京都府内なのに京都府内とは思えないほど遠い天橋立。この辺りを走っているのが「京都丹後鉄道」通称「丹鉄」です。
今回はこの丹鉄が運行する観光列車「丹後くろまつ号」に乗ってきましたので、ご紹介します。
京都丹後鉄道「丹後くろまつ号」の予約方法
まずは予約方法から。京都丹後鉄道はWillerが運営しているので、ネットでの販売網が強いのが特徴です。
京都丹後鉄道は高速バスで有名なWillerが運営している
丹後くろまつ号は、高速バスで有名なWillerが運行しています。そのため、高速バスと同様のサイトから同様に予約することができます。高速バス等利用で貯まるWillerのポイントも貯まります。
Willerの公式サイトの上部にあるタブの部分に「京都丹後鉄道」とあります。ここから予約することができます。
さらに、楽天リーベイツを経由することも可能。京都丹後鉄道の公式サイトからwillerの予約サイトにとび、そこから予約することもできますが、そうすると楽天リーベイツは経由できません。せっかく使えるなら経由しないと損ですので、楽天リーベイツも忘れずに経由しましょう。
乗車券+特急券、という仕組みではない
この「丹後くろまつ号」は特急や快速といった扱いではありません。ツアー扱いですから、乗車券なしで予約などができません。全てセットで予約することになります。
ただ、それでは「1日乗車券が無駄になってしまう」と感じますが、「丹後くろまつ号専用1日乗車券」というものがあります。丹後くろまつ号を予約した方のみが使える割安な一日乗車券がありますので安心してください。
丹後くろまつ号限定の一日乗車券は、大人750円 小児380円です。詳しくはこちらの公式サイトをご覧ください。
全てはネットで完結
WILLERは高速バスを中心に運営している会社です。最近ではかなり路線網なども発達してきています。さらにはフェリーなども運営しています。
そのため、WILLERは全てがオンラインで予約などを完結させることができるようになっています。もちろん、支払いもクレジットカードでオンラインで済ませることができます。鉄道会社って、窓口などで購入しなくてはならないことが多いの中で、これだけオンラインでの予約システムが充実しているのはいいポイントだと思います。
2023年現在、「丹後くろまつ」号のプランに、京都丹後鉄道のフリーきっぷやホテルなどをセットにしたプランも発売されています。詳しくは公式サイトもご確認ください。
京都丹後鉄道「丹後くろまつ号」乗車記
今回、実際に西舞鶴から天橋立までの「絶品スイーツコース」に乗車しました。新型コロナウイルスの影響もあってか、乗客は少なくゆったりとした旅を楽しむことができました。
起点は西舞鶴駅。はっきり言って、西舞鶴駅前は特に何もありません。ここ西舞鶴から出発するのは、京都丹後鉄道の中で西舞鶴=天橋立間が最も景色がいいから。
車内の雰囲気は「おしゃれなカフェ」
僕たちが乗る「丹後くろまつ号」の直前に普通列車が発車します。普通列車が発車するとはいえ、京都丹後鉄道はもともと距離に対して駅数が少ないのでそんなに遅くはありません。
僕たちが乗った日は乗客は4人しかいませんでした。丹後くろまつ号の直前に出発する普通列車にも観光客が多かったようで、みんなスマホでくろまつ号の写真を撮って、そのまま普通列車に乗って行きます。なんだか不思議な感じです。
川を見ながら走るとこんな感じ。手前の机に置いてあるライトと、夕日を反射する川のコントラストがなかなかいいですねえ。
売店のカウンターのようなものがありますが、ここでものを買うことはほぼありません。前に乗った「四国まんなか千年ものがたり」もそうでしたが、基本アテンダントさんが回ってきてくれるので自分の席から立つ必要がありません。
スイーツは言うまでもなく絶品
スイーツは言うまでもなく絶品です。
こんな感じ。僕は黒胡麻と醤油のブランマンジェが気に入りました。「醤油」と「胡麻」が絶妙にあっていて美味しい。
ひとつだけ注意として言うならば「そこそこ重たいですよ」ってこと。スイーツだから、食事の直後にでも、なんて感覚で乗るとえらいこっちゃになります。ある程度お腹を空かせてから乗る方がいいでしょう。
丹後くろまつ号「絶品スイーツコース」のメニュー
丹後くろまつ号「絶品スイーツコース」のメニューは次の通り。全て丁寧に写真を撮ってあるわけではありませんが、しっかりレビューしていきます。
丹後七姫 安寿姫の塩(神崎の塩)使用 舞鶴神崎産安納芋の塩スイートポテト大福
大福ですが、中に入っているのが薩摩芋。これがなかなか新鮮でした。さつまいもは非常に柔らかく、記事もやや薄めに作ってあり食べやすかったです。
細川幽斎のお膝元、丹後田辺藩 抹茶のガトーショコラ
抹茶のケーキ。ですが、抹茶の香ばしさがありつつも苦さがほとんどなく、そして甘すぎない。食べやすい抹茶ケーキでした。
黒胡麻と醤油のブランマンジェ
これが美味しい。「黒胡麻」と「醤油」って合わなさそうですが、これがとてもあう。見た目はゴマのプリンですが、柔らかく、スプーンでとってスープのような感じでいただきます。上に黒松をイメージしたクッキーが乗っています。
丹波栗モンブランのエクレア
見た目はややおしゃれなエクレアです。中身にはモンブランのクリームが入っています。一見切りにくそうで食べにくそうですが、ナイフを使えばちゃんと切ることができます。僕はモンブランが好きなので、美味しくいただきました。
丹鉄珈琲
丹鉄のコーヒー。僕の感覚では、苦さがほどほどでとても飲みやすい。飲みすぎて、降りてからトイレに行きたくなってしまいました。
宮津産柑橘の熟成パウンドケーキ(お土産)
こちらはお土産。天橋立に着く直前にアテンダントさんが手渡しで配布してくれます。柑橘が乗っており、これが意外にもあっています。
もちろん、スイーツだけではない
丹後くろまつ号は観光「列車」ですから、もちろんスイーツだけではありません。京都丹後鉄道の西舞鶴から宮津までの間、特に宮津に近づくと景色がかなりよくなります。
まず初めに「沼」というか、「田んぼ」というか、そういうところがあるんですが、そこで運が良ければコウノトリが見れるそう。アテンダントの方が丁寧に教えてくれました。残念ながら僕たちは見られませんでした。
そして有名な由良川橋梁は徐行します。海にそそぐ直前、かなり太くなった皮を一直線に渡るのがこの「由良川橋梁」。ジブリ映画のモチーフになったとも言われています。
奈具海岸には停車します。遠くに沓島(くつじま)と冠島(かんむりじま)が見えます。2分ほど停車して、海の絶景を見ることができます。奈具海岸には停車します。遠くに沓島(くつじま)と冠島(かんむりじま)が見えます。2分ほど停車して、海の絶景を見ることができます。
そして、京都丹後鉄道では数少ない、天橋立を真横から一直線上に見ることができるあたりでもアナウンスがあります。ちなみに、僕たちは天橋立から西舞鶴へ行くとき、このあたりでは爆睡していました。
京都丹後鉄道へのアクセス
京都丹後鉄道は、京都府といっても日本海側、京都駅からも距離があります。京都丹後鉄道の起点駅は、
- 福知山
- 西舞鶴
- 豊岡
の3駅です。豊岡は鳥取方面の起点となり、西舞鶴は北陸方面の起点となります(西舞鶴へは、一部京都からの特急「まいづる」が走っていますが、京都からは福知山への特急「はしだて」も走っています)。
というわけで、京都丹後鉄道での旅行の大半は、福知山が起点となります。
大阪から鉄道でのアクセス
大阪からのアクセスは主に2通り。
新大阪から福知山・豊岡・城崎温泉を繋ぐ特急「こうのとり」で福知山へいく、もしくは大阪から福知山を結ぶ快速列車「丹波路快速」で福知山まで行く方法です。
大阪からの所要時間は、特急「こうのとり」であれば約2時間、丹波路快速であれば約2時間20分です。丹波路快速を特急こうのとりが追い越すことはありますが、先着して10分程度。所要時間であまり大きな差にはならないため、特急こうのとりを使うか否かのポイントは「快適性」となるでしょう。
特急「こうのとり」や、天橋立まで直通する特急「はしだて」については、こちらの記事で解説していますので、ご覧ください。
京都および名古屋・東京方面からのアクセス
東京・名古屋方面から京都丹後鉄道へアクセスする場合、新幹線で京都まで行くことになります。
京都から北陸寄りの起点である西舞鶴へは特急「まいづる」で、大阪寄りの起点である福知山へは特急「きのさき」で行くのが便利。大阪からの丹波路快速のような、直通の快速列車(料金不要の列車)などは走っていません。
特急「はしだて」は全車両が指定席の特急列車です。乗車する際には、乗車券の他に指定席特急券が必要になります。
京都から西舞鶴への特急「まいづる」は約1時間30分、京都から福知山への特急「きのさき」は約1時間15分です。所要時間としては特急きのさきで福知山へ行く方が早いですが、15分の差ですので、京都駅に着く新幹線等の都合の良いルートを選ぶのがいいでしょう。
京都丹後鉄道については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
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