JR北海道で新規に投入されつつあるH100系、愛称「DECMO」。今後、JR北海道のローカル線では主役になっていくものと思われます。
今後、北海道各地で活躍すると思われるH100系“DECMO”の車内の様子を、写真を多く用いてご紹介します。
国鉄型の気動車を順次置き換え中
各地で国鉄時代の古い気動車が走っているJR北海道。は過去のものとなりつつあります。
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JR北海道はH100型を導入
最近、JR北海道ではついに新型の気動車の導入をはじめました。それが「H100系」です。この車両はいわゆる「電気式気動車」で、ディーゼルエンジンを搭載しているものの、ディーゼルエンジンが行うのはバッテリーの充電。ディーゼルエンジンによって発電された電気によってモーターを回して走っています。
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電気こそはエンジンから取るものの、電車として車両そのものはモーターで動かします。そのため、電車特有の加速力などを実現することができ、非電化区間でも力強い走りをすることができます。
JR東日本のGV-E400系を北海道仕様に変更
現実問題、ハイブリット型の車両を新規に開発する余裕はJR北海道にはありません。自社開発したものではなく、北海道新幹線H5系と同様にJR東日本から技術提供を受けたものです。JR東日本が開発したGV-E400系を北海道式にカスタマイズして導入しました。
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なお、JR東日本のGV-E400についても記事を作成しました。こちらの記事もあわせてご覧ください。
H100系では、JR東日本が開発したGV-E400系をベースに、防雪・防寒対策が加えられています。また、鹿の出現による急ブレーキ時の車輪への傷を抑制するなどの対策が行われています。
観光列車にも使えるラッピング車両も2023年から導入
さらにH100系は2023年から、観光用にも使えるラッピング車両を導入しています。JR北海道の観光列車は、今まで「ノースレインボーエクスプレス」など、既存の車両に可能な限り手を加え、少なくとも“見た目の形”は変えるのが主でしたが、経営合理化の中で、既存の車両のカタチはそのまま、デザインだけ変えることが多くなってきました。
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このH100系もJR北海道のローカル線を支配するような役割の車両として、観光仕様にデザインが変更されたものが走っています。
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JR北海道のプレスリリースにもあるように、北海道および国からの支援により導入する編成です。厳しい経営環境が続くJR北海道に対する支援の一環です。
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車内のデザインも、通常のH100系から変更されていますが、座席自体は同じです。
2023年のダイヤ改正で大きく活躍の幅が増える
初期の段階では、室蘭線(苫小牧〜東室蘭間)や函館本線(長万部〜小樽間)などで数多く運転されています。もともと、古い車両が多く走っていてかつディーゼル列車で走る列車が多い、言い換えれば「ローカル列車支配エリア」である、苫小牧〜東室蘭〜長万部〜倶知安〜小樽の間はどんどん置き換えが進んでいます。
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2022年春のダイヤ改正概要では、根室本線 新得〜帯広〜釧路間で全てを置き換え、石北本線でも24本中21本が置き換え(21本うち3本は既に2021年春に置き換え済み)、さらに富良野線の全列車も置き換えられました。これによって、道北でもほとんどがH100系に置き換えられました。
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函館本線などから順次投入されてきたH100系ですが、現在では釧路・帯広などの道東もH100系ばかりになってきました。今後は、JR北海道の閑散区間における気動車がH100系に統一されていく方向のようですね。
車内はボックスシート&ロングシート、相席になると… トイレやゴミ箱まである車内
続いては車内の様子をご紹介します。
H100系“DECMO”の車内はボックスシート&ロングシート
車内はボックスシートになっています。4人席と2人席が通路を挟んで並んでいる形になります。
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ボックスシートの背もたれ部分は、結構垂直に近くて快適とは言い難い。ただ、腰の部分が少し出っ張っているので垂直と比べるとかなり座り心地はいいです。
ボックスシートの欠点は「相席になると気まずい」ことだと思います。家族で旅行、ならボックスシートはちょうど良いですが、ひとり旅をよくする僕にとっては使いにくいというのが本音。
車両の両端部にはロングシートも設置
車端部にはロングシートもあります。こうすることで、一部の通学路線にも対応しています。
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トイレの、ドアの目の前は避けているようですが、それにしてもトイレの目の前間近までロングシートを設置してしまうのもどうか、と思ったりもしました。
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お手洗いなどのスペースも充実 普通列車にも関わらずゴミ箱を設置
H100系も時代の流れに合わせてバリアフリー化が行われています。トイレもかなり広くなったことがわかります。トイレ内部の様子は写真を撮っていませんが、かなりきれいになっていました。以前、花咲線で乗ったキハ54型のトイレは結構狭かったですからね、それに比べたら大幅なサービス向上となります。満員電車となることは滅多にない北海道のローカル線、トイレにスペースを割くのは正しい選択だと思われます。
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普通列車なのに車内にゴミ箱もあります。北海道の普通列車は長距離を走る、あるいは長時間走るものもあります。コロナ禍の社会から抜け出せば、また車内で軽食くらい取れる、という日が来ると思われます。ゴミ箱があるのはかなりありがたいです。
ワンマン運転にも対応した各種設備
北海道のローカル線で広く行われている、ワンマン運転に対応した設備が揃っています。
ワンマン列車は車内で運賃を支払うことも
ワンマン列車は車内で運賃を支払うこともあります。そのため、運賃表が車内に設置されています。
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運賃表示器が、前後両方の運転席後方に設置されています。液晶モニターが2つ並んでいます。普通列車なのにフルカラーのディスプレイが前方・後方に2台づつ、合計4台設置されるとはなかなか贅沢。
きっぷを持っていない場合は整理券を取ることになる
きっぷを持っていないば場合、整理券を受け取り、乗車することになります。
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ワンマン運転を行う上で欠かせないのがこの整理券発行機。整理券発行機は、バスなどに搭載されているものと近いです。こちらも、ワンマン運転を行うローカル線ならではの設備です。
押しボタン式
また、ワンマン運転に対応しているため、押しボタン式のドアになっています。首都圏など、鉄道利用者が圧倒的に多い駅から来たら最初はなんのことだかわからない。
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極寒の地・北海道ではこれまた必須アイテムであるドアボタン。停車中、ドアを常に開けっぱなしにしていると車内までもが極寒の地になります。が、コロナ禍で「換気のためにドアを開放」が必要になってきました。どうバランスを取るのか、難しいところではあります。
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今回はJR北海道で活躍するH100系のご紹介でした。現在では非電化路線の全線区に活躍の場を広げています。今後も気動車はどんどん置き換えられていくことになると思います。
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