JR東日本は多くの観光列車を走らせています。その中でもかなり古くから走らせている「リゾートしらかみ」。青森から秋田までを結ぶ列車ですが、この区間を走る特急「つがる」とは違い、日本海沿いに走る五能線を経由して走る快速列車です。
1日最大3往復していることからも、青森と秋田というやや首都圏からは離れたところにありながらかなり人気の列車であることがうかがえます。

座席は絶対にA席を狙え!
五能線は日本海沿いを走ります。五能線沿線にはさまざまな観光地があり、五能線そのものも最高の景色で一つの“観光地”となりつつあります。
海側はA席!絶対にA席を確保しよう
この五能線の景色といえばやっぱり海の景色。この、海の景色が見られるのはA席です。したがって、リゾートしらかみは「A席が特等席」ということですね。「えきねっと」でも、駅に設置の指定席券売機でも座席表から座席を予約することができます。駅窓口での購入であれば駅員さんにいえば座席を指定できます。ぜひ、A席を予約しましょう。ただA席は一番最初に埋まるので、直前に予約する場合は注意が必要です。

JR東日本のインターネット予約サイト「えきねっと」で予約すれば、何度でも変更できるので安心です。リゾートしらかみは、特に繁忙期には便数が多いこともあって変更が出て空く可能性が十分あるので諦めてD席などを予約してしまうのも一つの手です。
「えきねっと」については次で細かく扱います。
予約はえきねっとでできる!青春18きっぷでも乗れる!
JR東日本が運営するインターネット予約「えきねっと」は、スマホやパソコンからJRを予約できるサービスです。リゾートしらかみも「えきねっと」で予約することができます。
ただし、
- 紙のきっぷの受け取りが必要
- 五能線内では東能代・能代・五所川原でしかきっぷの受け取りができない
ということに注意が必要です。ちなみに、始発駅と終着駅である秋田駅・青森駅では受け取りが可能です(リゾートしらかみが走る路線の両端は、五能線ではなく羽越線です)。
えきねっとで予約すると、
- 何度でも変更が可能
- JREポイントが貯まる
- 窓口で並ぶ必要がない
というメリットがあります。えきねっとは年会費無料ですので、えきねっとを使わないメリットが逆に思い付かないくらいです。
料金は次のようになっています。
期間 | 指定席料金 |
---|---|
1月16日から2月末日まで、6月、9月、11月1日から12月20日までの期間の月曜日から木曜日まで | |
(ただし、祝日及びその前日と振替休日を除きます) | 330円 |
それ以外の日 | 530円 |
簡単にいうと繁忙期は530円、閑散期は330円です。夏休みなどに乗ると530円。リゾートしらかみは特急列車ではなく快速列車という扱いなので、特急料金が不要で指定席料金のみで乗車することができます。新幹線などでも原則そうですが、指定席料金は距離によらず一定です(新幹線や特急列車は特急料金が距離によって変わるため、指定席特急料金は距離に依存します)。リゾートしらかみは、端から端まで、青森から秋田まで5時間もリクライニングシートに乗っても530円。かなりコスパはいいです。

また、特急列車ではなく全車普通車指定席の「快速列車」という扱いですので「青春18きっぷ」や「北海道・東日本パス」などの普通列車・快速列車限定型の切符でも指定席券を購入すれば乗車できます。
運転日・時刻表は公式サイトに記載
運転日や時刻表は公式サイトに掲載されています。
リゾートしらかみは観光列車であり、都市間の特急列車の平日の座席を埋めるビジネス需要などはほとんどないため日によって本数が大きく変わります。

最新の運転日等はJR東日本の公式サイトに掲載されています。また、時刻表にも掲載されています(Yahoo!乗換などの乗換検索でも出てきます)。

観光列車らしい充実の車内設備
リゾートしらかみのうち、「橅」編成と「青池」編成は第2世代の車両です。JR東日本の観光列車でよく使われているタイプのハイブリット気動車となっています。ちなみに、第1世代の「リゾートしらかみ」は既に廃車されたわけではなく、夏などの一部繁忙期には「五能線クルージングトレイン」として同区間を運転しています(旧型車両のため、名称は「リゾートしらかみ」とは別のものとされていると思われます)。

橅編成に乗車してきましたので、車内のご紹介をしていきます。なお、リゾートしらかみは、同じ形式の車両でありながらも、車両によって少しづつ内装が違ったりと少し凝っています。
座席間隔が広い普通席
この「リゾートしらかみ」には、リクライニングシートが搭載されています。そしてなんと、座席間隔が以上に広い。ありえないくらい広いのです。

前の座席との間隔はこんな感じ。これを見るだけでも、かなり広いのは分かりますよね。実際、足を伸ばしても前の座席にはよっぽど当たりません。

そして、座席にはテーブルがついています。前の座席の背面に設置されているテーブルと、肘掛けから出てくるテーブルの両方があります。これによって座席を回転させてボックス型にした際もテーブルが使えるように配慮されています。
指定席料金だけで乗れるボックスシート
リゾートしらかみには2号車にボックスシートもあります。ドアこそないもののほぼ個室となっており、グループでややプライベートな時間を過ごすこともできます。なお、ボックス席はえきねっとなどからは予約できず、みどりの窓口での予約となります。また、3人以下で予約する場合、場合によっては相席となる可能性もあるので注意しましょう。

ボックス席の中はこんな感じになっています。

現在は新型コロナウイルスの対策として、パーテーションが設置されています。いつになったらこのパーテーションがなくなって、自由にお酒などを飲めるようになるのでしょうか。

荷物を置くためのスペースもしっかり確保されています。が、荷物を置くスペースが水平なのでやや心配なのと、そこまで広くはありません。国内線機内持ち込みが可能なサイズのキャリーバッグくらいなら置けるでしょう。ただし、このリゾートしらかみには大きな荷物を置くためのスペースがデッキの部分に用意されているのであまり心配は必要ありません。

室内灯はスイッチで消すことができます。どういう状況で室内灯を消そう、となるのかはよくわかりませんが、でも自由に操作できるのはいいですよね。

ランタンが窓側に設置されていて、雰囲気を出しています。この先に海が見える景色なんて絶対に綺麗です。なお、ボックスシートは全席が海側に配置されているので安心してください。

座面を倒してフルフラットにすることもできちゃいます。靴を脱いで、カーペット敷きの部屋でのんびりする。リゾートしらかみはそれなりに長時間走るので憧れますね。
展望デッキや売店も
車内には座席だけではなく、車内の売店や展望デッキなど様々な設備が充実しています。

売店の様子がこちら。出発した直後しばらくはそれなりに混雑します。青森と秋田を結ぶ列車ですので、青森の名産なども多く販売されています。

お菓子が多いイメージです。そして、もちろんお菓子だけではなく飲み物も販売されています。お酒類を含めて販売されています。支払いには現金に加えてSuicaが使えます。

サワーを注文しました。もちろん、自分の座席に戻ってゆっくりと飲むこともできますが、せっかくなので売店前のカウンターで半分くらいのんびりと飲みました。
途中、何度か方向転換をします。青森方面から五能線へは直接方向転換をせずに入ることができるのですが、そうすると弘前を通過しません。そこで、青森駅から弘前駅へと向かい方向転換。そして、来た道を10分ほど戻って川部に停車、また方向転換します。最後に、奥羽本線との分岐点である東能代駅に停車して再度方向転換をします。1列車で3回の方向転換が起こるのは今では数少ないはずです。

先頭車の様子です。青森駅を出発してしばらくは、地元の伝統芸能や語り部などが披露されます。

海沿いを走る五能線ならではの景色が続きます。なかなか綺麗ですねぇ。

展望デッキはこんな感じ。運転手さんの後ろに重ならない部分で全面展望が楽しめるようになっています。また、ベンチが設置されており、のんびりと腰掛けて楽しむこともできる。さらに、コンセントもここに設置されています。

先頭座席を確保すればそれなりに展望を楽しむこともできます。これはなかなかいい。ただし、展望席に他のお客さんが来るたびに、横を人が通っていくことに注意が必要です。

先頭にはランタンも置かれています。

先頭車にはシンボルツリーがあります。この編成の名前にもなっている橅をイメージしているのでしょうか。

先頭車にはコンセントが設置されています。コンセントは合計4つあり、埋まることはありません。iPhoneの急速充電器などを持っていないと、流石に放置しておくのはマズい感じはしますね。

乗車記念スタンプも、ここ先頭車のデッキに置かれています。

椅子は4つ置かれており、ここで海を眺めることもできます。

五能線自体、海の景色が素晴らしい。ここ展望デッキからも海の景色を眺めることができます。ただ、各座席の窓もかなり大きく作られているので各座席からも見られます。

車内にはモニターがあります。これによって、先頭車両に座っている人以外でもイベントを楽しむことができるように配慮されています。
リゾートしらかみで充実の五能線の旅を!!!
五能線は見所がたくさんあります。その一部を写真でご紹介します。

こちらがJR東日本の公式サイトから引用した写真です。僕はほとんど途中下車をしなかったのですが、いつかは降りてゆっくりと回ってみたい景色が多くあります。

青森を出発してしばらくすると、地元の伝統である人形劇が行われます。

川部駅、ここが五能線の終点の駅となります。五能線はローカル線でありながら観光需要に頼っているところが大きい。それもあって、ここ川部駅も五能線をアピールしています。

川部を出てしばらくすると左手に岩木山が見えてきます。僕が乗った日は天気が微妙で、山頂まで綺麗に見ることはできませんでした。

五所川原駅からは津軽鉄道線が分岐します。現在、北海道には私鉄が走っていないので、日本最北端の私鉄となっています。

鯵ヶ沢を過ぎると日本海が見えてきます。最初のうちは、そこまで感動って感じではありません。

リゾートしらかみは途中、千畳敷駅に停車してミニ散策の時間が設けられます。発車3分前に警笛が鳴らされます。

千畳敷駅でのミニ散策は、ほとんどのお客さんが降りていたように思います。

千畳敷海岸は1792年の地震によって隆起したと言われています。江戸時代は殿様の避暑地として用いられていました。その時代に、畳を千枚敷いて宴会を行ったことがこの「千畳敷海岸」の名称の元となったと言われています。

海の近くまで行くことができます。ただ単に車窓から眺めるだけではありません。

天気が微妙だったので逆に、幻想的な景色になっています。夕方の景色はいい感じですねえ。

これが青い海、というよりは泡ですね。日本一周旅行をしていて、長崎などではもっと青い海を見てきたので…

やっぱり、実際に降りて見学できるのは大きいですね。

千畳敷を超えてさらに秋田方面へと進むと、さらに岩が増えてくる感じになってきます。

これぞ五能線の景色という感じ。こんなところを鉄道を通したのもすごいことです。

岩館〜大間越の間ではかなりの絶景区間になります。ここが五能線の一番の見所だと思います。ここでは速度を落として走行します。

深浦駅です。向かい側には青池編成が。ここ深浦はそれなりに大きな駅で、乗務員さんの交代もここで行われます。

展望デッキの紹介のところで載せた写真はこの辺りで撮影しました。ちなみに、展望デッキからの絶景はこの区間じゃなくてもいろんなところで楽しめるので好きな時に行けばいいでしょう。

白神山地を超えて秋田県へと入りました。秋田県に入ると、日本海の景色が見えつつも手前には田畑がある景色に変わってきます。

東能代で再び進行方向を変えます。ここからは奥羽本線です。奥羽本線は線形がよく、全線ではありませんが複線です。また、電化されているため、特に展望席からの景色は一気に変わります。

僕が乗った8月の「リゾートしらかみ4号」は、秋田県の八郎潟付近で日の入りを迎えました。めっちゃ綺麗だった。

ということで、秋田駅に到着です。5時間の旅、長かったけれども全然退屈しませんでした。

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