東京から長野を経由して北陸の富山・金沢までを結ぶ北陸新幹線。この記事では、北陸新幹線の混雑状況と、「自由席に座れるか」問題を徹底的に解説します。
新幹線の「自由席に座れるか」「どれくらい混雑するか」はみなさん興味のあるところのようで、どの記事もご好評をいただいていきます。東海道新幹線・東北新幹線に次ぐ第3弾として北陸新幹線について解説していきます。
北陸新幹線の割引きっぷや座席の様子は、こちらの記事でご紹介しています。あわせてご覧ください。
北陸新幹線は平日でも混雑するので注意 土休日は観光需要も
北陸新幹線は金沢開業以降、当初の予想より乗客数が多くなっています。そもそも黒字化を見込んだ上で建設、さらに予想が上振れ、“成功した新幹線”とも言える北陸新幹線ですが、東京〜大宮間の線路容量などの問題がありなかなか列車を増やせないのです。
特にこの先で解説する平日の列車や繁忙期の列車は自由席がかなり埋まることも多々あります。これらの列車では、指定席を確保するのがオススメです。
駅間/列車 | かがやき 【全席指定席】 | はくたか | あさま | つるぎ |
---|---|---|---|---|
東京〜高崎 | 平日を中心に混雑 指定席も混雑することも | 平日は自由席が混雑 指定席も混雑することも | 平日の自由席が混雑 | 【設定なし】 |
高崎〜長野 | 同上 (高崎通過) | やや空席があり 自由席窓側は埋まりがち | やや空席あり (長野付近では特に) | 【設定なし】 |
長野〜富山 | 平日を中心に混雑 指定席は混雑することも | やや空席があり 自由席窓側は埋まりがち | 【設定なし】 | 【設定なし】 |
富山〜金沢 | 平日を中心に混雑 指定席は混雑することも | やや空席があり 自由席窓側は埋まりがち | 【設定なし】 | やや空席があり 自由席窓側は埋まりがち |
金沢〜敦賀 | やや空席があり | やや空席があり 自由席窓側は埋まりがち | 【設定なし】 | 平日を中心に混雑 指定席は混雑することも |
金沢〜敦賀間については、列車によって需要が大きく分かれます。「つるぎ」号は北陸と関西を結ぶ需要であるため、特急サンダーバードの自由席混雑状況もご覧ください。
平日は出張需要を中心に混雑
北陸新幹線は東北新幹線と比べて、ビジネス需要も相当数あることが大きな特徴です。
北陸新幹線沿線の長野や富山、金沢はそれぞれ観光都市でありながらも都市としても発達しています。また、北陸新幹線の東京・大宮〜長野は比較的早い時期から部分開業しているため、東京まで新幹線通勤、なんてのも比較的受け入れられているようです。
したがって、朝夕の時間帯には、北陸新幹線は全体的に混雑します。北陸新幹線開業によって、首都圏から北陸の金沢・富山などへも日帰り出張が可能になったのです。
コロナ禍がほぼ終わりに近づいたいま、北陸新幹線はかなり混雑しています。土休日関わらず、自由席で窓側座席を確保したい、家族や知人などのグループで利用したいという場合は、始発駅で並んだ方が良さそうです。
繁忙期には列車が増発されるも混雑
一方、お盆やゴールデンウィーク期間には帰省需要もかなりあるのも特徴。東海道新幹線は、年がら年中ビジネス客が中心であるのに対し、北陸新幹線はいわゆる「繁忙期」には帰省の需要が大きくなります。
したがって、帰省シーズンに指定席を確実に確保したい場合は、1ヶ月前の10時ちょうどに座席指定を確保したいところです。帰省シーズンなどの混雑状況は、後ほど2022年のお盆の空席状況も見ながらさらに詳しく解説します。
金沢〜富山間の「つるぎ」は空席が目立つ 他はそれなりの混雑
北陸新幹線が開業したことにより、金沢から直江津まで、2024年には敦賀までの北陸本線が第3セクターに転換されました。そのため、大阪・京都からの特急列車が敦賀で完全に分断され、敦賀〜福井・金沢・富山を結ぶ新幹線として「つるぎ」号が運転されています。
「つるぎ」号が金沢〜富山の間を運転していた際は、比較的空席がありました。しかし、敦賀〜福井〜金沢〜富山と北陸の3大都市を結ぶ新幹線となり、特急「サンダーバード」「しらさぎ」からの接続列車としての役割を持つようになったため、やや混雑しています。
北陸新幹線の自由席で座ることができるのか?
北陸新幹線の各区間において、指定席を取るべきか否かについて解説します。
東京〜高崎など:短距離なので自由席でもOK
東京から高崎の間は、通勤などで新幹線を使うお客さんも多くいらっしゃいます。
この区間は新幹線でも40分〜50分程度と比較的短距離です。それに加え、上越新幹線へと向かう「とき」号、「たにがわ」号、そして北陸新幹線へ向かう各駅停車タイプ「あさま」号などには比較的空席があります。
このような条件から、最悪通路側になることも覚悟で自由席を使えばいいでしょう。
東京〜長野:急がない「あさま」などなら自由席でもOK
続いて東京〜長野です。この区間では、急がないなら自由席でも良いでしょう。特に、各駅停車タイプで長野までの「あさま」号は、自由席を多く連結しており途中での乗降も多いため、空席が見込めます。
一方、北陸新幹線の最速達列車「かがやき」号は、東京・上野(一部通過)・大宮を出ると長野駅までノンストップで走ります。「かがやき」号は全車指定席です。最速達列車ですが、東海道新幹線「のぞみ」号、東北新幹線・秋田新幹線「こまち」号のように「速達料金」はかかりません。「はくたか」号・「あさま」号・「かがやき」号の指定席は全て同一料金です。
そのため、長野まで急ぐのであれば全車指定席の「かがやき」号の指定席を使うという選択肢は十分考えられるでしょう。
東京〜富山・金沢・福井:指定席を使うのがオススメ!
続いて、首都圏から北陸への移動です。この区間では、指定席を取る価値が大いにあります。
北陸新幹線の最速達種別「かがやき」号は全車指定席で自由席がありません。自由席が用意されている「はくたか」号はほぼ全駅に停車するため時間がかかります(途中で「かがやき」に追い越される列車もあります)。
また、移動時間が長くなるうえ東京〜富山・金沢間はかなり混雑するため、この区間は指定席を取る価値が大いにあると考えて良いでしょう。
長野〜富山・金沢・福井:自由席でもOK
最後に長野〜北陸の間の移動です。この区間は、自由席でも問題ないでしょう。ただし、「かがやき」号は速いため、指定席を使う価値は大いにあります。
長野〜富山・金沢の間では、「はくたか」号の自由席でも座れます。空席が多いわけではないので窓側の座席がない可能性はありますが、東京〜長野と比べると比較的空席があります。
ただし、先ほどから書いているように最速達列車「かがやき」号は全車指定席で自由席がありません。自由席のある「はくたか」がほぼ全駅に停車するのに対して、「かがやき」は長野・富山・金沢とほぼ無停車です。速達料金なども不要のため、「かがやき」号を利用するのであれば指定席をとっても良いでしょう。
【2024年3月開業】富山・金沢・福井〜敦賀は比較的空席がある
2024年3月には、北陸新幹線が敦賀へと延伸開業しました。これにより、関西圏・中京圏と北陸を結ぶ大動脈は北陸新幹線へと移行しました。特急「サンダーバード」が30分に1本、そして特急「しらさぎ」が1時間に1本という高頻度で運転されていたところが新幹線に変わったため、乗客はかなり多い。
富山・金沢〜福井・敦賀の区間は比較的乗客は多いですが、自由席はやや空いていることが多いです。これは敦賀駅での新幹線・在来線乗り継ぎの特別料金が設定されており、在来線特急から乗り継ぐ場合、北陸新幹線は指定席利用でも自由席利用でも料金が変わらなくなるためです。
ただ、京都・大阪方面の特急「サンダーバード」、米原・名古屋方面の特急「しらさぎ」の双方と接続する北陸新幹線「つるぎ」号はやや混雑し、窓側の座席が埋まることもあります。
繁忙期は「はくたか」号を中心に混雑
北陸新幹線には最速達の「かがやき」、準速達タイプで長野から金沢の間では比較的停車する「はくたか」があります。なお、かがやき号は全車指定席で自由席の設定がありません(東海道新幹線「のぞみ」、東北新幹線「はやぶさ」「こまち」とは異なり、速達料金はありません)。
繁忙期の「はくたか」号は混雑する
繁忙期は特に「はくたか」号が混雑します。はくたか号は、途中の長野から富山まで、比較的停車駅の多いタイプの列車です。繁忙期には帰省のため、その途中駅で下車するお客さんが多いと考えられます。
一方、「かがやき」号は東京ー上野ー大宮ー長野ー富山ー金沢と、停車駅が絞られているため比較的繁忙期でも空席があることがあります。これは北陸新幹線の大きな特徴と言えそうです。
かがやき号は、逆に10日前でも空席がある
一方、北陸新幹線で最速達列車である「かがやき」号は、繁忙期の10日ほど前でも空席がわずかながらありました。
繁忙期にはかがやき号が増発されます。2022年のお盆の臨時列車のダイヤを見る限り、臨時の「はくたか」号は設定がないにもかかわらず臨時「かがやき」号は設定があります。そのため、首都圏から富山・金沢まで直行する場合は「はくたか」号を利用するのがいいでしょう(新高岡を利用する場合も、新幹線の乗り継ぎ特急券は通算で計算されるため乗り継ぎを利用するのが快適で便利でしょう)。
あさま号も比較的混雑する
東京から長野までを中心に各駅に停車するのが「あさま」号です。
あさま号は各駅停車に相当する列車でありながらもやや混雑します。「えきねっとトクだ値」などの割引切符が充実しているためです。
ただし、あさま号は12両編成のうち、5両、実に普通車の半分が自由席となっています。そのため、指定席が満席であってもそれと同数程度自由席がある訳ですから、自由席で座れる可能性があります。また、あさま号は長野より先の富山・金沢方面には直通しないため、自然と東京から長野の間のお客さんが使うことになります。途中でお客さんが下車する可能性が高いため、途中駅から座れる可能性も期待できます。
時間的に余裕がある場合は、あさま号を利用するのもいいでしょう。
北陸新幹線の割引きっぷや座席の様子は、こちらの記事でご紹介しています。あわせてご覧ください。
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