近鉄の新型特急「ひのとり」がデビューしました。「くつろぎのアップグレード」をコンセプトとしているらしいのですが、本当に素晴らしい。正直、よっぽど急ぐ場合以外名阪間で新幹線という選択肢はなくなりました。
今回はさっそくこの特急に乗って名古屋から大阪難波まで行ってきましたのでレビューしていきたいと思います。
後日、プレミアムシートも乗りましたのでそちらも記事にしました。
また、近鉄特急を何度も利用している経験から、特急「ひのとり」を利用した際の様子をまとめたVlogも作成しました。合わせてご覧ください。
ひのとりのレギュラーシート
実際にレギュラーシートに乗車してみました。実際に乗車してみると「特急電車の座席も、これほどまできたのか」という感じ。とても快適です。
「くつろぎのアップグレード」の目玉・バックシェルで気兼ねなくリクライニング
まず、今回のレギュラーシートの目玉、バックシェルです。本当に後ろの人に気兼ねなくリクライニングができます。
写真のように、リクライニングをしていない状態だとちょっと隙間があります。この写真の分だけリクライニングをすることができます。
実際にリクライニングをするとこんな感じ。あれ、ちょっとリクライニングの倒れる深さが浅いんじゃね?って思った方。そんなことありません。リクライニングそのものがすごく、この写真からも少しわかると思いますが、リクライニングをすると座面が前に出てきます。座面そのものが動き、体が包み込まれているような感覚になります。
ただ、個人的には東海道・山陽新幹線のN700S系の普通車・グリーン車の座席の方が好きです。N700S系では人間工学に基づき、リクライニングする際にかかとが回転の中心になるように回ります。つまり、床に足をつけておくことが前提です。一方の「ひのとり」では、足をあげることが前提。つまり、足はフットレストにつけることが前提です。レジャーでの利用であれば「ひのとり」のようにくつろぐことができる方が良いのでしょうが、ビジネスで使うことも多い僕にとっては、しっかり床に足をつけてパソコン作業がしたいので微妙です。
この座面が前に出る構造、実際に座ってみるとかなり効果があります。包み込むような形になります。疲れてる状況でひのとりに乗ると確実に寝ますね。ちなみに僕も帰りは寝ました。
そして、座席間隔がとても広いです。余裕で足を伸ばせるくらい。個人的には座席間隔が広すぎるのも嫌いなんですが、これくらいの座席間隔ならちょうどいい!快適な座席間隔です。ちなみに、プレミアムシートの方は座席間隔が広すぎる感じがしました笑
そしてこの落ち着いた雰囲気。例えば側面の壁の、窓の下の部分だけ見ても何かしらあります。プレミアムシートも思っていた以上に落ち着いた雰囲気ですが、レギュラーシートもこれはこれでいい。
テーブルも充実 ビジネスにも観光にも!
そして特急列車ならではの「テーブル」もあります。特急ひのとりには、前の座席の背面(ひのとりの場合はバックシェルが付いているので、バックシェルの背面)に装備されているテーブルと肘かけに装備されているテーブルがあります。
広々としたテーブルが用意されているので、パソコン作業も進みます。といいたいですが、はっきり言って座席間隔が広すぎるからパソコンやるには机が前に行き過ぎる!座席幅が広くなったことの副作用ですね。
肘かけにもテーブルがあるため、使い分けることができます。ペットボトルやコップ程度なら置きやすいのと、おつまみくらいを置くのにはちょうどいい感じです。現在は新型コロナウイルスの影響で座席を向かい合わせにして利用することはできませんが、座席を向かい合わせにして4人で利用する場合もテーブルが使えるのは大きなメリットです。
ちなみに飲み物や簡単なおつまみくらいなら、あえてテーブルを出さなくても窓側に置くこともできます。飲み物だけならドリンクホルダーもある。選択肢が多すぎます。
ちなみに最前列を予約した場合は大きなテーブルが付いています。ただし、他の座席のテーブルとは異なり、手前にスライドはしないためあえて最前列を予約する意味も感じないというのが正直なところです。
荷棚も、肘掛も、あらゆるところに最大限の配慮が
さらに、座席周りの設備を見ていきましょう。かなり細かな配慮もあります。まずはこちらの肘かけ。
肘かけは各座席ごとで独立した形になっています。布地で触り心地はいいですが、正直なところ、幅があまりないため肘を置くのにはちょっと不便に感じたり。
名阪特急は都市間輸送ということでビジネス需要も見込んでいます。ビジネスでのお客さんは1人で利用されることも多いためか、座席の間の肘掛けは1つづつ、分けて利用できるようになっています。
座席上の網棚はこんな感じ。はっきり言って十分なスペースがあるとは言えません。ただ、後ほど紹介する無料のコインロッカーが車内にあったり、大きな荷物を置くための手荷物置き場もあるのでこれらを利用すればそこまで困りません。
座席指定が行われている座席か否かがわかります。駅に停車中は基本的に消灯しており、走行中には光ります。発売されている座席は緑色になりますが、ここは正直、車掌さんの検札を簡単にするための設備なのでしょう。
それから周りの手軽な荷物を保管しておく場所もあります。僕は大阪くらいなら日帰りで行くのでかなり手軽な荷物であることが多いです。が、そのような場合にはとても便利なフックがたくさんあります。
前の座席の背面に加えて、窓側にもフックがあります。てか、荷物を引っ掛けられるフックは多すぎるでしょ。
車内の配色も好きです。新型ACEも好きですが、ひのとりもこれはこれで落ち着いています。天井が高く感じるので、これが好きな人は好きかもしれませんが僕はちょっと高すぎると感じます。
座面が前に出るのはすごい!あり得ないくらい快適になる!そして広々したスペース!
ひのとりの車内設備
まず、車内設備についてレギュラーシートにもプレミアムシートにも言えることですが、WiFiとコンセントがついています。これはかなりありがたい。WiFiは速度はあまり出ていないですが、実際に使っていて不便は感じませんでした。ネットサーフィンなら全く問題なし、動画視聴はトンネル内などだとちょっと…って感じでしょうか。
近鉄の大阪線は元々、電波の状態があまりよくなくて、携帯が使えないことがたまにあります(そんなに頻繁にあるわけではありません)。
ホットコーヒーなどが飲めるカフェスペース
そして今回、アーバンライナーより進化したのがここではないでしょうか。ホットコーヒーや温かい飲み物の自動販売機。
残念ながら、ひのとりの自販機ではクレジットカードやICカードが使えません。コインロッカーがICカードに対応しているから対応させてくれればいいのに…
どうしてもキャッシュレスでの「支払い」は、支払い時のインターネット接続等が必要になってくるから仕方ないのでしょうね。コインロッカーは支払いが必要ありませんから。
カフェスポットで購入したひきたてのコーヒーやココアは休憩スペースで飲んでもいいし座席で飲んでもいい。僕はいつも、座席に持ち帰って座席で飲みます。
巨大なモニター
インバウンド客向けに、2つある液晶ディスプレイのうち右側には、英語・中国語・韓国語での案内が表示されます。
アーバンライナーと同様に、液晶ディスプレイ2枚で案内がされます。東海道新幹線がN700Sで初めてフルカラーの液晶モニターを採用し、それ以外の新幹線はまだ採用していないのを考えると、近鉄はかなり早くから採用していますね。
ひのとりのマークが大きく出てくる、かっこいいですね。下にはニュースが流れていますが、新型コロナウイルスの影響でANAが大赤字という、ANAマイラーにとっては残念過ぎるニュース(´;ω;`)
こんなものまで!休憩スペースやコインロッカーなども
つづいて車内設備です。どこに何があるかは、テーブルのシールを見てください。
トイレは2つの号車に1つあります。アーバンライナーと同じくらいでしょうか。ただ、トイレはさすが、かなり綺麗になっています。そして何より驚いたのが、手を洗うのがシームレス。自動で洗剤が出てきて、その横で自動で水が出てきて、そしてさらにその横で自動で温風が出てきます。
多目的トイレは各列車で1箇所しかありません。車椅子座席のそばにあります。もちろん、多目的トイレ自体は誰でも使うことができます。
そしてコインロッカーですが、こんな感じ。ICカード対応なのでカギをなくす心配はかなり減らせますね。
最後に、共用スペース。こんな感じのベンチです。あまり多くのお客さんがいるわけではないので、少し気分転換には最適です。
この共用スペース、デッキですが比較的静かなのでゆっくりできます。息抜きで使ってもいいですし、電話しなくてはならない場合もこんな座るところがあるので安心ですね。
コインロッカーの前にあるのも配置がいいですよね。トイレの前だと自然と人通りが多くなるし気持ち的にもあまりいい気はしません。が、コインロッカーなら普通は停車駅前後でしか使わないし、そもそもそこまでの荷物を入れるのは大阪周辺と名古屋駅くらいなもの。途中の走行中に前で人がガサガサ…と言うことは少ないと思います。
もう、いつものひとことが、ひとことで書ききれないくらい充実した設備!2時間なんてあっという間!
レギュラーシートでこの快適さ。これがプレミアムシートになればどうなるか…
ということで、プレミアムシートにも実際に乗ってレビューしています。合わせてご覧ください。
ひのとりの運行ダイヤと料金
最後に特急料金などの料金、そして実際に利用する上で知りたい、予約方法について詳しく解説していきます。
特急「ひのとり」の予約方法 満席になる列車もあるので注意!
近鉄特急を利用する場合、インターネット予約サービスを利用すると便利です。近鉄のネット予約サービスは、「ひのとり」や伊勢志摩方面の「しまかぜ」など、追加料金が必要な特急列車にも対応しています。
特急「ひのとり」のうち、特に休日の8:00台に始発駅を発車する列車(特に名古屋を8:00と8:20)は、満席の状態が続いています。駅に行ってから予約では遅いので、ネット予約サービスを使うのが良いでしょう。
特急「ひのとり」に乗車する場合の運賃・特急料金
特急「ひのとり」の料金についての解説です。以下に掲載する運賃・料金表の全てを足したものが「ひのとり」に乗車するために必要な料金になります。なお、最上部の「運賃」については、近鉄の3日間フリーパス「週末フリーパス」や株主優待券、名阪回数券などで代用することも可能です。
プレミアムシート運賃
まず初めにプレミアムシートの場合です。最も利用が多いと考えられる、名古屋〜大阪(鶴橋・大阪上本町・大阪難波)間で乗車した場合、
運賃2,860円+特急料金2,830円=5,690円
となります。特急料金の内訳が、通常の特急料金(アーバンライナーなどのレギュラー料金と同じ)1,930円+「ひのとり」プレミアム車両券900円です。
・上段( )内はおとなの普通運賃、中段は特急料金、下段は「ひのとり」特別車両料金。
*印の駅は、一部の列車のみ停車。
・上段( )内はおとなの普通運賃、中段は特急料金、下段はひのとりプレミアム車両料金(すべての合計料金が必要)
・こどもの運賃・料金はおとなの半額(端数は10円単位に切り上)
プレミアムシートの座席でこの値段は正直めちゃくちゃ安い。プレミアムシートの記事はこちら!
レギュラーシート運賃
続いてはレギュラーシートの料金です。「ひのとりレギュラーシート」を利用する場合、
運賃2,860円+特急料金2,130円=4,990円
となります。特急料金の内訳が、通常の特急料金(アーバンライナーなどのレギュラー料金と同じ)1,930円+「ひのとり」レギュラー車両券200円です。
・上段( )内はおとなの普通運賃、中段は特急料金、下段は「ひのとり」特別車両料金。
*印の駅は、一部の列車のみ停車。
いずれも株主優待や「近鉄週末フリーパス」などを利用すると、運賃部分に代えることができるため安くなります。
特急「ひのとり」はどこで乗ることができるのか
特急「ひのとり」の運行路線は、名古屋から大阪間が基本です。新幹線に対抗する名阪特急の最新型車両としてデビューしました。一部を除き、名古屋〜大阪の速達列車として運転されています。停車駅は、
名古屋・津・鶴橋・大阪上本町・大阪難波
が基本で、半数程度の列車が大和八木駅にも停車します。また、最終の名古屋行き列車は緩行特急の役割を兼ねているため、白子・四日市・桑名にも停車します。
また、近鉄公式の路線図には掲載されていませんが、朝夕の通勤特急として大阪難波〜近鉄奈良間でも一部、走っています。さらに年末年始などにおいては終夜運転でも「ひのとり」が使用されています。
主に、名阪間の特急として運用するためにデビューしたよ
ひのとりの運行ダイヤ
特急「ひのとり」で運転される列車については、追加料金が必須であることもあって「Yahoo!路線」などに掲載されています。時刻表を見れば必ずわかるようになっています。
2021年春のダイヤ改正で、名古屋・大阪難波それぞれ00分発の速達型名阪特急は全て特急「ひのとり」に置き換えられました。
デビュー時点ではひのとりの運行ダイヤは次のようになっていました。
今後は、名阪間の速達型列車=名古屋・大阪難波ともに00分発をすべてひのとりに置き換えていくようです→2021年春のダイヤ改正で、実際に速達型の全てが「ひのとり」に統一されました。
今回の特急「ひのとり」についてはVlogを作成しました。プレミアムシートのVlogも現在、作成中です。合わせてご覧ください。
コメント
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初めて乗りました
⤴️⤴️楽しめました
また乗りたいですね‼️
近鉄特急は遅いですが、それをカバーするだけの設備がありますよね!たまにはのんびりの旅もいいですよね!