宮崎と鹿児島を結ぶ特急「きりしま」。九州の南端を走る特急列車で、本数も多い。特急「きりしま」の座席の様子は?自由席でも座れるのか?などといった疑問に答えます。
特急「きりしま」の乗り方 鹿児島と宮崎を結ぶ特急列車
まずは特急「きりしま」の概要について説明します。
2時間に1本と運転本数は多め
特急「きりしま」は2時間に1本と、それなりの本数が確保されています。日本全国を旅した経験から、JR九州は比較的特急の利便性を考え、本数を維持しているように感じます。
特急「きりしま」の停車駅は次のようになっています。
宮崎-南宮崎-(清武)-(田野)-(山之口)-(三股)-都城-西都城-霧島神宮-国分-隼人-(加治木)-(帖佐)-(姶良)-(重富)-鹿児島-鹿児島中央
- 清武・加治木には多くの列車が停車
- 田野、山之口、三股は「きりしま2号」のみ停車
- 帖佐には「きりしま1号、3号、81号、4号、16号、18号、82号」のみが停車
- 姶良、重富には「きりしま1号、81号、16号、82号」のみが停車
列車によって多少の停車駅の差はあるものの、宮崎・鹿児島の各都市圏の駅とその間の都市である都城、そして観光地である霧島神宮などが主要駅となっています。
鹿児島中央 | 宮崎 | |
国分 | 約35分 | 約1時間25分 |
都城 | 約1時間10分 | 約50分 |
宮崎 | 約2時間 | ー |
各駅間の所要時間はこのようになっています。日本一周旅行の際、鹿児島中央から宮崎まで乗り通し、2時間程度で移動しました。
特急「きりしま」の料金
続いては特急「きりしま」の通常料金です。次節で一部の区間について設定されている割引きっぷについても紹介します。
区間 | 自由席 | 指定席 | グリーン車 |
---|---|---|---|
国分〜鹿児島中央 | 1,160円 | 1,690円 | 2,460円 |
隼人〜鹿児島中央 | 1,160円 | 1,690円 | 2,460円 |
宮崎〜都城 | 1,700円 | 2,230円 | 3,000円 |
都城〜鹿児島中央 | 2,700円 | 3,230円 | 4,000円 |
宮崎〜国分 | 3,050円 | 3,580円 | 4,350円 |
宮崎〜隼人 | 3,050円 | 3,580円 | 4,350円 |
宮崎〜鹿児島中央 | 4,330円 | 4,860円 | 7,130円 |
JR九州は全線区において、特急料金が安く設定されています。特急「きりしま」が走る日豊本線も、特急の方が普通列車より圧倒的に多い区間が、特に都市間(特急きりしまが走る区間では、都城や霧島神宮周辺など)にあります。そのような区間での利便性を確保する観点から、特急料金が安く抑えられていると考えられます。
予約は「JR九州ネット予約」を利用するのがオススメ
特急「きりしま」をはじめとしたJR九州の特急列車には、直前でも使用できるJR九州ネット予約の割引きっぷが設定されています。「JR九州ネットきっぷ」は、乗車直前まで予約・変更が可能。割引率も高く、使わない手はありません。
特急「きりしま」に乗り通したとして、宮崎駅から鹿児島中央駅間で乗車すると、
定価4,860円→「九州ネットきっぷ」2,620円
と、なんと半額近い割引です。やっぱり、使わない手はありません。
それ以外の区間は次のようになっています。
区間 | 定価 (自由席) | JR九州ネットきっぷ (指定席・自由席同額) | 定価 (指定席) | 定価 (グリーン車) | JR九州ネットきっぷ (グリーン車) |
---|---|---|---|---|---|
国分〜鹿児島中央 | 1,160円 | 設定なし | 1,690円 | 2,460円 | 設定なし |
隼人〜鹿児島中央 | 1,160円 | 設定なし | 1,690円 | 2,460円 | 設定なし |
宮崎〜都城 | 1,700円 | 1,310円 | 2,230円 | 3,000円 | 2,510円 |
都城〜鹿児島中央 | 2,700円 | 1,990円 | 3,230円 | 4,000円 | 3,190円 |
宮崎〜国分 | 3,050円 | 設定なし | 3,580円 | 4,350円 | 設定なし |
宮崎〜隼人 | 3,050円 | 設定なし | 3,580円 | 4,350円 | 設定なし |
宮崎〜鹿児島中央 | 4,330円 | 2,620円 | 4,860円 | 7,130円 | 5,320円 |
ただし、九州新幹線をはじめとした乗り継ぎには使用できないので、場合によっては次に紹介する「eきっぷ」と通しの乗車券を併用した方がお得な場合もあります。
「eきっぷ」は、JR九州の「JRQカード」またはJR西日本の「J-westカード」を持っている場合に利用できるお得なきっぷです。割引率も高く設定されています。
「eきっぷ」を使うと、指定席に自由席と同額で乗ることができます。「eきっぷ」については別に記事を作成しました。こちらの記事もご覧ください。
特急「きりしま」の座席・車内の様子を徹底紹介
続いては特急「きりしま」の車内・座席の様子を徹底的に紹介します。
特急「きりしま」にはJR九州の主力の特急電車とも言える787系が使用されています。787系については、別に記事を作成しましたのでこちらにはより詳しく書いてあります。今回はその中でも特に特急「きりしま」について言える内容に限定して紹介します。
特急「きりしま」は九州各地を走る787系で運転
特急「きりしま」は、九州各地を走る787系によって運転されています。
元々はJR九州発足直後に、JR九州にとっての大動脈である鹿児島本線の博多〜熊本〜鹿児島間で特急「つばめ」としてデビューしました。
この区間は所要時間も比較的長く、多数の車両が導入されましたが九州新幹線の全線開業によって特急「つばめ」は廃止。その後は九州各地を走るJR九州の「標準車両」として使用されています。
座席は豪華ではないが快適 コンセントはグリーン車のみ
元々はJR九州の顔となる特急列車であったこともあって、座席は上々です。ただ、1992年の導入から既に30年以上経ったこともあって、やや古さは感じられます。
座席の様子はこんな感じ。座席自体は薄いものの快適です。リクライニングも当然、使うことができます。
読書灯が普通車でも各座席に備え付けられています。新幹線では読書灯は基本、グリーン車にしかありません。その読書灯が普通車でも全席についているのは、なかなかです。
座席背面にはテーブルが備え付けられています。パソコン作業などをするにも便利です。日本一周旅行においてこの特急「きりしま」に鹿児島中央から宮崎まで乗り通した際は、毎日、日記を書いてアップロードしていたのでこのテーブルはとても助かった。
さらに、普通車でも全せきにフットレストが装備されています。最近のJR九州の特急列車では、特急「ソニック」などを中心にフットレストを撤去しているのでいつか撤去されるかも。
車内の設備はやや古さも感じるが独特の雰囲気
前節までで座席の様子を解説してきましたが、最後に車内の設備について解説します。787系には自動販売機がありましたが、2022年春を持って撤去されました。この際787系に限らず、JR九州の特急列車から全面的に撤去されています。
お手洗いには木目調の綺麗な洗面台があります。JR九州は水戸岡英治氏が車両をデザインしており、水戸岡さんのデザインでは木目調がとてもよく使われる。僕は個人的には、水戸岡さんのデザインは大好きです。
お手洗いの様子です。お手洗いはかなり広々しています。車両によって異なりますが、広いお手洗いもあるので車いすなどでも安心して利用できます。
特急「きりしま」で九州を周遊しよう
特急「きりしま」は九州の南端を走る特急です。この特急「きりしま」を使えば、九州周遊旅行もできる、便利な特急列車です。
特急「きりしま」は自由席が多く座れる
特急「きりしま」をはじめとしたJR九州の特急列車には多くの自由席が設定されています。4両編成で運転される特急「きりしま」は、1号車が半室グリーン車・半室普通車指定席。そして2号車〜4号車の3両は自由席です。4両編成の特急列車で、3両が自由席であるため自由席はかなりの座席数が用意されています。
普通車指定席が半室しか用意されていないこともあって、普通車指定席の方が逆に、混雑します。自由席の特急券でも十分座れるので、安心して自由席を使えば良いでしょう。
なお、先ほど紹介した「JR九州ネットきっぷ」では、普通車指定席と普通車自由席が同額です。空席に余裕があれば、指定席を選んでも良いでしょう。
桜島の絶景を見たければA席がオススメ
特急「きりしま」は、鹿児島駅を出てからすぐに桜島が綺麗に見える海沿いを走ります。
特急「きりしま」の車内で桜島が見えるのは、鹿児島中央→宮崎に向かう列車では進行方向右側、宮崎→鹿児島中央に向かう列車では進行方向左側です。座席はA席から綺麗に桜島が見えます。観光で利用するならA席が圧倒的にオススメです。
特急「きりしま」は霧島神宮などの観光地も通過
特急「きりしま」は主に、宮崎と鹿児島を結び、その間にある都城の流動も拾いながら走ります。特急「きりしま」の沿線にある都市は少ないですが、霧島神宮などの有名観光地もあります。
特急「きりしま」はその名の元となった霧島山地を走っていきます。途中の霧島山地の区間では、携帯電話が繋がらなくなることも。
霧島山地には霧島神宮をはじめとした有名な観光地もあります。九州南部観光に特急「きりしま」を使ってみるのはいかがでしょうか。
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