速度はそれなりに出ていたイメージです。
共用スペースにも観光列車らしい設備が充実
近鉄特急「あをによし」の車内には、共用スペースにも観光列車らしい設備が充実しています。
1号車の前より、大阪難波・京都方面にはベンチスペースもあります。近鉄特急にはこういったスペースが多くある気がします。吉野行き特急「青の交響曲」や名阪特急「ひのとり」でも見ました。
また、ベンチスペースの前には奈良・大阪・京都の観光地を紹介する雑誌などを備えた本棚もあります。
また、観光客をターゲットとしているため手荷物置き場も備え付けられています。
洗面台にも、正倉院の宝物を意識した陶器が使われています。
外観にも、天平模様があしらわれており、なかなか見応えがあります。
近鉄特急の、昔ながらの行き先表示となかなかマッチしますね。
各車両の車外の遊びの部分には決まって天平紋様があしらわれています。
大阪難波から京都までの便に乗ってきた
2022年夏、大阪2泊の日程で関西エリアを周遊しました。この時、大阪難波から京都まで乗車する機会がありました。
特急「あをによし」は、大阪難波駅の2番乗り場から発車します。発車標を見てお分かりいただけるとおり、同じホームから2分前に名古屋行きの特急が発車します。特急「あをによし」の入線時刻は1分前で、たった1分の停車時間で大阪難波駅を発車しました。もう少し早くに入線時間を設定すればいいのに…
大阪難波駅には大々的な広告が掲載されています。
記念乗車証をいただきました(こちらは無料)。また、「あをによし」運行開始記念の切符も発売されていました(別途有料)。
近鉄奈良線は、生駒トンネルの手前(大阪側)でかなり急な坂を登ります。この坂の上、生駒トンネルに入る直前にはかなり綺麗に大阪の街を一望することができます。
1便 大阪難波→京都の便では、大和西大寺を通過して奈良へ、その後、奈良で折り返してから大和西大寺に停車します。大和西大寺では運転停車をしました。大和西大寺を出ると近鉄は平城京跡の中を直進していきます。
奈良駅に到着です。奈良で進行方向が変わります。奈良駅では5分(休日ダイヤ)〜10分(平日ダイヤ)ほど停車します。ちょっと外に出て写真を撮りました。
再び列車は平城京跡を通過します。
奈良から京都へと向かいます。大和西大寺を出てしばらくすると、列車は田んぼが多くある区間を走行します。
田んぼです。
宇治川を渡ります。列車はいよいよ、京都の街の中心部に向けて進んでいきます。
終点の京都駅に到着です。1時間半程度の、やや短い時間ではありましたが楽しむことができました。
このブログでは、過去に近鉄特急に実際に乗車し、車内の様子を徹底的にまとめ上げてきました。これらの記事もご覧ください。
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