道東の都市、釧路と「日本で一番朝日に近い街」根室を結ぶ根室本線の末端区間、通称「花咲線」。
この花咲線、僕はあくまで「釧路から根室への移動手段」という感じで利用したのですが、実際に乗ってみると魅力がたくさん。ということで、急遽この花咲線のご紹介をしたいと思います。
始発は石勝線特急の終着点・釧路駅
花咲線の始発駅は釧路駅。札幌から特急「おおぞら」で片道4時かかる場所。とはいえ、意外と大ターミナルで駅前にはある程度の施設が揃っている場所です。
釧路駅は道東の拠点駅
この釧路駅からは、
- 根室本線(帯広・石勝線経由札幌方面)
- 根室本線(花咲線根室方面)
- 釧網本線本線(知床斜里・網走方面)
の3方向に線路が伸びています。根室本線は完全に釧路駅で分断されており、釧路駅を通過して直通する列車は設定されていません。そのため、完全に3方向に分割されていると思っていいでしょう。釧路湿原を縦断する釧網本線については別途記事を作成しています。こちらも合わせてご覧ください。
釧路駅は道東の拠点駅であるということもあって、駅前にはホテルなども充実しています。この花咲線に乗る日、僕は駅前のコンフォートホテル釧路に宿泊しました。釧路は人口10万越えの都市ということもあり、ビジネスホテルも充実しています。ホテルであまりのんびりはしない、北海道周遊の旅にはぴったりです。
また、釧路駅周辺には海鮮市場なども多くあります。僕はこれで通算3回釧路へ来たわけですが、一度も海鮮市場へ行っていません。というか、釧路駅から徒歩3分圏内にしか出ていません。やってることがアホですよね。いつか海鮮市場にもいきたいと思ってはいます。
釧路から根室までは花咲線で3時間 〜車両自体は釧網本線と同じ〜
釧路から根室まで、花咲線は長いです。片道3時間。覚悟して乗らなくてはなりません。3時間とはいえ、景色はいいのであっという間です。
花咲線は1日2往復の「快速はなさき」と「快速ノサップ」以外は全て普通列車です。この2往復の快速も、めちゃめちゃ速いわけではなく、普通列車と大きく所要時間は変わりません。数時間に1本しかないこともあり、途中で後から来た列車に追い越されるということもありません。
普通列車ばかりとはいえ、普通列車も特急並みに飛ばします。各駅停車で走っても、次の駅まで10分なんてのはざら。次の駅まで15分かかる場合もあります。駅間距離がかなりあるので、普通列車にもかかわらず大きなエンジン音を立ててスピードを出して進んでいきます。また、長時間乗車も前提としているので、特急ほどではないものの座席もそれなりに快適です。
調べたところによると、どうも0系新幹線の座席を流用しているそうです。つまり、半世紀ほど前の最新型の座席です笑
半世紀前のもので、表面の布地は流石に取り替えている模様。クッション性はとてもあるのですが、なんていうか、反発力が強すぎるというか。めちゃくちゃ快適性があるわけではないけれど長時間乗っててお尻が痛くなるわけではない、絶妙にちゃんとできた座席です。
一両編成の短い列車ですが、お手洗いもちゃんとあります。ウォシュレットなど付いている訳ではありませんが、ちゃんと掃除が行き届いています。
花咲線は本数が少ない!計画的に乗ろう!
花咲線は本数が少ないです。
そのため、乗ってみよう、じゃあ駅へ行こうで行くとえらいことになります。首都圏の列車のような感覚では乗れないんですよねえ。
こちらのJR北海道公式サイト内に花咲線の時刻表が載っています。
これをみてもらうとわかると思いますが、無計画に乗ってしまうとものすごい待ち時間を強いられる可能性もあります。ので、帰りの時刻まで決めてから行くことを強くお勧めします。
花咲線は見所がたくさん
花咲線には見所がたくさんあります。そして、随所随所、景色のいいところで速度を落として景色が見られるように配慮してくれます(この配慮は下り釧路→根室方面だけのよう)。特に花咲線の一番の絶景区間、海が見える区間で速度を落としてくれます。
花咲線には公式サイトなるものまであります。
たった1両編成。こぢんまりとしたこの列車に、
なぜ「地球探索鉄道」と銘打ったのか。
それは、乗車から約10分後にはお分かりいただけることでしょう。
住宅街を抜け、心地よい揺れに体が慣れた頃すでに車窓は一面の緑。
時折、ピーッ!と鳴り響く笛に、ふと前方を窺えば
何食わぬ顔で駆けてゆくエゾシカたちに出会えるはず。
ある時は、陸と海の狭間を縫うように、
またある時には、広大な原野を滑るように走る花咲線。
断崖絶壁や湿原など、海と大地が織りなす独自の地球環境と
ここでしか見ることのできない希少な動植物たち。
その、一瞬一瞬との出会いを、撮って・食べて・体験する。
花咲線の旅とはまさに、まだ見ぬ地球の不思議と出会う旅。
本日も、花咲線沿線の地球は見ごろです。
公式サイトから引用
本当に、ここに書いてある通りです。実際に写真も交えながら紹介していきます。
釧路を出発した直後は海はあまり見えず、山の中を走っていきます。北海道ではよくある景色です。山の中を進んでいくため、よくエゾシカなどが出てきて急ブレーキがかかります。運転士さんも既に慣れているようで、急ブレーキがかかるものの警笛を鳴らし、鹿が避けていったら急ブレーキを解除、というのを繰り返します。
こういうところをどんどん走っていきます。この、湿地が広がっている中に線路がたった一本走っている感じ。とても雰囲気があっていいですよね。
進行方向(釧路から根室へ向かう際)の右手には海。ので、釧路から根室に向かう際は右側の座席を取るのが圧倒的にオススメです。海がすぐ近くに見えるのはいいんですが、台風などで荒れたらおしまいだよね?って感じがとてもします。
海を走っていたと思っていたらまた山の中を走ったり、山の中を走っていたと思ったら次は崖の上を走っていたり。でも、どこを切り取っても絵になる景色が花咲線の魅力です。
日本最東端の駅は、実は終点の根室駅ではありません。花咲線はひたすら東へ進んでいくのですが、最後に根室市街に入ってから少しだけカーブをするため、根室駅の1駅手前、東根室駅が日本最東端の駅なんですよね。
花咲線沿線の観光地
最後に花咲線沿線の観光地についてまとめていきます。
根室観光はやっぱり納沙布岬から!
花咲線は根室までをつなぐ路線です。根室観光はやっぱり納沙布岬でしょう。
納沙布岬はめちゃくちゃ綺麗ってわけでもありません。でも、旅人としてはこの「本土最東端の地」にくること自体が価値あること。
少し残念だなあと思うのが、納沙布岬は北方領土返還に対する政治的主張の強い場所。もちろん、北方領土は日本固有の領土であり、ロシアが不法に占拠していることは言うまでもありません。そして、故郷を追われた元島民の方々の存在も忘れてはなりません。でも、少しくらい観光地としての性質を持たせてもいいのでは。
僕の意見はこの辺にしときましょう。天気が良ければ北方領土の島々も見られます。僕が行った日は天気が悪かったですが、それでも手前の島は見ることができました。
春国岱
今回は時間の都合でここには行っていません。以前、旅行系YouTuberのスーツ氏のチャンネルで紹介されていていつか行きたいなあと思っていました。
特に秋には野鳥や植物などが見られて綺麗だそう。また秋にでもここにきたいと思います。
釧路
これだけ何回も釧路に来ていて、それなのに釧路をまともに観光したことがないような人間が書くことでもないかもしれませんが…
釧路は道東の都市。日本海に面した都市です。そのため、美味しい魚をたくさんいただくことができます。釧路駅から徒歩圏内に市場があり、ここの海鮮丼は有名です。切符制の海鮮丼です。
あらかじめ切符と酢飯を購入し、10店舗ほどある様々なお店を回って切符のある分だけネタを載せていきます。お高いネタはきっぷ2枚とか3枚とか決まっているそう。自分ならではの海鮮丼を作ってみてはいかがでしょう。