新山口から益田・出雲市・松江・鳥取など、山陰方面を結ぶ特急「スーパーおき」。益田から鳥取までを結ぶ特急「スーパーまつかぜ」。山陰の各都市の間を移動する場合に便利な特急列車です。
本記事では特急「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」の車内・座席の様子を詳しく紹介。また、自由席の混雑具合やよくある疑問にも詳しく答えます。
特急「スーパーおき」に乗車した際の様子は、Vlogも撮影し公開しています(作り直し&再アップも検討中)。美しい山陰本線の景色をお楽しみください。
スーパーおき・スーパーまつかぜは2両編成の短い特急列車だが、かなりのスピードで走る
後ほどご紹介するように、スーパーおきが走る山陰区間の鳥取県と島根県が出資して山陰線の高速化が行われています。そのため、2両の短い編成ながらスーパーおきは高速で山陰線を駆け抜けます。
スーパーおきの時刻表 〜新幹線との接続も良いダイヤ〜
特急「スーパーおき」および特急「スーパーまつかぜ」のダイヤについてです。最新の時刻表は、最新の時刻表をご確認ください。
https://www.jorudan.co.jp/time/rosen_スーパーおき.html
新山口を発着する「スーパーおき」は1号〜6号までの3往復となっており、本数はやや少ない印象です。一方、スーパーまつかぜは1号〜12号まで、6往復ありやや本数は多くなります。出雲市〜鳥取間を中心に運転されており、鳥取に近づくほど本数は多くなります。
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また、新山口を発着する「特急スーパーおき」は新幹線との接続も良いです。新山口駅は、完全パターンダイヤではありませんが、おおよそ1時間に1本のペースで新幹線の最速達便「のぞみ」が停車します。この「のぞみ」号との接続はよく考えられています。
自由席はかなり混雑するので注意!また指定席も窓側は埋まりがち
特急スーパーおきは2両編成の特急です。自由席が1両、指定席が1両の合計2両で、グリーン車はありません。
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指定席・自由席ともに1両づつしかないこともあって、座席はかなり混雑します。特急スーパーおきは、指定席の窓側座席については、前日の時点ではすでに満席となっていました。
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自由席はこの通り。特に特急「スーパーおき」(新山口発着)の新山口〜益田間は本数が少ないこともあって混雑します。一方、益田から鳥取の間は、同区間で完結する特急「スーパーまつかぜ」が走っていることもあり、ややお客さんは減る傾向にあるようです。
やや減るものの、混雑することに変わりはありません。窓側座席は確実に埋まっていると言っても過言ではありません。特に、この区間ではD席が海側で非常に景色が綺麗です。このD席は、始発駅で早めに確保する必要があるでしょう。
混雑する新山口〜益田間では8割型の座席が埋まっており、隣の人がいることを嫌ってデッキに立つ人も5名ほどいる程度です。
スーパーおきは、山陰線を高速で結ぶ長距離特急
スーパーおき、スーパーまつかぜは山陰各都市を結ぶ特急です。山陰と瀬戸内海を結ぶ特急には「スーパーおき」の他に「スーパーはくと」や「やくも」があります。この「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」の特徴は、山陰の主要都市を串刺しに結ぶことです。「スーパーはくと」や「やくも」は新幹線と接続して、瀬戸内海側から山陰側を結ぶことに徹しています。
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僕が乗車した車両側面には島根県の県花である牡丹の花が描かれていました。中には鳥取県県花であるの二十世紀梨の花が描かれた車両もあります。
この山陰線はもともとは地方ローカル線のような路線でした。大昔は貨物列車も走っていたものの今では貨物列車も無くなりました。
鳥取県・島根県は「山陰新幹線」を期待しています。でももちろん、現在の特急列車などの利用状況を見るになかなか厳しいことも理解していると思われます。そこで、島根県と鳥取県が共同で出資して山陰線の高速化事業を行いました。具体的には、島根県・鳥取県両県がJR西日本に対して出資して駅の改良工事(特急列車がスピードを落とさずに通過できるようにする)やトンネルの建設などを行いました。
これにより、鳥取駅から米子駅間で1時間10分かかっていたものが57分へと、13分ほど所要時間が短縮されました。
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これにより、大幅に山陰本線の所要時間は短縮されています。こういった、島根県・鳥取県両県の出資に感謝するという形で、島根県・鳥取県の県花があしらわれているのが特急「スーパーおき」です。
座席まわりの設備は快適 ただし、設備は最小限
座席周りの設備は最小限の設備です。しかし、長時間乗車することも想定した座席周りの設備になっています。
JR西日本ではスタンダードな座席設備
特急スーパーおきの座席は、JR西日本の特急としては標準的な座席です。一昔前の関西エリアの特急列車で使用されていたような座席が配置されています。
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座席は至って普通。あえて言うなれば、多少座席の背もたれの部分が薄いかな、と思わなくもありませんがそんなに気になりません。でも、かなり快適です。
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リクライニングもかなり倒れます。後ろの人への配慮も必要ですから、リクライニングを好き放題倒して寝たいという場合は最後尾の座席を確保するといいでしょう。
大小2つのテーブル
JR西日本の特急列車の特徴として、大小2つのテーブルが用意されている車両が多いことが挙げられます。特急「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」の車両にも、大型のテーブルと小型のテーブルの2つが設置されています。
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肘掛けから出てくるテーブルには飲み物などを置くことができます。座席を回転して向かい合わせにして使用するときに使えるようにとの配慮でしょう。ただし昨今の新型コロナウイルスの影響で、座席を向かい合わせにして使用することは基本的に遠慮するようにお願いされているので、あえてこれを使う意味がないこともまた、事実です。
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そしてこちらが背面テーブルです。結構広い。ビジネスで使うお客さんのことも配慮して、パソコン作業などができるようになっています。
もっぱら僕は最近、パソコンを持ち歩くことを減らしてiPad Air4+Magic Keyboardを持ち歩くようになりました。そのため、大抵の場合は小さなテーブルで事足りてしまいます。が、JR西日本の特急に装備されているテーブルにはありがた迷惑でペットボトルのホルダーがついています。これが盛り上がっていてiPadやパソコンを置くと安定しないのです。
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というわけで、パソコン作業をするなら背面テーブルを使いましょう。
お手洗いが1箇所しかないので注意!車内販売も一切ないことも注意!
特急スーパーおきは2両編成です。最前部と最後部(運転台の部分)には扉・デッキがないため、車間部のみにデッキがあります。デッキの部分には微妙にスペースがあるのですが、残念ながら自動販売機などは設置されていません。また、車内販売もありません。特急スーパーおきともなるとかなりのロングランになるので必ず飲み物などをあらかじめ購入しておきましょう。
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デッキには、立っているお客さんを想定していると思われるクッションなどもあります。自由席は8割型埋まっており、あえてここに立っているお客さんも見受けられました。
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昔は喫煙ルームがあった場所に現在は、パンフレットが置かれています。この山陰地域を走る観光列車「あめつち」や「奥出雲おろち号」などのパンフレットがありました。
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お手洗いは1箇所しかありません。そして、2両編成の特急でかなり満席に近くなることが多いです。というわけで、トイレは埋まっていることも多いので注意しましょう。ヤバそうな時は早めにトイレに行ってトイレ前で待機した方が良さそう。
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洗面台ももちろんあります。古くもなく新しくもない洗面台、でも自動で水が出る蛇口にはなっています。
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ウォシュレットなどはありませんが、手をかざして水を流すタイプになっています。お手洗いも清潔に保たれているため、安心して利用できるでしょう。
特急スーパーおき・スーパーまつかぜ Q&A
最後に、特急「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」に乗車する際に気になる、疑問点に答えていきます。
特急スーパーおき/スーパーまつかぜに車内販売・自動販売機はありますか?
ありません。とりわけ特急スーパーおきはかなり長い区間を走るのであらかじめ駅でしっかり購入しておきましょう。また、島根県・鳥取県が出資して高速化事業まで行なったこともあり、スピード重視です。そのため、途中駅でホーム自販機を使えるほどの停車時間がないこともまた事実です。
特急スーパーおき/スーパーまつかぜのトイレはどこにありますか?ウォシュレットはついていますか?
トイレは2両編成の、車間部の部分(先頭車両なら後側、後方車両なら前側)にあります。1箇所しかなく、混雑するので注意しましょう。
ウォシュレットはついていません。
特急スーパーおき/スーパーまつかぜにコンセント・Wi-Fiの設備はありますか?
ありません。携帯電話などは十分充電しておきましょう。また、Wi-Fiがないだけではなく特に山がちな山口線ないでは4G/3G/LTEなどの電波も通じない場合があります(もちろん5Gも…)。映画など観たければあらかじめダウンロードしておきましょう。
特急スーパーおき/スーパーまつかぜの自由席は座れますか?指定席は直前でも確保できますか?
特急スーパーおき/スーパーまつかぜの自由席はかなり混雑します。また、前日夜の段階では指定席の窓側が既に埋まっていることも多いです。e5489のチケットレス特急券の対象路線となっているので、指定席を利用するのであればチケットレス特急券を早めに購入しておくことをお勧めします。チケットレス特急券であれば、予定が変更となっても窓口へ行かずスマホで変更が可能であり、さらに変更回数に制限もありません。
特急スーパーおきの海側はどちらの席ですか?景色がいい座席はどこですか?
D席が海側です。新山口・益田→出雲市方面であれば偶数番号の座席が、出雲市→益田・新山口方面であれば奇数番号の席を確保できると前に余計な支柱がなく、日本海の景色を楽しみやすくなります。
九州・瀬戸内海と山陰各地を結ぶ重要な特急列車
ここまでで特急スーパーおきの車内をご紹介してきました。最後に、特急スーパーおきの車窓をご紹介します。
別の記事で、ここの山陰本線の区間についてまとめました。こちらの記事では、より多くの写真を用いて紹介しています。
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新山口を出発して、山口線はどんどんと山の中に入っていきます。瀬戸内海から日本海側へと抜けなくてはならないのです。
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列車は、津和野川を左手に見ながら益田方面へと進みます。
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山陰線と山口線の結節点になっており、山陰本線のターミナル駅の1つでもある益田駅です。
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益田から出雲市にかけてはかなり海に近いところを走ります。この区間は、クルーズトレイン「トワイライトエクスプレス瑞風」の走行区間にもなっており、また、スピードを落として走行する区間にもなっています。特急スーパーおき号は、高速化事業まで行なっているのにここでスピードを落としていては元も子もない、かなりのスピードで一気に通過していきます。
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出雲市駅に到着です。出雲市駅は特急やくもや寝台特急サンライズ出雲号なども発着する、ここもまた山陰のターミナル駅の1つです。
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