山陽新幹線・九州新幹線の速達便であるみずほ号、ある程度停車して九州新幹線へと直通するさくら号。この、みずほ号・さくら号で使われるN700系新幹線は、新幹線の普通車指定席なのに2+2の配列で、かなり快適です。みずほ号・さくら号でに乗る場合は絶対に普通車指定席を利用するのがオススメ。
今回はそんなみずほ号・さくら号で使われるN700系新幹線をご紹介します。なお、Vlogも作成していますので、併せてご覧ください。
普通車指定席が2列+2列の配列で快適!新幹線さくら・みずほの座席は指定席がオススメ!
山陽新幹線・九州新幹線の新大阪〜鹿児島中央間で運転されている、みずほ号・さくら号のN700系新幹線(8両編成)は、東海道新幹線から直通してくるN700系(16両編成)とは全然違います。座席が全くもって違うものとなっています。
山陽新幹線に乗るなら「みずほ」「さくら」が圧倒的にオススメ!
それと比べ、九州新幹線から直通する「みずほ」号と「さくら」号は座席幅はかなり広く、普通席でも座席配列が2+2の座席配列になっています。そして座席も、茶色を基調としたゴージャス感がある、まるでグリーン車のような色合いになっています。グリーン車とは違いカーペット敷きでこそないものの、居住感はグリーン車に近い感じ。
一方、山陽新幹線でも「のぞみ」号と「ひかり」号のうち東海道新幹線から直通する列車は、2列+3列の座席になっています。
ただし、みずほ号・さくら号に使われるN700系(8両編成)の自由席は2列+3列の配列となっています。指定席料金は原則、530円(みずほ号は別途速達加算料金)ですから特に長距離の移動であれば僕は必ず普通車指定席を利用します。
ただし、この530円を回避する方法、つまり普通車自由席と同額でこの快適な車両に乗る方法もあります。これは後ほどご紹介します(今すぐ知りたい方はこちら)。
2列+2列で快適な普通車指定席
今回の記事のメインとなる、圧倒的に快適なN700系8両編成の2+2の普通車指定席の座席をご紹介していきましょう。
座席はかなり快適です。東海道新幹線に直通するN700系新幹線(16両編成)と比べるとかなり座席の幅があるのがわかると思います。
真横から見ると、枕の辺りが特に、分厚くなっているのがわかるでしょう。これがかなり快適です。東海道新幹線に直通するN700系(16両編成)と、座席の間の間隔は変わらないはずなので多少座席感覚は狭く感じますが、広さよりこの快適さの方が圧倒的にありがたいもの。
また、肘掛けの幅が広くなっており、通路側/窓側など外側の座席にはドリンクを置くホルダーがあるのも特徴です。北陸新幹線のW7系・E7系では、グリーン車にのみこのドリンクホルダーが設置されています。
車内の雰囲気も落ち着いています。東海道新幹線に直通するN700系はちょっと無機質な感じがしますが、このN700系(8両編成)は、木の温もりを感じられて座席のモケットもそれに合わせられています。僕は圧倒的にこちらの方が落ち着きがあって好きです。
もちろん、新幹線ですからビジネス客も意識して大きな背面テーブルがあります。ただし、この背面テーブルの大きさ自体は他の新幹線(N700系16両編成)と変わらないようです。座席の幅が広いですが、その分テーブルの幅が広くなるわけではなさそう。
パソコン作業は十分することができます。13インチのMacBook Airを置いた様子です。余裕があります。ここに飲み物などを置く余裕がありませんが、飲み物などを置く必要はありません。先ほど紹介したように、肘掛けのところに飲み物を置く余裕があるから。
パソコンを置いて作業することもできますが、新幹線特有の「座席が広すぎる問題」があります。新幹線は座席間隔がかなり広いため、テーブルを開いてもどうしても前に行き過ぎてしまう。特にリクライニングをしていると、背もたれにもたれかかったままパソコン作業をすることが困難です。
唯一の難点「コンセントが通路側座席にしか設置されていないこと」
ここまで、N700系8両編成「みずほ」「さくら」等の、豪華な普通車の車内を紹介してきましたが欠点がないわけではありません。最大の欠点はコンセントが通路側の座席にしか設置されていないことです。
座席こそ豪華であるものの、車両自体はN700系です。そのため、普通車のコンセントは窓側座席のみの設置となっています。最新のN700S系では、コンセントが全席に設置されているため、この点だけは劣ります。
また、足元にあるので、ちょっと遠いかなってことも。N700S系では、ここを改良して肘けけに配置しています。やはりここは、N700Sに軍配といった感じです。
また、現在の新幹線では全ての列車で車内Wi-Fiが利用できます。ただし、インターネットの速度がめちゃくちゃ速いわけではないので注意してください。
新幹線の車内におけるWi-Fiサービス、特に山陽新幹線の車内におけるWi-Fiサービスについてはこちらの記事でまとめていますので、ご覧ください。
普通車指定席は、もはやグリーン車と同等?N700系(8両編成)のグリーン車の車内
山陽新幹線・九州新幹線で走るN700系の普通車指定席の車内をご紹介しましたが、じゃあグリーン車は?ということで、グリーン車の車内もご紹介します(よくあることなんですが、グリーン車に乗ったはいいものの雰囲気的に写真が撮りにくく、例によって写真は少ないです)。
グリーン車の座席の様子です。普通車指定席が茶色を基調とした座席になっているのに対して、グリーン車は紺色の落ち着いた雰囲気の座席になっています。
グリーン車の座席の様子です(リクライニングなどをした様子を撮影できなかったため、この写真はWikipediaより)。
グリーン車は、普通車指定席と同じ2+2列の配列となっています。座席の配列が普通車指定席と同じですが、座席の前後間隔は広くなっています。
こちらは僕自身が撮影した写真です。グリーン車は半室(6号車の新大阪寄り)となっているためやや個室感があり、落ち着きのある空間となっています。
グリーン車は、東海道新幹線のグリーン車の座席をほぼそのまま、モックアップだけ変更して使用しているものと思われます。
座席の配列こそ普通車指定席と同じ2+2の座席配列であるものの、リクライニング機能がよりしっかりしている(座席の座面が沈み込むようなリクライニング機構が備え付けられている)など、グリーン車の座席ならではの機能もあります。
山陽新幹線のグリーン車は、快適性を求めて乗車するのではなく、静粛性や客層などを求めて乗車する人が多いと思います。
普通車自由席も東海道新幹線より落ち着いた雰囲気の内装
僕はみずほ号・さくら号では滅多に普通車自由席を使いません。普通車指定席の方が圧倒的に快適だからです。ただ、やはり新幹線の乗車時間が圧倒的に短い場合は、普通車自由席を使うこともあります。
ただ、普通車自由席も、16両編成ののぞみ号などとは全然イメージが違います。座席自体は、16両編成のN700系新幹線と同じものを使用していると思われます。しかし、座席のモケットが左右で違ってくること、座席の上(通路側にくる部分)の取手の部分が木でできていることなど、結構な違いが見受けられます。荷物棚の部分にも木があしらわれており、デッキとの出入り口の部分にも木が使われているのが分かるでしょう。
のぞみ号と同様に、1〜3号車が普通車自由席となっています。朝の時間帯の九州島内山陽新幹線・小倉〜博多の1駅完結の列車や夜のこだま号が一部、全席自由席で運転されることもあります。その場合は、普通車自由席が2+2列の配列となります。
2列がけのシートが茶色を基調としたシートとなっています。なお、座席のモックアップが違うので全然違う座席に見えるかもしれませんが、座席自体は東海道・山陽新幹線の16両編成用普通車と同じ座席です。
3人がけシートは青色を基調としたモックアップです。青色を基調としていながらも、東海道・山陽新幹線の16両編成N700系よりはかなり落ち着きのある色合いになっているのがお分かりいただけるでしょう。
テーブルも16両編成のN700系新幹線と同様です。
みずほ号・さくら号の自由席も指定席と同様に、コンセントが設置されています。窓側座席のみにコンセントが設置されています。
16両編成のN700系新幹線と同様、自由席は2列+3列の配列になっています。長時間移動するのであればやはり、普通車指定席を利用したくなるところですね。
この写真と見比べていただいても、普通車自由席はほとんど同じ構造をしていることがお分かりいただけるでしょう。
ただし、のぞみ号と比べてみずほ号は本数が少ないです。さくら号を足し合わせても圧倒的にのぞみ号が多いのが現実です。時刻表は予め調べてから乗りましょう。
「eきっぷ」や「エクスプレス予約」を使えば普通車指定席も割引!
山陽新幹線では、みずほ号・のぞみ号では「みずほ・のぞみ速達料金」が適用されます(さくら号は特別料金の適用はありません)。なお、「みずほ料金」が適用されるのは山陽新幹線(新大阪〜博多)区間のみであり、九州新幹線内では「みずほ料金」は適用されません。
つまり、みずほ号の指定席では、自由席の金額に530円が追加されるだけではなくさらに割増料金(速達料金)が上乗せされてしまいます。
しかし、この割増料金を回避するどころか指定席料金530円をも回避して自由席と同額で乗る方法があります。2022年のJR西日本の運賃・料金全面改訂によって、差額が発生するようになりました。それでも、通常の普通車指定席より圧倒的に安価に利用できるのが「eきっぷ」です。このeきっぷはJ-westカード/JQカード会員限定のきっぷです。JR西日本/JR九州が発行するクレジットカードを持っていると使えるきっぷです。
その値段を見てみましょう。ここでは具体例として、山陽新幹線を新大阪〜博多で全線乗り通した場合の料金をあげます。
通常のきっぷ | eきっぷ (J-west・JQカード会員限定) | EX予約 (エクスプレス会員限定) |
---|---|---|
16,220円 | 16,010円 | 15,640円 |
コロナ禍以前はJR西日本のカードである「eきっぷ」がかなり優遇されていたのですが、残念ながら現在はEX予約(主にJR東海が主導している)の方が優遇されるという悲しい状態に。2023年からEX予約において、指定席料金が加算されるようになったので使い勝手の面ではeきっぷに軍配が上がっていますが、この辺りはなんとかしてほしいですね。
J-westカードなどは、ベーシックカードであれば年1回の利用で年会費が無料です。詳しくはこちらの記事でご紹介していますので、こちらもご覧ください。
さらに東海道新幹線も定期的に利用される方には「エクスプレス予約」がオススメです。エクスプレス予約についても、別の記事で解説しています。
車内の設備は8両編成ながら16両編成と同様
続いて車内の設備を順番にご紹介していきましょう。ここで紹介している自動販売機と喫煙ルームは、2023年から2024年にかけて廃止されました。最近では座席以外のサービスは縮小傾向にあることがやや残念です。
車内設備は16両編成と大きくは変わりません。もちろん、内装のモックアップは違いますが、省略されている設備等はありません。
自動販売機は2022年春で廃止 必要なものは駅で購入しよう
新幹線みずほ号には車内販売の営業があります。また、自動販売機の設置もあります。→2022年3月のダイヤ改正で、みずほ号・さくら号の自動販売機は使用中止となりました。
ただし、2021年11月現在、みずほ号においては車内販売が一時中止されています(2021年11月1日より、のぞみ号の定期列車で車内販売が再開されましたので、今後の状況次第でそう遠くないうちにみずほ号でも再開するものと思われます)。
車内には自動販売機が設置されています。価格はやや高く、サイズも小さいものです。あくまで、駅で買えなかった人が、長時間乗車するのに飲み物がないとやべえ、っていう場合を考えてって感じです。
バラエティ豊かとは言えません。新幹線は新大阪の車両基地でも博多の基地でも、そして鹿児島や熊本の車両基地でも自販機の補充をしなくてはならないのでしょう。そういったことを考えれば、どこへ行っても在庫が確保できるものに限られるのは致し方ありませんね。前述の通り、山陽・九州新幹線およびJR九州の在来線特急列車の自動販売機は撤去されました。
飛行機との大きな違い!喫煙ルーム
みずほ号には喫煙ルームがあります。車内で喫煙ができるのは飛行機との大きな違いであり、東海道・山陽・九州新幹線の大きな特徴でもありました。しかし、2024年春に東海道・山陽・九州新幹線の喫煙ルームは全廃、車内でタバコを吸うことができなくなりました。
北陸新幹線や東北新幹線などのJR東日本管轄の新幹線には喫煙ルームがありません。JR東海・西日本・九州はこの辺りは優しいんですね。航空機への対抗という意味合いもあるでしょう。
僕はタバコを吸わないので細かいことは分かりません。ただ、新幹線としては普通の喫煙ルームだと思われます。2021年現在、新型コロナウイルス感染拡大対策として喫煙ルームの同時利用は1名までで、と掲示されていました。
お手洗いはどの車両でもどちらかのデッキにはある!
続いてはお手洗いの設備です。
お手洗いはどの車両に乗っても必ずどちらかにはあります。偶数号車では鹿児島中央寄りに、奇数号車では新大阪寄りにお手洗いがあります。座席のテーブルに書かれているので、これを見ると手っ取り早いです。
洗面台が2つあります。2つあることで、洗面台でまたされることはありません。新幹線の車内でお化粧などをするお客さんがいることにも配慮してのことだと思われます。
洗面台は新幹線・特急列車としてはスタンダードな洗面台です。コンセントが備わっており、水道は自動で流れるタイプ、石鹸の蛇口もあります。広々としているとは言い難いですが、それでもかなり快適だと思います。
男性用トイレもあります。男子である僕からすると、このタイプなら確実に待っても1分、これがあるだけでかなりありがたいです。
車椅子対応トイレは7号車と8号車の間にあります。車椅子を利用される方はこのトイレを利用しましょう。滅多に利用することはないと思いますが、多目的室も7号車にあります。
車椅子対応トイレは、機能自体は東海道・山陽新幹線のN700系新幹線(16両編成)と同じだと思われます。
最後にトピックとして挙げはしませんが、公衆電話があります。ただし、公衆電話はサービスを終了しています。現在では新幹線全線において、トンネルを含めて全ての区間で携帯電話の電波が通じるような措置がとられているため公衆電話の需要がほとんどない状態です。時代の流れですから、仕方ないでしょう。
山陽新幹線の普通車指定席に乗るならみずほ・さくらを狙おう!
以上、山陽新幹線・九州新幹線のみずほ号・さくら号をご紹介してきました。
東海道新幹線ののぞみ号のように本数が多いとは決していえません。しかし、車内は圧倒的に快適、時間に余裕があるなら是非狙って乗ってみるといいでしょう。
新大阪〜鹿児島中央間で走るN700系(8両編成)
このN700系8両編成は、新大阪から鹿児島中央間で走っています。東海道新幹線には一切乗り入れていません。
博多以遠の九州新幹線内は全駅が8両編成までしか対応していません。一方の東海道新幹線を運転するJR東海は、16両編成以外の乗り入れを認めないと言っています。
実際問題、博多以遠から東海道新幹線内各駅への需要は極めて低くなります。そのため、JR九州・西日本としても技術的問題以前に、東海道新幹線に乗り入れようとも思わないというのが本音でしょう。
九州新幹線はつばめ号でも2+2の座席
今回は山陽新幹線・九州新幹線のN700系をご紹介してきました。
九州新幹線にはまた一味違う「800系新幹線」というものが走っています。800系新幹線は自由席でも2+2列の配列となっています。
九州新幹線800系のご紹介をしていますので、こちらの記事も併せてご覧ください。
山陽・九州新幹線は内装も楽しもう
山陽・九州新幹線の特徴は、東海道新幹線と比べてやや遊び心もあるところ。
東海道新幹線のN700系・N700S系はなんとも言い難い無機質感があります。だから僕はあまり好きではありません(ただ最近、JR各社の株を所有するようになってからは、JR東海の意図もなんとなくわかりはじめました)。それもあってか、名古屋から大阪の移動では近鉄特急を使ってしまいがちです。
山陽新幹線・九州新幹線のN700系は木目調でなんだか落ち着く。九州新幹線にはさらに遊び心のある新幹線も走っています。車内も楽しんでみてはいかがでしょう?
2022年9月23日にデビューした、西九州新幹線「かもめ」の車内も紹介しています。
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