日本最西端の島・与那国島。沖縄の県庁所在地である那覇と与那国島を結ぶ直行便RAC721便にのって与那国島へ行ってきました。
この記事では、沖縄離島を結ぶ琉球エアコミューターが運航する機材ボンバルディア・DHC-8-400カーゴコンビの機内の様子などを紹介します。そして、沖縄・那覇空港から与那国空港までの直行便の様子も紹介します。
なお、与那国島へのアクセスや島内での移動手段についてはこちらの記事で詳細に解説しています。
琉球エアコミューターのDHC-8-400「カーゴコンビ」
琉球エアコミューターが運航するのはDHC-8-400カーゴコンビ。この機材は通常のデハビランド(旧・ボンバルディア)DHC-8-400が74席仕様であるのに対し、50席と座席を押さえ、広い貨物室を設けた機材です。
機内は革張りで座席間隔は広い
琉球エアコミューターが運航するDHC-8-400CC(カーゴコンビ)は、プロペラ機であるため沖縄離島の小規模な空港も離発着することができます。プロペラ機の特性を持ちながらも、ジェット機と同等のスピードを出すことができるのがこのDHC-8-400で、ANAも地方路線を結ぶ機材として導入しています。JAL系列の航空会社では、沖縄離島路線を運航する琉球エアコミューターのみで使用されています。
座席間隔は広く、LCCなどよりはよっぽど快適です。座席の幅もしっかりあり、座席に座っている分には狭いと感じることはありません。
座席自体はこの通り、革張りの座席になっています。素材やシートベルトなどについてはJAL系列の他の飛行機(B737など)と合わせていると考えられます。
DHC-8-400は小型の機材であるため、飛行機の機体の段面積が小さい。頭上に荷棚がある窓側座席では、注意しないと窓側座席から立った時に頭を打ちます。
座席にはテーブルなども装備
DHC-8-400の座席にはテーブルなどもしっかり装備されています。座席こそ小型プロペラ機専用の座席であるものの、設備はしっかりしています。
座席背面のテーブルです。意外としっかりしていますが、RACは沖縄離島路線が中心で短距離であるため、このテーブルをフルに活用することは少ないです。
パソコン作業をするくらいなら難なく使うことができる大きさです。
頭上にエアコンの操作パネルや読書灯も
頭上にはエアコンの操作パネルや読書灯があります。
頭上のパネルです。今回搭乗した機体DHC-8-400は小型の機材であるため、この操作パネルもそこまで高くはなく、操作も容易です。
読書灯をつけてみます。短距離路線が多いため読書灯を使うことは多くはないですが、エアコンの操作をする人は多いイメージです。
沖縄・那覇空港を早朝に出発する便で与那国へ
実際に、7:15発のRAC721便に搭乗し、沖縄・那覇空港から与那国空港へと向かいました。その際の様子を紹介します。
早朝の那覇空港から出発
琉球エアコミューターはJAL系列の航空会社です。予約はJALの公式サイトから行うことになります。
琉球エアコミューター721便は早朝の7:15発です。JALグループでは出発の20分前が保安検査締め切りの時刻となっているため、6:55までには保安検査を通過する必要があります。朝の時間帯は各方面への出発便が集中します。これは那覇空港に限った話ではありません。そのため、保安検査場が混雑するので、空港に着いたら早めに保安検査に並びましょう。
今回は写真の中央にある与那国行きRAC721便に搭乗します。琉球エアコミューターが保有する機材は全てDHC-8-400CCと呼ばれるプロペラ機なので、バス搭乗となります。
那覇空港のJAL側ターミナルでは、28番搭乗口が1階のバス搭乗待合室となっています。28番搭乗口へと向かいます。
1階のバスラウンジの様子です。28Aの搭乗口から搭乗します。1階のバスラウンジにもサクララウンジがあることに驚きました。
プロペラ機はバス搭乗 バスで機内へ
早朝の便ともありそこまで時間に余裕がなかったので、バスラウンジで朝ごはんのサンドイッチを食べていたらすぐに、搭乗開始時刻となりました。
プロペラ機は基本的にバス搭乗となります。飛行機本体の高さが低いためです。最近、ANAが新千歳空港など北海道内の空港でプロペラ機にボーディングブリッジを接続する「アダプター」を、株式会社ナカオと共同開発し、導入しています。
機内に乗り込みました。今回は、左側の窓側座席を押さえてあります。
沖縄・那覇→与那国便でのオススメは左側A席
沖縄・那覇から与那国空港へ向かう際のオススメは、左側のA席です。天気が良ければ宮古島や石垣島が見え、着陸直前には与那国の東崎やそこから続く美しい海岸線が見えます。
今回は左側の座席を確保しました。実際の景色はこの先、紹介していきましょう。
車輪が見えるのはプロペラ機ならではです。普通のジェット機では、翼が客室より低い位置についているため、タイヤが見えることはないですよね。
那覇空港から与那国空港へ 絶景続きの旅
飛行機は朝の混雑した那覇空港を地上走行し、滑走路へと向かいます。
那覇空港を離陸
定刻通りに扉が閉まり、定刻通りに動き出します。DHC-8-400はプロペラ機であり、プッシュバックをしないため、自走で回転して走り始めます。
南向きに離陸するので、36Rから離陸します。那覇空港は2020年から第2滑走路の共用を開始していますが、第2滑走路は基本的に着陸機がメインで使用しています。
滑走路へ入ってきました。まもなく離陸です。
プロペラを全開に回して滑走を開始しました。小型機であるものの貨物が重いためか、ものすごい加速力、という感じではありませんでした。
ただ、小柄な機体であり、プロペラ機でもあるためすぐに滑走路を離れて離陸します。
左側には海上保安庁の基地が見えています。飛行機は離陸して一気に高度をあげていきます。
普段はここに飛行機が並んでいることもあるのですが、早朝だからか飛行機はいませんでした。
左下に那覇の街を見ながら少しづつ高度を上げていきます。那覇は空港のすぐ近くにまで街が広がっています。
八重山諸島を飛び、与那国へ
飛行機は与那国諸島を飛び、与那国島へと向かいます。
この日は天気が良くなかったこともあり、離陸後まもなく、飛行機は雲の中に入りました。
さらに飛行機は右へ旋回。今回は南向きに離陸したのでここで旋回し、宮古・石垣・与那国方面を目指します。
帰宅時に搭乗した与那国→石垣の便は短距離のためほぼ高度をあげませんでした。沖縄・那覇空港から与那国空港までの便は1時間ほどあるので、それなりに高度を上げます。
早朝に出発する便ともあり、寝ている人が多いです。機内の照明もやや暗くされています。
ドリンクサービスはシークワーサージュースのみです。小型のプロペラ機であり、長距離の飛行をしないため、カートなどは積んでいないようです。
ドリンクサービスが終わると、客室乗務員さんお手製の沖縄観光マップの配布がありました。せっかくなので僕もいただきました。
そんなこんなで飛行機はだんだんと南下。この日は天気が良くなかったため、綺麗に石垣島や宮古島を見ることができませんでした。
飛行機は少しづつ高度を下げて与那国空港へと向かいます。
与那国空港へ向けてアプローチ
飛行機は与那国に近づき、まもなく与那国空港への着陸態勢に入りました。
着陸直前には、飛行機の影が雲にうつり、その周りに虹が綺麗に見えます。
タイヤが出てきてギアダウン。まもなく着陸態勢に入ります。
雲を抜けた先に与那国島が。沖縄の海は本当に美しい。そしてその先に断崖絶壁が見えます。
与那国島は上空から見てもとても美しい。透き通った海で海底の岩の様子までわかります。左前の方には与那国島で最大の集落である租納が見えてきました。
飛行機はだんだんと高度を下げていきます。なんとも言えない美しい景色です。
着陸の直前、与那国の民謡にも歌われる美しいビーチ・なんた浜が見えてきました。
飛行機は東側から、ランウェイ26に着陸します。与那国空港では離陸は東側から、着陸は東側に向けてすることが多いようです。与那国を発着する便は那覇行きまたは石垣行きで、これらは東側にあるためです。強風など、安全の問題がある場合以外は西側は使わないようです。
やはりタイヤが真横に見えて着陸の瞬間がわかるのは、プロペラ機ならではですね。
無事、着陸しました。一気に減速します。与那国の滑走路はジェット機にも対応しており、与那国マラソン開催時にはチャーター機としてジェット機も運航されますが、普段はプロペラ機のみです。
滑走路上で方向転換をし、ターミナルへと向かいます。与那国空港は誘導路がないため、滑走路を走行してターミナルへと向かいます。
無事、ターミナルに到着しました。
降機します。JTAのジェット機がくる時以外はボーディングブリッジは装着されません。与那国空港ではターミナルまではエプロンを徒歩で移動します。
与那国空港ではボーディングブリッジを使うことはなく、基本的には徒歩での降機となります。普段、エプロンをこれだけ堂々と歩くことはないので、なかなか興奮します。
ターミナルまで歩きます。与那国空港は平屋構造、管理棟のみが2階建構造のターミナルです。
帰りは与那国から石垣への便を利用。その様子も記事にまとめました。
今回の搭乗記は動画にもまとめました。
今回、日帰りで与那国島を満喫してきました。与那国島の観光スポットについて徹底的にまとめた記事も作成しました。あわせてご覧だくさい。
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