近鉄特急において、昔からの象徴とも言える「2階建特急列車」。近鉄では二階建て特急列車である「ビスタカー」が現在でも運転されています。
ビスタカーの2階席は「階上席」として、通常通りの特急座席となっています。一方で、1階席は「階下席」として、ほぼ個室の空間が提供されます。
2階席を含めた「ビスタカー」の特徴については、こちらの記事で詳しく紹介しています。今回はビスタカーの1階席、ほぼ個室である「階下席」について詳しく解説します。
近鉄の各種特急列車ついてはVlogも作成しました。ビスタカーから見られる車窓についても紹介ていますので、ご覧ください。
ほぼ個室 プライベート感満載で快適なビスタカー階下席
まず初めに、ビスタカーの階下席の魅力を、余すところなくお伝えします。ほぼ「個室」となる階下席ではプライベートな空間を楽しむことができます。
グループ席として販売される階下席
ビスタカーの階下席は、厳密には個室ではありません。ドアがないためです。ドア付き個室にこそなっていないもののほぼ個室状態になっています。また、1階の階下席デッキから直接アクセスできるようになっており、2階の階上席とは異なるフロアにあるため、目の前を別の乗客が通り過ぎていくこともありません。
この写真見てもらえればわかると思うんですが、2階が一般の座席になっていて、そこはドアがあります。多少声を出して話しても、よっぽど騒いでいなければ大丈夫。同じ号車にある個室同士ではある程度、声が聞こえてしまいますが実際には間にデッキがあるためそう聞こえてしまうことはありません。
階下席はソファー 個室感は満載でプライベートな空間
階下席は、ここまでご紹介してきたように個室にはなっていません。個室でこそないものの、「グループ席」と銘打っているだけあってほぼ個室のような感じ。個室感は満載です。
写真のように、ソファのようになっています。ただし、リクライニングはできないので注意。近鉄のグループ席は、伊勢志摩ライナーもそうでしたが基本的にはリクライニングができません。JR九州のグリーン個室のように、リクライニングができる個室だともっといいのになあ、と思ったり。
また、中央には大きなテーブルがあります。ビスタカーの階下席に乗り、みんなでお弁当を広げてワイワイ移動するのもよし。また、お酒を飲みながら移動するのもよし。
窓はやや小さめ グループで楽しく移動しよう
階下なので、階上席と比べて景色は微妙。写真の通り窓もかなり小さく、そもそも景色を楽しむことがそこまで想定されていないような構造です。ただ、グループで乗っているということで景色も楽しむっちゃあ楽しむけれど、友達とおしゃべりのほうに夢中なのであまり気にならない。
客室に設置された窓はやや細長いです。ホームの高さが、窓の高さの下限になるため、その制限でこの高さに設定されていると考えられます。
ビスタカーの個室(階下席)には特別料金はかからない
続いて、ビスタカーや近鉄特急の個室に関する記事を書くと必ずと言っていいほど疑問としてでてくる「個室料金は?」といった疑問にお答えします。
ビスタカーのグループ席では個室料金などは不要!
個室には特別料金はかかりません。通常の特急料金で乗ることができます。ただし、3人から5人までと人数が決まっています。この人数さえ満たしていれば、階下席を貸し切ることができます。なお、階下席で相席になることはありません。
6人でも乗れないのがちょっと残念。
しかし、1つの個室の定員は5人です。3人以上で個室を予約することができますから、5人を超えて6人だったら個室を2つ予約すればよいのです。僕たちは6人で旅行だったので、3人と3人で個室を2つとって、結局6人で1つの部屋にいました。もう1つの部屋は特に使わなかったです。
インターネット予約サービスでも人数さえ満たせば予約可能
予約自体は特別なことは必要なく、近鉄のインターネット予約サービスも予約が可能です。人数の設定で、大人3人以上を入力すれば個室を選択することができます。
近鉄特急はインターネット予約サービスを20年以上前から運営しています。インターネット予約サービスでは、人数を選択することができ、団体列車を除くすべての近鉄特急が予約可能です。今回の記事で解説しているビスタカーの階下席も、人数さえ満たせば予約が可能です。
わざわざ窓口へ行かずとも予約ができ、チケットレスで乗車できるのが近鉄のグループ座席の大きな特徴です。
【番外編】近鉄特急で個室料金がかかるのは「しまかぜ」だけ!
今回紹介しているビスタカーでは、個室料金等はかかりません。定員が3人以上5人以下で、その人数さえ満たしていれば人数分の特急料金・乗車券で利用することができます。2023年現在、近鉄特急で個室料金がかかるのは、伊勢志摩方面の観光特急「しまかぜ」の個室のみです。
近鉄特急「しまかぜ」には、「和風個室」と「洋風個室」が、それぞれ1室づつのみあります。この2部屋だけが、現在の近鉄特急では唯一、「個室料金」のかかる個室となっています。
近鉄の看板特急と言える「しまかぜ」。今回紹介している「ビスタカー」で伊勢志摩方面へ行くことを考えているのであれば、片道はこの「しまかぜ」を利用してみてはいかがでしょうか。
ビスタカーにコンセントやWi-Fiの設置はなし
最後に、ビスタカーの車内設備について解説します。ビスタカーはグループ席が完備されていながら、近鉄特急の車両としてはかなり古い部類。コンセントやWi-Fiなどの設備がそこまで充実しているわけではありません。
ビスタカーにはコンセントは設置されていない
2024年現在、ビスタカーにはコンセントは設置されていません。ビスタカーは40年以上前から走っている特急車両です。途中でリニューアル工事が行われているとはいえ、現在でもコンセントやの設置はありません。近鉄が最近整備しつつあるコンセントがないのはマイナスポイント。グループで話していると特にスマホは使わないから、そのうちに充電できるとこれかなりプラスのポイントになるんですけどね。
今後の近鉄では、夢洲直通特急が開発されることになると予想しています。夢洲直通特急によってビスタカーを置き換えることも考えられ、そうするとコンセント設置前に引退となるかもしれません。
ビスタカーの車内にはWi-Fiの設置もなし
2024年現在、ビスタカーにはWi-Fiの設置もありません。
最近の近鉄では、観光特急にはほぼ、Wi-Fiを導入しています。そして名阪特急で運転する「ひのとり」「アーバンライナー」には完全にWi-Fiが導入されています。
このような背景から、Wi-Fi設備の後付け工事については近鉄内部にノウハウがあるようです。ただし、22000系「ACE」などへのWi-Fi設置が優先されると予想されること、世界的な半導体不足が深刻であることなどを考慮すると、Wi-Fi設備の設置はまだ時間がかかりそうです。
ビスタカーで旅しよう!
今回の記事では、近鉄特急の代名詞として活躍してきた2階建特急「ビスタカー」の、階下席(グループ席・個室)について詳しく解説してきました。
ちなみに個室からトイレへ行くのは少し面倒。1階の個室から2階席へ上がって、2階席を通って1号車・4号車にあるトイレへ行かねばなりません。階段を登って降りて、ってする必要があります。これは二階建て特急の性質上仕方ないことですね。逆によくもこれだけの階段で済んでいるなあという感じすらあります。
そんな不便さも2階建特急「ビスタカー」ならでは。ビスタカーのグループ席を使って、プライベートに楽しい旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ビスタカーについては、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。予約方法なども解説していますので、併せてご覧ください。
また、Vlogも多くの方にご覧いただいています。大阪線や橿原線・京都線などの景色を中心にビスタカーならではの景色を多数紹介しています。合わせてご覧ください。
コメント
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