大変な難所として知られた箱根。現在は公共交通機関が整備され、観光地として栄えています。
今回、名古屋から東京へ移動するために1日時間があったので、箱根を観光しながら、「箱根の山越え」をしました。東海道新幹線の三島駅から新宿駅まで、箱根のさまざまな交通手段を使って箱根を超えます。
箱根観光のハイライトについては、Vlogの形でまとめてあります。この記事では、箱根フリーパスを使って箱根を通過した際の様子を詳しく紹介します。
箱根フリーパスを使って自由に箱根を旅しよう
今回使用するのは「箱根フリーパス」。箱根フリーパスは、小田原駅から御殿場駅・三島駅まで、箱根のさまざまな交通手段が乗り降り自由となるフリーきっぷです。
箱根を観光するなら絶対!箱根フリーパス
箱根を観光するなら箱根フリーパスは必須といっていい。箱根は自家用車で観光することもできますが、途中には険しい道も多く、運転するのはやや大変です。
箱根には、登山鉄道・ケーブルカー・ロープウェイ・船などさまざまな交通手段があります。
交通機関 | 料金 |
---|---|
箱根登山鉄道 箱根湯本〜強羅 | 770円 |
箱根登山ケーブルカー 強羅〜早雲山 | 430円 |
箱根ロープウェイ 早雲山〜桃源台 | 1,500円 |
海賊船 桃源台〜箱根町港 | 1,200円 |
箱根登山バス 箱根町港〜三島駅 | 990円 |
ちなみに、今回僕が紹介するコース(三島駅→小田原駅)の乗り通しの場合、わずかに100円ほど元が取れません。が、「箱根フリーパス」を使えば途中で降りることもできますし、箱根の各種観光施設で割引を受けることもできるので、もとは取れると思います。
箱根へのアクセスは小田急が便利 各駅からのフリーパスも設定
「箱根フリーパス」は現地でのフリーパスだけではなく、小田急線の各駅を発着とし、往復の小田急線+現地でのフリーパスというきっぷも販売されています。
発駅 | 2日間有効 | 3日間有効 | ||
---|---|---|---|---|
おとな | こども | おとな | こども | |
新 宿 | 6,100円 | 1,100円 | 6,500円 | 1,350円 |
町 田 | 5,820円 | 1,100円 | 6,220円 | 1,350円 |
藤 沢 | 6,050円 | 1,100円 | 6,450円 | 1,350円 |
小 田 原 | 5,000円 | 1,000円 | 5,400円 | 1,250円 |
往復小田急線+箱根でのフリーパスがセットになったお得なきっぷです。また、別途特急券を用意すれば、箱根までの往復で特急「ロマンスカー」を利用することができます。
また、「箱根フリーパス」とホテルのセット商品も発売されています。これらの商品もうまく活用したいところです。
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デジタルチケットが便利
箱根フリーパスは、デジタルチケット「EMot」が利用できます。デジタルチケットは、スマートフォン上で購入が完結し、スマートフォンの画面提示で乗り物に乗ることができるシステムです。
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また、EMotはアプリなどが不要で、スマートフォンサイトで購入することができます。WEB上でクレジットカード決済まで完結し、画面のQRコードを提示するだけで箱根の乗り物に全て乗ることができます。もちろん、小田急線の各駅からの往復の場合、小田急線もQRコードで乗車することができます。紙のチケットが不要なのでとても便利。使わない手はありません。
新幹線と箱根の周遊コースを利用しよう
箱根の周遊コースとして定番なのが、各種交通手段を乗り継いで箱根町へ、そこからバスで一気に箱根湯本へ戻る、というコースです。しかし、特に名古屋や大阪など、西から利用する場合、今回僕がとったコースの方が便利でしょう。
その乗り継ぎの様子などを含めて紹介します。
東海道新幹線で三島駅へ
大阪や名古屋、静岡などからは、まず三島駅へと移動します。三島駅は一部の「ひかり」号も停車する駅です。ちなみにコロナ禍が終わり、三島に停車する「ひかり」号は常に混雑しているので、指定席は早めにとったほうが良さそうです。
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僕はこの日、名古屋駅から三島駅に移動しました。そこまで早すぎない時間に大阪や名古屋を出発して三島駅へと移動すれば、十分観光しながら箱根を通り抜けることができます。
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ここ、三島駅から箱根フリーパスを使うことになります。デジタルきっぷを利用する場合は、新幹線の車内で決済まで済ませておきましょう。
三島駅からバスに乗車 三島スカイウォークも
まず初めに、三島駅から箱根町港行きのバスに乗車します。バスは比較的満席に近い状態でびっくり。休日は、場合によっては座れない可能性もあります。
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この日はあいにくの雨模様でした。途中の三島スカイウォークで大勢の人が降りていき、車内には10名程度に。僕も後から、三島スカイウォークで降りて遊んでこればよかった、と思ったので、三島スカイウォークも併せて考えてみてください。
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バスは箱根の峠に入り、エンジンをうならせながら終点の箱根町港に到着です。
箱根の旅 まずは芦ノ湖の海賊船から
箱根町港に着きました。ここからいよいよ、箱根の旅が始まります。
箱根町港にはおしゃれなお店がたくさん
箱根町港周辺のエリアは、観光客が多く行き交う観光エリアになっています。箱根町港周辺にはおしゃれなお店がたくさんあります。
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箱根町港の船乗り場のすぐ目の前にあったお店。自分でモナカに詰めて、自分のモナカを作ります。ついでにおしるこもいただきました。
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こちらは箱根のバターサンドのお店「SAN SAND」さん。お店の中で作っているのが見えるので、出来立てのものをすぐいただくこともできます。
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箱根町港で食べ歩き、昼食もここ箱根町港で食べるのがベストでしょう。箱根町港でのんびりしたら、続いては海賊船に乗って桃源台へと向かいます。
箱根海賊船で芦ノ湖を遊覧
続いて乗るのは箱根海賊船。箱根海賊船は小田急グループが運営する芦ノ湖の遊覧船です。箱根ロープウェイの終点である桃源台から、箱根町港・元箱根港を結んでいます。
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「海賊船」という名前の通り、海賊船をモチーフにした遊覧船になっています。概ね毎時3本程度と、こういった類の遊覧船にしては圧倒的に本数が多く、便利です。
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遊覧船からは、芦ノ湖のほとりの景色を楽しむこともできます。関東屈指のパワースポットとして知られる箱根神社が見えます。
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冬は雪景色に変わります。首都圏からこれだけ近いにも関わらず、これだけ美しい雪景色を楽しむことができるのはここ箱根ならではです。
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箱根遊覧船は3隻あるので、他の箱根遊覧船とのすれ違いも見どころです。また、水陸両用車とすれ違うこともあります。
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夏は瑞々しい緑が、そして冬は白い雪景色が楽しめる箱根。遊覧船の船上からも箱根の四季折々の景色を楽しむことができます。
桃源台にはホテルも多くある 宿泊もオススメ
箱根の海賊船に乗って、箱根ロープウェイの終着駅である桃源台駅に到着です。
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ここ桃源台駅周辺には温泉などもあります。また、僕もかつて、ここ桃源台にあるホテルに宿泊したことがあります。日帰り温泉に入って少し休むのもよし、ここで1泊するのもよし、ですね。
箱根ロープウェイで大涌谷へ
桃源台からはロープウェイで大涌谷へと向かいます。箱根の観光も、最大のヤマ場といっていいでしょう。
箱根のロープウェイは2本ケーブルのロープウェイ
箱根のロープウェイは2本のケーブルのロープウェイです。箱根は地理的理由から、強風が吹く。それでも箱根の険しい山を越えるための公共交通手段はロープウェイしかない。
そこで考えられたのが「2本のロープで安定させて動かすロープウェイ」です。
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箱根ロープウェイは、2本のロープで吊るされているため、強風でも安定して運行ができます。なお、ロープウェイは10人以上乗ることができるロープウェイであり、中はかなり広い。スーツケースを持って箱根ロープウェイに乗っている人もいました(僕もスーツケースを持って、今回の箱根の乗り通しをしました)。
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箱根ロープウェイで、火山の景色を楽しみながら大涌谷に向かいます。天気が良ければ、この桃源台〜大涌谷の間で富士山が見えることがあります。
大涌谷でお土産や食事も
大涌谷に到着です。大涌谷は、箱根観光では1番の見所と言っても過言ではないスポット。温泉があちこちから湧き出す大涌谷は、火山が作り出した独特の地形です。
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大涌谷といえば黒たまご。大涌谷から湧き出る温泉を使った温泉卵が人気です。「大涌谷くろたまご館」なるものもあり、本場のくろたまごをいただくことができます。
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また、大涌谷は箱根観光の中心的な立ち位置ということもあり、食堂もあります。ロープウェイの大涌谷駅に併設された食堂で、大涌谷を眺めながらご飯を食べるのがオススメ。
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大涌谷駅のレストランでは、カレーなどが人気です。「大涌谷駅食堂」でカレーを食べ、そしてくろたまごを食べる。大涌谷グルメの制覇です。
大涌谷でロープウェイを乗り換えてさらに早雲山へ
大涌谷からはさらに、ロープウェイを乗り継いで早雲山駅へと向かいます。箱根ロープウェイは大涌谷駅では連続しておらず、必ず大涌谷駅で乗り換えることになります。
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大涌谷駅から早雲山駅までの区間が、箱根ロープウェイでは最大の見どころです。大涌谷の真上から大涌谷を見ることができるスポットで、ここは必見。
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大涌谷を支柱なしで越えると、一気に視界が開けます。箱根の山の、最も高い部分を超えることになります。
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遠くに相模湾が見えてきました。写真をよーく見ればわかるとおり、横浜の街並みなども見えてきます。ここからはひたすら、小田原へと向けて下っていきます。
早雲山駅からは相模湾の景色を見ながら足湯も!
ロープウェイで早雲山駅にやってきました。ここから先は箱根登山ケーブルカーに乗り換えることになります。早雲山駅からは、相模湾を一望することができます。
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早雲山駅にあるcu―mo箱根(クーモハコネ)は2020年7月にリニューアルオープンした足湯施設。相模湾の絶景を一望しながら、足湯を楽しむことができます。
箱根登山鉄道に乗って箱根湯本へ
早雲山からは箱根登山ケーブルカーに乗って箱根登山鉄道の終着駅・強羅駅を目指します。
箱根ケーブルカーは途中駅もあるケーブルカー
箱根登山ケーブルカーは、強羅から早雲山までを結びます。特徴は途中駅があること。強羅駅・公園下駅・公園上駅・中強羅駅・上強羅駅・早雲山駅と、途中に4つの駅があります。
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箱根登山ケーブルカーは2両編成で、まあまあ大きめの車両です。こちらも、小型のスーツケースであれば持ったまま乗っても問題なさそうです。
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僕は早雲山駅に着いたのが、前の列車が発車した直後だったこともあり、先頭に並ぶことになりました。そのため、前面展望の席を取ることができました。
箱根登山鉄道に乗り換えて箱根湯本へ
強羅駅からは箱根登山鉄道に乗り換えます。箱根登山鉄道については、別に記事を作成しました。こちらも合わせてご覧ください。
箱根登山電車は、スイスのレーティッシュ鉄道をモデルに作られた登山鉄道です。普段の地元の足としても活躍しつつ、観光需要を想定した路線になっています。
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箱根登山鉄道は、途中で1回のループ線、そして3回のスイッチバックがあります。険しい山道をのぼる登山鉄道ならではの魅力があります。
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箱根登山鉄道にはトンネルなど、登山鉄道ならではの見どころも多数あります。列車の本数も多いため、自由に回ることができます。
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スイスのレーティッシュ鉄道を彷彿とさせる車両は、大きな窓があり景色を楽しむことができます。あじさいや紅葉の季節も景色が美しいのでオススメ。
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箱根湯本駅に到着しました。大涌谷駅(標高1044メートル)からだんだんと降りてきて、ついに標高96メートルの箱根湯本駅までやってきました。
箱根湯本駅からは小田急の特急ロマンスカーで新宿へ
箱根湯本駅からは特急ロマンスカーに乗って新宿を目指します。小田原駅から箱根湯本駅までも厳密には箱根登山鉄道の路線ですが、この区間は実質的に小田急線の1路線として運用されています。
箱根観光のアクセス手段としての地位を確立している小田急ロマンスカーも、箱根湯本駅まで乗り入れています。
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箱根湯本駅の独特な駅舎の形。そして、外からでも見えるように乗り入れる特急ロマンスカー。その独特なデザインを外に見せつける、小田急の戦略。
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今回はロマンスカーGSEに乗車しました。エンジ色の車体で、前面展望も楽しむことができる、小田急のフラッグシップ車両です。
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この箱根ロマンスカーで新宿まで移動すれば、箱根乗り通しの旅は完結です。現在、Vlogを作成中ですので、しばらくお待ちください。
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