名古屋と大阪、その直線距離は139km。大阪から東京の直線距離400kmに比べれば随分短いです。
ちょうどいい感じの距離でありながら大都市間の移動であることがあり、多くの移動手段があります。今回はそれらをご紹介したいと思います。僕がいちばんオススメするのは、費用対効果がいちばんいい近鉄特急です。
移動方法 | 片道あたり通常価格 | 片道あたり最安値 | 所要時間 | オススメ度 |
---|---|---|---|---|
東海道新幹線 | 6,680円 | 4,280円 | 1時間程度 | ★★★★☆ |
近鉄特急 | 4,540円 | 3,500円程度 | 2時間程度 | ★★★★★ |
高速バス | 3,000円 | 1,800円 | 3時間30分程度 | ★★★☆☆ |
JR在来線 | 3,410円 | 1,140円 | 3時間程度 | ★★☆☆☆ |
最速でメジャーな新幹線 名古屋から大阪で少しでも安く新幹線に乗る方法も!
名古屋から大阪への移動手段で最もメジャーなのが新幹線です。新幹線は「のぞみ」号を中心にすべての新幹線が利用できるため、かなり本数も多いです。
東海道新幹線で名阪間を移動するメリットとデメリット
メリットとしては、
- ダントツのスピード
- 本数が圧倒的に多い
- 梅田へのアクセスには乗換が必要だが近い
- JR「大阪市内」制度が使える
ことが挙げられます。
50分以下で名古屋と新大阪を結ぶのぞみが最大1時間に12本走っており、各駅停車のこだまに乗っても途中の停車駅は3駅、こだまでも1時間程度です。本数の多さとスピードの面では新幹線に勝つものはありません。
また、大阪・梅田方面へ用事があるのであれば新幹線が便利です。新幹線は新大阪に到着するため、残念ながら都心ではありません。が、新大阪から梅田までは1駅、途中には駅が一切なく普通列車に乗っても先着するため利便性は高いです。
ただし、デメリットとして、
- やや高い
- 難波などの繁華街からは遠い
ことが挙げられます。新幹線であるため、特急料金が高くなってしまいます。こればっかりはどうしようもない。また、名古屋と比べて大阪は都市圏が大きい分、都市内での移動にもそこそこ時間を要することになります。新大阪駅は、大阪の”都市エリア”からは少し外れたところにあるため、大阪市内の繁華街へは少し遠いと言わざるを得ません。
名古屋〜大阪を新幹線で移動するための格安きっぷ① ネット予約の活用
高いことがデメリットとして挙げられる新幹線ですが、方法によってはやや安くすることもできます。なお、今までは主流であった「金券ショップ」で回数券のバラ売りを購入する方法は、2022年3月をもって東海道新幹線の回数券廃止が発表されたため近々使えなくなります。なお、年会費有料のEX予約を使えば普通車指定席が直前でもお得に予約できますが、今回は年会費等が不要で購入できる方法をご紹介します。全てこだま号(一部例外で、早朝のみひかり号乗車可能なものもあり)限定のものです。
方法 | 予約期限や条件 | 値段(片道あたり) |
---|---|---|
EXこだまグリーン早特 | 3日前まで・グリーン車 | 7,680円 |
EXこだまファミリー早特 | 3日前まで・2名以上 | 4,280円 |
ぷらっとこだま(普通車指定席) | 1日前まで・JR東海ツアーズで予約 | 4,500円 |
ぷらっとこだま(グリーン車) | 1日前まで・JR東海ツアーズで予約 | 6,400円 |
スマートEX(年会費無料の、東海道・山陽新幹線チケットレスサービス)やJR東海の子会社・JR東海ツアーズのホームページから購入するとお得です。なお、「ぷらっとこだま」は列車が限定されており、朝の時間帯や夕方の時間帯など、混雑する時間帯の列車はそもそも予約画面に出てこなかったりします。
また、普通運賃や学生であれば学割運賃を使い、自由席に乗るのも意外と快適でオススメです。名古屋〜新大阪間では、最速達の「のぞみ」と、各駅停車の「こだま」を比較しても追加で停車する駅は「岐阜羽島」「米原」だけです。したがって、所要時間も大差ないので「こだま」号限定の格安きっぷや、こだま号・ひかり号の自由席を利用するのも良いでしょう。
名古屋〜大阪を新幹線で移動するための格安きっぷ② 旅行会社の活用
JR東海の子会社である「JR東海ツアーズ」はじめ、旅行会社各社が交通機関と宿泊、あるいは交通機関とアクティビティのパッケージツアーを販売しています。
添乗員は同行せず、行きと帰りの新幹線を自由に選ぶことができる「ダイナミックパッケージ」(旅行会社により多少呼称は異なる)は、自分で好きな時間の新幹線が選べるためかなりオススメです。
2023年現在、最もおトクに東海道新幹線を利用できるのが「ずらし旅」です。往復新幹線と現地でのアクティビティがセットになっています(アクティビティは利用しなくてもよく、利用しなくても定価より安い)。日帰りと宿泊両方の商品が販売されており、自由度が高いのがメリットです。
また、「ずらし旅」以外にもJR東海ツアーズでは旅行商品が発売されています。宿泊する場合は、これらのツアーの利用を考えてみるのも良いでしょう。
現在は「ずらし旅」などの旅行商品もチケットレスに対応し、現地からもスマートフォンなどを利用してすぐに変更できるようになりました。「ぷらっとこだま」も2024年3月よりチケットレス化されるとのことで、「チケットレスの恩恵を受けることができない」ことが当たり前となっていた東海道新幹線の割引切符がかなり便利になってきています。
速達性と本数意外ではトップ!近鉄特急
僕が最もオススメするのが近鉄特急。スピードでこそ新幹線には劣るものの、他の点ではかなり新幹線を圧倒しています。
近鉄特急は「安い」「快適」で若い女性も多い
近鉄特急の魅力はなんといっても快適性・安さ。新幹線と比べて圧倒的な快適性があります。2020年にデビューした近鉄の新型名阪特急「ひのとり」はレギュラーシートでも新幹線のグリーン車並みの座席間隔を誇ります。さらにその上をいくプレミアムシートは、新幹線とは比にならない快適性です。
2020年に導入された新型の名阪特急「ひのとり」では、全席にバックシェルがついており、後ろの人に気兼ねなくリクライニングを使用できます。さらに、車内には休憩スペースやロッカーなど、新幹線ではなかなか考えられない設備もあります。
新幹線にスピード面で勝ち目がない分、近鉄特急は快適性を向上させる取り組みを行っており、この方針が功を奏して「若い女性グループ」などにも人気です。先を急ぐビジネスでなければ、グループでおしゃべりをしていれば1時間長いのなんてあっという間みたい。
さらに、新幹線のグリーン車を超える快適性を誇る「プレミアムシート」も、新幹線の普通車より安い値段で乗ることができます。
近鉄の名阪特急(大阪〜名古屋)に少しでも安く乗る方法
近鉄の名阪特急もまた、安くする方法がいくつかあります。新幹線とは違い、近鉄は「乗車券+特急券」を原則別々で購入する必要があることに注意してください(新幹線と同様、駅窓口でお願いすれば同時に両方を発券してもらうこともできます)。乗車券を以下の表で示す通り、金券ショップなどで購入すれば安くなります。ただし、最近では物価高騰もあってか株主優待も値上げ気味です。
方法 | 値段(片道あたり) | 購入方法 |
---|---|---|
名阪ビジネス回数券(14枚綴) | 1,730円 | 駅窓口・券売機 |
近鉄株主乗車券 | 最近は2,000円〜2,500円 | 金券ショップ等 |
特急券は、「チケットレスサービス」を利用するのがオススメです。スマートフォンを使用して、座席表から空席情報を確認し、座席を選ぶこともできます。
頻繁に近鉄特急を利用する場合、会員登録しておくとポイントバックされるのでオススメです。
特急「ひのとり」と「アーバンライナー」が30分おきに走る
近鉄の名古屋〜大阪の間では、特急「ひのとり」と特急「アーバンライナー」が30分間隔で走っています。ただしお客さんが増える7時台や8時台には「ひのとり」が増発され毎時3本となることもあります。
たまに「近鉄特急を使おうと思っているが、「ひのとり」と「アーバンライナー」の違いがよくわからない!」と言われます。
比較項目 | 特急「ひのとり」 | 特急「アーバンライナー」 |
---|---|---|
所要時間(標準) 名古屋〜大阪難波 | 2時間08分 | 2時間22分 |
料金(定価) | 4,340円 | 4,540円 |
座席種別 | ひのとりレギュラー ひのとりプレミアム | レギュラー デラックス |
主要停車駅 ※全列車が停車する駅を記載 | 大阪難波 大阪上本町 鶴橋 津 名古屋 | 大阪難波 大阪上本町 鶴橋 大和八木 名張 津 白子 四日市 桑名 名古屋 |
詳しくは「近鉄の名阪特急徹底紹介!特急「ひのとり」と「アーバンライナー」を比較 新幹線と何が違う?」という記事を作成しています。
こちらの記事では、写真も用いて特急「ひのとり」と「アーバンライナー」の違いを紹介していますので、ご覧ください。
安い、が必ずしも最安とは限らないので注意!高速バス
最も安い手段となるのが高速バス。高速バスは早割なども新幹線・近鉄と比べて充実しています。
片道3時間〜と、それなりに時間はかかりますが安く移動できるのが魅力。早割などをフル活用すれば片道2,000円以下で移動することもできます。
高速バスは、とりわけ名古屋から大阪などの需要がある路線ではさまざまなバス会社が運行しています。ので、新幹線や近鉄のように単純比較が難しいです。「バス比較なび」などの、高速バス価格比較サイトなどを利用して予約するといいでしょう。
青春18きっぷなどを使えば超格安にも!JR在来線で名古屋から大阪へ
最後にご紹介するのが「青春18きっぷで名古屋から大阪へ移動する」という方法です。青春18きっぷは、日本全国のJR全線が乗り降り自由なきっぷで、5回分の回数券がセットになって価格は12,050円。1枚あたりで計算すると2,370円ほどです。
特に日帰りで名古屋-大阪間を往復するのであれば片道あたり1,140円ほどと、かなりお得になります。ただし、普通列車限定のため特急や新幹線には一切乗車できません。やや、旅行慣れした人向けの切符という感じはあります。
ちなみに、名古屋から大阪までであればクロスシート(2人がけのシート)がメインの新快速・特別快速が走っています。そのため、普通列車だけでも案外あっさり移動できてしまいます。
流石に青春18きっぷは不安、という人は、上記記事「名古屋-大阪間を青春18きっぷで安く移動!JR在来線での名阪移動は意外といけてしまう!新幹線・特急を駆使した快適な方法もご紹介」で紹介している「特急しらさぎー米原ー新幹線ー京都ーサンダーバード」ルートがオススメです。格安ながらリクライニングシートだけで名阪間を移動できます。
なお、これ以外にも新幹線や特急に格安で乗るための方法をご紹介しています。こちらも参考にしてくださいね。
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