東海道・山陽新幹線の最新型の新幹線「N700S」。13年ぶりのフルモデルチェンジ新幹線として、2021年にデビューしました。
普通車については別の記事で解説しました。この記事では、N700Sになって何が変わったのかというところにも注目しつつ、グリーン車を見ていきます。なお、N700S系新幹線には既に10回以上乗車し、普通車の車内はレビューしています。
N700系新幹線は流体力学的にもかなり完成された形だったといえるでしょう。車体構造はN700系をブラッシュアップしつつ、内装などは大幅にグレードアップしたN700S。今回はN700Sのグリーン車について徹底的に紹介していきます。
N700Sは東海道新幹線の最新型新幹線 グリーン車の車内を徹底紹介
過去に何度かN700S系のグリーン車に乗ってきました。過去に何度か乗った経験から、N700S系のグリーン車の車内の様子を解説します。
落ち着いた車内 圧倒的快適性を誇るグリーン車の座席
グリーン車はやはり、落ち着いた車内が一番の特徴。JR東海としても、ここは普通車指定席と差別化を図っているところは少なからずあるのだと思います。
また、N700S系では1号車・5号車・8号車〜10号車・12号車・16号車の7両にフルアクティブサスペンションが設置されています。グリーン車には全車両にフルアクティブサスペンションが設置されているため、車両そのものの揺れがかなり低減されています。
落ち着いた色を基調としているため、雰囲気は普通車と全然違います。床もカーペット敷きになっています。N700AやN700Sの普通車とグリーン車の車内の様子を比べていると、グリーン車は普通車に比べて「落ち着き」があることを1つの大きなウリとしているように感じます。
座席の様子はこんな感じ。写真ではわかりにくいですが、リクライニングがとてつもなく快適です。N700Sでは「座席」を再定義することを目標にリクライニングが再設計されています。今までのN700系(N700Aを含む)では、腰の部分を回転軸としてリクライニングするように座席が設計されていました。これがN700S系では、くるぶし(足)の部分を回転軸にリクライニングするように設計されているため、不快感なくリクライニングが使用できます。これは使ってみないとわかりません。
前からみるとこんな感じ。座席周辺とカーペット以外は普通車とあまり変わらない印象です。普通車でも照明は間接照明に変更されており、以前の直接照明と比べてかなり温かみのある明るさになっています。
座席のフットレストはN700系から健在
各座席にはフットレストが設置されています。N700系のグリーン車と同様、床面と同じ面は靴のまま使用してよく、座面と同じ面は靴を脱いで使用することになります。
フットレストはN700Aのフットレストと同様、靴のまま利用できる面と、靴を脱いで利用する面があります。床のカーペットと同じになっている面は靴のまま利用する面。
広げた面は靴を脱いで利用することになります。フットレスト自体は、N700Aのフットレストと大して変わっていないような印象を受けました。
リクライニングのレバーです。半自動式なのかな?ちょっと良くわかりませんでした。電動で動いているような、動いていないような。体重をかけているか否かで座席の倒れる速さが変わるので、完全に電動ではないと思います。
肘かけには、今までのN700Aと同様のスイッチ類があります。上から、
- 読書灯のスイッチ
- シートヒーターのスイッチ
- コンセントの電源ランプ
となっています。
コンセントはN700Aと同様に肘掛けの前面にありますが、写真を見ていただいてわかるように、肘掛けが斜めになっているため、コンセントも斜めになっています。
今まで通り、大きな座席背面テーブルと小さな腰掛けのテーブルが
続いてテーブル。普通車では、テーブルは前面から出てくるタイプだけですが、グリーン車には2つあります。前面から出てくるタイプのテーブルは、開いて気づいたのですが広げる時にテーブルの根っこの部分が何かしら動いて、いい感じの高さになってくれる。これは一旦広げてみないとわからないし、一旦広げてみたらわかります。パソコン作業などをしやすい高さに調整してくれます。これは正直、かなりありがたい。
また、グリーン車は普通車と違って座席間隔が広いので、テーブルが手前に並行移動します。それも結構手前に出すことができます。
こちらがインアーム式のテーブルです。僕は普段の旅行をする際、iPad Air4+Magic Keyboardで記事の作成をしているので、これくらいの大きさのテーブルで正直十分。お酒飲んだりくらいだったら十分な、そこそこ大きなテーブルが出てきます。
東海道新幹線では、一種のグリーン車の象徴となっているのか、読書灯があります。読書灯もN700Aと同様、座席の枕の部分にあり、動かすことができます。
そして最も特筆すべきがリクライニングの進化です。写真ではなかなかわかりにくいのですが、手前の座席(リクライニングしている)が奥の座席(リクライニングしていない)に比べてかなり下がっているのがお分かりいただけるでしょうか?後ろに倒れるのと同時に、座面が沈み込んで、かなり快適な角度になります。普通車でもリクライニング機構がかなり進化していたので当たり前といえば当たり前かもしれませんが、それでもかなり驚きの進化でした。
のぞみ号とひかり号ではおしぼりの配布もあります(一部の短距離区間利用を除く)。
車内設備も大幅にアップデート
N700S系では、従来のN700系新幹線と比べて座席に限らず、車内設備も大幅にアップデートされました。
グリーン車専用のお手洗い-特徴的なお手洗い
続いて、お手洗いの様子をご紹介します。お手洗いもグリーン車専用のお手洗いが用意されています。
グリーン車のお手洗いには当然のようにウォシュレットがついています。JR四国などをはじめ、最新の特急列車ではウォシュレットが装備されるのが標準になってきた今、日本の大動脈のグリーン車につけないという選択肢はないでしょうから当然。
そしてグリーン車だからか、壁の半分が茶色になっています。ここでもまた、差別化をしようとしているのでしょうか。
グリーン車への入り口は今まで通り
8号車〜10号車にあるグリーン車・客室への入口はいつもと変わりません。N700Aと同じ雰囲気の出入口です。
扉に大きくグリーン車のマークが描かれ、「GREEN CAR」と書かれています。この扉を開けてグリーン車に乗るときはやっぱり、高揚感があります。
グリーン車は特別車両であり、普通車の乗客は立ち入ることが原則禁止されています。東海道新幹線では普通車が混雑するため、たまにマナーがあまりなっていない乗客が乗ってくることもあり残念。ですが、基本的には静かで落ち着いた空間が提供されます。
客室内にある案内表示は普通車と同様の案内です。フルカラーの液晶となり、以前よりかなり見やすくなりました。
N700Sのグリーン車なら「S Wi-Fi for Biz」が使える8号車がオススメ!
N700Sのグリーン車に乗車するなら圧倒的に8号車がオススメ。というのも新しいWi-Fiサービス「S Wi-Fi for Biz」が利用できるからです。実際に使ってみましたが、速さが圧倒的に速く利便性が高い。走行している区間や乗客の数にもよりますが、僕が実際に測定したところ「S Wi-Fi for Biz」は、
ダウンロード:約13Mbps アップロード:約10Mbps
と、ほとんど使い物にならないことが多い「SHINKANSEN Free Wi-Fi」と比べてもかなり速かったです。
今までの新幹線のWi-Fiでは、30分に1回の再認証が必要でしたが、それがなくなりました。そして、セキュリティ付きのWi-Fiへと変更。完全なセキュリティが確保されるわけではないとはいえ、かなり便利です。
7号車(「のぞみ号」のみ、テレワークスペースとしてEX予約・スマートEX予約専用に発売)と8号車(通常のグリーン車として販売)のみで利用できます。今回使ってみて、このWi-Fiシステムは全車両に導入してほしいと感じました。
なお、端末のWi-Fi設定をした後でログインも必要です。こういった類の公衆Wi-Fiでは災害などの非常時を除き、犯罪防止のために必ず連絡先を確保しておくことが法律で定められています。
N700Sは普通車も快適だった!今ではダイヤもわかる!
N700Sはもちろん、グリーン車だけではな普通車でも更新された箇所がいくつかあります。
N700Sの普通車も、見た目は似ているが新しいところがたくさん
普通車の様子については以前にご紹介しました。普通車にもさまざまな「新しさ」が散りばめられています。
車内が間接照明となったため明るい車内でありながらも温かみを感じられるようになりました。その反面、座席の青が明るい青になったため落ち着きがあるかと言われると微妙。
そして、リクライニングと同時に座面が沈み込むようになりました。N700系新幹線でも同様に、沈み込むような動作はなくはなかったですがこれが大幅に改良。かなり快適になったといえます。
そして、東海道新幹線の普通車としては初めて、全ての座席にコンセントが配置されるようになりました。
詳しくは「N700S 普通車乗車記」の記事で公開しています。
東海道新幹線・山陽新幹線における「N700S」のダイヤ
N700Sは2021年から投入が始まり、現在では特に東海道新幹線においてかなりの数が導入されています。なお、山陽新幹線に直通するN700Sのダイヤは公開されていません。“隠している”というよりは、N700Aと共通に使われており、日によってN700Aで運転される日もあるためのようです。
2024年2月現在では、東海道新幹線において50往復近くが「N700S」で運転されています。N700Sが使用される列車については、公式サイトにおいて時刻表が公開されています。
N700Sで毎日運転されることが確定している列車については、こちらのPDFファイルに掲載されています。また、「エクスプレス予約」や「スマートEX」などのEXサービスにおいてもN700Sのロゴが表示され、毎日固定で運転される列車についてはわかるようになっています。僕は、こだわりはしないが時間が合えばN700Sを積極的に選びます。
https://railway.jr-central.co.jp/pwd/_pdf/N700S-every.pdf
さらに毎日、N700S系で運転するわけではない列車についても公開しています。なんと毎日PDFで公開されています。
https://railway.jr-central.co.jp/pwd/_pdf/N700S.pdf
毎日朝、更新されます。さらに現在では「エクスプレス予約」や「スマートEX」などのEXサービスにおいても当日朝、N700Sで運転される列車にはロゴが表示されるようになります。
コメント
[…] N700Sのグリーン車に乗ってきた!乗車記を公開します!東海道新幹線では13年ぶりのフルモデルチェンジとなったN700S新幹線。東海道新幹線のN700S・グリーン車に実際に乗ってきました。 […]
[…] N700Sのグリーン車に乗ってきた!乗車記を公開します!東海道新幹線では13年ぶりのフルモデルチェンジとなったN700S新幹線。東海道新幹線のN700S・グリーン車に実際に乗ってきました。 […]