自由の国・アメリカ。日本人の旅行先として人気です。
しかしアメリカとはいえ日本とは違う。色々と勝手が違うのです。日本一周旅行をして、そしてアメリカの大陸横断の旅をした僕が、日本の旅行とアメリカの旅行で異なる点を分析。そして、「アメリカに行く前にこれは知っておくと良い!」というコツ(Tips)を徹底的に解説します。
アメリカ旅行の荷物リスト これは忘れるな!
まずはアメリカ旅行に必要な荷物です。アメリカならではの荷物も解説します。
アメリカのホテルはものが少ない
アメリカのホテルはものが少ない。アメニティ類がとても少ないです。日本のホテルと比べてアメリカのホテルは、
- パジャマは基本的にない
- シャンプー・リンスなどがない場合もある
- 歯ブラシは基本的にない
と考えてください。日本ではパジャマや歯ブラシ、シャンプー・リンスは揃っていることがほとんどです。しかしこれらは、アメリカでは用意されていません。薬局などに行けばすぐに手に入りますが、言語が違う場所でそう簡単に「薬局へ」などとは言いたくないもの。出発前に用意していくのが無難です。
アメリカ旅行で必要な荷物
海外旅行自体が初めての方のために、アメリカ旅行で必要となる荷物の一覧です。僕が今回、準備において使用したものに、「これが欲しかった」ものを追加して作成したリストです。
身の回りの品物
まずは身の回りの品物です。
- スマートフォン
- 現地でのSIMカード
- 財布
- セキュリティポーチ
- パスポート
スマートフォンは今では必須と言っていいでしょう。SIMカードを用意して、通信ができるようにしておくのがベターです。また、セキュリティポーチも必須です。パスポートは常に身につけておく必要があるからです。
デイバックの中身
続いてデイバックの中身です。デイバックはシーンによって使い方が変わるので注意しましょう。特に、出発当日は飛行機に乗るために持ち込みできる荷物に制限がある場合があります。航空会社のWEBサイトを必ず確認してください。
- 飛行機内での睡眠を意識した服装
- メガネ・コンタクトの液
- iPad
- 南京錠
- メモ帳・ボールペン
- 耳栓
- クリアファイル
- ガイドブック
- アイマスク
出発の際はこれらに加えて、機内で使用するために次に紹介する「電子機器類」「日用品」のポーチも入れていました。
電子機器類(ケーブル類はポーチでまとめる)
電子機器類です。僕は特に、ブログ記事執筆の仕事などもあるので多くなりがちです。
- Magic Keyboard for iPad
- カメラ
- モバイルバッテリー
- 充電器タップ
- 予備のコネクタ
- 必要な充電器
充電器類を忘れるとスマートフォンが使用できません。なお、アメリカでは日本とコンセントの形状が同じであるため変換プラグは必要ありません。また、最近のスマートフォンなどの充電器は世界中どこの電圧にも対応していることがほとんどです(一部の100円ショップの商品などは確認が必要です)。アメリカは130Vの電源であるため、電源の対応電圧を確認してください(多くの商品が、100V〜240Vであることが多い)。
日用品(ポーチなでまとめる)
日用品などもポーチでまとめて持ち歩きました。
- メガネ
- 洗顔用具(石鹸など)
- 歯ブラシ
- タオル
- コンタクト(多めに)
- 常備薬
- コンタクトの液
- コンタクトケース
- つめきり
メガネ・コンタクトが必要な人はコンタクト類も忘れないようにしましょう。コンタクト液は、僕は偶然サンフランシスコの大きな薬局で確保することができましたが、こんな事例は稀です。コンタクト用品などは、旅行に慣れていない人からしたら鬼門です。確認してみてください。
スーツケースの封筒内
海外では何が起こるか分かりません。もしもの場合に備え、日本国大使館に駆け込めばすぐに帰国用の仮パスポートを発行できるよう、僕は次のものをスーツケースの1番奥に備え付けています。
- 証明写真2枚
- パスポートのコピー
- クレジットカードのコピー
- 予備のクレジットーカード1枚
身の危険を感じることがあれば、基本的には日本国大使館に駆け込めば対処してもらえる、日本は素晴らしい国です。とはいえ、緊急の場合はこれらがあると大使館側としても対応がしやすくなるため、用意しておくと良いでしょう。
スーツケースに入れておくもの
続いて、荷物の大半を占めると考えられる、スーツケースの中身です。
- 衣類
- パジャマ
- 洗濯用洗剤
- 防寒着
- 雨具
- ポケットティッシュ
- マスク
- 帽子
- サングラス
- ビニール袋
着替えがメインになりますが、これらのものをスーツケースに入れておくと良いでしょう。それ以外にも、日常で必要になると考えられるものがあれば随時追加してください。
アメリカ旅行で特に注意するべき荷物 これは気をつけよう!
特に日本国内での旅行に慣れている方は、次のものを意識的に用意しておく必要があると言えるでしょう。
- パジャマ(日数分または水洗いですぐに乾くもの)
- シャンプーやリンス、ボディーソープや化粧水など
- 歯ブラシ
バスタオルなどはほとんどの場合、ホテルに備え付けられています。しかし、日本のホテルで備え付けられているパジャマは、ほとんどのホテルで備え付けられていません。長期間の旅行の場合、全日程分のパジャマを持って行くことは不可能なので、数日分用意し、洗濯をすることになります。
また、ホテルによってはシャンプーがない場合もある(多くの場合はある)ほか、歯ブラシは基本的にホテルに備え付けられていないので注意が必要です。
アメリカでの移動手段
続いてはアメリカ国内での移動手段について解説します。アメリカは自動車社会で、移動は車が基本。でも、日本から車を持って行くわけにはいかない。悩みどころです。
車社会のアメリカはライドシェアも発達
アメリカは自動車社会として知られており、多くの人々が自分の車をもっています。しかし、最近ではライドシェアも発展しており、UberやLyftのようなアプリを使用して、自分の車を使って他の人を乗せて移動することができます。また、鉄道もアメリカでは利用されており、都市部を中心に便利に使うことができます。
ライドシェアを利用するには、スマートフォンが必要です。アプリをダウンロードし、自分の情報を登録するだけで、利用可能です。利用料金は、乗車距離や時間、需要などに応じて異なります。
ライドシェアについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ご覧ください。
鉄道は治安に注意すれば便利に使える
続いて鉄道です。日本とはやや仕組みが異なります。アメリカの鉄道は主に2種類あります。
1つ目が都市型の鉄道。日本の地下鉄などと同様に、その場で切符を買って乗ることができます。ニューヨークなどでは地下鉄網が発達しており、鉄道で移動することができます。
ただし、これらの鉄道利用にあたっては、治安に注意することが必要です。一部の路線や駅周辺は治安が悪く、危険な地域もあるため、事前に情報収集をすることが大切です。また、夜間の利用には特に注意が必要で、女性は単独での利用を避けるようにしましょう。
2つ目は長距離移動に使う鉄道。主要都市間を結ぶアムトラックと呼ばれる鉄道(正確にはスキームが違うが、利用者目線では日本でいうJRと思えばOK)は、快適な座席や個室などもあります。乗り方や料金体系は飛行機に近く、1日1本しか運転されていない区間などもあります。
アメリカので都市間鉄道移動はアムトラックを利用するのが基本です。アムトラックについては、詳細にまとめた記事を作成しましたので、ご覧ください。
信号機の使い方 守らない現地人も多いので注意
アメリカは車社会なので信号も当然、多数あります。信号の使い方も知っておいた方が良いでしょう。
信号機が設置されている交差点では、信号機の色によって進行・停止を判断することが基本です。赤信号では停止、黄信号では注意して進行、緑信号では進行という流れになります。
しかし、現地のドライバーの中には、信号機の色を守らずに進行する方も多いため、自身もまた気をつける必要があります。特に、左折の際には、信号機の色だけでなく、進入制限を示す標識や、対向車線の車両の動向にも注意することが大切です。
都市間移動は飛行機が中心 保安検査が厳しいので注意
アメリカは国土が広いため、都市間移動には主に飛行機が利用されます。大都市同士を結ぶ航空路線は発着便数も多く、便利な交通手段です。また、早期予約をすると格安でチケットを購入することができる場合があります。
ただし、飛行機の保安検査が厳しく保安検査には時間がかかるため時間に余裕を持って空港に到着することが重要です。預入荷物がない場合でも、30分前までには空港に到着する必要があります(混雑する空港では1時間前が目安)。また、日本とは違いアメリカでは、飛行機に乗るためにIDが必要です。日本人の場合、基本的にはパスポートを提示することになります。預入荷物に間違えて入れてしまわないようにしましょう。
アメリカ内の移動にはLCC(格安航空会社)もあり、安価に移動できることが特徴です。ただし最近では、大手キャリア(フルサービスキャリア)も対抗し、座席指定ができないなど制限をかけた上でLCC並みの運賃を提示する会社もあります。LCCは一般的に機内サービスがないため、自分で飲み物や軽食を持ち込むことができます。
ただし、LCCは遅れが発生することが多く、保険をかけての予約や十分な余裕を持って移動することが必要です。
アメリカ旅行における通信手段
今日のアメリカにおいては、スマートフォンが必須です。コロナ禍でその傾向は一気に加速しました。あらゆるところで、アプリの使用を前提としたシステムが構築されています。そのため、スマートフォンによる通信手段を確保しておくことが必須です。
SIMカードを予め日本で確保していくのがオススメ
1番のオススメはSIMカードを用意して行くこと。日本で使っているスマートフォンを、アメリカでも同じ要領で使用できます。
アメリカにおけるSIMカード事情については、別の記事で解説しています。今までモバイルルーター、物理SIM、eSIMと使ってきた経験から、圧倒的にオススメなのはeSIM。アプリ上で全ての手続きが完了し、日本国内で開通まで行うことができとても便利です。日本で使っているSIMは、システム上でオフにすれば問題ないため、日本のSIMをなくす心配もありません。
詳しくはこちらの記事でまとめましたので、併せてご覧ください。
Wi-Fiが使える場所は多いが、セキュリティの面からオススメはしない
アメリカは公衆Wi-Fiも比較的発達しています。ただし、セキュリティ面からオススメはしません。
無料で使えるWi-Fiはセキュリティ保護がないため、すぐに通信内容を見られてしまいます。先ほども書いたように、スマートフォンが使える前提で事が進むのがアメリカ。例えば、観光地への入場チケットはスマホでカード決済。カード決済をフリーWi-Fi経由で行うほど危ないことはありません。
フリーWi-Fiを補助として、動画を観たりする際にのみ使用するのは問題ないですが、フリーWi-Fiのみに頼るのはあまりにも危険すぎるのでやめるべきです。ホテルのWi-Fiも同様です。
緊急通報なども確認しておこう
アメリカの緊急通報は、警察・消防ともに911です。オペレーターが出るまで待機しますが、英語力に不安がある場合は「Japanese, Please(ジャパニーズ・プリーズ)」と言えば日本語通訳に繋げてもらうことができます。
なお、アメリカでは救急車は有料で、300ドルほど請求されます。また、救急車を呼んだ場合は行き先の病院は指定できません。そのため、行き先の病院を指定したい場合はタクシーなどを利用することになります。日本とは感覚が異なりますが、これがアメリカの現実です。
この辺りに関しては在ニューヨーク日本総領事館のサイトでも詳しく解説されていますので、ご覧ください。
アメリカ旅行での治安対策
続いてはアメリカでの治安対策です。アメリカでの治安対策については、過去にすでに記事を出していますので、そちらも併せてご覧ください。
ダウンタウンは場所によっては治安が心配
アメリカ旅行で特に注意したいのがダウンタウン。アメリカは日本よりホームレスが圧倒的に多く、ダウンタウンにホテルを取った僕たちはやや怖い思いをしました。
街の中心部は比較的、高級ホテルも立ち並ぶため問題ありません。ホームレスからしても、高級レストランなどが多いため住みつきにくい。しかし、物価が比較的安くなる郊外、ダウンタウンは注意が必要です。
ロサンゼルスでダウンタウンにホテルを取ってしまったため、少し怖い思いをしました。夜、日没から日の出までの時間帯は怖くて外には出られない。これがなかなか精神的にキツいのです。
アメリカはしっかりお金を払えばそれに見合う、しっかりしたサービスを受けられる場所。ホテルはケチらず、しっかりしたところを取るべきです。
観光地には詐欺がたくさん
アメリカに限らず言えることですが、観光地は詐欺がたくさん。スリもたくさんいるので注意しましょう。
例えば僕たちの体験談を1つ。ロサンゼルスの有名観光地・サンタモニカに行った時、黒人男性からポストカードを渡されました。無料だから、と言って押し付けられ、面倒だった僕は受け取ってしまった。
そしたらそれをいいことに、つきまとってきた。そしてサインをするからチップを出せと、お金を求めてきたのです。外国人は帰国するから警察に被害届を出すこともできない。そういった不利な点まで見越した悪質な詐欺です。
ものを無料で渡すから、と言ってお金を求めることは多いのです。泣き寝入りすることになるので、十分注意しましょう。
それでも優しい人は優しいアメリカ人
ここまではマイナス面を中心に解説しましたが、いい人がいるのも事実です。
僕たちは今回、アメリカ大陸の横断のためにアムトラックの寝台車を使いました。アムトラックの寝台車で大陸横断をするためには20万円以上の費用が必要で、決して安いものではありません。しかし、値段がかかるからこそ、それ相応の人しか周りにおらず、とても快適な旅をすることができました。
もちろん、アメリカ人の大半は優しい人たちです。でも、それが悪い人たちでかき消されてしまう、悲しい現実がアメリカにはあるのが現状です。
アメリカ独自のお金の文化
最後にお金の話。日本とはやはり、感覚が異なるところもある。日本と違うところを中心に解説します。
アメリカならではの「チップ」という文化
アメリカに行く時にお金のことで、最も気になるのがチップ。アメリカにはチップという文化があります。実際にアメリカ大陸を横断した経験から「アメリカは感謝をお金で表す」。これは痛烈に感じました。
チップとは、レストランなどでサービスを受ける際、感謝の気持ちを込めてお金をプラスして支払うものです。概ね15%〜20%程度が目安とされています。日本人にとっては感覚が分かりにくいでしょうから、次のように計算すると良いでしょう。
- 金額の10%を計算する、つまりゼロを1つ削る。
- その倍(つまり20%)との間でキリの良い数字を、大きい方に近づくように算出する。
例えば17ドルの商品を買ったとすれば、まずゼロを1つ削って1.7ドル。その倍である3.4ドルとの間で、キリの良い数字を算出する。2ドルと3ドルが候補になるが、大きい方に近づけた方が良いので3ドルとする。
こんな感じで計算していました。そうすれば大抵、17%や18%など良い数値になります。
最近ではチップもクレジットカードで支払うことができるようになってきました。配車アプリ(UberやLyft)などではパーセンテージでチップの金額を選べるので便利です。
ホテルでは「デポジット」が必要
アメリカのホテルではデポジットが必要です。デポジットとは、あらかじめお金をホテルが預かっておくものです。
基本的にはクレジットカードで支払うことになり、チェックイン時に与信枠の照会が行われます。すなわち、宿泊料に加えてチェックアウトまでホテルの宿泊料相当の金額が利用可能枠から差し引かれることになります。
日本と比べて顧客に対する信頼が薄いアメリカでは、いわば人質としてデポジットを一律でもらうのです。例えば部屋の備品を持ち帰ってしまっただとか、あるいは部屋に備え付けの有料の飲み物を飲んだにも関わらずお金を払わずに帰ってしまったなど、そういった場合には返金されずに徴収されるのです。
実際に支払いが実行されるわけではないので、デポジットはカードの利用明細には表示されません。チェックアウト後に問題がなければクレジットカードの与信枠も戻されます。
アメリカでホテルなどを利用する場合、実際の宿泊料以上にクレジットカードの利用可能枠が必要になってくることを知っておきましょう。
カード中心の社会 Apple PayやGoogle Payなども活用しよう
アメリカはクレジットカードが中心の社会です。
今日ではクレジットカードそのものではなく、コンタクトレスと呼ばれるタッチ決済が主流になっています。タッチ決済はタッチ決済のマークがついたクレジットカード本体でも利用できますが、実際にはApple PayやGoogle Payなどのモバイル決済を利用する方が多いです。決済のためには顔認証(iPhoneではFace IDやTouch ID)が必要になるため、クレジットカードそのものを使うよりセキュリティの面でも安心です。
日本出国前にApple PayやGoogle Payにクレジットカードを設定しておきましょう。僕が一緒に旅をした知人は、現地でApplePayの設定をしようとしたものの日本の電話番号での音声通話が必要であり、現地のSIMを使っていたため設定ができませんでした。一旦設定すれば電話どころかインターネットすらなしで利用できますが、セットアップには日本の電話番号が必要なこともありますので日本国内で設定しておくことを強くお勧めします。
さらにロサンゼルスやサンフランシスコ、ワシントンD.C.などではApple PayやGoogle Payを利用して交通系ICカード(日本でいうSuicaやPASMOなどのようなもの)も発行できます。
財布が必要ないと同時に、セキュリティ面でも安心なので利用しない手はありません。
コメント