熊本に程近い宇土駅から三角(みすみ)までを結ぶ三角線。この三角線を走る観光特急が、特急「A列車で行こう」です。
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この観光特急「A列車で行こう」に乗車してきたのでレポしていきます!
この後、宮崎の観光特急「海幸山幸」にも乗ってきました。こちらの乗車レポも公開しますので、ぜひご覧ください。
観光特急「A列車で行こう」の時刻表や乗り方、予約方法を解説!
「16世紀の天草に伝わった南蛮文化」をコンセプトに作られたのがこの特急「A列車で行こう」です。鉄道を敷いていくゲーム「A列車で行こう」とは全く関係ありません。
1日2往復(3往復)が運転される「A列車で行こう」
観光特急「A列車で行こう」は、三角線という比較的短い路線を走る観光特急です。片道40分ほどでついてしまうこともあり、本数も多く設定されています。
なお、2024年春のダイヤ改正で、網田駅での停車時分を拡大して所要時間を約65分に伸ばした上で、1往復が削減されることが発表されました。
まず初めに、2024年3月15日までのダイヤです。熊本〜三角駅間で、1日3往復が運転されています。下列車は、朝、昼、昼過ぎに熊本駅を発車します。
停車駅 | 1号 | 3号 | 5号 |
---|---|---|---|
熊本 | 10:21発 | 12:16発 | 14:51発 |
宇土 | 10:31発 | 12:26発 | 15:01発 |
網田 | 10:56発 | 12:54発 | 15:26発 |
三角 | 11:11着 | 13:09着 | 15:41着 |
三角→熊本の便は、下りの三角行きが三角駅に到着後、すぐに発車するパターンが多いです。4号と6号は、発車前に普通列車が1本、発車していきます。なお、上り列車は網田駅への停車はありません。
停車駅 | 2号 | 4号 | 6号 |
---|---|---|---|
三角 | 11:17発 | 13:59発 | 16:33発 |
宇土 | 11:46発 | 14:32発 | 17:02発 |
熊本 | 11:56着 | 14:42着 | 17:12着 |
2024年春のダイヤ改正以降は、1日2往復に削減されることが発表されています。2024年春のダイヤ改正以降(2024年3月16日以降)のダイヤは次のとおりです。
停車駅 | 1号 | 3号 |
---|---|---|
熊本 | 10:21発 | 13:06発 |
宇土 | 10:31発 | 13:17発 |
網田 | 11:22発 | 13:57発 |
三角 | 11:35着 | 14:11着 |
「A列車で行こう1号」は網田駅で30分間停車、「A列車で行こう3号」は網田駅で20分停車します。御輿来(おこしき)海岸などの景色を楽しめる駅での停車時間が拡大されます。
停車駅 | 2号 | 4号 |
---|---|---|
三角 | 11:58発 | 16:35発 |
宇土 | 12:25発 | 17:02発 |
熊本 | 12:37着 | 17:13着 |
ダイヤ改正後の上り列車は、下り列車に対応して2本に削減されることになります。
「A列車で行こう」の料金・乗り方
「A列車で行こう」の料金についてです。「A列車で行こう」は全席指定の特急列車となっています。指定席特急券が必要です。無割引のきっぷの料金は、
熊本〜三角:2,540円(大人)(大人1名分の片道の普通運賃+通常期指定席特急料金の合計額)
となっています。内訳は、乗車券が760円、指定席特急券が1780円です。
JRの通常の特急列車ですから、指定席特急券を購入の上、指定された座席に着席すれば問題ありません。車掌さんからきっぷの提示を求められた場合は、きっぷを提示すればOKです。
なお、三角線はICカードなどは使えないため、あらかじめきっぷを購入しておく必要があります。
特急「A列車で行こう」の割引きっぷ
最後に、特急「A列車で行こう」の割引きっぷについて紹介します。まず、乗車券の部分について。
乗車券部分は「天草・福岡市内2枚きっぷ/天草・熊本2枚きっぷ」がオススメです。三角線に加えて、三角港と天草の松島(前島港)を結ぶ、シークルーズを利用できます。
熊本発と福岡市内発の2つが用意されています。福岡市内発の場合、博多〜熊本では九州新幹線の普通車自由席に乗車可能。指定席料金との差額(通常期は530円)やグリーン車との差額を支払えば、普通車指定席やグリーン車指定席も利用できます。
発駅 | 着駅 | 大人 | こども | 乗車経路 | ご利用列車 |
---|---|---|---|---|---|
福岡市内 | 松島(前島港) | 11,000円 | 5,500円 | 九州新幹線・熊本・三角線 | 九州新幹線普通車自由席 |
熊本 | 松島(前島港) | 3,060円 | 1,530円 | 鹿児島本線・三角線 | 普通列車 |
往復としても、また片道2枚としても利用できます。
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続いて指定席券の部分についてです。
JR九州のクレジットカード「JQカード」やJR西日本のクレジットカード「J-westカード」を持っていると、ネット予約限定のeきっぷというものが使えます。これを使うとかなり安く乗ることができます。年1回以上の利用があれば年会費も無料です。西日本エリアや九州エリアに住んでいて、普段からJRを使う、主張や帰省などでよく特急を使うという人は特に、この機会にカードを発行するのがオススメです。
「eきっぷ」については、過去に詳しく記事を作成しています。こちらも併せてご覧ください。
車内の徹底紹介 〜車内は「大人の旅」を演出するべく、落ち着いた雰囲気〜
実際に特急「A列車で行こう」に乗車してきたので、その車内の様子などを徹底的に紹介します。
黒と落ち着いた茶色を基調とした外観の2両編成の特急
外観は黒を基調としたシックな外観で、これがなかなかいい感じ。JR九州の観光列車(D&S列車)は水戸岡鋭治氏がデザインされているものが多いですが、黒の落ち着いた車体が特徴的。
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1号車と2号車の2両編成で運転されます。三角駅の前にある展望台をイメージしたようなロゴがあしらわれているのが特徴的。
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外観には「A列車で行こう」「TAKE THE “A” TRAIN」という、この列車の名前が書かれています。窓の周りが黒に塗装されているのが、少し前の国鉄時代の車両を彷彿させます。
車内にはバーカウンター(ビュッフェ)も
「大人な旅」を演出することもコンセプトの1つであり、車内にはバーカウンターがあったりジャズが流れていたりします。もちろん、バーカウンターではお酒を注文することもできます(ソフトドリンクもあります)。なお、バーカウンターではクレジットカードなども支払いに利用できるのが、これまた加点ポイントです。こういった、車内販売等でもクレジットカードや交通系ICカードが使えることが増えてきましたよね。
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続いて車内ツアー。車内は「大人の旅」を演出すべく落ち着いた雰囲気となっています。JR九州ではたまにある、ワンマンの特急列車ですがアテンダントさんは乗っています。車掌さんというのは乗客対応というよりは、保安要員というのがメインの仕事であり、もちろん鉄道に関する一定の知識を持っています。アテンダントさんはあくまで乗客対応のために乗務しており、運行のための安全管理は行いません。
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今回、僕はこちらのサイダーをいただきました。+100円で果肉を入れることができるとのことだったので入れてもらいました。酸っぱすぎず、さっぱりとした心地よい酸っぱさがあってなかなか美味しい。確かに、ハイボールに合いそうだけれど、僕は好き好んでお酒を飲むわけでもないのでこれで満足です。
座席はやや古い座席だが、デザインは特別
続いて、特急「A列車で行こう」の座席の様子を紹介します。
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座席はこんな感じ。至って普通の、シンプルな座席の感じですが、実際に座ってみるとかなりふわふわしていて座り心地がいい。もちろん、リクライニングもします。
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こちらが2号車の一般座席の様子。1号車には端にバーカウンターがありますが、2号車は1号車よりにグループ専用座席があり、それ以外は一般座席となっています。2両編成ですが、そこそこ人が乗れるように座席数は多くなっています。
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元々は九州横断特急として使う予定だったみたい。座席の背面には「TRANS-KYUSHU LIMITED EXPRESS」の文字が印刷されています。日本語に訳すろと「九州横断特急」ですね。
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テーブルがあり、そしてもちろん座席はリクライニングします。観光特急の座席にしては普通の座席なんだけど、でもそんなに長く走る特急でもないためあまり気になりません。テーブルを出さずとも、窓側にドリンクなどを置くための場所があるのも便利。片道40分程度の旅では、ガッツリ食事をすることもないため、ドリンクを置く場所さえあればテーブルを出す必要もないのです。
グループ座席も配置
さらにJR九州のD&S列車ではよくある、グループ向けの座席も設置されています。4人用のざさ駅に加え、ソファも設置されています。
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そしてこちらが、2号車にあるグループ専用座席の様子。JR九州のグループ専用席って、ほとんどこの折りたたみ式のテーブルになっていますよね。
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こちらはソファ座席。座席として発売はされていないようで、誰でも座ることができます。ちょっとしたテーブルもあり、ここに座っているだけで終点の三角までついてしまいそうな…
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ソファの前には、カウンター席もあります。このカウンターに座って、流れる景色をのんびりと眺めることもできます。
JR九州は観光特急に力を入れています。JR九州の特急列車ではよくあるのですが、客室乗務員さんが回ってきて記念撮影をしてくれます。僕が乗った時はかなり乗客が少なかったこともあり、ちょっとしたお話もしてくれました。
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2両編成で、運転台の右側は開放的な感じになっています。今は柵がしてあって入れませんが、この先の部分のテーブルもちゃんとデザインされているということを考えると、これはもしかして場合によっては先頭の部分までいけちゃうのかな?
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トンネルに入るとかなり雰囲気があります。「大人な旅」をコンセプトに作られている列車ですから、この感じがとてもいい。車体本体の外観も黒を基調としてますからね。
観光特急「A列車で行こう」で三角半島、天草諸島の魅力を味わおう
最後に、観光特急「A列車で行こう」から楽しむことができる沿線の景色を紹介します。三角半島を縦断し、天草諸島へのフェリーへと接続する「A列車で行こう」は、車窓からも様々な景色を楽しむことができます。
熊本城が有名な熊本駅から発車
観光特急「A列車で行こう」は、熊本駅から発車します。博多駅から最速32分(新幹線みずほ号利用の場合)で来ることができる熊本で、在来線特急として走る特急「A列車で行こう」に乗り換えることになります。
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熊本といえば熊本城。加藤清正が作った名城です。斜面がそりかえっている、武者返しの石垣が有名ですね。熊本地震で被災したため、一部の石垣や天守閣の瓦が崩れるという事態になりました。しかし、その後、修復も少しづつ進み、今では天守閣はほぼ元通りの姿になっています。
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御輿来(おこしき)海岸
途中に「御輿来(おこしき)海岸」があります。三角線に入って、ちょうど半分くらい走ったところです。この特急「A列車で行こう」は、スピードを落として通過してくれるので、じっくり楽しんだり、写真を撮ったりすることができます。
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三角線は、有明海を右手に望みながら走っていきます。座席を取るなら右側が圧倒的にオススメ。全区間ではありませんが、有明海を眺めることができます。
三角駅では天草諸島へのフェリーと接続
列車は終点の三角駅に到着します。「三角」という地名は、景行天皇がこの地を通られた際、「みかど」と呼ばれこれがのちに「三角」となったそう。
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終点の三角では、三角港を発着する天草方面のクルーズに接続します。僕もクルーズに乗ることを考えたのですが、今回は大雨であり、乗ったところで何も景色が見えないだろうとの判断から乗りませんでした。
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駅前にはモニュメントがあります。駅の方から見ると「三角(さんかく)」、三角(みすみ)駅という駅名とかけたのかな?
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このモニュメントは展望台にもなっています。無料で入ることができます。大雨だったため、展望台まで登って写真だけ撮ってそのまま引き返しました。
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