快適な近鉄特急で、さらに快適な座席としてアーバンライナーから導入された「デラックスシート」。座席配列はレギュラーシートより余裕のある横3列、JRでいうグリーン車扱いなのに特急料金は+420円など、グリーン車とは思えない特急料金。実際に今までに何度も乗ってきたのですがレギュラーシートと同一の記事でしか書いていなかったので、改めて「乗車レポ」ということでご紹介。この記事では、
- アーバンライナーのデラックスシートの特徴・設備がわかる!
- アーバンライナーの設備がわかる!
ような記事になっています。なお、アーバンライナーのレギュラーシートについてもまとめてありますので、こちらも合わせてご覧ください。
ざっくり座席設備をご紹介!これがデラックスシートだ!
まずは、名前の通り「デラックス」なアーバンライナーのデラックスシートをご紹介します。
座席は余裕のある横3列配置!
座席は横3列の余裕がある配置です。レギュラーシートでは横4列の配置になっていますのでやや広いと言えるでしょう。
それより大きいのが、2列配置になっている側の座席の配置。レギュラーシートでは原則2つの座席が一体になっていて、そこを肘掛けで区切るという形になっているます。一方、デラックスシートはもともと別の座席という感じになっています。名阪間の移動はビジネス需要が大きいことからこのようになっているそうです。
大阪方面へ向かう時の進行方向左側、名古屋方面へ向かうときの進行方向右側は1列がけになっています。一人旅であればこちらを確保するにもいいでしょうが、混雑する時間帯以外では2列配置の座席の、窓側座席を確保してもいいでしょう(近鉄ネット予約では、空席一覧を見ながら座席を決めることができます)。
全席コンセント配置!テーブルも大きくビジネス利用にも最適!
デラックスシートでレギュラーシートと最も大きく違うのが「コンセントが全席に配置されている」ということ、そして大きなテーブルがついているということです。
僕は電車の中では、特に1人の場合はパソコン作業が捗るのでパソコン作業を十分することができる大きなテーブルはめちゃくちゃありがたい。また、手軽にお酒を飲んだりする人のために小さなサイズでもテーブルが使えるようになっています。折り畳みしきで、畳んだ状態でも開いた状態でも使えると言うのはかなりありがたいですね。
1番はレギュラーシートより落ち着いた雰囲気の車内!
何より僕がデラックスシートでオススメするのが落ち着いた車内の雰囲気。今ではアーバンライナーは、名阪乙特急(停車駅の多いタイプの特急)で走っているため、アーバンライナーに乗ると名古屋から大阪難波まで2時間半弱かかります(特急「ひのとり」最速列車では2時間ちょっとで着きます)。新型の名阪特急「ひのとり」はWi-Fiが装備されていたり全席にバックシェルがあったり、さらには車内の振動もかなりおさえられていたりとかなり快適です。
しかし、ひのとりは少し豪華にしすぎた感があるんですよね。特にプレミアムシート。床には赤いじゅうたんが敷かれていたりします。一方、このアーバンライナーのデラックスシートは落ち着きを重視しています。照明も黄色っぽい照明で明るすぎずいい感じです。僕はどちらかというと、特急「ひのとり」よりアーバンライナーのデラックスシートの雰囲気が好きです(やっぱり座席の機能性では特急「ひのとり」には勝りませんが)。
料金は格安!コスパはかなり高い!
ここまででアーバンライナーのデラックスシートをご紹介してきました。続いては料金についてです。
追加料金は200円〜420円!JRグリーン車とは比べ物にならない安さ
デラックスシートは当然、追加で料金がかかってくるのですがJRのグリーン車などと比べるとかなり格安です。JRのグリーン車は正直割高。特に、東海道新幹線のグリーン車などは特急料金とほぼ変わらないくらいのグリーン料金がかかります。つまり、単純に特急券が倍額になるのです。
それに比べると近鉄特急のデラックス料金はかなり割安です。最も長い「180キロ以上」となっても520円です。賢島など伊勢志摩方面から大阪難波方面や名古屋方面へ乗るのであれば3時間近い乗車時間となります。3時間で520円なら全然許容範囲内だと、僕は思ってしまいます。
キロ程 | デラックス料金 | 特急料金 |
---|---|---|
1〜40キロ | 210円 | 520円 |
41〜80キロ | 210円 | 920円 |
81〜140キロ | 320円 | 1,340円 |
141〜180キロ | 420円 | 1,640円 |
180キロ以上 | 520円 | 1,930円 |
ただし、全て「特急料金に追加で必要な額」になります。JRでいう、グリーン料金のようなもの。名阪間の移動であれば180キロ以上となりますので、1,930円+520円で2,450円となります。
「ひのとり」プレミアムシートより安い
当たり前といえば当たり前ですが、ひのとりのプレミアムシートより安いです。
ひのとりのプレミアム料金は、例えば大阪難波から名古屋の間では900円となっています。ひのとりのプレミアムシートは、バックシェルがついていて座席を思うがままに倒すことができる。そして、電動の揺れ防止装置が付いているためかなり揺れが抑えられています。
ひのとりのプレミアムシートについては別途記事を書いてありますのでこちらでの説明に譲るとして、アーバンライナーのデラックスシートのメリットは、比較的安価に最上位クラスの座席に乗ることができるということだと思います。
ゆえに意外と早く埋まったり
ここまでご紹介してきたように、比較的安価に乗ることができるデラックスシート。名鉄や京阪など、関西・中部エリアの各私鉄とは異なり近鉄特急は「全席指定」の特急しか走っていません。そのため、快適性や利便性に加えてスピードも同時に「買う」ことができます。
例えば名阪間では、特急以外には直通列車は走っていません。そのため、普通の乗客は特急に乗ることになります。コスパよく居住性も高いアーバンライナーは、ゆえにすぐに埋まってしまうのです。最近は新型コロナウイルスの影響もあってか、朝夕などの一部時間帯ではデラックスシートが大方埋まってしまうこともありますが、昼の時間帯であれば空いていることが多いのです。
名古屋=大阪難波間をメインに、今では伊勢志摩方面にも走るアーバンライナー
アーバンライナーは、主に名古屋と大阪難波を結ぶ「名阪特急」としてデビューしました。しかし、2020年春に最新の名阪特急「ひのとり」がデビューし、これによって名阪の主たる特急は「ひのとり」に置き換えられました。
停車型名阪特急(名阪乙特急)として走るアーバンライナー
現在もアーバンライナーは名阪特急として走っていますが、メインの役割は名阪乙特急、つまり停車型の特急です。多くの列車は、
名古屋-桑名-四日市-白子-津-名張-大和八木-鶴橋-大阪上本町-大阪難波
と、途中の主要駅に停車して行きます。現在では全てが「ひのとり」に置き換えられた名阪甲特急(名阪間を結ぶ速達型の特急)では
名古屋-津-鶴橋-大阪上本町-大阪難波
と、名阪間では津にしかとまらないので、アーバンライナーはそこそこ停車駅が多くなっています。
名阪特急の顔は「ひのとり」へ
今では速達型の名阪特急は全て「ひのとり」に置き換えられました。名実ともに名阪間の顔は「ひのとり」となったのです。
全席にバックシェルが採用されるなど、かなり居住性が向上しています。それでも名阪間の特急の半分は「アーバンライナー」のままです。近鉄特急は停車型と通過型とがありますが、原則として特定の駅から特定の駅へ行く場合に途中で「抜かされる」ということはありません。そのため、名阪間の移動であってもアーバンライナーはまだまだ現役です。
特急「ひのとり」には今までに何度も乗っています。こちらの記事もご覧ください。
今では名伊特急(名古屋=伊勢志摩方面)にも
「伊勢志摩ライナー」や「ビスタカー」など、近鉄ならではの特急が走る伊勢志摩方面。今ではこの伊勢志摩方面にもアーバンライナーが走っています。主に、賢島から鳥羽・宇治山田を通って名古屋方面への特急にも使われています。先日引退した、スナックカーを置き換えつつあるのですね。
特急「ひのとり」も名阪特急をメインとして、間合い運用で奈良方面へ走ることもあります。アーバンライナーは間合い運用ではなく、本格的に伊勢志摩方面に乗り入れるようになりました。「アーバンライナー」という名称は、名阪特急としての名前ではなく、「デラックスシートが付いているよ!」ということを表す名称になっています。
というわけで今回は、アーバンライナーのデラックスシートのご紹介でした。
名阪間の移動では、スピード以外の快適性・料金などで新幹線に優っている近鉄特急。これ以外の近鉄特急もご紹介していますのでご覧くださいね。
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