トルコ観光の拠点であり、最大の都市であるイスタンブール。観光客には大人気の世界遺産・カッパドキア。距離は600km以上あり、日本でいうと東京から神戸以上の距離があります。
この記事では、トルコ・イスタンブールからカッパドキアへの行き方を詳しく解説します。はじめに3通りの行き方(飛行機、バス、鉄道)を紹介し飛行機がオススメの理由を解説。後半ではそれらの方法を詳しく紹介します。
イスタンブールからカッパドキアへの移動手段
まずはじめに、イスタンブールからカッパドキアへの移動手段を3つ挙げ、それらを純粋に比較します。
イスタンブール〜カッパドキアの移動手段を徹底比較!
イスタンブールからカッパドキアへの移動方法は主に3通りあります。単純に比較すると次のようになります。
移動手段 | 所要時間 | 価格【参考】 |
---|---|---|
飛行機 | 約1時間30分 | 2500TL〜 |
バス | 約10時間 | 1300TL〜 |
鉄道 | 約9〜10時間 | 1200TL〜 |
2024年6月現在の情報になります。特に価格については、トルコリラの暴落により値段は大きく変動しているので、正直あまり参考になりません。あくまで価格差の目安(例えば、バスは飛行機の半額程度)と考えてください。
ここでは3つの手段を挙げましたが、基本的には①飛行機、②バス、の2択になるでしょう。カッパドキア周辺には鉄道が通っていないため、鉄道を利用する場合でも結局、バスへの乗り継ぎになります。
飛行機またはバスについては、ある程度早い時期から予定が決まっているならば①の飛行機、直前に予定が決まったのならば②のバスがコスパが良いと言えるでしょう。
特にある程度予定を決めてから出発するのであれば飛行機のほうが圧倒的にオススメです。次の節ではその理由を解説します。
圧倒的にオススメなのはトルコ航空国内線
圧倒的にオススメなのは国内線の飛行機を利用する方法です。日本の国内線からイメージする価格よりかなり安く乗ることができます。
飛行機は各便の空席によって価格が変わるため、値上がりすることもあります。ただ、早割(1週間前までに予約)をうまく活用することで、往復15,000円程度〜(2024年現在)でチケットを購入することができます。
予約は、ターキッシュエアラインズ(トルコ航空)の公式サイトから予約するのが最も安くて確実なので、オススメです。
ターキッシュエアラインズは、イスタンブール〜カッパドキアの便を1日3往復〜5往復、運航しています。オフシーズンは3往復ですが、観光客が増えるハイシーズン(5月〜9月ごろ)は最大5往復、運行しています。
航空会社 | イスタンブール:出発時刻 | ネヴシェヒル・カッパドキア:出発時刻 |
---|---|---|
Turkish Airlines | 6:35 / 8:45 / 11:25 / 13:30 / 18:45 | 8:40 / 10:50 / 13:40 / 15:35 / 21:00 |
A-Jet | 7:00 / 17:05 | 9:10 / 19:25 |
2024年現在の繁忙期のダイヤです(飛行機の時刻表は頻繁に時刻が変更されるため、最新の情報は必ず予約時に公式サイトをご確認ください)。このダイヤを見ていただければわかるように、便利な時間帯の便は基本的にターキッシュエアラインズになっています。
LCCも飛んでいるが時間と空港には注意
イスタンブールからカッパドキアの区間では、LCC(格安航空会社)も飛んでいます。2024年現在、イスタンブールからカッパドキアの区間を運航しているLCCはA-Jetです。
A-jetはトルコ最大の格安航空会社で、ターキッシュエアラインズの子会社です。ターキッシュエアラインズのサイトからでもチケットを購入することができます。
A-jetは格安航空会社ですがあまりオススメしません。オススメしない理由として、
- 格安航空会社なのに格安ではなく、ターキッシュエアラインズ便と値段が変わらない
- 運航時刻がイスタンブール7:00/17:05発など、早朝&夕方のみで使いやすいとは言い難い
- イスタンブールの発着空港が、メインの空港とは異なるサビハ・ギョクチェン国際空港発着である
これらが大きな理由です。航空券をどうしても直前に購入する必要があり、ターキッシュエアラインズ運航便の価格が高いとき以外はオススメしません。
最も便利な移動手段は飛行機
前の章でも解説した通り、最も便利な移動手段は飛行機を利用する方法です。空の便の特徴については既に解説してきましたが、ここからはイスタンブールやカッパドキアの空港にも焦点を当てて解説します。イスタンブール〜カッパドキアの区間を実際に利用するために予め知っておくと便利なことを解説します。
日本からカッパドキアへ行く場合、イスタンブールでの乗り継ぎが圧倒的に便利
日本からカッパドキアへと向かう場合、2024年6月現在ではイスタンブールを経由する方法以外にありません。つまり、
日本各地→イスタンブール→カッパドキア
の経路で行くしか方法がありません。前章でも解説した通り、ネヴシェヒル・カッパドキア空港から発着する便はイスタンブール便のみだからです。
2024年6月現在、ターキッシュエアラインズ(トルコ航空)が東京・羽田〜イスタンブール間を1日1往復、東京・成田〜イスタンブール間を1日1往復、大阪・関西〜イスタンブール間を1日1往復、運航しています。
日本 | 便名 | 出発地・時刻 | 所要時間 | 到着地・時刻 |
---|---|---|---|---|
東京・羽田 | TK199 | 東京・羽田 21:55 | 13時間15分 | イスタンブール 5:10(翌日) |
TK198 | イスタンブール 2:00 | 11時間20分 | 東京・羽田 19:20 | |
東京・成田 | TK15 | 東京・成田 10:35 | 13時間10分 | イスタンブール 17:45 |
TK50 | イスタンブール 15:50 | 11時間05分 | 東京・成田 8:55(翌日) | |
大阪・関西 | TK87 | 大阪・関西 21:55 | 13時間05分 | イスタンブール 5:00(翌日) |
TK86 | イスタンブール 2:00 | 11時間00分 | 大阪・関西 19:00 |
また、2024年度内にはANA(全日空)が東京・羽田〜イスタンブール路線を開設する予定です。ターキッシュエアラインズ(トルコ航空)はANAと同じスターアライアンスのメンバーであるため、スターアライアンスが圧倒的に強いです。
なお、日本からの直行便は全て、イスタンブール空港(2018年開港)を利用しています。イスタンブール空港〜ネヴシェヒル・カッパドキア空港を結ぶのはターキッシュエアラインズだけで、LCCのA-jetは国際線の空港とは異なるサビハ・ギョクチェン国際空港を使用しています。
最寄りの空港はネヴシェヒル・カッパドキア空港
カッパドキアの最寄空港は「ネヴシェヒル・カッパドキア空港」です。カッパドキアの市街地「ギョレメ」地区からは35kmほど離れており、自動車で40分ほどの距離にあります。
今回の記事ではイスタンブール〜カッパドキア路線に限定して解説していますが、季節運航でドイツからなど国際線が運航されていた実績もあります。また、イズミルへの路線も運航されていた実績があるようですが、コロナ禍以降設定はありません。今後、運航が再開される可能性もあります。
ネヴシェヒル・カッパドキア空港はかなり小さな空港で、チェックインカウンターと待合室があるだけです。空港内のWi-Fiも満足に使えず、コンビニのような(お土産などはほぼない)売店が、チェックインカウンターのフロア(保安検査前)と待合室(保安検査後)にそれぞれ1つづつあるのみです。
搭乗待合室(保安検査通過後のエリア)はかなり狭い。ターキッシュエアラインズはA321を運航していますが、満席だとまず全員座ることすらできません。世界遺産の玄関口としてもう少し、空港設備を強化してほしいところです。
空港には特に何もありませんが、空港に入るとき、そしてチェックインした後にと2回の手荷物検査があります。検査場が1箇所しかないため、出発便のタイミングではやや混雑します。ターキッシュエアラインズ(トルコ航空)では2024年現在、チェックインの締め切りが出発の45分前です。出発の1時間前を目処に空港に到着するようにしましょう。
カイセリ国際空港からもカッパドキアへアクセス可能
カッパドキアの玄関口としてもうひとつ、機能しているのが「カイセリ国際空港」です。カッパドキアの中心地・ギョレメ地区からは80kmほどで、車で1時間ほどの場所にあります。1つ目に紹介した「ネヴシェヒル・カッパドキア空港」より遠くなりますが、比較的大きい空港です。
ネヴシェヒル・カッパドキア空港と比べて行き先が多く、ヨーロッパ各地への国際線も就航しています。ただし、日本などアジアへの直行便があるわけでもなく、日本人にとってはイスタンブールで乗り継ぐしか選択肢がありません。
カイセリ国際空港から、カッパドキアの中心地・ギョレメ地区へは一般のバスでもアクセス可能です。ただし本数が少なく、カイセリ市街地での乗り継ぎが必要であるため、結局シャトルバスを利用するのが便利、ということになります。
ネヴシェヒル・カッパドキア空港からはシャトルバスの予約が必須
ここまででも少し触れてきましたが、空港からカッパドキアの中心地・ギョレメへはシャトルバスの予約が必須です。公共交通機関はなく、事前予約のシャトルバスまたはタクシーを利用することになります。ちなみに徒歩では片道8時間ほどらしく、歩ける距離ではありません。
ネヴシェヒル・カッパドキア空港に到着後、到着ターミナルを出ると送迎バスのお迎えが多数並んで、まさに花道を作っているような状態です。そこに「タクシー!タクシー!」とタクシーの勧誘がある感じ。空港ターミナルを出てから「どうやって移動しようかな…」と迷っていると、特に日本人はボラれる危険性が高くなります。
したがって、あらかじめ空港シャトルバスの予約をしておくことを強くオススメします。僕の場合、ホテルを予約後、ホテルから連絡があり「シャトルバスの手配が可能」と連絡くださいました。ホテルで予約をしました。料金は概ね10€程度です。
僕はホテルから13€を提示されました。価格交渉すれば安くなったかもしれないしネットで他社を申し込めば安くなります。ただ、現地でのトラブル対応などのことを考えて少し高いですが、ホテル経由で予約しました。
バス・鉄道+バスでの移動は安く移動可能
ここまでは飛行機でのアクセスを解説してきましたが、バスや鉄道を使えばより安く移動することが可能です。
バスは安く移動できることが大きな利点
バスの最大の利点は安く移動できること、特に直前の移動でも安く移動できることです。また、空港までのアクセスが必要なく、カッパドキアの中心地・ギョレメ地区へもダイレクトにアクセスできることが魅力です。
オススメはトルコにおける最大手のバス会社「METRO」のバスです。こちらは公式サイトからの予約が可能です。
「ISTANBUL ANADOLU」から「GOREME」までの路線を予約すると、カッパドキアの中心地・ギョレメ地区まで乗り換えなしでアクセス可能です。
バス車内はコンセント&Wi-Fi完備
バスではWi-Fiやコンセントも利用可能です。イスタンブールからギョレメ(カッパドキア)までの所要時間は概ね10時間程度で、夜行バスが基本となります(昼行バスもあります)が、コンセントなどが完備された車内で快適に移動できます。
夜行バスの評判についてもかなりリサーチしましたが「日本の夜行バスと変わらない快適さ・清潔さ」とのことで、安心して利用できるでしょう。夜行バスは値段自体が安いことに加えて、ホテル1泊分を削減できる点も大きな魅力です。
鉄道は途中のアンカラまで アンカラからはバスへの乗り換え
最後に、鉄道+バスを利用する方法です。この方法は乗り換えが必要であるためあまりメジャーではありません。
現在、トルコ国内では高速鉄道の建設が進んでいます。特に首都のアンカラから最大の都市イスタンブールへ至る路線は高速鉄道があり、便利です。一方、カッパドキア周辺のギョレメ地区およびネヴシェヒル地区には鉄道がありません。したがって、鉄道からバスへの乗り換えが必須となります。
また、トルコの鉄道は遅延することが一般的で、時刻表通りには運行されません。アンカラで乗り継ぐ場合、かなりの時間的余裕が必要です。
イスタンブールからアンカラまでは高速鉄道のほか、「アンカラ急行」など、歴史ある鉄道もあります。これらを利用するのであれば、乗り継ぎ地点となるアンカラで十分な時間を持って乗り継ぎをする必要があります。
今回はトルコの玄関口・イスタンブールからカッパドキアへの移動手段を解説してきました。カッパドキアでの気球の乗り方についてはこちらの記事で解説しています。あわせてご覧ください。
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