岡山から鳥取までを結ぶ特急「スーパーいなば」。鳥取県の出資で高速化された因美線(智頭駅~鳥取駅間)や鳥取県の出資で建設された智頭急行線を走行し、高速で岡山と鳥取を結んでいます。
また、広島や四国・九州方面からは岡山でスーパーいなばに乗り換えるのが最速ルート。なのに2両編成で結構混雑する。今回はこのスーパーいなばの座席や予約方法、混雑状況などをご紹介します。
特急スーパーいなばの予約はJR西日本「e5489」がオススメ
まず初めに、特急スーパーいなばの料金や割引運賃をご紹介します。
特急スーパーいなばの通常料金-自由席はない
主要区間の定額運賃・料金は次の通りになっています。なお、2024年春のダイヤ改正において特急「スーパーいなば」からは普通車自由席が廃止され全席指定席化が行われました。このため、スーパーいなば号には自由席はなく、全席普通車指定席の完全モノクラスです。
区間 | 普通車指定席 |
---|---|
岡山〜上郡 | 2,720円 |
岡山〜智頭 | 4,570円 |
岡山〜鳥取 | 5,100円 |
途中で智頭急行線を通過します。そのため、JRの運賃・料金に加えて智頭急行線の料金・運賃が加算されるため、通常の特急列車と比べてやや高額に設定されている印象です。第3セクターとして開通している以上、こればかりは仕方ないことです。
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なお、新幹線から特急列車に乗り継ぐ場合の「乗り継ぎ割引」は廃止されたため、現在は利用できませんが、スマートEX・エクスプレス予約+e5489利用の場合のみに利用できる「【e5489専用】[EXサービス限定]乗継チケットレス特急券」が設定されています(後ほど解説します)。
ネット予約の「チケットレス」なども活用しよう
オススメはチケットレス特急券・eきっぷです。
「eきっぷ」はJ-westカード会員限定で利用できるきっぷで、普通車自由席と同額、またはそれ以下の値段で普通車指定席を利用することができます。「eチケットレス特急券」はそのチケットレス版で、特急券を受け取ることなく乗車できるきっぷです。なお、「eきっぷ」と「eチケットレス特急券」の値段には差はありません。
区間 | 「eきっぷ」総額 | 普通車指定席 |
---|---|---|
岡山〜上郡 | 2,090円 | 2,720円 |
岡山〜智頭 | 3,940円 | 4,570円 |
岡山〜鳥取 | 4,470円 | 5,100円 |
eきっぷはJ-westカード(JR西日本のクレジットカード)会員限定のきっぷではありますが、J-westカードは年1回以上の利用で実質無料で持つことができるのでオススメです。
JR西日本では、臨時列車や寝台特急などを除くほぼ全ての新幹線・特急で「eきっぷ」を設定しています。新型コロナウイルスの影響でチケットレス特急券も急速に展開が進みました。JR西日本をよく利用するのであればJ-westカードは非常にオススメできるカードです。
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あらかじめ予定が決まっているなら「WEB早特」がオススメ
特急「スーパーいなば」号にはWEB早特が設定されています。14日前までの予約で割引が受けられる「WEB早特14」と、7日前までの予約で割引が受けられる「WEB早特7」の設定があります。
区間 | 普通車指定席 | WEB早特14 | WEB早特14 |
---|---|---|---|
岡山〜鳥取 | 5,100円 | 4,310円 | 4,850円 |
普通車指定席の料金と比べて、最大800円近い割引を受けることができます。あらかじめ予定が決まっている場合、このWEB早特を利用するのが良いでしょう。
新幹線から乗り継ぐなら「【e5489専用】[EXサービス限定]乗継チケットレス特急券」
2023年春のダイヤ改正において、JR西日本は岡山駅における乗継割引を廃止しました。しかしそれに代わる割引として「【e5489専用】[EXサービス限定]乗継チケットレス特急券」を設定しました。今までの「乗継割引」は券売機またはe5489で紙の特急券を購入した場合にのみ適用されるものでした。
しかし新しい乗継特急券は「乗継チケットレス特急券」となっており、チケットレスで乗継割引を受けることができます。新幹線は「スマートEX」または「エクスプレス予約」の「EXサービス」で予約・乗車、在来線特急は「e5489」で乗車することになります。
「EXサービス」で新幹線のチケットを購入、EXサービスの予約サイトから「e5489」に遷移してチケットレス特急券を購入することになります。
発地 | 人員区分 | おねだん |
---|---|---|
岡山〜鳥取 | おとな | 1,830 |
岡山〜鳥取 | こども | 910 |
値段はこの通り。概ね半額程度で設定されているようです。全区間をチケットレスで、なおかつ乗継割引を受けられる制度は過去にはなかったため、かなり便利な制度です。
特急スーパーいなばの車両は「スーパーおき・まつかぜ」と同じ
座席は「スーパーおき」や「スーパーまつかぜ」など、他の山陰特急とほぼ同じです。ここからはスーパーいなば号の車内の様子をご紹介していきます。
車内にコンセントやWi-Fiはない
特急「スーパーいなば」の車内にコンセントやWi-Fiなどの設備はありません。スーパーいなばはJR西日本の特急列車のためです。
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車内の様子はこんな感じ。JR西日本の特急列車によくある座席・車内の様子ですね。
ちなみに、智頭急行の車両で運転される特急「スーパーはくと」にはコンセントとWi-Fiが設置されています。ただ、スーパーはくとであっても、特に智頭急行線の区間ではトンネルが多いため携帯電話すらつながるなることがあります。もちろん、スーパーはくとのWi-Fiも繋がらなくなります。
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Wi-Fiがないだけではなく、携帯電話のモバイル通信も使えなくなることがあるので注意が必要です。
座席はJR西日本ではスタンダードな座席
座席は、JR西日本の特急列車としてはスタンダードな座席です。山陰と山陽を結ぶ重要な特急列車でありながら、スーパーいなばは2両編成となっており非常に混雑します。
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朝の時間帯の岡山駅の様子です。かなり混雑しています。上の写真は自由席が設定されていた時代の写真で、列車が来る前に並んで待っている人がたくさんいました。またこの時は指定席も完全に満席で、最後の2席のうちの1席を僕が確保した感じです。
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そんな感じで、車内の様子を撮影することは難しかったため他の特急列車で撮影した同じ種類の座席の様子です。特急こうのとりで撮影しました。
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JR西日本の特急列車の特徴として、普通車でも大きなテーブルがあります。ビジネス利用などでも快適に利用できます。
鳥取内の高速化事業で導入された187系
特急スーパーいなばで使用される列車は、特急スーパーおき・まつかぜで運転される車両と同じです。鳥取県の出資による路線の高速化事業によって導入された車両であるため、車体には鳥取県の県花である梨が描かれています。
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ここは特急スーパーおき・スーパーまつかぜと同じですね。この187系の導入によって、山陰の特急列車は大幅に事情が改善されました。
今回紹介しているのは、山陽〜山陰の連絡特急である「スーパーいなば」ですが、鳥取・松江・出雲市・益田など山陰各地を結ぶ特急である「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」についてはこちらの記事で紹介しているので合わせてご覧ください。
車内の設備は最低限 でも快適
スーパーいなばは2両編成の特急列車であるため、車内の設備が充実しているとはなかなか言い難い。でも、お手洗いなどの最低限の設備はしっかりあります。
車内は最低限の設備
お手洗いはこんな感じ。おむつ交換台などもしっかり整備されています。トイレは2両編成の中央の部分に設置されています。2両編成でトイレは少ないため、並ぶ可能性があります。注意した方がよさそう。
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最新の特急列車ではないため、トイレにウォシュレットなどは装備されていません。便座自体はそれなりに綺麗。
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洗面台も綺麗です。洗面台は蛇口タイプではなくて自動で水が流れるタイプになっています。
謎のスペース
スーパーおき・スーパーまつかぜにもあったこの謎のスペース。満員の時にお客さんが立っていられるようにとのことでしょうか→かつては喫煙ルームだった場所であると、コメントで教えていただきました。
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かつてはここは喫煙スペースだったそう。コメントで教えていただきました。ありがとうございます。最近では、JR特急は喫煙スペースを廃止する方向に動いていますよね。
コメント
わかりやすくて読みやすい記事ですね。
最後に紹介されていた謎のスペースですが、かつて喫煙スペースだった所ではないでしょうか?「はるか」用281系にも同じスペースがあります。いつ頃かわかりませんが、キハ187系は愛煙家がまだたくさんいた頃に全車禁煙にしたのでしょう。(たぶん両数が少ないのが原因)
コメントありがとうございます。喫煙室だったんですね!最近では東海道・山陽新幹線のN700系列16両編成が喫煙室を維持していますが、それ以外のJR特急は全面廃止の方向性ですよね。