札幌圏から道東を結ぶ足として活躍している特急おおぞら号、そして途中の帯広までを結ぶ特急とかち号。石勝線を通り高速で札幌圏と道東方面を結びます。
今まで何度も北海道に足を運んできて、この特急おおぞら号・特急とかち号には何度も乗ってきました。ここではみなさんが気になる
- 特急おおぞら号・特急とかち号の割引きっぷ
- 特急おおぞら号・特急とかち号の自由席の混雑状況
- 特急おおぞら号・特急とかち号の車内や座席の様子
をご紹介します。
石勝線の特急は景色が非常に良い。ということで、石勝線区間を走る特急「とかち」号の車窓Vlogを作成しました。こちらもあわせてご覧ください。
「特急おおぞら」「特急とかち」は札幌から石勝線経由で帯広・釧路へ
特急おおぞら号・特急とかち号は、道央と道東を高速で連絡するために開通した石勝線を通って札幌から帯広・釧路へと向かう特急列車です。
特急おおぞら・特急とかちの時刻表 本数も多くて便利
特急おおぞら号は札幌から帯広を経由して釧路まで、特急とかち号は札幌から帯広までを走ります。特急おおぞら号が走る区間の途中までを特急とかち号が走る形にはなっていますが、特急とかち号の方が停車駅は多く設定されています。
JR北海道の公式サイトから引用した特急おおぞら号・特急とかち号の時刻表を掲載しておきます。JR北海道の列車にしては、これだけの長距離特急でありながらかなり本数が多いことがお分かりいただけるでしょう。
下り釧路方面 特急「おおぞら」特急「とかち」の時刻表
下りの帯広・釧路行き特急の時刻表です。
駅名 | 発着 | おおぞら1 | とかち1 | おおぞら3 | とかち3 | おおぞら5 | おおぞら7 | とかち5 | おおぞら9 | とかち7 | おおぞら11 | とかち9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
札幌 | 発 | 648 | 758 | 852 | 1045 | 1145 | 1355 | 1551 | 1726 | 1840 | 1939 | 2106 |
新札幌 | 発 | 656 | 807 | 901 | 1054 | 1154 | 1404 | 1600 | 1735 | 1849 | 1948 | 2114 |
南千歳 | 発 | 720 | 827 | 926 | 1117 | 1217 | 1429 | 1626 | 1800 | 1913 | 2013 | 2140 |
追分 | 発 | 732 | 840 | 938 | 1130 | レ | 1448 | 1639 | 1812 | 1926 | 2025 | 2153 |
新夕張 | 発 | 752 | 859 | 1002 | 1154 | レ | 1507 | 1704 | 1832 | 1945 | 2044 | 2219 |
占冠 | 発 | レ | 927 | 1028 | 1215 | レ | レ | 1725 | レ | 2006 | レ | 2240 |
トマム | 発 | 826 | 942 | 1044 | 1229 | 1320 | 1542 | 1739 | 1911 | 2020 | 2126 | 2254 |
新得 | 着 | 848 | 1005 | 1113 | 1253 | 1344 | 1612 | 1802 | 1933 | 2043 | 2148 | 2316 |
新得 | 発 | 849 | 1005 | 1113 | 1253 | 1345 | 1612 | 1802 | 1934 | 2043 | 2149 | 2317 |
十勝清水 | 発 | レ | 1013 | レ | 1301 | レ | レ | 1814 | 1941 | 2057 | レ | 2324 |
芽室 | 発 | レ | 1034 | レ | 1318 | レ | レ | 1829 | 1956 | 2112 | レ | 2339 |
帯広 | 着 | 918 | 1043 | 1142 | 1327 | 1416 | 1641 | 1838 | 2006 | 2121 | 2217 | 2348 |
帯広 | 発 | 919 | 1143 | 1417 | 1642 | 2007 | 2219 | |||||
池田 | 発 | 936 | 1200 | 1434 | 1659 | 2032 | 2236 | |||||
浦幌 | 発 | レ | レ | レ | レ | 2051 | レ | |||||
白糠 | 発 | レ | 1301 | 1531 | 1801 | 2131 | 2333 | |||||
釧路 | 着 | 1056 | 1320 | 1550 | 1820 | 2150 | 2352 |
上り札幌方面 特急「おおぞら」特急「とかち」の時刻表
上りの札幌行き特急の時刻表です。
駅名 | 発着 | とかち2 | おおぞら2 | とかち4 | おおぞら4 | とかち6 | おおぞら6 | とかち8 | おおぞら8 | おおぞら10 | とかち10 | おおぞら12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
釧路 | 発 | 618 | 832 | 1121 | 1349 | 1613 | 1900 | |||||
白糠 | 発 | 636 | レ | 1139 | 1407 | 1631 | 1918 | |||||
浦幌 | 発 | 716 | レ | レ | レ | レ | レ | |||||
池田 | 発 | 736 | 947 | 1240 | 1513 | 1733 | 2016 | |||||
帯広 | 着 | 752 | 1003 | 1256 | 1529 | 1749 | 2032 | |||||
帯広 | 発 | 645 | 754 | 842 | 1005 | 1112 | 1258 | 1347 | 1531 | 1751 | 1922 | 2034 |
芽室 | 発 | 655 | 803 | 851 | レ | 1121 | レ | 1357 | レ | レ | 1932 | レ |
十勝清水 | 発 | 710 | 818 | 913 | レ | 1142 | レ | 1414 | レ | レ | 1952 | レ |
新得 | 着 | 717 | 825 | 920 | 1034 | 1149 | 1331 | 1421 | 1600 | 1820 | 1959 | 2103 |
新得 | 発 | 717 | 826 | 921 | 1035 | 1150 | 1332 | 1422 | 1600 | 1820 | 2000 | 2103 |
トマム | 発 | 741 | 858 | 952 | 1058 | 1215 | 1357 | 1446 | 1624 | 1843 | 2030 | 2126 |
占冠 | 発 | 755 | 912 | 1007 | レ | 1236 | レ | 1501 | レ | レ | 2044 | レ |
新夕張 | 発 | 823 | 934 | 1037 | レ | 1306 | レ | 1533 | 1658 | 1919 | 2109 | レ |
追分 | 発 | 849 | 955 | 1057 | レ | 1325 | レ | 1556 | 1717 | 1946 | 2128 | レ |
南千歳 | 発 | 902 | 1008 | 1110 | 1158 | 1338 | 1459 | 1608 | 1729 | 1958 | 2140 | 2228 |
新札幌 | 発 | 925 | 1033 | 1131 | 1220 | 1401 | 1523 | 1631 | 1754 | 2019 | 2205 | 2249 |
札幌 | 着 | 934 | 1041 | 1140 | 1229 | 1410 | 1533 | 1640 | 1803 | 2029 | 2215 | 2259 |
なお、途中の新得〜新夕張の間に限っては、乗車券だけで特急の普通車指定席の空席に乗車できます。この区間には特急しか走っておらず、普通列車や快速列車が一切走っていないからです。ただし、例えば「新得から追分」まで乗車したときに、「新得から新夕張が特例区間で特急料金がタダだから、新夕張から追分の間の特急券を買っておけばOK」ってことにはなりません。「区間外にまたがって乗車する場合は全区間の特急券が必要」となっているので注意が必要です。
えきねっとを用いた割引「特急トクだ値」で最大半額に
JR北海道では、JR東日本のネット予約システム「えきねっと」を活用した切符を積極的に導入しています。
「えきねっと」には前日までの購入で大幅な割引がされる「特急トクだ値」があります。また、14日前までの予約では「特急トクだ値14」というきっぷがあり、このきっぷは最大55%オフという、半額以下になる破格切符です。
設定列車 | 設定区間 | 通常価格 | 特急トクだ値1 (10〜40%割引) | 特急トクだ値14 (30〜55%割引) |
---|---|---|---|---|
特急おおぞら | 札幌〜新得 | 6,360円 | 4,760円〜5,710円 | 3,800円〜4,450円 |
特急とかち | 札幌〜新得 | 6,360円 | 3,800円〜5,710円 | 2,850円〜3,490円 |
特急おおぞら | 札幌〜十勝清水 | 6,800円 | 5,090円〜6,110円 | 4,070円〜4,750円 |
特急とかち | 札幌〜十勝清水 | 6,800円 | 4,070円〜6,110円 | 3,050円〜3,730円 |
特急おおぞら | 札幌〜帯広 | 7,790円 | 5,840円〜7,000円 | 4,670円〜5,440円 |
特急とかち | 札幌〜帯広 | 7,790円 | 4,670円〜7,000円 | 3,490円〜4,280円 |
特急おおぞら | 札幌〜池田 | 8,230円 | 6,170円〜7,400円 | 4,930円〜5,750円 |
特急おおぞら | 札幌〜釧路 | 9,990円 | 7,480円〜8,980円 | 5,990円〜6,980円 |
インターネット予約サービス「えきねっと」は会員登録も無料、決済はクレジットカード等で可能でJR北海道・東日本の主要駅で受け取りが可能です。ただし割引きっぷ「トクだ値」は販売席数が限定されています。列車自体に空席があっても「トクだ値」は売り切れとなっている場合があります。また、乗り遅れなどに関しては通常のきっぷと扱いが異なるので注意が必要です。
「えきねっとトクだ値」に関しては、別の記事で予約方法なども徹底的に解説しました。利用方法などについても詳細に扱い、予約方法もスクショを用いて徹底的に解説しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
なお、かつてJR北海道で販売されていた「乗車券往復割引きっぷ」は、2024年春のダイヤ改正をもって廃止されました。今後、お得なきっぷは「えきねっと」を用いたインターネット販売に統一されていくようです。
札幌から釧路の間は航空機や高速バスとも競合する区間です。JR側も割引きっぷなどを積極的に発売しています。
短絡線・石勝線によって道東と札幌圏を高速で結ぶ
特急おおぞら号と特急とかち号は、石勝線を経由して高速で道東方面へと向かう特急列車です。
石勝線は、元は夕張炭鉱までを結ぶ「夕張線」でした。この夕張線を、途中の新夕張から枝分かれさせることができれば、特急専用の高速路線が作れる、という発想で1981年に開業しました。新夕張から新得までという大半の区間は1981年に開業したもので、北海道の鉄道では珍しく戦後に開通しています。実際に乗車すればわかりますが、他の路線とは異なり、トンネルや鉄橋など技術を使った区間です。
石勝線の区間は、石勝線内での乗り降りはほぼ想定されない形で作られました。人家のほぼない山間の区間を貫いて作ったのです。そもそもが特急専用で、石勝線沿線からの需要はほとんど想定しておらず、札幌から帯広・釧路を乗る人が通過するために作られた路線なのです。石勝線が開業する前は、特急ライラックや特急カムイと同じ函館線を通り滝川まで、そこから根室本線に入って富良野を経由し帯広へと至っていました(この区間は、現在災害の影響で不通、このまま廃線されそうな雲行きのようです)。
現在は自由席はなく、全席指定席 列車によるがやや空席はある
続いて、特急おおぞら号・特急とかち号の混雑状況を書いていきます。ただし、混雑状況は日によって変動するので参考までにお読みください。
特急「おおぞら」「とかち」は2024年3月より全席指定席へ
石勝線・根室本線を経由する特急「おおぞら」「とかち」は、2024年3月のダイヤ改正により全席指定席化されました。そのため現在、特急「おおぞら」「とかち」号に自由席はなく、すべての座席が指定席です。事前に座席を指定してから乗車する必要があります。
同時にJR北海道では特急「すずらん」「北斗」も全席指定席化が行われました。全席指定席の列車が増え、自由席が減っていく方向です。
特急「とかち」「おおぞら」の混雑状況 場合によっては増結も行われる
コロナ禍でJR北海道をはじめとした鉄道会社が大打撃を受けたことはいうまでもありません。
JR北海道はこの中で、収益源である特急列車については本数削減にはできるだけ踏み込まず、「減車」と「臨時列車化(一部期間で運休)」の2本立てて経費削減を進めました。
特に気動車特急の大動脈である特急「北斗」と特急「おおぞら・とかち」ではこの傾向が顕著です。そのため、コロナ禍前と比べるとかなり特急列車そのものが短くなっています。短い時には特急「おおぞら」が4両編成で運転されることも。
コロナ禍からの回復を機に、JR北海道も必要に応じて増結を行なっています。それでも、増結されるのは指定席車両がメイン。自由席まで手が回っていないように感じていましたが、指定席の空席状況に応じて適切に増結などができるようになりました。
南千歳〜帯広間は注意
まず、最も注意すべき区間が南千歳から帯広の区間です。この区間がいわゆる「石勝線」を通る区間です。この区間では、場合によっては満席近くになることもある印象です。
また、石勝線の数少ない途中駅の1つ、トマム駅には星野リゾートが大きなリゾート地を持っています。ここにいくために、新千歳空港から列車に乗る人もいるのもまた混雑する原因の1つです。リゾート地への需要が大きな割合を占めるため、日によって大きく異なるのもまた事実です。つまり端的に言うと、需要が全然読めないのがこの南千歳〜帯広(特に、南千歳〜トマム)です。
お客さんの半数以上は札幌発着のお客さんです。ですから、もちろん札幌で乗降するお客さんが多いのですが、意外にも南千歳でも乗降がある。これは、南千歳駅がJR北海道にとって重要なターミナル駅になっていることに起因します。新千歳空港からの乗客に加え、函館・室蘭・苫小牧方面などの列車から特急おおぞら・とかちに乗り換える場合も南千歳で乗り換えることになります。南千歳駅からは4方向に列車が出ており、そのどの方面も少なくともJR北海道にとってはそれなりの乗客数がいます。
南千歳からはやはり、新千歳空港に降りて乗り換えてくる乗客が一定数います。帯広にも空港はありますが、羽田からの便数、伊丹・中部・福岡など準主要空港からの直行便の存在など、利便性を考えるとやはり新千歳空港から特急で帯広入りした方がいいのでしょう。
上り最終便を除けば、帯広から釧路はやや空いている
札幌から帯広の区間限定で特急とかち号が運転されていることからも分かるように、帯広から釧路の間はやや空いている印象です。高速道路が発達し、車での移動もそこまで時間がかからなくなったのが原因と思われます。
上り最終便はやはり混雑していましたが、それ以外の列車で釧路〜帯広間で混雑している様子は見たことがありません。ただ、空気輸送というわけではなく一定数、多くの場合は窓側座席の半数程度が埋まる程度までには乗客がいます。
帯広以遠の、帯広〜釧路間については、直前の座席指定でも難なく座席を予約することができると思います。
特急おおぞら・特急とかちの車内を徹底紹介
最後に特急おおぞら号、特急とかち号の車内を徹底紹介します。一部、同形式で運転される特急北斗号で撮影した写真も入っています。
特急おおぞら・とかちのグリーン車 座席は2種類 コンセントなどを完備
特急「おおぞら」や特急「とかち」をはじめとしたキハ261系のグリーン車には過去何度か乗車していますが、始発駅発車前に撮影ができたので紹介します。
なお、「7次車以降」と「6次車以前」を乗車前に判別する方法は、残念ながらありません。
キハ261系 「7次車以降」のグリーン車
まずは2018年以降に導入が進んでいる「7次車」以降のグリーン車です。7次車以降ではグリーン車は、青色の平織布を使用した「リニューアル腰掛」となっています。
特急「おおぞら」と特急「とかち」のグリーン車の様子です。普通車が2+2の座席配列であるのに対して、グリーン車は2+1の座席配列となっています。キハ283系とは異なり、車両の途中で配置が変わることはありません。
2人がけの座席です。中央のひじ掛けは固定式になっているため、上げることはできません。2人の間も、普通車と比べると間隔があり圧迫感がありません。
1人がけの座席です。札幌発の帯広・釧路行きの列車では進行方向右側が、釧路・帯広発の札幌行きの列車では進行方向左側が、1人がけの座席になります。座席間隔が広いので開放感がありすぎて、やや落ち着きのないような感じもしました。
グリーン車ではコンセントが設置されています。肘掛けの下の部分に設置されており、位置としては壁より圧倒的に使いやすい。
各座席には、座席背面テーブルが完備されています。ちなみにこの通り、座席の機能などについてはテーブルの裏面に説明書きがあります。
テーブルを広げてみました。パソコン作業などをするにも十分な広さがあるテーブルです。お弁当など食事をするのにも十分でしょう。
グリーン車は座席の前後間隔が広いため、テーブルが前後にスライドします。手前に引き出すことで、より自分に近づけて使うことができます。パソコン作業などをするときに、手前に引き出すことができるととても便利です。
また、各座席の肘掛けにはドリンクホルダーが設置されています。普通席では前の座席の背面にドリンクホルダーが設置されていますが、グリーン車では座席間隔が広いことも踏まえて、手に取りやすい位置に設置されています。
肘掛けにはリクライニングシートと読書灯のスイッチが設置されています。7次車ではリクライニング機構も改善されており、快適にリクライニングできるようになっています。
座席には読書灯が設置されています。初期の車両では天井に設置されていましたが、7次車以降ではヘッドレストに読書灯が設置されています。
各座席にはフットレストが設置されています。座面と同じデザインの面は、靴を脱いで利用する面になります。
キハ261系 「6次車以前」のグリーン車
続いては、キハ261系の中でも比較的古い車両に使われているグリーン車の座席です。こちらも座席の配列は2+1の配列になっています。
車内の雰囲気は7次車以降と大きくは変わりませんが、座席が布張りではなく革張りになっていることが大きな違いです。
2人がけの座席の様子です。座席自体が古いとか、そういったことを感じることはほとんどありません。革張りの方が高級感はありますが、やっぱり布張りの方が落ち着きます。
7次車以降と同様、1人がけの座席は上り(札幌行き)で進行方向左側に、下り(札幌発)で進行方向右側になるように設置されています。写真は札幌行き特急「とかち」で撮影しました。
7次車以降との大きな違いの1つが、電源が壁に設置されている点です。1人がけの場合はいいですが、2人がけの場合、通路側の座席に座る人は、窓側の座席の人の上を通す必要がありかなり不便です。この点は早期に改善してほしいところ。
また、読書灯の設置位置が全く異なります。7次車以降では座席の枕元の部分に設置されているのに対して、6次車以前では荷物棚の下部に設置されています。
また、座席のテーブルは肘掛けから出てくるタイプのテーブルになっています。7次車以降とは異なり、前の座席の背面にテーブルは設置されていません。
肘掛けから出すタイプのテーブルは、2つ折りのテーブルになっています。このテーブルの大きな利点は、折りたたんだまま、半分の状態でも使用できる点。
もちろん、広げても利用することができます。広げればかなりテーブルの空間は広く、パソコン作業をしたり食事をとったり、自由に使うことができます。
グリーン車ならではの設備として、フットレストも完備しています。フットレストは、2面あるタイプで、座席と同じ色の面は靴を脱いで、床のカーペットと同じ色の面は靴を履いたまま利用します。
フットレストはJR特急のグリーン車では定番ともなっています。実際、フットレストを常に使うわけではないですが、やっぱりあると落ち着きますね。
特急おおぞら・とかちの普通車指定席 座席はJR北海道としてはスタンダードな新シート
特急おおぞら・特急とかちに使用される車両は、JR北海道の特急列車で広く使用されている「グレードアップ座席」になっています。2022年のダイヤ改正でこの「グレードアップ座席」に統一されました。
個人的には、JR北海道の「グレードアップ座席」は日本中のJR特急に乗ってきた中で最高レベルの座赤kです。唯一の難点が「各座席にコンセントがないこと」ですが、その点だけに目を瞑れば、快適性ではトップです。
基本的には2人がけの座席になっています。紫色を基調とした座席で、中央の肘掛けは倒すこともできます。大きな枕がとても印象的。
写真では少しわかりづらいですが、リクライニングもかなりの角度まで倒れます。JR北海道の特急列車は、列車によってはかなりの長時間乗車になるため、リクライニングがこれだけ快適なのはとてもありがたい。
リクライニングボタンは各座席の肘掛けの内側に設置されています。個人的にはこの肘掛けの部分にコンセントを設置してほしかった。
座席の背面にはテーブルが設置されています。キハ261系(1000番代)で運用される特急列車は全て全席指定席になったため、「指定席特急券が必要」との記載があります。
そして、広々としたテーブルがあります。横幅は座席の幅目一杯まであり、パソコン作業をしたり、あるいは食事を取ったりということが気軽にできます。特急「おおぞら」「とかち」で以前使われていたキハ283系と比べてかなり広く、この点ではかなりサービスアップと感じます。
そして何より便利なのがドリンクホルダーです。JR北海道の特急列車は山間の区間も走行するため、カップのコーヒーなどを持ち込んでも窓側に置くのはちょっと心配。このドリンクホルダーはかなりありがたい。
普通車のコンセントなど、車内設備はそこそこ充実
2024年現在、特急おおぞら・とかち号は「261系」という車両で運転されています。石勝線での炎上事故後、JR北海道がより安全性を重視し、複雑な高速化技術を取り外して製造している車両だそうです。2022年春のダイヤ改正で全ての列車がこの「261系」に統一されるとの発表がありました。
261系には、1号車と2号車の間のデッキに充電用コンセントがあります。グリーン車では全席にコンセントが装備されていますが、普通車にはコンセントが装備されていません。長い北海道の鉄道旅では電源が欲しい。そんな要望に応えて設置されているものだと思われます。ただ、知らない人も多くいるようで、ここで充電されている様子を見たことはありません。
洗面台は至って普通。JR北海道の特急列車では、冬期には蛇口からお湯が出てきます。
お手洗いも至って普通の特急列車のお手洗い。JR北海道はウォシュレットなどは導入していません。JR四国が最近デビューさせた特急車両は、お手洗いが新しくなっています。快適性を追求し「地上と変わらないお手洗い」に近くなっています。JR北海道は、新たに導入した「はまなす編成」や「ラベンダー編成」でも「列車用トイレ」感があります。
JR北海道の特急列車には、コロナ禍以前は大きな荷物を持った外国人観光客が多く乗車いていました。そのため、大きな荷物を置くことができるスペースも用意されています。現在では、特に中国をはじめとした大きな荷物を持ったお客さんが減りました。そのため、この荷物置き場も空っぽのことが多い。なんだか、寂しいような、外国人が減って快適になったような。
特急とかち号は2020年にコロナ禍で臨時に4両に減車、そして臨時で始まった減車を通常の編成として2021年春のダイヤ改正で正式に4両に固定となってしまいました。特急とかちと特急おおぞらでは編成が違います。特急とかちは特に4両編成と短く、自由席も少ないので注意が必要です。
今ではかなり短くなってしまいました。さらに、グリーン車が1両連結されている(特急宗谷などとは違い、「半室グリーン」の281系が存在しないことが原因かと思われる)ため、普通車は3両、そしてうち自由席は1両にまで減らされてしまいました。
283系は2022年3月ダイヤ改正で引退(2022年1月撮影)
最後に、間も無く引退することが決まっている2022年3月のダイヤ改正で引退した283系をご紹介します。JR北海道が高速化事業で導入した、振り子式の車両で、車体を傾けることでカーブを高速で通過できます。しかし、石勝線で事故を起こしたことを機に最高速度が引き下げられ、「宝の持ち腐れ」状態となってしまった283系は順次引退しています。特急おおぞら・特急とかちでは2022年3月に引退することが発表されました惜しまれつつ引退しました。
車内の座席の様子はこんな感じ。
座面には鶴が描かれています。タンチョウか?いや、どっちかわかりませんが、どっちでもいいでしょう。座席自体は、特急ライラックや特急カムイの普通車自由席、快速エアポートのuシートで使われているものとほぼ同等です。
座席背面には大きなテーブルがあります。特急北斗用の283系では、テーブルのサイズが小さかったのですが、特急おおぞらに使われる283系の自由席は大きなテーブルがあります。
フットレストまでしっかり備え付けられています。
こちらは謎の空間。荷物置き場と書かれていますが何があったのだろうか?昔、JR北海道の特急列車にはアテンダントさんが乗務されていたと聞きます。このアテンダントさん達の仕事場だったのではないかと予想します。→コメントで教えていただきました。昔は喫煙スペースだったようです。確かに、よく写真を見返すとテーブルのようなところに灰皿サイズの丸いくり抜きの跡がありますね。
荷物置き場は車内にもあります。が、作り方がすごい。座席をボックスにして、そこに板を敷いてしまうのです。もうすぐ引退だからこれでいいだろう、って発想なのかな?
こちらがお手洗い。まあ、お手洗いはそれなりの古さも感じさせますね。こればっかりは仕方ない。
洗面台です。洗面台の蛇口は、回したりするタイプではなく自動で出るタイプになっています。JR北海道の特急列車は、冬季はどの列車でも蛇口からお湯が出てきます。
最後に車内の電光掲示板です。この列車が今、どのあたりを走っているかが表示されます。261系にある「〇〇駅まであと〇〇km」の表示はありません。
特急「とかち」号から見られる石勝線の絶景。この石勝線についてはVlogを作成しましたので、あわせてご覧ください。
コメント
おおぞらの謎の空間バーカウンター的なところは、その昔(20年くらい前かな)喫煙所でした!
コメントありがとうございます。
そうだったんですね!記事にも加えさせていただきます!
おおぞら1号何度も乗っていますがが混雑していたことがありませんけど。