特急スーパーおきが走る新山口から出雲市。この区間、僕はあくまで移動のために乗車したのですがかなりの絶景区間だった。
ということで、今回は、この山陰線(新山口から益田までは山口線)の旅をご紹介します。
新山口から益田までは山越え区間
今回は「どこでもきっぷ」を使った旅をしていました。
前日、博多まで到達し博多に宿泊。そこから新幹線で新山口へと移動して特急スーパーおきに乗車します。特急スーパーおきは、新山口から松江・鳥取を結ぶ特急です。
特急スーパーおき2号(新山口8:52発)に乗って出雲市まで移動します。特急スーパーおきは2両編成の特急列車。車内の座席はJR西日本の特急としてはスタンダードです。特急サンダーバードなどにも採用されている座席であり、長時間の乗車でもしんどくないのがありがたいところ。しかし、自由席・指定席ともに1両づつしかないため、かなり混雑します。
ここ新山口駅からは、観光列車「SLやまぐち」が走っています。今回の旅で乗ることも考えたのですが、SLやまぐちはかなりの人気ぶり、残念ながら指定席が取れませんでした。そのため、このSLやまぐちはまたの機会に、ということで。
新山口を出た特急列車が最初に停車するのがこの湯田温泉駅です。湯田温泉駅は名前の通り、湯田温泉の最寄り駅。湯田温泉は山口の名湯、にも関わらず新幹線停車駅から数駅で行くことができるアクセスの良い温泉です。
山口駅を超えると一気に山越えの区間に入ります。かなり景色が綺麗。針葉樹林が見えてきます。山口は、山陰にも山陽にも属する県であり、特にその中央にあたる区間は山が続きます。山口線・特急スーパーおきはこの山の区間を超えて行きます。
山の区間であるある、自分が雲の中に入ります。雲が自分と同じ高さに見えてしまうのです。これ、朝の10時近くですよ、なのにこれです。秋には前日の昼の気温と朝の気温が大きくなるのでこういった地上スレスレの雲ができやすくなるんですよね。
しばらくして津和野駅に到着する前になると、進行方向左手(出雲市・益田方面から新山口方面への列車では進行方向右手)に津和野川が見えてきます。透き通っていて綺麗です。1ヶ月ほど前に、「藍よしのがわトロッコ」で吉野川を見に行ったのですが、そのときに見た吉野川と同じくらい綺麗です。
新山口駅からかれこれ1時間半ほどかけて、列車は益田駅に到着です。益田駅は山陰本線の駅であり、山口線の終点の駅です。長門市方面へはこの益田駅で乗り換えることになります。山陰本線と山口線の接続駅であることもあって、山陰でのターミナルの1つになっています。また、「快速アクアライナー」という、ここ益田から米子を結ぶ結構速い快速列車の始発駅ともなっています。
ここからは山陰本線の区間を走行します。
山陰本線の海の景色を眺めながら疾走
益田から山陰本線に入ると列車は、今までとは見違えるほどスピードを上げます。ここからの区間は島根県・鳥取県が自ら予算を出して高速化事業を行っています。鳥取県の公式サイトによると、鳥取県は、
- 一線スルー化(駅付近ポイント部の改良)……12駅
- 曲線改良(左右のレール間の高低差拡大)……18.5km
- 軌道強化……PCマクラギ化、タイプレート更換、道床修繕
- 踏切改良(踏切鳴動開始点変更)……168箇所
に加え、JR西日本に対して車両製造費用を無利子で貸与することによって、
- 特急用 12両(山陰本線 4両、因 美線 8両)
- 快速用 19両(両運転台 9両、片運転台10両)
の新型高速走行対応車両を導入しています。これにより、鳥取駅から米子駅間で1時間10分かかっていたものが57分へと、13分ほど所要時間が短縮されました。
そんな区間ですから、列車はかなりスピードを上げて走ります。益田駅を出発して数分すると写真のように海が見えてきます。ここはまだまだ序の口です。
ここからは海沿いを高速で走ります。写真は石見津田駅付近。駅はどうしても、人が集まるところに作られますから、線形がいい海沿いを走っては少し内陸に行って駅、そしてまた海沿いを走って…の繰り返しになります。
こんな大自然が続きます。手前に咲いているのは牡丹の花と思われます(詳しくはないので、間違っていたらすみません)。牡丹の花は今回乗車した特急「スーパーおき」の車体側面にもあしらわれています。これは、高速化事業に投資してくれた島根県への感謝の意味がこもっているそう。
JR山陰本線の高速化事業が平成11年8月に着手され、平成13年7月に高速化が開業いたしました。本県の永年の懸案でありましたが、県のJR西日本に対する働きかけはもとより、県民、沿線市町村、地元経済界の事業費の募金等をはじめとする協力を得て、この高速化が実現いたしましたことは、誠に喜ばしいことであります。
これにより、松江-益田間が特急列車利用の場合、最短で1時間56分と高速化開業前に比べ39分短縮になるなど、大幅な時間短縮が図られ、利用者数も平均約4割増加したところであり、県内外の交流促進が大きく進展するものと考えております。
島根県平成15年高速交通網整備促進調査特別委員長報告より
この辺りは高速化事業によって39分も所要時間が短縮され、利用者数も平均4割増加したとのことでかなり効果のある事業だったのではないでしょうか。
土田海岸付近です。あまり海水浴をするって感じではありませんが、砂浜が続いています。岩がたくさんある間に、砂浜があるってのがなかなかいい感じですよね。
かなり透き通っているのがわかると思います。こういったところの海ってすごい綺麗ですよね。飛び込みたくなります。
岩があり、先には島が見えます。先に見えるのは高島と呼ばれる島(所属は島根県益田市)で現在は無人島です。最盛期には120人ほどの島民の方が暮らしておられたそう。
移住者については出羽(現邑南町)の武士の亡命説、馬木城(現奥出雲町)の武士の漂流説、茶臼山城(現浜田市)の水軍の逃亡説など諸説あり、遅くとも15世紀後半には定住者がいたと言われている。
wikipediaより引用
wikipediaで調べたところこんな感じ。要するに、近くの武士が亡命してこの島にやってきたという説や茶臼山城の水軍が逃亡してやってきたという説や、奥出雲あたりから武士が漂流してやってきたという説など諸説あるそう。
海はさらに透き通ってきます。この辺りは特に、線路も海にかなり近い高さになってくるので海がよく見えます。この後、山陰ジオパークを少し見て回りましたが、ここはその中でもかなり綺麗な水でした。この区間も高速で走って行きます。
列車は途中の三保三角駅を通過します。三保三角駅は特急が1日3往復ほど停車する、それなりに大きな駅です。この駅を過ぎるとしばらくトンネルを走ります。トンネルを抜けると…
一気に綺麗な海が見えてきます。この辺りはクルーズトレイン「トワイライトエクスプレス瑞風」の減速ポイントにもなっています。無論、特急列車は高速化事業を無駄にしないように高速で通過してしまうのですが。
折居駅付近です。折居駅の近くにある「道の駅ゆうひパーク三隅」から見える夕陽がとても綺麗だそう。ということでいつか行ってみたいと思っています。
この辺りは、島根県が出資したことによるトンネルが多いため、どうしてもトンネルに入ったり海が見えたりの繰り返しになります。しかし、その合間合間で見える海はかなりの絶景。
新山口駅を出発してはや3時間ほど、大田市駅に到着です。大田市駅はこの山陰本線の中でも主要駅です。特急を含むすべての列車が停車し、ここで普通列車に乗り換えることができます。跨線橋の鋳鉄(ちゅうてつ)製門柱は、1890年(明治23年)に建てられたものだそう。鋳鉄製の門柱としては日本最古だそう。
やや海から離れながら出雲市駅へ
大田市を過ぎると列車は30分ほどノンストップで走ります。次の停車駅は出雲市駅です。
この辺りからは段々と海岸線から離れます。海岸線から離れて崖の上を走るようになってきます。それでもまだ、海は見られます。
列車は高架に入ります。出雲市の町が見えてきて、出雲市駅が近くなってきます。出雲市は、僕は日本一周旅行で一度だけ来ました。日本一周旅行で来た時はなかなかの雨だったのに、今回は雲1つないくらい綺麗に晴れています。
出雲市駅に到着しました。新山口を出てから3時間20分ほど、うわぁ、長えなあとか思って乗り始めた特急スーパーおきでしたが、全然退屈しませんでした。この山陰本線の絶景区間、ぜひみなさんも味わってみてはいかがでしょうか?
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