インドの首都・ニューデリー。観光でもビジネスでも、現地で便利な移動手段がメトロ(地下鉄)です。しかしそんなデリーのメトロ、こんな不安を持っていませんか?
- インド・ニューデリーでの地下鉄の乗り方がわからない、チケットの買い方もわからない
- デリーのメトロ(地下鉄)の路線図が欲しい、どうやって乗り換えを検索すればいいかわからない
- そもそもデリーのメトロ(地下鉄)は、治安的・安全的に日本人が使って大丈夫なの
僕自身もこのような不安がありました。カオスな国・インドの中でも特にカオスな首都・ニューデリーとあって、地下鉄の乗り方を事前に知っておきたいことはもちろん、車内の安全性なども気になるところですよね。
本記事ではこれらの疑問にお答えするため、月に1カ国以上のペースで海外渡航する私が、ニューデリーでのメトロ(地下鉄)の使い方や注意点を詳しく解説します。あらかじめ必要な情報はアタマに入れておくことで、安心してニューデリーのメトロ(地下鉄)を利用することができるようになるでしょう。
アイキャッチ:Fly2Blue, CC0, via Wikimedia Commons
渋滞が激しいニューデリーでメトロ(地下鉄)は必須!
インドは世界一の人口を誇る国、しかし現時点ではインフラの整備が間に合っていない部分があり、慢性的な交通渋滞が起こっています。そんなニューデリーでの移動手段として必須なのが地下鉄(メトロ)。まず初めにニューデリーにおけるメトロの概要と、乗り方を詳しく解説します。
デリーの地下鉄は治安もよく安心して利用できる
ニューデリーの地下鉄車内や駅構内は治安も良く、安心して利用することができます。カオスな国・インドの日常利用メインの交通機関とは思えないほど安心して利用できます。
日本人は特に「ニューデリーの地下鉄は日本と似ている」と感じることが多いでしょう。それもそのはず、日本政府が全面的にバックアップして建設されたのがニューデリーの地下鉄なのです。車両もかなり日本と似ています。
地下鉄の車内は清潔で快適。ゴミすら落ちていません。また、エアコンもしっかり効いているため、暑いインドにおいてとても快適な避暑地でもありました。ロサンゼルスの地下鉄なんかより100倍いい環境。
デリーの地下鉄では乗車前に手荷物検査がある
具体的に、ニューデリーにおける地下鉄の乗り方を解説していきます。まずは、ニューデリーの地下鉄マークが表示された入り口から駅へと入ります。駅構内へ入ると途端に声掛けはなくなり、快適です。
ニューデリーの地下鉄では、乗車前に手荷物検査が行われます。人口が多く、統制が取れていないインドにおいては、鉄道はもちろん一部の高級ホテルに入る際にも手荷物検査が行われます。アメリカほどではありませんが、いろいろな場所で手荷物検査が必要になります。
飛行機に乗る際のような設備が改札前に用意されており、ボディーチェックを受けて荷物はX線検査機器に通す必要があります。持ち込みが禁止されているのは銃器類とアルコール類。お酒の持ち込みができないことに注意してください。ただしミネラルウォーターなどの液体の持ち込みが禁止されているわけではありません。
食べ物自体の持ち込みは制限されていませんが、地下鉄の車内では基本、飲食は禁止となっています。日本の地下鉄で飲食ができないのと同じイメージです。
手荷物検査・ボディーチェックの際は男女の列が分かれています。日本では考えられませんが、インドでは宗教上の理由から空港でも、男女で列が分かれていることがあるので注意してください。
チケットの購入方法は①アプリ,②券売機,③有人窓口
チケットの購入は駅によって異なり、手荷物検査前の場合もあれば手荷物検査後の場合もあります。ただし基本的に改札は、手荷物検査を受けたのちとなります。
ニューデリーの地下鉄の初乗り運賃は10INR(ルピー)、2駅以降から20INR、MAXの距離で60INRとなります。2024年現在、1INR=約2円なので、初乗りが20円、MAXの距離でも120円。かなり安いです。
ニューデリーの地下鉄ではきっぷの購入方法は3通りあります。
- アプリで購入する方法
- WhatsAppなどのアプリで購入する方法
- 券売機で購入する方法
- 有人窓口で駅員さんから購入する方法
最もおすすめは1の「アプリで購入」する方法と2の「WhatsAppで購入」する方法です。確実で、しっかり値段を確認しながら購入することができます。
アプリでの購入について最新の情報は、デリーメトロの公式サイトもご確認ください。2024年現在、DMRC Momentum 2.0、WhatsApp、PayTM、One Delhi、AmazonでQRチケットの購入ができます。
頻繁にチケット購入方法が変わるのは当然のこと、窓口でも駅員さんによってカードが使える時と使えない時があるなど、「目的地まで送り届ける」というコアな部分以外は気分で決まるのがインド流のサービスです。
窓口で購入する場合、相手が駅係員だからといって油断しないように注意してください。お釣りを誤魔化されることが多々あります。僕も経験しました。誤魔化されたことにはすぐ気づきましたが、デリー観光で疲れ切っていて諦めてしまった。
渡航前に情報収集していたら、トークン(丸いプラスチックのチップ)を購入するとの情報もありましたが、2024年に渡航した際はQRコード形式でした。窓口できっぷを購入するとQRコードの描かれたレシートのようなチケットが渡されます。改札の読み取り機にレシートのQRコードをかざすと、改札を通ることができます。ゲートは自動で開きます(自力で押さなくてはならないタイプではありません)。
改札に入ったら、行先を確認してホームへ向かいましょう。駅の構造は日本とかなり似ているので、看板をしっかり確認すれば困ることはないでしょう。また、乗車時・下車時とも自動で扉が開くのも日本と同じですね。
目的地の駅に到着し改札を出る時は、きっぷのQRコードをQRコードリーダーにかざします。改札に入る際と同様、自動でゲートが開きます。
頻繁に利用するなら「Smart Card」や「Tourist Pass」がおすすめ
ニューデリーの地下鉄は、日本の交通系ICなどのようなチケットレス乗車にも対応しています。チャージすることで何度でも利用できるカードや、乗り放題のチケットもあります。
ある程度の期間滞在するなら、「Smart Card」がおすすめ
頻繁に利用するのであれば「Smart Card」(スマートカード)がおすすめです。日本でいうSuicaやPASMOなどの交通系ICカードのようなものです。カード代50ルピーがかかります。
その代わりに毎回券売機に並ぶ手間がないほか、メトロカードを使うと毎回運賃が20%引(運賃が10&20ルピーの場合はメトロカードを使うと10ルピーに、30ルピーの場合は20ルピーになる)となります。
日本の改札機と同様、改札機にカードをタッチすると、運賃・カードの残高が画面に表示され、改札ゲートが開きます。
なお、ニューデリー/インディラ・ガンディー国際空港に乗り入れているAirport Lineでは、Smart Cardは使用ができず、購入もできないようです。
最新の情報は、デリーメトロの公式サイトにも掲載されています。チャージ方法などの詳細も記載されています。
短期の旅行でニューデリーを観光するならメトロ乗り放題の「Tourist Pass」がおすすめ
短期間の観光目的でニューデリーに滞在するなら、Tourist Passがおすすめです。1日または3日間、ニューデリーの地下鉄が乗り放題となるチケットです。何より、窓口や券売機に並ぶ手間がないのが便利です。
2024年現在、Tourist Passの料金は次のようになっています。ICカードのため、払い戻し可能なデポジットが必要です。
パスの種類 | 値段 | 内訳 |
---|---|---|
One day card | Rs. 200 | Rs. 150+デポジットRs. 50 |
Three day card | Rs. 450 | Rs. 400+デポジットRs. 50 |
デリーはもともと、地下鉄の運賃がとてつもなく安いので、僕自身乗り放題にあまり頼ることはありませんでした。ただ、駅窓口でチケットを購入するとお釣りをごまかされたりがしょっちゅうあるので、それを避けられるのは大きい
デリーの地下鉄は概ね時間通りにくる
デリーの地下鉄を利用していて最も驚いたのが「時間通りに列車が来る」ということ。ニューデリーの地下鉄はなんと、時間通りにやってくるのです。
また、Women Only(女性専用)車両があります。編成の端(先頭か最後方のどちらか)に設定されています。日本と同様、ピンク色の表示があるのでわかりやすいでしょう。
列車内では、駅に着く前に到着する駅の駅名が、ヒンディー語+英語でアナウンスされます。また、ドア上の電光掲示板に、現在の位置が表示されているのでわかりやすいです。
ニューデリーの地下鉄路線図と主要路線
2024年現在、インドでメトロがある都市はデリー・アーメダバード・プネ・ムンバイ・コチ・チェンナイ・バンガロール・ハイデラバード・ナーグプル・ジャイプール・コルカタで、この中でも一番規模が大きいメトロがデリーメトロです。
ニューデリーの地下鉄・鉄道の路線図
ニューデリーの地下鉄・近郊列車の路線図です。なお、こちらのネットワーク・マップ(路線図)で点線で表示されている区間は、2024年8月現在建設中の路線です。
人口が今でも増え続けているインドでは現在も鉄道の建設が進んでいるので、最新の情報はDelhi Metro(デリー・メトロ)の公式サイトをご確認ください。
東京の地下鉄を凌ぐ勢いで建設が進んでいます。ニューデリーとは思えない清潔で快適な車内と豊富なネットワークで、今後も成長していくでしょう。
デリーの地下鉄路線-カラーで分けられていてわかりやすい
先ほどの路線図を見ていただければわかるように、ニューデリーには地下鉄路線がかなり充実しています。
ところがこれが、意外と東京の地下鉄よりわかりやすい。路線図と同じ色で、車体の色が塗り分けられています。
さらに乗り換え駅では、乗り換えできる路線の色に対応した案内(看板や床の矢印表示)があります。そのため、迷うことは滅多にないでしょう。
始発は6時ごろ、終電は23時ごろ-乗り換え案内はGoogle Mapが便利
ニューデリーのメトロ(地下鉄)の運行時間は朝6時~23時頃までです。日本とほぼ同じ時間で動いています。もちろん、路線によって多少前後します。
地下鉄はある程度の本数があり、そこまで混雑しない路線でも概ね5分に1本程度はきます。さすが、人口の多いデリーという感じ。僕自身、時刻表を確認してから乗ることはなかったし、その必要はないでしょう。
所要時間を確認したり、乗り換えを確認したりするには、Google Mapが圧倒的に便利です。行き先を入力すると、地下鉄を利用した経路を適切に案内してくれます。
また、デリーメトロの公式サイトにある「Plan Your Journey」から、出発駅名・到着駅名を入力して乗換案内を検索することもできます。ただ、駅名がわかっていることが前提になるため、Google Mapの方が使いやすかった。
ニューデリーでの空港へのアクセスやトゥクトゥクの利用方法
最後に、記事の内容ではあまり触れていなかった、けれどもニューデリーの地下鉄を利用する上で知っておきたいことをいくつかまとめます。
ニューデリー/インディラ・ガンディー国際空港からはメトロで20分
本記事で紹介しているニューデリーのメトロは空港方面へも伸びています。ニューデリー市街地の地下鉄とは少し異なりますが、空港へのアクセスには圧倒的に便利な手段です。
ニューデリー/インディラ・ガンディー国際空港の施設など、利用者目線での注意点はこちらの記事で解説しています。
日本からの直行便が就航するニューデリー/インディラ・ガンディー国際空港へは、メトロで20分、60INRで行くことができます。列車は概ね15分間隔で運転されており、ほぼ時間通りやってくるので便利です。
ニューデリーでは交通渋滞が酷く、Uberをピックアップするだけでも大変。メトロは駅への移動の手間がありますが、ほぼ時刻通りに動くので便利です。
ニューデリー市街地の地下鉄とは異なり、大きな手荷物を置くスペースが用意されているほか、座席自体も進行方向を向いた座席が用意されています。
ニューデリーではUberも利用できるが大変
ニューデリーではUberも利用できますが、はっきり言って大変です。トゥクトゥクの値段交渉も大変なので一度利用して、慣れるのがベストなのですが…
Uberを利用する際に最も大変なのは、マッチングしたドライバーを探すこと。人間の森・インドではあまりに人が多すぎるため、車1つを探すのも大変。ニューデリー/インディラ・ガンディー国際空港にはUber専用のピックアップポイントがありますが、Uber専用ピックアップポイントにはあまりに車が多すぎて探すのに一苦労します。ちなみにニューデリーの駅前でもそう。
ただ、最近ではUberの存在自体はかなり浸透してきていて、オートリキシャ(トゥクトゥク)の勧誘を受けてもUberの画面を見せて「NO」を言えばすぐに諦めてくれます。
地下鉄で最寄り駅までアクセスしたのち、トゥクトゥクを使わなくては現地まで移動できない場合もあります。大変ですが慣れて、うまく活用できると良いでしょう。
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