首都圏の普通列車グリーン車 コンセントやWi-Fiなどの車内設備も紹介

鉄道車内徹底紹介
鉄道車内徹底紹介関東・甲信越

首都圏の普通列車には一部列車に「グリーン車」が付いています。指定席ではないものの、普通車とは異なりリクライニングシートとなっており快適性は全然違う。

宇都宮線 普通列車グリーン車のVlog

この記事では、首都圏の普通列車に連結されているグリーン車の車内の設備や乗り方などをご紹介していきます。

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首都圏の一部路線の普通列車についているグリーン車

普通列車のグリーン車は、首都圏の普通列車の一部に付いています。

首都圏の全路線で走っているわけではないので注意!

注意しなくてはならないのが、首都圏の全ての列車にグリーン車が付いていることではないということです。

路線図 イメージ
首都圏の普通列車グリーン車の路線図(JR東日本公式サイトより引用)

2023年現在、首都圏の普通列車でグリーン車が付いているのは、

  • 高崎線・宇都宮線
  • 湘南新宿ライン
  • 常磐線
  • 予告河川・総武線快速
  • 東海道線
  • 上野東京ライン(上記各路線との直通列車)

となっています。なお、2022年の設置を目指して工事が進んでいる中央線のグリーン車は、工事が難航しておりグリーン車設置が延期されています(車両数増加に伴い、ホームの拡張工事などを行う必要があることによる)。2024年度末のサービス開始が予定されています。

首都圏の全路線で走っているわけではないので注意!
常磐線のグリーン車(品川駅にて撮影)

普通列車のグリーン車には指定席はなく、全席が自由席

首都圏普通列車のグリーン車は全車自由席です。指定席は設置されていません。首都圏の普通列車は次から次へと列車が来る場合が多いため、列車を指定してグリーン券を購入するのが現実的ではない、ということが背景にあると思われます。

指定席はなく、全席が自由席
グリーン車自由席

自由席であるため、場合によっては満席になることもあります。朝の通勤ラッシュ時間帯は特に満席になりがちです。

なお、満席の場合はグリーンアテンダントに申告の上で普通車に移動すると全額返金の処理が行われます。駅での申告などでは返金されないので注意が必要です。

JR東日本では首都圏発着の特急列車に「新しい着席サービス」を導入しています。東海道線特急「踊り子」「湘南」、高崎線特急「草津・四万」「あかぎ」、常磐線特急「ひたち」「ときわ」などです。これらの特急列車の普通車指定席は、定期乗車券で乗ることができスマートフォンを使ったチケットレス乗車ができます。着席保証をしたい場合は、これらの特急列車を使うと良いでしょう。

青春18きっぷなどでも別途グリーン券を購入すれば乗車可能

首都圏の普通列車グリーン車は、「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」などの「普通列車限定」のきっぷでも別途グリーン券を購入することで乗車可能です。

青春18きっぷなどでも別途グリーン券を購入すれば乗車可能
格安きっぷでもグリーン券を購入すれば乗車可能

特急や新幹線が利用できないため、リクライニングシートなどを使わないで長距離移動になりがちな「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」。グリーン券を購入することでリクライニングシートでの移動が可能なため、これはかなりありがたいサービスです。

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普通列車のグリーン券はモバイルSuicaで買うべし!

首都圏のグリーン車は、グリーン券を事前に購入するか車内で購入するかで値段が異なります。よっぽどの事情がなければ、事前にホームまたはスマートフォンなどのモバイルSuicaで購入しましょう。

2024年3月16日より、グリーン料金の体系が大幅に変更されます。「Suicaグリーン料金」「通常料金」と変更され、Suicaか否かによって区分けされるようになります。また、101キロ以上が追加されるほか、平日料金と休日料金の区分けがなくなります。

グリーン料金はSuicaと紙のきっぷで異なる 距離も3段階

普通列車グリーン車を利用する場合のグリーン料金についてです。2024年のダイヤ改正で、グリーン料金が「Suicaか否か」で分けられ、また平日・休日別の料金もなくなりました。また、101km以上が新設されました。

営業キロSuicaグリーン料金通常料金
50kmまで¥750¥1,010
100kmまで¥1,000¥1,260
101km以上¥1,550¥1,810
2024年3月16日以降の普通列車グリーン料金体系

なお、グリーン車の車内は通路を含めて「グリーン車」の扱いのため、デッキ等で立っている場合もグリーン券が必要です。

先ほども書きましたが、満席で普通車へ移動する場合、必ずアテンダントに申告が必要です。満席であったことの証明書を発行してもらい、これを窓口などにもっていくことで払い戻し(満席による払い戻しは、全額払い戻し)が受けられます。アテンダントに申し出ないと払い戻し手数料が必要になるので注意しましょう。

モバイルSuicaでの購入が便利でオススメ!

駅で購入する場合、改札外の券売機またはホームの券売機で購入できます。ただしホームに設置されているのはSuica専用のもので、Suicaに情報を書き込むことしかできません(東京モノレール・東京臨海高速鉄道のSuica、PASMO・Kitaca・TOICAでも購入可能だが、それ以外(ICOCAなど)は利用できないので注意)。実際に乗車していると紙のきっぷを購入している人はごくわずかです。

モバイルSuicaでの購入が便利でオススメ!
駅のホームに設置されているSuicaグリーン券の券売機

券売機であらかじめグリーン券の情報をSuicaに書き込みます。これによってSuica料金が適用されます。車内での扱いについては後ほど解説します。

乗り継ぎもできるが一部条件があるので注意

Suicaグリーン券では乗り継ぎの利用ができます。ただし条件があります。

1枚のグリーン券で2つの列車のグリーン車を乗り継ぐ場合は、改札口を出ずに同一方向であれば可能です。例えば、小田原→(東海道線)→戸塚乗り換え→(横須賀線・総武線快速)→津田沼といった行程を小田原→津田沼のグリーン券でご利用いただけます。

JR東日本公式サイトより引用

つまり、改札内での乗り換えであれば何度でも乗り換えが可能です。列車内にも掲載がありますが、下車する際に再度Suicaなどをタッチしておかないと「下車」が記録されないので注意してください。

また、Suicaグリーン券は改札を通過するとグリーン券の情報は消去されます。逆に、紙のフリーきっぷなどSuicaとは異なる乗車券と組み合わせて使うのであれば、例えば熱海→高崎のグリーン券を購入し、フリーきっぷを乗車券としつつ数駅ごとに途中下車をしながら旅する、なんてのもありですね。

もし不安であれば、乗務されているグリーンアテンダントさんに確認すると確実かと思います。

乗り継ぎもできるが一部条件があるので注意
東海道線の普通列車グリーン車

東海道線には、熱海から高崎までなど、長距離走る普通列車も設定されているので、こういったシステムは途中下車の旅をする際はありがたい。

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首都圏普通列車グリーン車の車内を徹底紹介!

続いては首都圏の普通列車グリーン車の車内の様子をご紹介します。2階建グリーン車の車内は、特急列車のような快適性です。

2階建てになっているグリーン車

首都圏の普通列車のグリーン車は原則、2階建になっています。ちなみに大きな荷物を持っていると、この階段を上るのに一苦労です。

2階建てになっているグリーン車
2階へと上がる階段

2階と1階の両方が自由席となっています。1階席と2階席で値段が違う、などもありません。空席が圧倒的に多い時間帯には2階が先に埋まりますが、満席に近い状態では、どちらが混雑するなど、あまりありません。

2階建てになっているグリーン車
1階へと下がる階段

1階席はホームの高さより低い位置にあるため、1階席へは階段を降りることになります。スペース確保の観点から、階段は螺旋状になっているので大きな荷物があるとちょっと大変です。

写真がありませんが、車端部には平屋構造の部分があります。各車端部に8席ほどあり、大きな荷物がある場合や車椅子を利用している場合はこちらを使うことになります。

2階建てになっているグリーン車
お手洗いは狭い

続いてお手洗い。首都圏の普通列車には、お手洗いがグリーン車にあります。お手洗いはかなり狭く、曲がりなりにも快適とは言えません。

2階建てになっているグリーン車
洗面台

もともと首都圏の普通列車は長時間乗車をあまり想定していないため、これくらいのお手洗いの設備でも仕方ないところですね。

総武線・横須賀線のE235系1000番台グリーン車はコンセントやWi-Fiを装備し圧倒的快適性!

最近、総武線・横須賀線には新型のE235系1000番台が導入されました。記事を作成するためにグリーン車に乗ったところ、たまたまこのE235系1000番台がやってきたので車内の様子を丁寧に撮影してきました。

総武線のE235系1000番台グリーン車はコンセントやWi-Fiを装備し圧倒的快適性!
E235系

車内は今までの普通列車グリーン車と比べて灰色が明るいイメージ。照明も最新のLEDが使われているため、開放感ある車内空間です。

総武線のE235系1000番台グリーン車はコンセントやWi-Fiを装備し圧倒的快適性!
車内(2階席)の様子

座席は特急列車のようなリクライニングシートになっています。なお、首都圏のグリーン車はE235系以外でもほぼ同等の座席になっています。

総武線のE235系1000番台グリーン車はコンセントやWi-Fiを装備し圧倒的快適性!
座席

座席は特急列車の普通車指定席とほぼ同程度、といったイメージでしょうか。リクライニングシートになっているものの、新幹線のグリーン車のように特別豪華というわけではありません。

総武線のE235系1000番台グリーン車はコンセントやWi-Fiを装備し圧倒的快適性!
肘掛けにコンセントが設置されている

E235系の新しいグリーン車の最大の特徴が、各席のコンセント。全席にコンセントが設置されています。

総武線のE235系1000番台グリーン車はコンセントやWi-Fiを装備し圧倒的快適性!
ドリンクホルダーなども設置

これはE235系に限らない話ですが、ドリンクホルダーも設置されています。コーヒーなどを持ち込んでも置く場所があるのはかなりでかい。

総武線のE235系1000番台グリーン車はコンセントやWi-Fiを装備し圧倒的快適性!
液晶モニター

車内の案内も液晶モニターになりました。さらに、E235系にはWi-Fiを設置。コンセントとWi-Fiが設置されるのはかなり大きな進化です(2022年現在、E235系以外にはWi-Fiもコンセントも設置されていません)。

総武線のE235系1000番台グリーン車はコンセントやWi-Fiを装備し圧倒的快適性!
大きなテーブル

また、グリーン車には大きなテーブルが設置されています。僕は鎌倉から成田空港へ向かう際、このテーブルで食事をし、そして記事執筆の作業も行なっていました。テーブルがあるとできることがかなり広がるのでかなりありがたい。

東海道線や宇都宮線、高崎線など、それ以外も快適で静かな車内

ここで紹介した、総武線・横須賀線の新型車両であるE235系1000番台以外には2022年現在、コンセントやWi-Fiの設置はありません。Wi-Fiなどの設置は比較的容易でしょうから進めてほしいところです。

グリーン車の特徴は、なんと言っても快適で静かな車内環境が与えられることです。グリーン車は普通車と違いとても静か。逆におしゃべりはしにくいですが。

東海道線や宇都宮線、高崎線など、それ以外も快適で静かな車内
東海道線・高崎線のグリーン車の車内(2階席)

東海道線や宇都宮線、高崎線、そして湘南新宿ラインなどで使用される普通列車グリーン車は、1階が青を基調とした座席。そして2階が赤を基調とした座席になっています。

東海道線や宇都宮線、高崎線など、それ以外も快適で静かな車内
1階の座席の様子

1階の座席の様子です。特急列車よりややグレードは下か、という感じのリクライニングシートが並んています。リクライニングもするため、快適に移動することができます。

東海道線や宇都宮線、高崎線など、それ以外も快適で静かな車内
各座席の背面にテーブルが

各座席の背面にテーブルがあります。ここには「Suica」を使ったグリーン車における車内検札について説明書きがあります。この説明書きの通りにSuicaをかざせばOKです。

東海道線や宇都宮線、高崎線など、それ以外も快適で静かな車内
テーブル

テーブルを広げるとこんな感じ。E235系5000番代とテーブル自体は同じです。ただし、少し古さを感じさせます。

東海道線や宇都宮線、高崎線など、それ以外も快適で静かな車内
パソコン作業なども

パソコン作業などをするのにも十分な、広いテーブルが設置されています。写真はMacBook Proの13インチを置いた様子です。

東海道線や宇都宮線、高崎線など、それ以外も快適で静かな車内
2階の座席の様子

2階の座席の様子です。2階の座席と1階の座席で、座席の構造自体はほとんど同じです。2階は窓の上部が歪曲しています。

東海道線や宇都宮線、高崎線など、それ以外も快適で静かな車内
テーブル

1階の座席と同様、パソコン作業をしたりご飯を食べたりするのにも便利な、広々としたテーブルが設置されています。

東海道線や宇都宮線、高崎線など、それ以外も快適で静かな車内
ドリンクホルダー

さらにドリンクホルダーも設置。普通列車や快速列車でグリーン車を利用する場合、比較的長距離になることが多い。ドリンクホルダーは長距離の列車旅では必須ですよね。

首都圏の普通列車グリーン車

朝から通勤ラッシュを避けてグリーン車に乗るのもよし。休日にちょっと贅沢してグリーン車に乗るのもよし。いろいろ使い道はあります。「50kmまで」と「50km以上」で運賃が分けられているため、特に長距離乗るにはお得です。

宇都宮線 普通列車グリーン車のVlog

ちょっと疲れた日に、ちょっと遊びに行く日に、グリーン車を使ってちょっと贅沢な、快適な旅をしてみるのはいかがでしょうか。

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