新大阪・天王寺から和歌山を経由して紀伊半島方面の白浜・新宮を結ぶ特急「くろしお」。2023年には全席指定席化され、自由席が廃止されました。本数も多く便利な特急くろしおの、座席設備やお得な予約方法をご紹介します。
特急くろしおの停車駅や料金、予約方法
まず初めに、特急「くろしお」の停車駅や料金、そして予約方法について解説します。
特急「くろしお」の停車駅
特急くろしお号は、新大阪〜和歌山〜白浜〜新宮の間で運転されている特急列車です。特急くろしおの停車駅は、
新大阪駅、大阪駅、天王寺駅、、日根野駅、和泉砂川駅(一部通過)、和歌山駅、海南駅、箕島駅(一部通過)、藤並駅(一部通過)、湯浅駅(一部通過)、御坊駅、南部駅(一部通過)、紀伊田辺駅、白浜駅
です。これ以外にも、和泉府中駅に停車する列車が、一部あります。また、1日1往復が京都駅まで乗り入れており、京都にも停車しますが京都〜新大阪間ではノンストップです。
白浜駅から先、新宮駅まで向かう列車は、
周参見駅、串本駅、古座駅、太地駅、紀伊勝浦駅、新宮駅
に停車します。
特急「くろしお」の料金 自由席は設定がないので必ず指定席が必要!
続いて特急「くろしお」の料金です。特急「くろしお」は、全車指定席で自由席がありません。そのため、普通車指定席もしくはグリーン車指定席の2クラス制となります。
区間 | 普通車指定席 | グリーン車 |
---|---|---|
新大阪・大阪~和歌山 | 3,010円 | 3,780円 |
新大阪・大阪~御坊 | 4,700円 | 6,970円 |
新大阪・大阪~紀伊田辺 | 5,810円 | 8,080円 |
新大阪・大阪~白浜 | 6,140円 | 8,410円 |
新大阪・大阪~新宮 | 7,790円 | 11,450円 |
運賃および特急料金の料金表はこのようになっています。2024年までは新大阪駅および京都駅で新幹線と乗り継ぐ際に乗継割引が適用され、特急「くろしお」の特急券部分が半額となっていましたが、新幹線と在来線特急の乗継割引は2024年3月をもって廃止されました。
特急「くろしお」の予約方法
特急「くろしお」の予約方法は主に3通りです。これ以外にも旅行パッケージを利用する方法もありますが、旅行として利用する場合のみのため、ここでは扱いません。
- JR西日本のネット予約「e5489」で予約する
- 最寄りのJR駅にある「みどりの窓口」で予約する
- 京阪神圏および沿線などの指定席券売機で予約する
最もオススメなのはJR西日本のネット予約「e5489」を利用する方法です。e5489はJR西日本が運営するネット予約サービスで、次に紹介するネット予約限定の割引きっぷなども設定されています。
特急くろしおの予約は、「e5489」を活用するのがオススメ!
JR西日本はインターネット予約サービス「e5489」を運営しています。e5489ではさまざまな特急列車の割引きっぷが発売されています。特急くろしおも例外ではなく、e5489を活用するのがオススメです。
特に、2022年3月のダイヤ改正により、特急くろしおは全席指定席となりました。e5489のチケットレスサービスなどを利用することで、今までの自由席とほぼ同額で予約することも可能なので、是非とも利用したいところです。このセクションでは、チケットレス特急券についてもまとめていきます。
最も手軽な予約方法はe5489のチケットレス
JR西日本はe5489を活用したチケットレスサービスを推進しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、現在では紙のきっぷであっても手元の端末で予約状況を確認し、指定席の予約済み座席については検札が完全に省略されています。
さらに、2022年3月のダイヤ改正で特急くろしおは全席指定席化されました。チケットレスサービスを活用すると今までの自由席と変わらない値段で、全席指定席となった特急くろしおを利用できます。
特急券の種類 | 予約期限等 | お得度 | J-westカード会員限定等 |
---|---|---|---|
J-westチケットレス特急券 ※新大阪〜紀伊田辺まで | 前日・当日のみ | ★★★★★ | |
eチケットレス特急券 | 1ヶ月前から可能 | ★★★ | カード会員限定 |
チケットレス特急券 | 1ヶ月前から可能 | ★ | |
WEB早特7 | 7日前まで可能 | ★★★ | |
WEB早特14 | 14日前まで可能 | ★★★★ |
特に、頻繁にJR西日本の特急列車を利用する人であればe5489のチケットレスサービスがオススメです。自由席とほぼ同額で普通車指定席を利用することができます。もちろん、複数人での利用もチケットレスが便利。
チケットレスサービスは格安で利用することができるのでぜひ利用してみてください。
また、例えば家族が使う場合などは紙のきっぷが欲しい場合も。その場合は「eきっぷ」がオススメ。僕のブログでは、このeきっぷをオススメしまくっています。J-westカード会員限定ですが、かなり便利です。ちなみに、あっちの記事でもこっちの記事でもオススメしているのでそろそろ疑われないか心配になってきますが、僕はJ-Westカードのアフィリエイトなどは一切掲載していませんしいわゆる案件として契約したこともありません。素直にオススメできるカードなのであっちこっちで紹介しています。
このeきっぷは、J-westカード会員限定ではありますが自由席と同額で指定席に乗車することができます。さらに、一部区間の他社線との競合区間などでは自由席より安く普通車指定席を予約することができます。
2022年3月より全席指定席化 特急くろしおの混雑状況は?
特急くろしおには自由席が設定されています。→2022年3月のダイヤ改正で、全席指定席となりました。
特急くろしおは1時間あたり1本程度が運転されていますが、もちろんこれは需要があるから。自由席にもそれなりに需要がありました。全席指定席化後も、変わらず需要はあるでしょう。
特に和歌山から天王寺・新大阪までは混雑します。朝夕の時間帯を中心に、通勤特急として利用する人がいるからです。朝夕の時間帯、白浜方面からの始発の特急くろしおが到着していない時間帯には和歌山始発の特急くろしおが運転されているくらいです。
なお、JR西日本の在来線特急は、一部列車の全席指定席化に伴い、次の特例が導入されています。指定席を購入して乗り遅れたら、後続の普通車指定席の空席を利用できるという特例です。
JR西日本の在来線特急列車の指定席特急券については、指定された列車の乗車日と同じ日のうちなら後続の全車指定席(〔花嫁のれん〕、寝台特急列車、団体や貸切の専用特急列車を除きます)を立席でご利用になれます。
JRおでかけネットより引用
JR東日本の全席指定席の特急列車とは異なり、座席未指定券に相当するものは発売されていないようです。公式の情報がないため断言できませんが、普通車指定席が満席の場合に限り「立席特急券」(座席に着席できない特急券)が発売されるようです。
特急くろしお(287系・289系)の車内徹底紹介 コンセントなどの設備は?
特急くろしおには2種類の車両が充当されています。本数で圧倒的に多いのが「287系」です。特急「こうのとり」や「きのさき」に使用されている車両とほぼ同じです。外見はサンダーバードやしらさぎとも同じですね。
特急「くろしお」には、287系と289系、そして283系の3種類
特急「くろしお」には、287系・289系・283系の3種類の車両が使われています。その中でも287系≒289系であり、外観もほとんど同じです。
287系と289系の違いは、
- 287系:特急「くろしお」「こうのとり」などで使用するために新造された車両
- 289系:特急「しらさぎ」を中心に、北陸特急で使用していたものを転用した車両
となっています。287系は後ほど紹介しますが、「オーシャンアロー」と呼ばれる車両で、全く異なる外観をしています。
なお、287系の一部の車両は、白浜アドベンチャーワールドとコラボして「パンダくろしお」として走っています。パンダのデザインが施されています。
「パンダくろしお」の運行スケジュールは、JR西日本の公式X(旧Twitter)パンダくろしお運行スケジュール【公式】にて公開されています。
もちろん、ラッピングをしていない287系もあります。このタイプの287系は、特急「こうのとり」「きのさき」などで使われている車両と同じです。
一方の289系には流線型の先頭車もあります。こちらは北陸新幹線の金沢開業時に、北陸特急から転用されてきたものです。
まずはこの287系・289系の車内をご紹介していきます。
グリーン車はJR西日本としてはスタンダートなグリーン車
まずは特急「くろしお」のグリーン車です。特急「くろしお」のグリーン車は、特急「きのさき」「こうのとり」と同様の座席です(この写真は特急「きのさき」で撮影したものです)。
特急くろしお287系のグリーン車は2+1の座席配列です。普通車より座席の幅が広くなっているので、快適です。
2人がけの座席です。中央の肘掛けは上に上げることはでません。特急くろしお号の走る区間の沿線には、白浜などの観光地もあります。観光利用でグリーン車を利用される方も多くいらっしゃいます。
1人がけの座席です。僕のように、ブログ執筆活動をしながら一人で利用することが多い人にはありがたいですね。
肘掛けの部分にはパソコン用のコンセントも装備されています。普通車では次節で紹介するように最前列・最後列にしかコンセントが設置されていないため、全席でコンセントが使えるのは大きなメリットです。
また、フットレストも装備されています。グリーン車ではフットレストが装備されるのが当たり前のような風潮がややありますね。
特急「くろしお」のコンセントは車両両端の座席のみ、Wi-Fiはなし
287系には、グリーン車の全席と普通車の一部座席にコンセントが装備されています。普通車においては車両の両端の部分にコンセントが装備されています。
普通車自由席だからコンセントが使えない、などといったことはなく、最後列の座席または最前列の座席を確保できればコンセントは利用できます。
最前列用のテーブルにコンセントが設置されています。僕は、テーブルもしっかり使いたいので最前列ではなく、最後列に座って、座席の後ろから電源を取っていました。
特急「くろしお」には、車内のWi-Fiサービスの設置はありません。特急「サンダーバード」にWi-Fiが導入されつつあります。今後、他の特急にも広がっていくことを期待したいところです。
座席はJR西日本の特急列車としてはスタンダードな座席
続いては普通車の座席の紹介です。特急くろしお号の普通車指定席の座席は、JR西日本の特急列車としてはスタンダードな座席になっています。
普通車指定席の車内の様子です。2+2の座席配列となっており、この点はJR西日本の特急列車としては普通。また、特急「サンダーバード」などで導入されているリニューアル座席が導入されています。
新幹線などの座席と比べて座席自体が分厚く、快適です。特急「くろしお」では、一部の区間で乗車時間が長くなるため、座席の快適性はとても重要です。
「パンダくろしお」号では、座席のヘッドレストもパンダのデザインになっています。車体のラッピングだけではなく車内にもパンダが。
テーブルもひろびろとしたテーブルが備え付けられてます。普段から旅をしながらブログ記事を更新する僕にとって、大きいテーブルはありがたい限りです。
インアームしきのテーブルもあります。座席を回転させて利用する際に有効活用できるのがこのテーブルですが、現在は新型コロナウイルスの影響で、座席を回転させての利用は控えるように言われます。
インアーム式の小さなテーブルも活用できますが、窓枠の部分にも飲み物くらいならば置けるスペースがあります。コーヒーを購入してここに置いていました。
お手洗いなど車内設備も綺麗で便利
この287系は、北陸新幹線開業以前に特急サンダーバードとして走っていた車両をリニューアルして使用しているものです。
洗面台は最新のものにリニューアルされている模様。自動で水が出るタイプです。
お手洗い自体も新しいものですが、残念ながらウォシュレットはないようです。これはちょっと残念、僕の感覚では、ウォシュレットがあるか否かは結構でかい。
特急「くろしお」は海沿いを走ることもあって、津波を想定した避難梯子が設置されています。特急「くろしお」だからこその設備です。
津波が予想される場合の案内です。津波が短時間で到達すると予想される場所には案内看板があるので、これに従って避難することになります。
特急くろしお「オーシャンアロー」の車内徹底紹介
特急くろしおには「オーシャンアロー」で運転される列車があります。
2021年12月現在。白浜・新宮方面のくろしお3,13,17,33号、天王寺・新大阪方面のくろしお6,16,20,32号がオーシャンアロー車両での運転となっています。
最新の情報はこちらのサイトをご覧ください。
オーシャンアローにはコンセントはない Wi-Fiもない
オーシャンアローは287系より先にデビューした車両です。そのため、コンセントの設備では少し劣ります。
オーシャンアローにも車内のWi-Fi設備などはありません。そして、オーシャンアローにはコンセント付きの座席がありません。グリーン車についてもコンセントはないようです。
オーシャンアローの車両は比較的構造が古く、JR西日本としても手放したいところがあると思われます。2024年には北陸新幹線が敦賀まで延伸されて「しらさぎ」「サンダーバード」の車両が大幅に余ることになります。となれば、289系(特急「はくたか」などの車両を改造して転用)と同様に、北陸特急の車両がやってきて置き換えられる可能性があります。もっぱら置き換えは、関空特急「はるか」の車両が優先だとおもわれます。
オーシャンアローは観光客向けの座席
特急「くろしお」が元々は、特急「サンダーバード」としてビジネス需要を考慮して製造された一方、オーシャンアローは元から観光需要を焦点に開発されたため座席も観光仕様です。
座席はこんな感じ。他のJR西日本の特急列車とは少し違います。
座席背面のテーブルはありません。ペットボトルホルダーがあるくらいです。
代わりに大きなテーブルは肘掛けから出すタイプです。グループでの利用でも使えるようにとの配慮でしょう。パソコンくらいなら広げられますが、大きいとは言い難い。ちなみにお弁当を食べるくらいならこれくらいの大きさで余裕です。
車内にはラウンジも
オーシャンアローの編成の特徴として「ラウンジ」があることが挙げられます。3号車にラウンジがあり、ここでくつろぐことができます。
特急くろしおが走行する紀勢本線は海沿いを走る区間で特に景色が綺麗。ということがあり、海を向くように座席が配置されています。僕はオーシャンアローに、完全に日が沈んでから乗ったのでここでのんびり、などはしていません。
海側とは反対側の座席はソファータイプになっています。海側、つまり座席自体は通路側を向いて配置されています。
お手洗いの設備です。お手洗いはちょっと古い感じがします。ウォシュレットなどはなく、洗面台も蛇口で水を流すタイプです。
家族での利用も考慮して、おむつの交換台が設置されているのも印象底です。あくまで、観光客を意識して製造された車両です。
これ以外にもJR西日本の運転する特急列車を数多くご紹介していますのでご覧ください。
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