JR西日本が運転する「WEST EXPRESS銀河」。大阪・京都などの京阪神地区を拠点に、紀南方面(和歌山県・紀伊半島方面)や山陽方面(広島・下関方面)、山陰方面(米子・出雲市方面)に運転されています。
実際にグリーン車指定席「ファーストシート」に乗車してきました。本記事では「ウェストエクスプレス銀河」(WEST EXPRESS銀河)の車内の様子を、写真を用いて隅々まで紹介します。また、予約方法や実際の乗車記など、観光列車としての「ウエストエクスプレス銀河」の魅力を余すところなく紹介します。
JR西日本の長距離列車・WEST EXPRESS銀河の紀南コース(白浜・紀伊勝浦→新宮→大阪→京都)に実際に乗車し、その様子はVlogでまとめています。動画もあわせてご覧ください。
ウエストエクスプレス銀河の予約方法や料金
まず初めに、ウエストエクスプレス銀河の予約方法や料金などについて解説します。WEST EXPRESS銀河号は、JR西日本のインターネット予約サービス「e5489」で予約できます。
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ウエストエクスプレス銀河の予約方法 いつから?e5489からも
ウエストエクスプレス銀河の予約は、JR西日本が運営するネット予約サイト「e5489」から可能です。コロナ禍では旅行会社のみからの予約受付でしたが、現在はJR各駅の窓口や券売機での予約などにも対応しています。
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ウエストエクスプレス銀河の紀南コースの予約は、こちらのJR西日本公式サイトから可能です。実際に予約方法を解説していきましょう。
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ウエストエクスプレス銀河の公式サイトから「予約」をクリックし、予約方法詳細が書かれたページへ飛びます。
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その時期に予約が可能なルートが出てきます。また、各号車の設備が出てくるので、どの設備を予約するかを決め、Wester(e5489のアカウント)会員であれば「会員ログインして予約」、会員でない場合は「会員ログインせず予約」を選択します。今回は紀南ルートの昼行便のファーストシートを予約します。
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続いて、出発日などを選択します。「上り」または「下り」を最初に選択する必要があるにもかかわらず、出発日は運転がある日に限定されません。その下にある「運転日」のカレンダーを参照しながら日程を決定ます。
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そのほか、乗車駅と降車駅を選択して、次の画面へと進みます。グリーン車「ファーストシート」などは空席が少ない傾向にあるので、注意が必要です。
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座席は、座席表から選択できます。ただし、ウエストエクスプレス銀河は、ファーストシートやクシェットなど、特殊な設備もあり、座席表と実際の座席スタイルが一致しない車両も多くあります。必ず確認の上、予約をしてください。
なお、e5489の通常の検索でも「特急銀河」として表示されますが、コツが必要です。遅い特急列車であることなどが原因です。e5489は途中で乗り換えなどを提案するシステムになっているので「乗り換えなし」で検索する、あるいは「乗り換えなしで利用する区間を指定」などを使って予約することになります。
ウエストエクスプレス銀河の料金は通常の特急料金だが注意も必要
続いて「ウエストエクスプレス銀河」の料金です。ウエストエクスプレス銀河の料金は、通常の指定席特急料金・グリーン料金が適用されています。ただし、グリーン個室は従来、設定がなかったため、1人あたりのグリーン個室料金として、
100kmまでが4,360円、200kmまでが5,860円、300kmまでが7,240円、400kmまでが8,450円
として新たに設定されています。
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料金体系は通常の特急列車と同一ではあるものの、JR西日本が広く展開している「eきっぷ」「eチケットレス特急券」などの割引きっぷが設定されていません。無割引での特急券(2024年3月までは新幹線との乗り継ぎ割引であれば適用)を購入する必要があります。
【例:紀南方面の料金】
区間 | 運賃 | 指定席特急料金 | グリーン料金 | プレミアルーム料金 |
---|---|---|---|---|
京都〜紀伊勝浦・新宮 | 5,500円 | 3,170円 | 4,190円 | 7,240円 |
大阪・新大阪・天王寺 〜紀伊勝浦・新宮 | 4,840円 | 2,950円 | 4,190円 | 7,240円 |
大阪・新大阪・天王寺 〜白浜 | 3,080円 (新大阪 3,410円) | 2,730円 | 2,800円 | 5,860円 |
全ての区間の料金はJR西日本の公式サイトに掲載されています。
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ウエストエクスプレス銀河 紀南方面の時刻表 各方面へと運転
ウエストエクスプレス銀河は定期列車として運転されるわけではありません。各時期ごとに異なる行き先が設定されるため、時期によって時刻表も変わります。
2024年は、7月から9月の夏休みシーズンにかけて紀南方面へ、10月から2025年3月にかけて山陽方面へと運転されています。
最新の行き先・時刻表などは公式サイトに掲載されているので、そちらを参照してください。2023年10月に乗車した際の行き先は紀南方面で、そのうち上りの新宮→京都の便を利用しました。紀南方面はデビュー1年目から運転されており、概ね変更はないようです。
発着駅 | 着時刻 | 発時刻 |
---|---|---|
京都 | – | 21:15 |
新大阪 | 22:10 | 22:13 |
大阪(うめきた) | 22:17 | 22:19 |
和歌山 | 23:42 | 0:40 |
串本 | 6:50 | 8:00 |
紀伊勝浦 | 9:05 | 9:10 |
新宮 | 9:37 | – |
下りの京都・大阪→新宮の便は夜行便として運転されています。夜行列車であるため、クシェットなどの人気が高いようです。
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上り便の時刻表です。上り便の新宮→大阪・京都便は昼行便として運転されています。きのくに線の美しい海の景色を楽しむことができます。
発着駅 | 着時刻 | 発時刻 |
---|---|---|
新宮【乗車のみ】 | – | 13:02 |
紀伊勝浦【乗】 | 13:25 | 13:30 |
太地【乗】 | 13:42 | 13:45 |
古座【乗】 | 14:20 | 14:23 |
串本【乗】 | 14:31 | 15:07 |
周参見【乗】 | 15:46 | 16:04 |
白浜 | 16:26 | 16:27 |
紀伊田辺 | 16:48 | 16:49 |
御坊 | 17:23 | 17:24 |
海南 | 18:02 | 18:22 |
和歌山 | 18:33 | 18:44 |
日根野【降車のみ】 | 平日19:35/休日19:28 | 平日19:37/休日19:31 |
天王寺【降】 | 平日20:02/休日20:03 | 平日20:04/休日20:05 |
大阪(うめきた)【降】 | 20:16 | 20:17 |
新大阪【降】 | 20:21 | 20:22 |
京都【降】 | 20:53 | – |
乗車駅は新宮から和歌山まで幅広く、着駅は白浜から京都までとこれまた幅広くなっています。関西エリアでも、和歌山から日根野まで、などで乗車できます。なお、この区間で乗車すると後続の特急「くろしお」32号(和歌山18:50発-大阪19:46着-新大阪19:51着)に追い越されます。
ウエストエクスプレス銀河は観光に特化した設備がたくさん!
実際にウェストエクスプレス銀河に乗車してきました。まずはウエストエクスプレス銀河ならではの設備について紹介します。
国鉄117系電車を改造したウエストエクスプレス銀河
ウエストエクスプレス銀河は、国鉄117系を改造して作られた列車です。形こそはそのままであるものの、外観の塗装や内装は完全に作り替えられているため、見た目は違う。
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比較的古い車両を使っているため、車内の騒音も気になるかと思いきやそんなこともありませんでした。僕が乗車したのが1号車のグリーン車だったこともあるのかとても静かでした。
車内には観光に特化した設備が充実-ラウンジスペースがたくさん
ウエストエクスプレス銀河は観光に特化した列車です。そのため、定員が少なく、車内にはフリースペースなどがかなり多く設けられています。
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4号車 1両丸っと使ったフリースペース「遊星」
4号車は1両をまるまる使ったフリースペース「遊星」となっています。観光用の列車ならではの、広々としたスペースが用意されています。
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1号車側(グリーン車・ファーストシート側)は座席というよりちょっとした腰掛けのようなスペースになっています。
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6号車側はボックス席になっています。4人がけのボックス席です。革張りの座席になっているため、リクライニングシートなどほど快適とは言い難い。
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夜の様子です。頭上の直接照明に加え、間接照明が雰囲気を出してくれています。夜行列車ならではの、いい感じです。
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ちょっと腰掛けて休憩できるスペース。このスペースなら、ずっと同じ人が居座ることがないので正直ありがたい。飲み物を置く場所があるのもGood。たまに飲み物を持ってここで気分転換したりしていました。
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ボックス席の様子です。ボックス席にはボードゲーム盤面が刻印されているので、駒を持ち寄って遊ぶことができるらしい。が、実際にやっている人はいなかった。ここは、駒をJR側で用意していただけるとさらにポイントが高いのに…
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ボックス席にはコンセントも設置されています。コンセントが2口設置されているのですが、ここにコンセントが設置されているために、ここのコンセントをずっと使って居座っている人がいたのは少し残念なポイント。4つあるボックス席のうち、僕が乗車した際にずっと居座っていたのは1人だけでしたが。
3号車 フリースペース「明星」
3号車にはフリースペース「明星」があります。3号車は普通車指定席(リクライニングシート)がある車両です。リクライニングシートを利用している乗客でも、気軽に利用できるのがいいところです。
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中央にはランタンと、そして座席が6つほどあります。ここで食事をしているお客さんがいたり、コーヒーをここで飲んでいるお客さんがいたりと、さまざまな使い方をされていた印象です。
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夜でも明るいため、周りの人たちが寝静まった後にちょっと気分転換に使うだとか、さまざまな使い方ができそうです。
6号車 フリースペース「彗星」
6号車はグリーン個室となっています。6号車の運転席側にはフリースペース「彗星」があります。このフリースペースはグリーン個室の乗客専用とは言われおらず、どのみち僕はグリーン券も持っていたため、少し見てみました。
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1号車のグリーン車の乗客専用のフリースペースと比べてやや狭いものの、ちょっと秘密基地感があるのがいい感じです。6号車がグリーン個室となっているため、グリーン個室の間の、ちょっと狭い道を通っていくのがいい感じです。
グリーン個室に乗車する場合、こちらのフリースペースの方が近くて便利です。
1号車 グリーン車の乗客専用のフリースペース
1号車にはグリーン車の乗客専用のフリースペースが設けられています。グリーン車の乗客のみが使えるフリースペースで、普通車指定席の乗客は利用できません。
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1号車のフリースペースは運転台のすぐ後ろのあるため、特に1号車が先頭となる運転(2022年以降の紀南コースでは、上りの大阪・京都行きの場合)では前面展望を楽しむこともできます。
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ただし、元々の車両がそこまで前面展望を前提としていません。あまり運転席の窓が大きくはないため、めちゃくちゃ綺麗に見ることができる、というわけではありません。
全席にコンセントを設置 車内ではWi-Fiサービスも
車内には無料のWi-Fiが設置されています。JR西日本では最近、新快速のAシートや一部の特急サンダーバード、そして新幹線にもWi-Fiを設置しています。
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実際に速度を調べてみました。ウエストエクスプレス銀河は紀南コースや参院コースなどで地方へ行くことが多いため、あえて紀南コースの運転停車中に確認。比較的条件は悪かったっと思います。
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比較的地方の、悪い条件でもこれくらいのスピードが出ています。ちなみに大阪府内などに入ると、YouTubeなどは難なく楽しむことができる程度のスピードは出ていました。
車内でWi-Fiサービスが利用できるのは、最近の特急列車のトレンドですね。僕が乗車した際、大阪駅の不審物の影響で、途中で1時間ほど停車してしまうハプニングがありました。そんな時に、ファーストシートで横になりながら、iPadをWi-Fiに繋いでYouTubeを観たり、ブログの更新作業をしたり。まるで家の居間のような使い方をしていました。
充実した手荷物置き場やお手洗いなどの設備
車内には充実した手荷物置き場やお手洗いなどの設備があります。まずはお手洗いの様子を紹介します。
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新快速や草津線で運転されていた時からは、さすがにリニューアルされています。ただし、ウォシュレットがついていないのがちょっと、残念です。
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洗面台です。こちらも自動で水が出るタイプに付け替えられており、清潔感も十分あります。
ウエストエクスプレス銀河のファーストシート
ここからは、実際にウエストエクスプレス銀河に乗車してきましたので、その車内の様子を紹介します。
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ウエストエクスプレス銀河のファーストシート
ウエストエクスプレス銀河のファーストシートの様子です。2人がけのボックスシートになっています。B席のみが発売され、B席を購入することでボックス席の両方(A席とB席)が使えるようになっています。2023年現在、e5489での利用では2人でのボックス席利用は想定されていないようです。
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ボックス席を座席にした状態の様子です。ボックス席の最大の欠点が「リクライニングができないこと」です。ただ、最初からそれなりに快適な位置に設定はされているため、8時間ほど乗車していたもののこの欠点を大きく感じることはありませんでした。
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そしてなんといっても最大のメリットが「カーテンを閉めることができる」ということ。カーテンを閉めることで、プライベート感がかなり増します。
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特にボックス席は開放感があるため、隣のボックス席と繋がっているようにすら見えます。これをカーテンで仕切ることができるのはかなり良い。
夜行運転時はベッドにもなる快適な座席
座席は夜行運転時にはベッドにもなります。座席の背もたれを手前側に倒してベッドにするため、座席の座面と比べると高い位置にベッドが来ることになります。
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ただし、ベッドが高い位置に来るため、横になりながら景色を楽しむことができる。これはとても良い。アメリカの大陸横断鉄道・アムトラックでの経験があったので、最初は少し驚きましたが、ちょうどいい高さになってくれるのです。
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夜の様子です。「夜行運転時の」とは書きましたが、実際に夜行運転時は布団やシーツなどが用意されます。夜はこんな感ンジで、夜行列車らしい雰囲気を楽しむことができます。
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座席からベッドへの転換は、枕元の部分にある灰色のレバーを引くだけです。そんなに強い力もいらず、簡単に転換することができました。
コンセントやUSB充電ポートを設置し、室内の明るさを調整可能
ファーストシート(グリーン車指定席)の車内には、コンセントやUSBポートなどが設置されています。最大2人での利用を想定しているため、コンセント・USBポートともに2口が設置されています。USB Type-Aなのがちょっと残念。
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さらに、操作パネルにはランタン(操作パネルのすぐ上にある、窓側のライト)のスイッチがあり、星型のつまみを回すことで天井にある室内灯の明るさを調整することもできます。夜行運転時に、好みの明るさに調整できるよう設定されているものと考えられます。
ウエストエクスプレス銀河のリクライニングシート(普通車指定席)
続いて普通車指定席(リクライニングシート)の車内・座席の様子です。
リクライニングシートは2+2の座席だが、特急列車より広々
リクライニングシートは2+2の座席配列になっています。在来線の特急列車としては普通の座席配置ですが、前後間隔は全然違います。
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リクライニングシートの車内の様子です。在来線の特急列車と比べて、車内は青色のモケットで明るさがありながらも、床のデザインが落ち着いています。
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座席はこんな感じ。JR西日本の在来線特急をベースにしながらも、頭の部分の両サイドをかなり出っ張らせており、プライベート感があります。
座席間隔も広く設定されており、長距離の移動でも快適に使うことができるように設計されています。
2号車には女性専用席も設定
WEST EXPRESS銀河では、2号車に女性専用席も設定されています。2号車だけはモックアップが異なり、女性専用席となっています。
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なお、1号車のグリーン車の乗客および2号車指定席の指定席券を所持している乗客以外は2号車より前に入ることができません。
僕は1号車のグリーン車を利用していたので入ることができました。グリーン車の乗客は女性専用席を通り抜けなくてはいけない構造になっています。
JR西日本の特急と同一のテーブルを完備
ウエストエクスプレス銀河には、JR西日本の在来線と同一のテーブルが設置されています。
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各座席に設置されたテーブルの様子です。JR西日本の在来線特急と同様、座席の横幅ほぼいっぱいまで使ったテーブルが背面に設置されています。
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JR西日本のテーブルには、ドリンクホルダーが2つついています。手前の小さいホルダーは、カップタイプのコーヒーなどを置くことができる場所だと思われます。
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JR西日本の在来線特急には、座席の背面から出てくるタイプのテーブルに加え、座席の肘掛けから出てくるタイプのテーブルも設置されています。がっつりご飯とか食べるわけではない、けれどおつまみや飲み物くらいは置きたい、なんてときに便利です。
各座席にはコンセントを設置
リクライニングシートにも全席にコンセントが設置されています。
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コンセンは各座席のひじ掛けの、内側の部分に設置されています。JR西日本の特急列車では、各座席の肘掛けにテーブルが設置されているため、ここしか設置するところがなかったこともあるでしょう。

車内はこんな感じ。普通車指定席のリクライニングシートには、デッキとの間にドアがないのが気になります(グリーン車指定席・ファーストシートでも実は仕切りはありません)。荷物置き場などがあり、デッキとは区切られている感じがあるので無しで良い、という判断でしょうか。
ウエストエクスプレス銀河のクシェット(ノビノビ座席)
続いてウエストエクスプレス銀河のクシェットの紹介です。クシェット「ノビノビ座席」という、サンライス瀬戸・サンライズ出雲と同じ名称が付けられており、通常のJRのきっぷとして発売される際は普通車指定席として販売されます。
クシェットは往年のブルートレインを思わせる寝台車両
クシェットは往年のブルートレインを思わせる寝台車両になっています。各部屋が4人定員のボックス席となっています。1席づつ個別に普通車指定席として販売されるため、4人以下での利用の場合は相席になることもあります。
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作りは、ブルートレインなどの寝台列車が走っていた時代の、簡易寝台のような作りになっています。この写真は昼間の運行時に撮影されたものですが、夜行運転時はシーツなども用意されます。
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ブルートレインが走っていた時代と大きく異なるのが、バリアフリー対応のクシェットが用意されていること。5号車の中でも最も4号車寄りが、バリアフリー対応のクシェットになっています。ただ、僕が乗車した際はどう見ても体が不自由ではなさそうな、鉄道好きなおじさんが座っていたのがちょっと残念。
上段と下段それぞれ十分な広さを確保
クシェットは上段と下段、それぞれで十分な広さを確保しています。まずは上段の様子から見ていきましょう。
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上段のクシェットへは、梯子を登る必要があります。天井は十分な高さがあるため、そこまで圧迫感があるようには感じませんでした。ただし、転落防止のためか覗き見防止のためか、すりガラスの板が窓側に設置されているため、上段に乗ったままだと景色がほとんど見られないのが残念。
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下段はこんな感じ。こちらも十分な高さがあります。クシェットの上で座ることもできるような高さです。
個別で操作できるライトやコンセントも
クシェットには、ブルートレインが走っていた時代の簡易寝台とは異なりコンセントやライトがしっかり備え付けられています。
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各座席にはライトと、その下にはポシェットが。そしてさらにその下にはライトのスイッチとコンセントが設置されています。
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また、通路と座席の部分の間には仕切りがあります。下向きの仕切りで、中で寝ている人が外からは見えない作りになっています。
2号車には女性専用クシェット「ノビノビ座席」も
クシェット(ノビノビ座席)についても「女性専用席」が設けられています。女性専用の普通車指定席がある2号車、この3号車寄りの半分が女性専用のクシェットとなっています。
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男女共用の設備が、リクライニングシート1両(3号車)とクシェット1両弱(4号車)あるのに対し、女性専用席は2号車を半分づつ、リクライニングシート・クシェットとしています。
ウエストエクスプレス銀河には完全個室も設置
ウエストエクスプレス銀河には、ここまで紹介してきたグリーン車指定席・普通車指定席のほかに個室も設置されています。
6号車にはグリーン個室
ウエストエクスプレス銀河の大きな特徴として、グリーン個室「プレミアルーム」があります。
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6号車には中央に通路が、その両側にグリーン個室「プレミアルーム」が設置されています。通路はこの通り、やや狭めでちょっと秘密基地に入っていくような感じがあります。
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グリーン個室の室内の様子を見せていただくことができました。グリーン個室の室内はこんな感じ。窓側を向いて大きくソファが設置されています。この個室は、夜行運転時にはベッドになります。
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グリーン個室は台形になっています。台形の細い部分には座席が設置されています。普通車指定席の1人分程度の座席幅よりちょっと広いくらいでしょうか。
グリーン個室にもコンセントなどが完備
グリーン個室にもしっかり、コンセントやUSBタイプの充電ポートが完備されています。
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個室内にテーブルが設置されており、このテーブルの部分にコンセントやUSBポート、そしてランタンの明るさが調整できるつまみがあります。
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さらに冷房や室内の照明も、各個室ごとに調整することができます。グリーン車指定席「ファーストシート」とは異なり、天井のライトはオンオフのみです。エアコンは3段階ほど調整できるようです。
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また、車内にはハンガーの形をしたフックがあります。コートなどはここにかけておくことができます。
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部屋から出る際はナンバー式のルームキーにより施錠が可能です。ルームキーはサンライズ瀬戸・出雲で使用されているものと同じタイプのようでした。
普通車として運用されるファミリールーム
最後に3号車の普通車指定席「リクライニングシート」と同一の車両にある「ファミリーキャビン」です。3名〜4名での利用の場合に購入することができます。ファミリーキャビンは2室あり、夜行運転時には1室のみ販売、もう1室はファミリーキャビンの乗客が自由に利用できるようになっています。
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ファミリーキャビンは広々としており、床は木になっています。靴を脱いで上がるようになっていて、ベンチシートの面はマットレスのように広げることができます。
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このファミリーキャビンはマットレスを完全に広げることでごろ寝ができるベッドにもなります。特に、普通車指定席側にある個室は、窓が低い位置まであるのでごろごろしながらも景色を楽しむことができそうです。
実際にウエストエクスプレス銀河に乗ってきた
実際に紀南方面の列車に乗車してきました。紀南方面の列車は2022年から列車の向きを変えることで、海の美しい景色を楽しみやすいような座席配置になりました。グリーン車(ファーストシート)であれば奇数番号の席が、普通車(リクライニングシート)であればA席が海側座席となるので、オススメです。
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今回の乗車記についてはVlogを作成しました。YouTubeのチャンネルにて公開していますので、あわせてご覧ください。
新宮駅を発車 王子ヶ浜の絶景をみる
今回は、グリーン車指定席「ファーストシート」のきっぷを、新宮から京都まで購入しました。紀伊勝浦を拠点に観光をしていましたが、今回は新宮まで戻って始発駅から乗車することに。乗車券と、紀伊勝浦→新宮は特急券も購入しました。
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新宮駅には、結構早めに入線していました。僕は特急「南紀」6号で紀伊勝浦から新宮へと到着したのですが、到着した際には既に入線していました。
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列車は新宮駅を発車するとすぐに、王子ヶ浜の景色を見ながら走ります。進行方向左側には、太平洋の絶景が至る所で見られます。この、ウエストエクスプレス銀河では、新宮を発車後の案内放送はすぐに終わり、王子ヶ浜を通過後に改めて放送してくださいます。
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列車は紀伊勝浦駅に到着しました。紀伊勝浦駅では5分ほど停車します。新宮駅でもそうでしたが、壮大な見送りをしてくださいます。
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紀伊勝浦駅を出ても海の絶景を見ることができます。ちなみに車内には、和歌山大学きのくに線活性化プロジェクト「きの活」が作成した「うみえるマップ」が置かれています。このマップを見れば、何時ごろ海が見えてくるのか、よくわかります。
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この頃、4号車のフリースペースでは地元の特産品などの販売が行われていました。僕はオレンジジュースを購入。オレンジジュースとは別売りで氷が150円と言われたので、最初は内心(え??高すぎ)なんて思いましたが、まあ、150円だしいただくことに。しかしこの氷が、写真左側のボトル付きでこのボトルがなかなか可愛い。このボトルまで付いて150円ならむしろ安すぎる。
串本駅で40分ほど停車
列車は串本駅に到着しました。串本駅で列車は40分ほど停車します。昼の便ではここ串本駅で、地元の方による名産品の販売などが行われます。
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地元の特産品である「うすかわ饅頭」やみかんを使ったジュースなど、そしてロケット「イカロス」のグッズなどが販売されています。
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夜行便ではこの串本駅に到着するのが6時50分、出発が8時00分。この1時間10分の時間を使って、橋杭岩(串本駅から車で約5分)を観光できるバスの運転(片道500円)もあります。
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ここ串本駅ではしばらく停車するので、写真を撮っている方も多くいらっしゃいます。ちなみにここ串本駅が本州では最南端の駅、つまり、きのくに線でも最南端の駅。ここからは北上をすることになります。
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串本駅の駅前をちょっと見てみます。民家などもあり、思ったより栄えているな、という印象を受けます。
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出発までまだしばらく時間があるので、最後尾の車両までやってきました。大阪・京都方面に向かうと右側にカーブしているので、ちょっと撮影しにくいかも。
周参見駅で20分ほど停車
列車は串本駅を発車。串本を出ると次の停車駅は周参見です。この区間でも海が見える美しい区間が複数あります。この辺りの様子については、Vlogをご覧ください。
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周参見駅には18分ほど停車します。ここでは駅前の珈琲店が有名だそう。駅舎内にある「coffee stand YUP!」で銀河特製のオリジナルブレンドコーヒーが販売されます。
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列車がここ周参見駅に到着するのは16時前という、コーヒータイムにはちょうど良い時間。
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コーヒーがあまりに好きすぎる僕は、まあこれは買うしかない、と。もちろんブラックでいただきます。深みがありながらも変な後味がなく、とても美味しいコーヒーだった。
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写真の時系列はさらに飛びますが、列車はさらに進んで白浜駅に到着です。この白浜駅を終着・始発とする特急「くろしお」も多数運転される拠点駅です。ここで「ウエストエクスプレス銀河」「くろしお(オーシャンアロー)」「くろしお(287系・289系)」の3ショットが見られます。ただし、白浜駅の停車時間はわずか(1分)なので、この絵が撮れるのは10秒で車内に戻ることができる先頭車・グリーン車の乗客の特権です。
海南駅で20分ほど停車 海南の特産物を楽しむ
列車はさらに進み、海南駅に到着すます。海南駅まで来ると、もう和歌山の中心地である和歌山駅は目の前。と言いたいところですが、ここ海南駅でもまた長時間、20分ほど停車します。
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ここ海南駅では、改札のすぐ外にコンビニエンスストア(セブンイレブン)があります。このコンビニでは、ウエストエクスプレス銀河のオリジナルグッズを販売しています。
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また、「銀河限定オリジナルトートバック」や「備長炭ベーグルと和歌山の旬の食材を使ったベーグルのセット」を販売しています。このベーグルと、ちょっとしたものをコンビニなどで、食事として購入する人も多くいました。
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海南駅周辺のエリアは漆器も有名です。大きな紀州漆器がお出迎えをしてくれます。改札の外に出て、ちょっと気分転換できます。
和歌山駅で10分停車 事前予約制のお弁当も受け取れる
海南駅に到着する頃にはすっかり日が暮れていました(僕が乗った10月ごろの話)。ちなみに、海南駅の到着が18:02、和歌山駅の到着が18:33で、ウエストエクスプレス銀河が運転される9月以降は、日没時間が早くなっていく時期。どう頑張っても和歌山あたりが明るい景色を見られる最後のエリアです。
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列車は和歌山駅に到着します。和歌山駅では10分ほど停車し、事前予約制の夕食「紀州味づくし みくまの弁当」を受け取ることができます。事前予約制の夕食弁当「紀州味づくし みくまの弁当」は5日前までの予約が必要です。僕はこのウエストエクスプレス銀河を予約した際にはもうその期限を過ぎていたため、今回は諦めることに。
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和歌山あたりまで来ると、JR西日本のアーバンネットワーク(大阪都市圏)の列車が多数行き来するようになり、大阪が近づいてきたことを実感します。
しかしここでハプニングが。このウエストエクスプレス銀河が通る、大阪駅うめ北ホームで不審物が発見され警察が出動。このウエストエクスプレス銀河や関空特急はるか、特急くろしおなどが抑止され、途中の駅で1時間ほど停車してしまいます。
残念ながら新大阪駅で下車することに
僕は名古屋に住んでいます。この日はウエストエクスプレス銀河を京都駅で下車、そのまま東海道新幹線を利用して名古屋へと帰宅する予定でした。10時には名古屋に到着できる予定でした。
しかし、大阪駅うめきたホームでの不審物発見に伴い列車は1時間40分ほど遅延。大阪駅の時点で1時間40分の遅延だったため、京都駅に到着するまでに2時間の遅れとなって払い戻されるとは考えにくく、やむを得ず新大阪駅で下車し新幹線に乗り換えることに。最終の1本前の「のぞみ」号に乗ることができると判断しました。
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大阪駅です。新大阪駅に列車が詰まっているため、ここでも15分ほど停車。ちなみにこの写真を撮っている段階では、京都まで行くつもりでした。
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大阪駅でも抑止があったため、やむを得ず新大阪駅で下車することに。あぁ、あと1駅で全区間走破だった、行きたかった。
新大阪から京都へは快速線と貨物線を走り京都へ
ここからは後日、京都駅にて撮影した写真をもとにご紹介します。
ウエストエクスプレス銀河は、京都駅からは関空特急「はるか」などと同じルートを通り、京都へと向かいます。
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京都駅へは、嵯峨野線(山陰本線)が主に乗り入れる31番乗り場に到着します。紀南コースの運転開始当初は新大阪止まりでしたが、現在は京都まで乗り入れるようになっています。
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終点の京都駅に到着です。京都駅では、ただただ「回送」の表示ではなく、わざわざウエストエクスプレス銀河の表示がされています。これはいい演出ですね。
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和歌山県の最東端・新宮駅から京都駅までの315kmの旅が終わりました。京都からは新幹線や在来線の各方面へと乗り換えることができます。
僕は実際にウェストエクスプレス銀河に乗車した際は、遅延の影響で新大阪で乗り換えることにしました。
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まあこればっかりは仕方ないので、新大阪駅で下車して新幹線に乗り換え。22時ちょうど発の「のぞみ270号」にのって名古屋へと向かいます。
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今回のグリーン券です。座席位置の変更をしているため、原券に料金などが記載されており、ここには料金が書かれていません。銀河特製のスタンプを押していただきましたが、名古屋駅で有人改札を通る必要があるため回収されるだろうと判断し新幹線車内で撮影(やっぱり名古屋駅の新幹線改札で回収されました)。
以上、ウエストエクスプレス銀河の紹介でした。サンライズ瀬戸・サンライズ出雲を運転するJR西日本だからこそのノウハウをふんだんに利用した寝台にも対応した列車。ウエストエクスプレス銀河で、のんびりした列車の旅に出かけてみませんか。
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