札幌から函館までの移動方法を比較・解説!安く行く方法も解説します

北海道
北海道鉄道飛行機

北海道の中で一番の大都市である札幌。そして、札幌・旭川に次ぎ第3位の人口を誇るのが函館です。直線距離でおよそ150km、本州で例えると東京から静岡市くらいまでの距離があります。

そんな函館と札幌の間ですが、北海道の中では大きな都市同士であることもあって移動手段が数多くあります。今回はその移動手段とメリット・デメリットを紹介します。

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札幌から函館までの、公共交通機関での移動手段3選

札幌と函館を結ぶ公共交通機関(“公共交通機関”なので自家用車は除きます)は主に3つあります。

  1. JR(特急北斗・普通列車)
  2. 飛行機(ANA・北海道エアシステム)
  3. 高速バス

それぞれ長所と短所があります。

片道金額所要時間価格
JR特急北斗4時間程度定価:9,440円(通常期特急普通車指定席)
最安値:6,590円(えきねっとトクだ値30%OFF)
飛行機40分程度定価:17,970円(ANAフレックス運賃)
最安値:5,600円(スマートU25
高速バス6時間程度定価:4,900円(通常一般運賃)
最安値:4,370円(学生運賃)
主要3手段の比較

主要3手段を比較するとこの通り。高速バスが最も安そうでありながら、実際には割引運賃を活用すれば飛行機もかなり安くなります。所要時間では飛行機が圧倒的ですが、飛行機は空港までのアクセスに時間がかかることがデメリットです。

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一番手軽だがやや時間がかかる特急北斗

現在、函館と札幌を結ぶ手段として最もメジャーとなっているのがJR北海道が運転する特急北斗です。今まで何度も道央と道南の間を移動してきた経験から、もっとも効率的なのがこの特急「北斗」だと考えます。

ネット予約システム「えきねっと」の導入で便利に

JR北海道は、JR東日本が開発したインターネット予約システム「えきねっと」を全面的に導入しました。そのため、えきねっとでさまざまな「お得なきっぷ」が発売されています。「えきねっとトクだ値」などは、前日までの予約(厳密には当日の深夜1時ごろまで)で最大30%OFFになる、乗車券と特急券が一体型の商品です。また、飛行機のマイレージシステムに対抗する形で「JREポイント」が貯まるようになりました。

予約方法などの詳細が知りたい方は、別の記事に書いてありますのでこちらもご覧ください。

「えきねっと」はJR東日本が開発したシステムですが、JR北海道の在来線・北海道新幹線でも利用できます。北海道新幹線が札幌まで延伸したらさらに、北海道での利用の幅が広がるでしょう。

特急「北斗」で片道4時間程度

所要時間は4時間程度。以前は特急「スーパー北斗」最短3時間未満で札幌と函館を結んでいました。最速便は函館-東室蘭-札幌という便もあったそう。しかし、トンネル内での特急列車発火事故などの影響により、最高速度を抑えた運転へと切り替えたため、現在では所要時間が長くなっています。

一番手軽だがやや時間がかかる特急北斗
洞爺駅にて

特急北斗は1時間に1本程度の運転ペースを確保しており、利便性も高いです。また、飛行機やバスと比べたときに鉄道の最大の利点である「定時性」にも優れています。また、飛行機や高速バスにはない「自由席」も存在し、駅の券売機・窓口やインターネット予約サービス「えきねっと」など予約システムも充実しているため、時間が未定の場合でも使いやすいのが特徴です。

JR側としてはスピードを追い求めるのは諦めて、沿線観光地などに少しづつ停車しながら進んでいく便ばかりになりました。鉄道は、空港同士すなわち「点と点」を結ぶ飛行機と違って、「線」で結ぶことができます。利便性を考えたとき、どんどん主要駅に少しづつ停車していく戦略は正しいと思います。

特急「北斗」の普通車は快適な座席だがコンセントやWi-Fiがないのが欠点

特急北斗号は2023年までにすべての列車が261系に統一されました。JR北海道の「アップグレード座席」が装備された車両で、座席の快適性では申し分ありません。

特急北斗は、過去に何度も乗ってきました。別途記事にまとめてあるのでこちらもご覧ください。

特急「北斗」の普通車は快適な座席だがコンセントやWi-Fiがないのが欠点
特急北斗の座席

この通り、枕などがついており、リクライニングもしっかり使える。そして広々としたテーブルと大きな肘掛け。日本全国の特急列車の中でトップクラスの快適性です。

しかし大きなデメリットが1つ。4時間という長い旅なのにコンセントが設置されていない。

特急「北斗」の普通車は快適な座席だがコンセントやWi-Fiがないのが欠点
2号車のコンセント

2号車のデッキにコンセントがあります。どうしても充電が足りなくなった場合、ここで充電をすることができますが、やはりデッキにスマートフォンを放置しておくのは怖い。この点は今後の改善に期待です。

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最も早いのは飛行機!ただし空港までの移動時間に注意

スピードの面で最も早いのが飛行機です。

ANA系列とJAL系列の2社が運航

函館から札幌までは、2021年9月現在、

  • ANA 函館空港-新千歳空港
  • 北海道エアシステム 函館空港-丘珠空港

の2社が便を飛ばしています。なお、北海道エアシステムはJAL系列の航空会社であり、コードシェアを行なっているためJAL便名で北海道エアシステムの便を予約することができます。

2021年9月現在、残念ながら格安航空(LCC)はこの函館〜札幌路線には飛んでいません。フルサービスキャリアと呼ばれる、格安ではない航空会社しか使えません。

ちなみに僕は「スマートU25」という運賃を使い、空港施設使用料を併せて片道5,800円で乗ることができました。「スマートU25」は25歳以下のみが使える航空券で、当日予約に限ります。この学生向けの超格安運賃については別途記事を作成しています。

空港までの移動時間を考慮しよう

飛行機の最大のメリットはスピードですが、特に中心街へいく場合は両端で乗り換えが必要になるのがデメリットです。函館駅から函館空港はバスで40分程度、新千歳空港から札幌駅へはJRで50分程度です。ただ、手間を惜しまないなら函館・札幌駅への移動を考えても最速であることに変わりはありません。

最も早いのは飛行機!ただし空港までの移動時間に注意
道内路線はプロペラ機での運航が多い

函館駅から函館空港へは、函館空港リムジンバスが走っています。航空便がある時間には必ず接続する形で運転されているので、かなり便利です(ホームページにも「3ヶ月以上先の時刻表は決定していませんが、航空便がある時間には必ず接続するバスがあるので航空便を安心してご予約ください」的な表記があります。)函館駅から函館空港までは片道30分ほど、チェックインと保安検査に1時間程度かかって飛行機自体が45分〜50分程度、預け荷物がなければ到着から10分ほどでJRに乗ることができます(ただ、バス移動になるともう少し時間がかかる場合があります)。新千歳空港から札幌までは「快速エアポート」が1時間最大6本程度走っているので、待ち時間は長くても15分、そして所要時間は40分程度です。ということで、飛行機利用の場合、合計3時間あれば函館から札幌まで到着してしまうのです。

空港までの移動時間を考慮しよう
新千歳空港から札幌までは30分以上かかる

割引運賃が充実しているのが飛行機の特徴

また、時間が確実に確定しているならば航空会社は早割が充実しています。早割を使って予約しておくといいでしょう。また、北海道在住の方であれば首都圏などにいく際に飛行機を利用する機会もあると思います。航空会社は、ポイントのようなシステム「マイル」に関するシステムが充実しています。マイレージが貯まっていれば「特典航空券」を使えばタダで乗ることができます(2021年10月から、ANA便の国内線特典航空券は別途空港施設使用料をカード決済で徴収するとの発表がありました)。

最も早いのは飛行機!ただし空港までの移動時間に注意
一応ドリンクサービスもある

実際に函館から札幌までANA便で乗りました。超短距離路線なので、飲み物のサービスもかなり縮小されてお茶とりんごジュースしかありません。カートを出す時間すらありません。

鉄道と違って、とにかく景色がいい。僕が乗った時は函館周辺がちょっと雲に覆われていましたが新千歳空港周辺はかなりいい天気でした。空からだからこそ見られる景色です。

学生なら高速バス+1,000円でANAの飛行機に!スマートU25を活用しよう

学生なら活用したいのが「スマートU25」です。「スマートU25」は25歳以下のための運賃で、当日のみ予約が可能で航空券が大幅な割引になります。

函館〜札幌間では、5,600円という破格でANAの飛行機に乗ることができます。当日しか予約ができませんが、ANAカードの発行や本人確認書類の提出などにより年齢確認が済んでいる場合は当日の0:00からインターネットで予約することもできます。

当日の0:00〜予約ができるため、ANAのWebサイトでチャレンジしてみてダメならば、JRの「えきねっとトクだ値」にチャレンジする、または高速バスを利用するという流れが良いでしょう。

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高速バスも走っている

札幌〜函館間には、高速バスも走っています。

高速バスは飛行機と同程度の本数

「高速はこだて号」が、昼行便7往復(2021年9月現在新型コロナウイルスの影響でうち3往復が運休中)と夜行便1往復(2021年9月現在新型コロナウイルスの影響で運休中)が、コロナ禍以前は運転されていました。今後の見通しはわかりませんが、少なくとも現時点で3往復の昼行便が運転されているため、完全廃止は当面ないと考えられます。

札幌 ⇔ 函館 高速はこだて号 - 北都交通株式会社
都市間高速バス Intercity express bus 札幌 ⇔ 函館 高速はこだて号

飛行機や鉄道と比べて柔軟に減便や増便が行われています。詳しくは公式サイトもご覧ください。

高速バス

函館市内各地へ直結するのが高速バスの長所

高速バスのメリットは、道路がある場所で柔軟に発着点を変えることができる点です。

高速バスも走っている
函館駅目の前から出発するので利便性では特急と大きく変わらない

函館の一大観光地である湯の川温泉にも、高速バスは直通しています。ただ、個人的な経験では、函館は路面電車やバスなどが充実しているためあまり、交通における不便を感じない。だから、特急やバスで来てもあまり面倒ではない。

割引運賃も充実

そして高速バスの最大の魅力は、無割引の大人運賃でも往復8,740円という安さです。学生割引で7,880円からです。また、ほとんどの便が独立シート横3列の配置であり、座席はJR特急のグリーン車に近い設備です(座席間隔はJR特急普通車より狭く、テーブル等もありませんが…)。

最大の欠点は、時間がかかること。5時間半ほどかかります。また、車酔いなどに弱いというかたも避けた方がいいでしょう。車内ではWi-Fiも利用できますが、車酔いの原因となるため考え所です。

現在は夜行便が運休中のため休止されていますが、夜行便で到着後、近隣ホテルの浴場などを利用することもできるそうです。これはかなりいいサービスですね。


現在、北海道新幹線の新函館北斗駅〜札幌駅間の建設工事が行われています。2030年度の開業を目標に工事が行われていますが、やや延期しそうな雲行きです。

ただ、北海道新幹線が札幌まで延伸すれば、函館〜札幌の移動は大きく塗り替えられるでしょう。北海道新幹線では所要時間1時間で札幌と新函館北斗駅を結ぶことになります。おそらく航空便は廃止になると思われ、場合によってはバスも廃止されるかもしれません。JR北海道は、この延伸工事中の区間で最高速度320km/h運転を行い、将来的にはJR東日本が開発した車両で360km/h運転も検討されています。10年後が楽しみですね。

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