改札まで462段の階段!観光地となりつつあるモグラ駅・土合駅に行ってきた!

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鉄道関東・甲信越
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上越線の山間部・群馬県と新潟県の境にある土合駅。「日本一のモグラ駅」として知られています。

この土合駅、はっきりいって列車の本数は少なく利便性は少ない。というか、改札口から下りホームまでの距離を考えれば利便性は悪すぎる。でも、この「日本一のモグラ駅」を目当てに訪れる観光客は多くいます。今回はこの土合駅をご紹介します。

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下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ

水上駅はもともと、スキー客や谷川岳に登山する乗客のために山間部に設けられた駅です。周辺に民家はほとんどありません。したがって、日常的の足としてこの土合駅を使う乗客はほぼゼロです。

上越線のこの山間部は、元々は単線でした。山間部にはこれ以上線路を敷くことができないが複線化をする、ということで下り線が新たなトンネルを掘って建設されました。下り線は後ほど建設されています。つまり、より土木技術が発達してから建設されたんですよね。

ということで、上り線は地上にありながらも下り線はトンネルの奥深くにできるということになりました。この土合駅は下り線のみが「日本一のモグラ駅」と呼ばれ、駅舎から片道徒歩10分のかなりの地下に建設されています。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
越後湯沢・長岡方面のホームはかなりの地下にある

越後湯沢方面のホームへと向かいます。これがいわゆる「モグラ駅」への入り口となります。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
注意書きが

なんと注意書きがあります。この先、間違えてホームまで行ってしまうと戻ってくるのがかなり大変です。徒歩で片道10分、往復20分かかりますから間違えて行ってしまったら確実に乗り遅れます。それを考えてか、「ここから先は上越線ホームです」との案内があります。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
いきなりトンネルではない

いきなりトンネルではありません。まず、土合駅前の道路を渡ります。改札を越えてから渡るのです。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
振り返ってみると…

振り返ってみると「お疲れ様でした」との表示が。僕は今回、地上の駅舎から地下ホームへと降るので、ここから426段の階段を下っていきます。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
こんな階段が永遠と続く

こんな感じの階段が永遠と続きます。これが426段です。5段ごとに踊り場があるので、ちょっと安心です。この、人気がないところで、足を踏み外して下まで転がって行ったら大変なことになりますからね。

ちなみに、写真の右手に空間があるのがわかりますか?これ、後から調べていて知ったんですが、エスカレーターを設置できるようにスペースが設けられているとのこと。そして日本一のモグラ駅と呼ばれている駅ですから長大エスカレーターになります。1日5本の普通列車しか来ないこのえきにエスカレーターを設置する、なんてことはないでしょうが、最初はその可能性も見越していたんですね。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
5段ごとに段数が書かれている

5段ごとに段数が書かれています。この土合駅が長い階段を持つことがよくわかります。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
休憩もできますよ

途中で休憩することもできます。30段おきづつくらいにベンチが置かれています。なんせかなり長い階段であり途中で諦めて引き返す、なんてわけにもいかないからちょっと頑張って休憩してください、と言っているようなものです。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
一番下まで降りてくると上はほぼ見えない

一番下・ホームの箇所まで降りてきました。階段の一番下から上の方を見上げても、今降りてきた階段の一番上の部分は見えません。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
1段目にある看板は観光客向けか

1段目に看板があります。片道約10分、標高差が70.7メートル、階段の距離が338メートル、さらにその先の連絡通路が143メートル。よくもこんな駅を作ったなあって感じです。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
ホーム側から見ると…

ホーム側から見るとこんな感じです。もし寝過ごしてしまい、反対側の列車に乗るために降りた駅がこれだったら絶望です。

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越後湯沢・新潟方面を望む

こちらが越後湯沢・新潟方面です。基本的に、ここ土合駅にくる列車は全て、こちら側に進んでいくことになります。

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水上・上野方面

こちらが水上・上野方面です。列車はこちらからやってきます。トンネル内であるため。湿気がすごく数十メートル先も見えません。ただ、後ほど写真でもご紹介しますが列車がトンネルの中に入ってくると急激に気圧が変化するため霧が一気に晴れます。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
地下ホームの駅名標

地下ホームにもちゃんと駅名標があります。

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元の待機線が剥がされたところ

もともとここ土合駅には通過線もありました。1967年にこのトンネル内ホームができ、1982年に上越新幹線が開業するまではここは大量の特急列車などが通っていました。そのため、通過待ちに使うことも想定して作ったのでしょう。今では、通過する列車1日数本の貨物列車のみとなり、完全に不要なものとなってしまったので線路は剥がされ、元の通過線のみが現役ホームとして使われています。そのため、階段から降りたところのホームと今使われているホームには微妙な間があります。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
昔はこちらのホームが使われていた

こうやってみると、こんな地下にある駅なのに元々はかなりの大掛かりの駅だったことが分かりますよね。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
元々は通過線もあった模様

後からWikipediaで調べたところ、ホームを通過線の方に増設したそう。そして、その際に合わせてホームの嵩上げをし、列車とホームとの間の段差をなくす工事も行ったとのことでした。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
この線路は工事車両を置いておくものか

この線路は予備なのでしょうか?と思いましたが、こんな短い線路が予備として使えるとは思いませんし、仮に予備だったとしたらこんなに固定しないでしょう。保線用のむき出しタイプの車両(エンジンや蓄電池で走る列車など)などを一時的に置いておく場所ではないかと思います。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
電気機関車の停止位置?

停止位置がいくつかあって、一番端のところには「電」とありました。電気機関車のことかな?とか色々考えました。なんせここは列車の本数が少ないので、果たしてなんのための停止位置かは分かりません。

下り・新潟方面のホームへ!462段・片道10分の階段を下りてホームへ
出口の案内は、首都圏でも見る例の看板

出口の看板は首都圏と同じです。首都圏の駅でもよくみますよね。JR東日本の運営ですから当たり前と言えば当たり前ですが、それでもなんか不思議な感じがしますよね。

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待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も

ここまでで土合駅地下ホームの、線路の方をご紹介してきました。これ以外にもホームにはさまざまな設備が揃っています。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
手前の、元のホームに待合室がある

手元の、元からあるホームに待合室があります。待合室にはちゃんとベンチがあって、多少は待つことができます。ただ、スマホなど携帯電話の電波は通じません。ので、本や電子書籍等がないと暇ってことになります。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
待合室の入り口

待合室の入り口がこちら。しっかり電気は付いていて、周りと比べると明らかに明るくなっています。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
地下の待合室にもノートが置かれている

地下の待合室にもノートが置かれており、自由に記入することができます。僕もここにもノートを書いてきました。新型コロナウイルスの影響があって、ちゃんと消毒液まで置かれています。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
地下待合室は湿気があるためファイルに入れられている

先ほど、トンネル内は湿度が高いため曇っていてトンネルの先が見えないくらいです。ということで、この待合室の中ももちろんかなり湿度が高くなっています。そのため、ノートを丸出しで置いておくとしけってしまって使えなくなるのでファイルに入れてあるのです。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
待合室内部は意外と綺麗に保たれている

地下の待合室内部のベンチ等は意外と綺麗に保たれています。地下のホームや待合室はかなり汚れているんじゃないかと思っていたのですが、意外とそんなこともない。定期的に掃除がされているようです。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
地下待合室の掲示板

地下の待合室には掲示板もあります。ただ、これはJR東日本が積極的に管理しているとは思えませんでした。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
モグラカフェ(地上駅社のカフェ)のスタッフの方が書いたと思われるメモ

土合駅の貨物列車通過時刻表もあります。1日3本しか通過しないみたい。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
土合駅の時刻表

時刻表も正式なものが張られているわけではありません。地上の駅舎にあるJRの時刻表の写真が張られています。土合駅前のバス停を発着するバスの時刻表も写真で張られています。

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最近できたグランピング

最近、地上の駅舎の隣にグランピングができました。このグランピングの案内もここに張られています。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
無人駅なので水上駅まで通じる電話がある

地下は携帯電話の電波が全く通じません。が、もちろん何かあると困ります。ということもあり、水上駅に通じる電話機が置かれています。非常時はこの電話機で通話することができます。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
ビール熟成のための部屋

土合駅は地下の駅であることを生かして、ビールの熟成が行われています。「運転事務室」と書かれているため、上越新幹線の開業前、幹線としてして使われていた頃には乗務員さんの詰所にもなっていたと思われます。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
こちらにも電話機

電話機がこちらにもあります。この電話機はおそらく、乗客の方が使うものではなくて乗務員さん達が使うものだと思われます。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
トイレもある

なんと、土合駅にはトイレもあります。下水などは地上まで吸い上げているのでしょうか、それともトンネルを通って外まで出しているのでしょうか。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
列車が近づいてくると圧力の変化で霧が一気に晴れる

列車が近づいてくると圧力の変化で霧が一気に晴れます。列車が近づいてくるのが見えてきます。

待合室やトイレもある!が、電波は通じずトンネル内のため湿気も
列車がやってきた

列車がやってきました。この列車に乗って六日町まで向かいました。

ちなみに、ダイヤの関係か水上から長岡まで直通する列車は途中の越後湯沢でかなりの時間停車します。僕が乗った列車は25分間、越後湯沢駅で停車していました。

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上り・水上方面は地上駅

ここまで、地下のモグラホームをご紹介してきましたが、上り・水上方面のホームは地上にあります。

上り・水上方面は地上駅
土合駅の駅舎

土合駅の駅舎自体は至って普通。地上駅があり、その奥に地上ホームがあります。ここがモグラ駅とは、何も知らない人はそんなこと思いもしないでしょう。

上り・水上方面は地上駅
今回は新潟方面から土合駅へと向かった

今回は新潟方面から土合駅へと向かいました。「えちご2dayパス」を使用していたため、フリー区間の末端・越後中里駅から土合駅までの往復きっぷをあらかじめ越後湯沢駅で購入し使用しました。

上り・水上方面は地上駅
地上駅は至って普通

水上・上野方面の地上駅は至って普通の構造です。田舎の山間部によくありそうな地上駅です。

上り・水上方面は地上駅
列車がいない時の土合駅・地上駅の様子

地上駅は列車がいないとこんな感じ。本当に、至って普通の田舎にある在来線ホームです。単線だった時代には、特急の追い越しや貨物列車との行き違いに使われていたと思われる線路が奥に見えます。

上り・水上方面は地上駅
土合駅のすぐ近くにある踏切から、新潟方面を望む

新潟方面へ行くとすぐに鉄橋を渡り、そして鉄橋の先にはトンネルが見えます。これは古くからあった線路なので、トンネルも上越線開業当時のものです。

上り・水上方面は地上駅
土合駅の時刻表

こちらが時刻表。上越線はこの区間が最も本数が少なくなります。1日5往復しかなく、特に昼の時間帯には間が空いてしまいます。ちなみに、この区間は臨時列車を除くと普通列車しか走っていないません。

上り・水上方面は地上駅
地上ホームにあるノート

地上の駅舎にもノートが置かれています。自由に書き込めるノートです。僕も実際に書き込んできました。

上り・水上方面は地上駅
開業当時は有人駅だった

開業当時は有人駅でした。ゴールデンウィークやお正月には人がごった返したそうです。しかし、そんな時期も束の間、上越新幹線開業に伴い優等列車はすべて上越新幹線へと移行、この上越線は段々と使われなくなっていってしまいました。

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