三重県で最大の観光スポットである伊勢志摩エリア。この伊勢志摩エリアへのアクセスで圧倒的な利便性を誇る近鉄特急。大阪難波・名古屋・京都の3都市から伊勢志摩への直通特急を走らせています。「しまかぜ」「伊勢志摩ライナー」は伊勢志摩方面への観光のために開発された車両で、観光利用に嬉しいさまざまな設備がありますが、その内容は大きく違います。
今まで30回以上、「しまかぜ」や「伊勢志摩ライナー」に乗車してきた経験を活かし、伊勢志摩方面への特急について解説します。
伊勢志摩方面への観光特急は多種多様!
近鉄は伊勢志摩への観光特急として、1994年に「伊勢志摩ライナー」をデビューさせました。さらに伊勢神宮の式年遷宮に合わせた2013年、「しまかぜ」をデビューさせました。2020年に名阪特急「ひのとり」がデビューしたことによって車両繰りに余裕ができた「アーバンライナー」も伊勢志摩方面に投入。これに「ビスタカー」や汎用の特急電車を加えた様々な種類の特急電車で運転されています。
比較項目 | しまかぜ | 伊勢志摩ライナー |
---|---|---|
料金 | 乗車券+特急券+しまかぜ特別車両券 個室の場合のみ、個室券 | 乗車券+特急券 デラックス車両の場合のみ、デラックス券 |
座席種別 | プレミアムシート 和風個室 洋風個室 サロン | レギュラーシート デラックスシート サロン ツイン |
グループ利用 | ○ ただし、競争率が高い | ◎ 追加料金必要なし 空席もややある |
列車本数 | △ 大阪難波・名古屋・京都から1日1往復のみ | ◎ ある程度の本数がある |
車内販売等 | カフェ車両・カウンターあり | 自動販売機のみ |
「しまかぜ」は特別車両券が必須!伊勢志摩ライナーは通常の特急料金で乗れる
伊勢志摩方面の近鉄特急で、看板たる存在が特急「しまかぜ」です。
2013年に、伊勢神宮の式年遷宮に合わせて近鉄が投入した車両で、その豪華さは群を抜きます。
後ほど詳細に解説する通り、全席が「プレミアムシート」で構成されており、車内にはカフェ車両もあります。
観光に便利な時間帯に設定されています。ただし、名古屋・大阪難波・京都からそれぞれ1日1往復(各便 火〜木で週1日は点検のため運休)しか運転されておらず、プレミアムで占領面積の広い座席だからこそ座席数が少ない。片道だけでも狙ってみたい特急列車です。
「伊勢志摩ライナー」と「アーバンライナー」にはデラックスシートも
伊勢志摩方面には「伊勢志摩ライナー」や「アーバンライナー」も走っています。「伊勢志摩ライナー」は元々、伊勢志摩方面へのアクセスのために開発された車両で、観光利用を一番に考えて作られています。
観光列車として開発された経緯から、グループでの利用もしやすいような設計がされているのが特徴です。個人的には、片道「しまかぜ」利用、片道「伊勢志摩ライナー」利用が圧倒的にオススメです。
「アーバンライナー」は名阪間の特急列車として開発された車両です。新型の名阪特急「ひのとり」のデビューによって名阪特急の一部が置き換えられ、余剰となった車両の一部が伊勢志摩方面への特急のサービスアップのために伊勢志摩方面に投入されています。
2022年までに、全列車に車内のWi-Fiおよびコンセントが設置される工事が行われ、リニューアルされました。
都市間特急として開発された経緯がありますが車内の設備はかなり快適。逆に、スピードで圧倒的に劣る新幹線に対抗すべくして開発された経緯があるため快適性の面では抜かりがありません。
それ以外にも多数の特急列車が走る伊勢志摩方面
ここまでに紹介した特急「しまかぜ」「伊勢志摩ライナー」「アーバンライナ」以外にも、伊勢志摩方面には多種多様な特急列車が走っています。
近鉄の伝統的な名物である「ビスタカー」は2階建の列車です。
2階席からの眺望を楽しめたり、1階席はグループのお客さんの専用席で、ほぼ個室感覚で利用することもできます。
ビスタカーの階下席についての記事も多数のアクセスをいただいています。とてもありがたいことです。
近鉄らしい、さまざまな特急列車が走っている伊勢志摩方面、さまざまな選択肢があるのでぜひ、あぁでもない、こうでもないと考えてみてくださいね。
特急「しまかぜ」は追加料金必須ながらも贅を尽くした車内設備 片道はぜひ、使ってみたい!
観光特急「しまかぜ」は贅を尽くした車内。近鉄の観光特急の中でも看板的な存在です。片道だけは是非とも、利用してみたい列車です。
片道だけは特急「しまかぜ」を狙ってみたい!
近鉄特急「しまかぜ」はかなり人気。2013年のデビューから既に10年近くが経過しているのに、それでもほぼ毎日満席近い状態で走り続けています。
近鉄特急は1ヶ月前から予約可能。ネットでの予約も可能なため、1ヶ月前の10:30にネットなどを使って頑張って取りたいところ。平日の便や、京都発着の便をはじめとして空席がある場合もありますが、それでも人気であることに変わりはありません。
特急「しまかぜ」は、近鉄の中でも看板的存在になっています。天皇陛下が伊勢神宮に参拝される時なども「しまかぜ」を利用されます。天皇陛下が利用されるほど、内装は豪華なのです。新幹線のグリーン車をも上回る設備です。
車内はかなりの高級感でカフェ車両なども設置。是非とも一度は乗ってみたい列車です。
全席がプレミアムシート 個室の設定も!
特急「しまかぜ」は全席がプレミアムシートの列車です。乗車には乗車券・特急券のほかに「しまかぜ特別車両券」が必要です。要するに、普通の特急列車よりもさらに、特急料金がかかります。
座席はかなり快適です。車内にはWi-Fiやコンセントはもちろんのこと、座席にはマッサージ機能なども備わっています。本当に、電車とは思えない快適な座席です。
また、「和風個室」や「洋風個室」などが設置されています。個室料金が必要でありながらも、1室/1便であり、かなり競争率が高いです。そのため、1ヶ月前の発売と同時に売り切れることがほとんどですが、もし10時30分ちょうどに狙えそうなら個室を狙ってみるのも良いでしょう。
カフェ車両では伊勢志摩の名物なども楽しめる!
特急「しまかぜ」には、カフェ車両が設置されています。
カフェ車両にはカウンターが設置されており、本格的な食事や観光特急「しまかぜ」オリジナルの記念グッズなどを購入することもできます。また、一部の商品(主に匂いがきつくない商品が中心)は自分の座席に持ち帰っていただくこともできます。
カフェ車両から伊勢志摩エリアや近鉄大阪線の美しい景色を眺めながら食事をいただくことができる、なんとも最高な時間です。
伊勢志摩エリアには近鉄系列の施設が多くあるためそこからの副収入が見込めること、また、お召し列車としての使用も含めた近鉄の看板列車ともなりうる宣伝効果。これらを総合した上で、近鉄としても「しまかぜ」単体では赤字を承知の上で開発した、逆に利用者目線ではコスパが最強すぎるほど豪華な特急「しまかぜ」。是非とも乗ってみたい列車です。
特急「伊勢志摩ライナー」は、本数も多く便利な観光向け特急
伊勢志摩ライナーは、特急「しまかぜ」より前から営業運転で使われている観光向けの特急列車です。座席の種類がかなり豊富ですので、詳しく知りたい方は以前に公開したこちらの記事をご覧ください。
朝の伊勢志摩方面便・夕方の伊勢志摩発便を中心に多く運転
特急「伊勢志摩ライナー」は1994年3月にデビューした伊勢志摩エリアへの特急列車です。2012年には12億円をかけたリニューアル工事も行われ、座席は快適なものに変更されています。
伊勢志摩ライナーはなんといっても本数が多くあります。2022年現在、特急「伊勢志摩ライナー」は6編成運転されています。
伊勢志摩ライナーは元々、観光用の特急列車として開発された経緯を持っています。特急「しまかぜ」が登場する以前は、伊勢志摩方面への観光の看板列車でした。現在でも、特急「しまかぜ」を補完する役割を持っており、朝の伊勢志摩方面の便、および夕方の伊勢志摩方面発・大阪難波/名古屋/京都方面の便で優先的に運用されます。
車内にはグループ向け座席やデラックスシートも
観光向けの特急列車ということもあり、車内にはグループ向け座席やデラックスシートもあります。
グループ向け座席として「サロン席」と「ツイン席」が用意されています。サロン席は4人定員で、特急券は3人以上で発売されます。ツイン席は2人定員で、2人での利用の場合のみ発売されます。
また、デラックスシートはデラックス券が必要です。デラックス券はJRのグリーン券的な位置付けですがかなり安く、コスパはかなり良いと言えます。
座席間隔もかなり広く、1+2の座席配列になっています。コンセントも全席に設置されており、かなり快適です。少し贅沢をしたい時は、このデラックスシートを利用してみるのが良いでしょう。
レギュラーシートでも快適な観光向け特急
6両編成の伊勢志摩ライナーは、4両がレギュラーシートになっています。レギュラーシートは青を基調とした座席になっています。近鉄の特急のレギュラーシートはどの列車も快適で、この伊勢志摩ライナーもその例にもれません。
2席につき1つですが、コンセントが設置されています。また、テーブルは前の座席の背面から出すタイプではなく、肘掛けから出てくるタイプです。座席を向かい合わせにしてグループで利用する際も、利用しやすいように配慮されています。
このように、特急「伊勢志摩ライナー」は通常の近鉄特急とほぼ同じ使い方ができながらも、車内は観光列車仕様。伊勢志摩への旅行気分を盛り上げてくれる列車です。
このブログでは、伊勢志摩観光の定番スポットから穴場のスポットまで、各種スポットをご紹介しています。併せてご覧ください。
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