2024年3月16日、北陸新幹線の金沢〜敦賀間が開業しました。これにより、東京から乗り換えが必須だった福井県内各駅へと、新幹線が直行するようになりました。
私自身のスケジュールがあわず、やや遅くなりましたが、開業効果が落ち着いた2024年6月にこの区間を利用してきました。敦賀までの延伸開業区間について紹介していきます。
北陸新幹線の延伸区間を中心に走る「つるぎ」号、その中でも速達便に乗車し、敦賀〜富山のVlogを作成しました。こちらも合わせてご覧ください。
2024年3月に敦賀まで延伸開業
北陸新幹線は東京から大阪までを、北陸周りで結ぶ新幹線路線として建設されている路線です。東京から長野、金沢、敦賀と少しづつその路線を伸ばしてきています。
長野から金沢へ、2024年3月に福井・敦賀へと延伸
北陸新幹線は1997年に高崎〜長野間で開業、2015年に長野〜金沢間で開業しました。そしてついに2024年、金沢〜敦賀間で開業しました。
北陸新幹線は東京へ直通するため、「北陸新幹線はどこからどこまで?」とわかりにくくなりますが、厳密には高崎駅から敦賀駅までです。東京〜大宮では東北新幹線の線路、大宮〜高崎では上越新幹線の線路を走ります。また、北陸新幹線の東京・高崎〜長野(金沢開業以前)間は長らく「長野行新幹線」または「長野新幹線」と呼ばれていましたが、この区間は北陸新幹線の1区間として建設された区間です。
将来的には小浜市内を通って京都駅へ、松井山手駅付近を通って新大阪へと接続する予定です。ただ、この京都・新大阪延伸は環境問題および資金の問題で停滞しており、敦賀開業の2024年現在では着工が見通せない状態にあります。
京都・大阪方面/名古屋方面とは敦賀駅で乗り換えへ
2024年に北陸新幹線は敦賀へと延伸しました。それまで金沢方面へと直通していた特急「サンダーバード」「しらさぎ」は全て敦賀止まりとなり、敦賀駅で新幹線と乗り継ぐことになりました。
敦賀駅では新設された新幹線高架橋の1階に在来線特急のホームが、2階に乗り換え改札口が、3階に新幹線ホームが設置されました。2階の乗り換え改札口・コンコースはかなりわかりやすくなっており、係員さんもたくさんいるため安心して利用できるでしょう。
大阪・京都・名古屋からは「つるぎ」で、東京からは「かがやき」「はくたか」で
北陸新幹線には2024年現在、4種類の列車があります。「かがやき」「はくたか」「あさま」「つるぎ」です。
このうち東京〜長野〜富山〜金沢〜福井〜敦賀と、北陸新幹線の全区間(一部列車は金沢止まり)を走るのが「かがやき」と「つるぎ」です。北陸新幹線の金沢延伸開業と同時に設定された列車で、一部列車を除いて敦賀まで直通するようになりました。
一方の「あさま」号と「つるぎ」号は一部区間を走る区間列車のような位置付けです。あさま号は東京〜長野間を走行する列車で、多くの駅に停車します。一方の「つるぎ」は富山・金沢〜敦賀を走行する列車で、列車によっては通過駅が多いものもあります。
北陸新幹線延伸の新規開業区間に乗ってきた!
今回、実際に北陸新幹線の新規開業区間に乗車してきました。その様子を、写真を用いてご紹介します。
金沢駅から出発
北陸で最大の都市であり、観光都市としても人気な金沢。2014年に新幹線が開業した金沢駅から出発です。
今回乗車した列車は「つるぎ25号」の敦賀行きです。特急「サンダーバード」「しらさぎ」の双方と接続する、各駅停車タイプの「つるぎ」号です。
新規停車駅① 小松駅
1つ目の駅は石川県内の小松駅です。かつて、特急「サンダーバード」「しらさぎ」時代にも多くの特急列車が停車していた駅です。
写真がぶれているのは、向かい側の列車の中から撮影したためです。この先の写真もぶれていますので、ご了承ください。
昔は特急「サンダーバード」「しらさぎ」が走っていた北陸本線、現在のIRいしかわ鉄道線の線路を見ながらさらに西へと進みます。
新規停車駅② 加賀温泉駅
2つ目の停車駅は加賀温泉駅です。昼過ぎに到着する「かがやき」号が停車する駅です。観光需要が中心です。
加賀温泉駅は、新幹線駅の内部でも「温泉」が感じられる駅です。駅に停車中の新幹線からも和風の建物が見えるのがいい感じ。
新規停車駅③ 芦原温泉駅
続いての停車駅は、福井県内最初の停車駅である、芦原温泉です。ここで新幹線の温泉駅が2駅続きます。
芦原温泉も、在来線と接続する駅です。北陸線はもともと、直線的に建設されていたため、北陸新幹線もかなり線路が近いです。
新規停車駅④ 福井駅
新たに開業した区間で4つ目の駅が福井駅です。今回の新規開業区間で最も利用者数が多いと考えられる駅です。
福井駅は駅のスペースの関係で、1面2線の駅構造になっています。今回の北陸新幹線延伸の終点が福井駅ではなく敦賀駅となったのは、福井駅にスペースがなかったことも大きな理由だと考えられます。
新規停車駅⑤ 越前たけふ駅
福井駅から敦賀駅までの間に1駅、越前たけふ駅があります。今回新たに建設された区間の中で唯一の新幹線単独駅です。
越前たけふ駅は、もともと在来線の駅があった武生駅周辺の市街地からかなり離れています。東京方面へと出るなら福井駅まで在来線(はぴラインふくい線)で、大阪・名古屋方面へ出るなら敦賀駅まで在来線で出るほうが圧倒的に便利です。
そのような背景があり、無料駐車場がかなり広大に整備されています。この駐車場が想定以上に成功だったようで、話題になっています。
新規停車駅⑥ 敦賀駅
新幹線は敦賀湾の美しい景色を眺めながら、2024年3月・北陸新幹線延伸の終点地点・敦賀駅へと到着します。
敦賀駅は東京側にある高速道路の上を通過するように建設する必要があったため、かなり高い位置に建設されています。そのため、敦賀湾の景色を綺麗に眺めることができます。
敦賀駅から先は、左側に分岐するような形で車両基地への線路が作られています。今後、小浜・京都ルートで敦賀駅へと延伸することが計画されているため、その下準備もできているという状況です。
北陸新幹線はW7系・E7系で運転
北陸新幹線の列車は臨時列車を除く全ての列車がW7系およびE7系で運転されます。特に敦賀延伸によりJR西日本の区間が増えたため、W7系(JR西日本所有の車両)の割合が増えました。
JR東日本・JR西日本の共同開発による車両E7系・W7系
北陸新幹線で運用されているE7系およびW7系は、JR西日本とJR東日本が共同開発した車両です。北陸新幹線および上越新幹線で使われている車両で、北陸新幹線の電源周波数切り替えや急勾配に対応した車両になっています。
E7系・W7系は最高速度こそ低いものの、全席にコンセントが設置されているなどサービス面ではかなり優れた車両です。今後、北陸新幹線・上越新幹線の車両はこのE7系・W7系で統一されていくことになると考えられます。
今回、記事作成にあたって確認したところ、E7系とW7系の車内を解説した記事がなかった。ということで、記事を作成するためにW7系のグリーン車も利用してきました。
E7系・W7系のグランクラスは既に記事としてまとめてあります。E7系の普通車・グリーン車を含めてまとめた記事は現在作成中ですので、しばらくお待ちください。
「えきねっと」や「e5489」で多数の割引が設定
北陸新幹線には割引商品が多数、設定されています。JR西日本のネット予約サービス「e5489」やJR東日本のネット予約サービス「えきねっと」において多数の割引商品が設定されています。
こちらの記事では「えきねっと」で購入可能な「えきねっとトクだ値」について詳しく解説しています。なお、JR西日本のネット予約サービス「e5489」でもほぼ同様の金額で利用できます。
また、敦賀駅では北陸新幹線と特急「サンダーバード」「しらさぎ」の乗継特急料金が設定されています。ただし、2024年3月まで存在した、在来線特急の特急料金が半額となる全国のJR統一の「乗継割引」とは異なります。
自由席でも座れる北陸新幹線 在来線特急は全席指定席へ
北陸新幹線の延伸区間(金沢〜敦賀)で実際に自由席も利用しましたが、そこまで混雑していませんでした。
在来線の特急「サンダーバード」「しらさぎ」で指定席を利用すると、北陸新幹線で指定席・自由席のどちらを利用しても金額が変わりません。特急サンダーバード・しらさぎが全席指定席化されたことにより、北陸新幹線は指定席の利用がスタンダードになりました。
そのため逆に、北陸新幹線内で完結する利用(主に北陸3県内での移動)であれば自由席でも十分、座ることができるでしょう。
なお、敦賀駅で在来線特急と乗り継いで利用する場合は、普通車指定席が追加料金なく利用できます。普通車指定席を利用するのがオススメです。
なお、東京〜金沢の区間を含めた全区間における、北陸新幹線の自由席混雑状況についてはこちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
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