北海道の翼「AirDo」。北海道各地から東京や仙台、名古屋などを結ぶ航空会社です。
格安航空ではなく、ANAとコードシェアを行っているためANA便として搭乗することも可能です。今回はこのAirDoに過去何度か乗ってきた経験から、機内の様子やサービスなどを徹底的に紹介します。
なお、実際にAirDoの飛行機に搭乗した際の様子をVlogとしてまとめています。合わせてご覧ください。
AirDoが運航する機材はB737とB767
AirDoは2種類の機材を運航しています。東京・羽田を発着する一部の路線を除いて、B737-700で運航されます。
機内のWi-Fiサービスはエンタメ用でインターネットは使えない
この記事で紹介するように、AirDoはとても良い航空会社です。サービス面ではANAやJALに引けを取らない。
でも、AirDoに搭乗した際に唯一、そして最大の不満が「機内にWi-Fiサービスがない」ということ。ANAやJALは国内線にWi-Fiを搭載し、現在では両社とも無料で使用することができます。
しかし2023年現在、ANAとJAL以外の国内線では、スターフライヤーが2023年に導入した新機材でWi-Fiが設置された以外にWi-Fiが使用できる機材はありません。AirDoにおいては2024年現在、Wi-Fiを活用したエンターテインメントプログラムを楽しむことができます。ただし、インターネットは利用できません。
機内のWi-Fiではインターネットは利用できませんが、エンターテインメントサービスが利用できます。Wi-Fi経由で楽しむことができるのは、
- 動画プログラム
- オーディオプログラム
- 機内誌・電子書籍
- フライトマップ
です。ソラシドエアにおいても同じようなプログラムが楽しめるようなので、経営統合を機に導入されたものと考えられます。
フライトマップは、現在地を見ることができます。最近の飛行機で、フライトマップが見られない飛行機に乗ることがほとんどなくなってきました。
機内誌などもタブレットで楽しむことができます。ただただ最新の機内誌を楽しむことができるだけではなく、アーカイブも見ることができます。
動画プログラムはこの通り。主にHBC北海道放送などの提供によるプログラムが多くなっています。映画などはあまりないイメージです。
繰り返しになりますが、現時点ではインターネット接続を利用することができません。ソラシドエアの記事に「リースしている(借りている)機材なので、会社の一存で勝手にWi-Fiが設置できない」とコメントいただきましたが、その通りだと考えられます。
AirDoの運用する機材はB737-700とB767-300
AirDoが最も多く所有し、運用しているのがB737-700です。B737-700は小型のジョット機です。小型ジェット機の部門ではA320と並んでロングセラーかつベストセラーとなっている飛行機です。
小型機でありながらも大型機と同様の機内空間が維持されているのが大きな特徴です。AirDoはB737を札幌・千歳〜東京・羽田便の一部と、それ以外のほぼ全ての便で運用しています。
札幌・千歳〜東京・羽田便の一部と旭川〜東京・羽田便の多くがB737より大きい、分類としては中型機に分類されるB767で運航されます(旭川空港にはANAが通年で就航しておらず、AirDoに任せている状態になっているため)。
AirDoのB737には、ANAの座席とほぼ同じ座席が設置されています。細かな仕様やデザインは異なるものの、AirDoはANA便としても販売されていることから、ANAと同様の座席になるのも納得です。
座席はこんな感じ。ANAのB737に乗り慣れていると「全く同じじゃん!」となるような座席。枕カバーが材質などもそのまま、ロゴがAirDoのものに取り替えられているだけ。
ANAのB737とほぼ同じ座席です。ただし、シートモケット(布地面のデザイン)は異なります。
機内のテーブルの様子です。ANAのエアバス社製の飛行機などのように折りたたみ式ではありません。フラットになっています。
飛行機の機内に設置されているテーブルは、前後にスライドするタイプのものがほとんどです。国内線の機材としてはスタンダードな座席ですね。
AirDoが運航するB767には、シートに電源がある機材も
東京・羽田〜札幌・新千歳および東京・羽田〜旭川の便では一部でB767が使用されます。B767の座席はB737と比べてややいい座席になっています(一部異なる機材もあります)。
新仕様のシートにはUSBコンセントなども搭載されています。なお、ANAから譲り受けた中古のB767-300ERにはプレミアムクラスのシートが搭載されていましたが、2023年に撤去され普通席に統一されました。
機内のサービスはフルサービスキャリア
AirDoは格安航空会社ではありません。そのため、機内のサービスなどはANAやJALなどとほぼ同等で、ドリンクサービスなどもあります。
ANAのオンラインチェックインシステムを採用
AirDoは当初、大手航空会社とは手を組まず、独自路線で突き進んできました。しかしながらうまくはいかず、一旦破産したのちANAの資本が入り現在では経営も軌道に乗っています。
ANAの北海道路線をバックアップする形にもなっています。予約システムなどは完全にANAと同一のシステムを、一部デザインなどを変更の上で導入しています。
ANAの資本が入っているものの会社自体は別会社であり、機内で提供される飲み物などは北海道ならではの色を出しています。いいとこ取りです。
たとえば機内では、北海道の海鮮を使った「ほたてスープ」が提供されます。ANAではコンソメスープです。この辺りはちょっとした差別化が図られていますね。
AirDoの就航地-北海道路線を中心に運航
AirDoは北海道路線を中心に運航しています。運航している機材がジェット機であるため道内路線は飛ばしていません(道内路線はさらに小型のプロペラ機で、ANAが運航しています)。
2023年現在、北海道内の6都市(札幌、旭川、函館、女満別、帯広、釧路)と、北海道外の全国5都市(東京、仙台、名古屋、神戸、福岡)に就航しています。かつてはANAが運航していた路線についても一部を引き継ぎ(ANAはコードシェア便として便名を維持)、AirDo単体でもネットワークを広げています。
北海道に根ざした航空会社として日本全国の空へ。現時点では国際線への参入予定はないようですが、今後もサービスアップを図り更に使いやすい航空会社となることでしょう。
ソラシドエアと経営統合し、路線を一気に拡大!
AirDoは2022年、ソラシドエアとの経営統合を発表しました。今まで通りの「北海道の翼 AirDo」の名前は残りつつ、九州・沖縄路線を中心に展開するソラシドエアと共同で持株会社「リージョナルプラスウイングス」を設立、その傘下に入ることで、路線ネットワークを全国に広げました。
ソラシドエアとの経営統合により、今までのブランドを維持しながらもたとえば、札幌圏から九州・沖縄などへの需要にも対応することになりました。直行便を飛ばすほどの需要がない、北海道エリア〜沖縄・九州エリアの需要を、羽田や中部での乗り継ぎでカバーします。
AirDo、ソラシドエアともにANAの傘下でありながら、それぞれが独自のネットワークも強化していくことで、全体としての利便性向上が図られます。
AirDoを利用して北海道へ行こう!
AirDoは北海道各地と国内各地を結ぶ航空会社です。AirDoを使ってぜひ、北海道へ足を運んでほしい。
AirDoはANAダイナミックパッケージでも利用可能!
AirDoはANAとコードシェアしています。ANAのダイナミックパッケージなど、ANA便として搭乗することが可能です。実際僕は、2023年のさっぽろ雪まつりへ行くために、ANA便としてAirDoを利用しました。
羽田などで国際線へと乗り継ぐためにANA便として利用することも可能です。ANAで予約する際、AirDo運航と書かれた便が出てくるので、これを利用すればANA便と同等の利便性でAirDoを利用することができます。
AirDoのマスコットキャラクター「ベア・ドゥ」と旅しよう
AirDoのマスコットキャラクター「ベア・ドゥ」がAirDoの飛行機の翼には描かれています。この「ベア・ドゥ」がなかなかかわいらしい。
とてもかわいらしいくまさんです。AirDoを利用する際は是非とも、翼が見やすい窓側の座席を確保して欲しいところです。
飛行機の窓から見える景色、その手前にはベア・ドゥ。なかなかいい景色です。富士山なんかが見えるとさらに最高です(名古屋路線などでは見られることがあります)。
羽田などから各地への直行便で便利に北海道各地へ
AirDoは北海道各地への路線を持つ航空会社です。例えば僕が普段使う中部国際空港から函館まで、直行便を飛ばしています。
北海道を拠点とする航空会社だからこそ、北海道路線の充実度は高い。東京・羽田発着便として、札幌新千歳・帯広・釧路・旭川・函館・女満別便が運航されています。
さらに名古屋・中部国際空港から唯一の函館空港直行便を運航しているのもAirDoです。ANAなどと比べて小型の機材であるB737-700などを利用して、北海道各地への直行便を運航しているので便利に利用できます。
今回の記事では、北海道の翼・AirDoについて紹介してきました。ANAとコードシェアする他社として、ソラシドエアやスターフライヤーなどについても紹介しています。あわせてご覧ください。
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