岡山から、瀬戸大橋線を通り高松までを結ぶ快速マリンライナー。本州から四国の大都市・高松までを1時間弱で結ぶ快速列車です。
この快速マリンライナーは、1号車(高松より)が2階建車両となっており、1階席が普通車指定席、2階席がグリーン車指定席となっています。今まで何度か四国周遊旅行をし、この快速マリンライナーにも何度も乗ってきました。車内の様子や混雑状況等をご紹介します。
マリンライナーは岡山と高松を結ぶ快速
快速マリンライナーは岡山から高松を結ぶ快速列車です。
とにかく本数が多くて便利 ただし、自由席はやや混雑
快速マリンライナーの利点はなんといっても本数が多いこと。JR四国の中でもかなり利用者数の多いのが瀬戸大橋線です。この瀬戸大橋線を通る、唯一の追加料金なしで乗れる列車です。
片道1時間の距離とやや短距離なこともあり、本数が多く設定されています。原則として1時間あたり2本は確保。朝の時間帯では、1時間あたり3本が確保されている時間帯もあります。始発は早朝の5:27岡山発、終発は新幹線の最終列車から接続して0:12岡山発となっています。
https://www.jorudan.co.jp/time/eki_岡山_快速マリンライナー.html
なお2022年1月現在、快速マリンライナーは全列車が岡山〜高松間での運転であり、その先へ足を伸ばす列車や途中駅までで運転が終わる列車は設定されていません。
マリンライナーは2号車以降が普通車自由席として設定されており、乗車券類の他、交通系ICカード類でも乗車できます(マリンライナーの停車する各駅はICカード利用対象駅となっています)。普通車自由席は、特に朝夕の時間帯は座れないこともあり得るほど混雑します。昼間の時間帯は座れないことこそないものの、窓側が埋まるくらいの乗車率はあり、利用者としては逆にありがたい空気輸送状態はほぼ見られません。
自由席・指定席・グリーン席がある 指定席ではWi-Fiも
快速マリンライナーには、座席が3種類あります。普通列車・快速列車でありながら3つの座席を持つ列車はあまりありません。
朝夕の時間帯は、普通車指定席もやや混雑します。ただし、普通車指定席は満席にまでなることは稀です(特にコロナ禍で、大混雑が減ったため)。当然ではありますが、値段が高いグリーン車指定席の方が空いている傾向にあります。
しかし、普通車指定席の昼間の時間帯であっても、窓側座席がほぼ埋まるほどに乗車率が高かった経験もあり(それもコロナ禍)驚いたことがあります。窓側が全く確保できない、なんてことは少ないものの、ガラガラってこともないのが普通車指定席・グリーン車指定席です。
1号車の2階席および展望席がグリーン車指定席、1号車の1階席が普通車指定席、それ以外の車両が普通車自由席となります。ただし、一部列車には指定席およびグリーン席が連結されていない場合があります。
1号車は普通車指定席およびグリーン車指定席で、これらの座席にはWi-Fiが備え付けられています。JR四国は快速マリンライナーのほぼ全てと、主要区間を走る多くの特急列車に車内Wi-Fiを設置しています。旅行者にとってはかなりありがたい設備です。
同じ区間に特急列車はほぼない
快速マリンライナーが走る岡山〜高松間には、特急列車はほとんど走っていません。岡山発着の特急「うずしお」が1日2往復、そして寝台特急サンライズ瀬戸号が1日1往復走っているのみです。
快速マリンライナーが後続の特急列車に追い越されることはありません。そのため、快速マリンライナーが原則として最速の列車になります。
マリンライナーの指定席で最もお得なのは「e5489」のチケットレス
快速マリンライナーは、乗車券やICカードだけでも乗車できますが普通車指定席およびグリーン車指定席も連結されています。指定席等にはお得な切符が設定されているのでご紹介します。なお、駅窓口で通常通り切符を購入すると、普通車指定席は530円、グリーン料金は1000円です。
区間 | 運賃 | グリーン料金 | 普通車指定席料金 |
岡山〜高松 | 1550円 | 1000円 | 530円 |
岡山〜坂出 | 1140円 | 1000円 | 530円 |
児島〜高松 | 980円 | 780円 | 530円 |
JR西日本・九州を普段から利用するのであれば「eチケットレス特急券」がオススメ
快速マリンライナーには割引切符が設定されています。割引率が最も高いのが「eチケットレス特急券」です。
JR西日本の発行するクレジットカード「J-westカード」と、JR九州が発行するクレジットカード「JQカード」(※発行するのは厳密にはカード会社ですが、申込先はJR西日本・九州なのでここではわかりやすいようにこういった表現にしてあります)会員限定で利用できる「eきっぷ」。このeきっぷは乗車直前まで予約することができます。JR西日本が運営するe5489では最近、チケットレス特急券を大幅に進化させており、マリンライナーにもチケットレスで乗車できるようになりました。
マリンライナーは厳密には特急列車ではないため、「特急券」ではありませんが大幅な割引切符が設定されています。
普通車指定席 | グリーン車 | |
岡山~児島 | 720円 | 980円 |
岡山~坂出 | 1,350円 | 1,610円 |
岡山~高松 | 1,760円 | 1,920円 |
にしても、指定席料金が210円まで割り引かれる、これはかなり安いです。
J-westカードなしでも購入できる「チケットレス特急券」
オススメはeチケットレス特急券ですが、eチケットレス特急券はクレジットカードが必要です。
割引率は低くなりますが、クレジットカードを発行しなくても年会費無料の会員登録で利用できるチケットレス特急券もあります。それが「チケットレス特急券」です。
普通車指定席は430円の追加料金で乗車することができます。運賃を含めた料金表が次の表です。
普通車指定席 | グリーン車 | |
岡山~児島 | 840円 | 1,510円 |
岡山~坂出 | 1,470円 | 2,170円 |
岡山~高松 | 1,880円 | 2,550円 |
首都圏在住など、普段からJR西日本を使う機会はないという方には、年会費無料で簡単に登録できる「e5489」に会員登録の上、チケットレス特急券を使うのがオススメです。チケットレス特急券はお手持ちの(=普段利用している)クレジットカードで決済することができます。
各種割引きっぷでも
青春18きっぷなどの普通列車限定のきっぷでは原則、快速列車の普通車指定席およびグリーン車自由席は利用可能、普通列車のグリーン車指定席は利用不可です。快速マリンライナーの普通車指定席は別途指定席券を購入すれば乗車することができます。快速マリンライナーでは、グリーン車は指定席となっているため青春18きっぷなどの普通列車限定型のきっぷでは利用できません。
また、JR四国は鳴門海峡大橋を通って高松から関西圏を結ぶ高速バスに対抗すべく、割引きっぷを多数発売しています(以下のリンク参照)。
- 阪神往復フリーきっぷ(4日間用)
- 阪神往復フリーきっぷ(土休日2日間用)
- 阪神往復フリー マリングリーンきっぷ
- 阪神往復フリー しおかぜ・南風グリーンきっぷ
- 大阪こだま指定席往復きっぷ
- 神戸こだま指定席往復きっぷ
これらの割引きっぷでも、別途指定席料金を追加で購入すれば普通車指定席やグリーン車指定席に乗車できます。なお、3つ目の「阪神往復フリー マリングリーンきっぷ」に限っては、マリンライナーのグリーン車指定席が含まれています。
マリンライナーの車内徹底紹介!
最後にマリンライナーの車内の様子を徹底的に紹介します。実際に何度も乗車して撮影してきたので、写真もたくさん交えながら説明します。
まず、マリンライナーで注目すべきは1号車。1階席が普通車指定席、2階席がグリーン車指定席となっています。
マリンライナーのグリーン車指定席
2階席がグリーン車指定席となっています。普通車指定席との大きな違いは、
- 2階席のため眺めがいい
- 座席にテーブルがある
ことです。
グリーン車の車内はこんな感じ。2階建構造の列車であることもあって、やや圧迫感はあります。が、天井が半円になっている分、空間自体はやや広く感じられます。
グリーン車の座席はこんな感じ。座席自体の配列は2+2で、普通車指定席と同じです。
座席背面にはテーブルがあります。普通車指定席にはテーブルはなく、このテーブルが普通車指定席とグリーン車指定席の最大の差別化になっていると思われます。
座席の設備は、首都圏を走る普通列車グリーン車とほぼ同じだと思われます。
マリンライナーの普通車指定席
続いては1号車の1階席にあるマリンライナーの普通車指定席です。普通車指定席は、青と赤を基調とした座面になっています。
1階席はこんな感じ。頭上の網棚などはないため、荷物は階段付近の荷物置き場に置くことになります。グリーン車指定席が2階席にあるため、天井は平面になっておりやや圧迫感があるといえば圧迫感があります。
普通車指定席は、座席の座り心地自体はグリーン車と大差ありません。
ただし、座席にはテーブルがありません。そのため、食事などをしたり、あるいは僕みたいに移動中にはパソコン等を利用した作業をしたい場合にはちょっと不便。
ただ、おそらくテーブルが設置されていないのはグリーン車との差別化を図るため。そのため、テーブル以外の設備はほぼグリーン車と同等です。座席後ろのフックなどもグリーン車と同様に装備されています。
また、普通車指定席でもリクライニング機能が使えます。リクライニングは、角度自体はあまり倒れません。グリーン車と比べてやや座席間隔が狭いためだと思われます。代わりに、座席の背もたれ自体が倒れる通常のリクライニングに加え、座面が前に移動するリクライニングまであります。このリクライニングは、後ろの人を気にせずリクライニングが使えるため便利です。
マリンライナーの普通車自由席はJR西日本のスタンダードな座席
マリンライナーの普通車自由席はJR西日本としてはスタンダードな座席となっています。JR西日本の関西圏の新快速などと同じクロスシート編成になっています。
普通車自由席側の先頭車がこちら。特に、関西圏では見慣れた顔ですね。
新快速にて撮影した写真をも使います。マリンライナーの普通車自由席は、大混雑ではなくてもガラガラなんてことがないからです。僕が普段、新快速に乗るのは米原が多い。ということで、始発・終点駅付近なら車両によってはガラガラになるため、新快速の車内の写真が撮りやすいのです。
JR西日本の普通・快速列車の自由席のクロスシートはかなり快適です。リクライニングこそしないものの、座席には元々角度がついており、快適です。
お手洗いなどの設備は1号車に
お手洗いなどの設備も1号車にあります。
お手洗いは新しくはないものの、清掃はしっかりされています。現在のマリンライナーの車両がデビューした当時からリニューアルはされていない模様。
1号車のうち、2号車寄りの部分の平屋は車椅子の方などに向けた座席(普通車指定席)になっています。通常の指定席として発売はされていないようです。2階建列車は、構造上どうしても車椅子などには不親切になってしまいます。そのため、階段を上り下りしなくてよいここのエリアに、車椅子スペースが設置されています。
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